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第3章 獣人少女ロロノ
2日目 数すなわち力
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(特訓2日目です!と言っても特訓の場面自体は半分くらいなんですけど汗。すいませんコピーミスで投稿直後より少し増えてます)
迷宮での特訓2日目。4つの魔除け石に囲まれた簡易テントを背に隆人は目を閉じ、胡座をかいて座っていた。
無論テントの中にはティナとロロノが寝入っており、隆人はその番をしているのだ。
大迷宮ディアラの公式未到達階層(隆人という例外がいる為にティナ達はとりあえずこのように呼ぶことにした)、言うまでもなくティナもロロノも始めて来るこの場所で2人はいきなり深層の化け物達と死闘をさせられた。
複数の群で現れた魔物に関しては隆人が瞬殺していった為に2人が戦ったのはいずれも単体の魔物だけである。
だがそれでも単体とは言え迷宮深層の魔物達は甘くない。
エルダーゴブリンをはじめとするCランクの魔物達を相手に2人は何度も死にかける状況を味わいながらも戦い抜き、初日の最後にはBランクの魔物であるグレーター・マンティスを正面から下した。
そんな、人生でも経験したことがないであろうほど濃密な時間を過ごした2人はよほど疲れたのか、食事を摂るや否や既に隆人によって設置してあった揃って爆睡した。
元々その日の特訓が終わったら休ませるつもりだった隆人はそのまま夜通しで番をしているのだ。
と言っても寝ずの番ではない。目を閉じているというのは集中しているとか言うわけではなく、実際にただ寝ているだけである。
と、隆人達のテントがある場所、そこにつながる通路の一本から魔物が顔を出す。4本の鎌がついた腕を持つカマキリのような魔物、グレーター・マンティスである。魔除け石の効果は絶対ではなく、特に強い魔物には効きづらい。
グレーター・マンティスが簡易テントとその前で寝ている隆人の姿を捉える。そしていい獲物だと思ったのだろう。更に一歩4本の足を進めて行く。
チンッ
だが、ある程度近づいたところでその歩は止まることとなる。鈴が鳴ったかのような涼やかな音が鳴った瞬間、グレーター・マンティスの首は宙に浮いていた。
そしてその傍らでは先程までテントの前で寝ていたはずの隆人が剣を振り抜いていた。
隆人が一人で迷宮で生活していた頃。少し深く潜ると安全地帯の小部屋以外で野宿をする必要がある。しかしいくら間引きをしても魔物は湧くものである。
そんな中で寝るのだから嫌でも感覚は鋭くなる。いや、ならないと死ぬ。
隆人は熟睡している時でさえ意識することすらなく気配探知の網を張っており、悪意を向けられればどんなに深く寝ていても目を覚ます。隆人にとっては当たり前のことであり、だからこそこんな迷宮の中でもまるで無警戒に寝れるのだ。
この一晩で同じような光景は何度も見られた。その度に隆人は音すら立てずに魔物を屠り、匂いなどが充満しないよう簡単に処理してはまた寝るを繰り返していた。
「うん、そろそろだね」
Bランクの魔物グレーター・マンティスをまるで歯牙にもかけず倒した隆人はそんなことをつぶやきながら、テントの方へと戻る。
そして再びテントの前で眠る、ことはせずそのままテントまで来た。そしてニヤリと笑う。
「さぁ!2人とも起きて!朝だよ!!」
そしてガバッとテントを開くと思いっきり大声で声を出す。声が辺りに響く。
そんな大声を受け、熟睡していた2人も目を覚ます。
「うぅ……もう少し……」
「あと5分なのです……」
だが昨日の疲れもあるのか2人とも寝ぼけており、半目でうわごとのように小さく声を漏らす。
そんな2人を見て隆人はストレージから一本の剣を出す。だが剣といっても刀身はなく、海のように深い青の柄だけがある。
「『流水の剣』」
隆人が名を呼びMPを流すと柄の部分から刀身の代わりに水が吹き出す。流水の剣は隆人が迷宮のもっと深い階層で見つけた魔剣であり、魔力を流すことで水の刀身が生まれるという面白い能力を持つ剣である。
だがこの剣は水の刀身を作るだけではない。隆人は流水の剣を繰り、水をまるで鞭のように浮かべる。
そのままバシャン!と2人の顔を薙いだ。ちゃんと怪我をしないように水を固めずに薙いだので痛みはないが、寝ぼけている中に突然の大量の水である。2人は盛大に直撃し目を覚ました。
「ばぶっ!?……なにするんですか!リュート様」
「びちょびちょなのです……」
隆人の行動に2人とも非難の眼差しを向ける。だが隆人は気にした様子はない。
「あはは、ごめんごめん。2人が寝ぼけて全然起きないからついね。それよりほら、準備しておいで。特訓2日目を始めるよ」
「なんか納得できません……」
「準備なのです~」
憮然とした表情のティナに対し、ロロノはすぐに切り替えたようにテントに入っていく。ティナも隆人を睨んだ後、「まぁいいです」と笑顔を見せて後に続いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「さて、これから特訓2日目をするんだけど」
「ごくり、なのです」
朝?の1騒動の後3人で食事をとり、そして隆人は2人の前に立つようにして告げた。
2人とも真剣に隆人を見る。
「今日からは複数戦も経験してもらうよ」
「複数戦、ですか?」
「うん、この階層の魔物とは昨日一日で散々戦ったと思うけど、群れはまた違う怖さがある。まぁそれは実際に戦えばわかると思うよ。後昨日同様普通に単体とも戦うからね」
「はいなのです!」
「わかりました!」
テンションの高いロロノに続きティナも元気よく声をあげた。
それを見て頷いた隆人はふと視線を横に向ける。
そこには一匹の魔物が現れていた。
「さぁ、早速魔物が来たみたいだね。じゃあ特訓2日目、開始だよ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そして初日と同様に単体の魔物との戦闘を繰り返すこと数度、ついに目的の魔物達に遭遇する。
「エルダーゴブリンが3体、ですね」
「うん、初めての対複数にしては中々いいんじゃないかな」
隆人達の目の前にはエルダーゴブリンが3体、それぞれ得物を構えた状態で立っている。ゴブリン種というのはほかの魔物と比べて群れを作りやすく、それは最上種であるエルダーゴブリンも変わらない。
ここ2日でエルダーゴブリンと戦い慣れているティナが物怖じなく剣を構える。
「Cランクのは初めてですけど、私はソロの冒険者だったので群れとの経験だってあります」
「そうだろうね。でも彼らは一味違うよ気をつけてね」
「はい」
油断なく剣を構えるティナ、その横にはロロノがいる。一瞬互いに視線を交差させる。先に動いたのはティナである。見るとロロノもすぐ後ろを追い突撃している。
「相手が複数の時は動きを見極めるか先手を取って数を減らすのが基本です!」
「倒すのです!」
2人は一体のエルダーゴブリンに先制攻撃をしかける。ティナはもとより、成長速度の著しいロロノもエルダーゴブリンと多少戦えるようになっている。
2人で先制して一体倒しまず数の差を無くすのが狙いだろう。
対するエルダーゴブリンの一体もティナに対して鈍器で殴りつける。たが、ティナは落ち着いてその攻撃を横からずらし、懐に剣を振る。
そのまま当たるかに思われた剣。しかしその一撃はエルダーゴブリンの身体に届くことはなかった。
横からもう一本の鈍器が振るわれ、ティナの攻撃は中断させられた。
「しまったっ」
苦い顔をしでその攻撃を避けるティナ、そこに更にもう一体の追撃が迫る。回避で体勢が整っていないティナはそれを防げない。
そこに追いついたロロノの槍が割り込む。
ガキィと鈍い音がする。そのままロロノはエルダーゴブリンと鍔迫り合い、にはせず攻撃を受けた勢いをうまく利用して後退する。
「横なのです!?」
ロロノの視線が目の前のエルダーゴブリンに向いた時、最初にティナ達が狙ったエルダーゴブリンは既に回り込みロロノを横から狙う。
2人の気が完全に逸れた所を狙う奇襲。完全に虚をつかれた2人はそれを止められない。
ロロノの小さな身体にエルダーゴブリンの鈍器が容赦なく振るわれる。
「まぁ、最初はこんなところだろうね」
隆人が呟き、動く。
ロロノを襲おうとしていたエルダーゴブリンの前に、ロロノを庇うように立ち、ストレージから出した代用品の剣を振るう。
エルダーゴブリンの身体に銀線が描かれて、倒れる。
更にドドサッと二つの倒れる音が重なる。見ると先程戦っていたもう2体のエルダーゴブリンも絶命している。眉間には隆人の熊爪の短剣が突き刺さっていた。
あまりの早業に一瞬何が起きたのかわからなくなる2人、だがそれが隆人によるものとわかるとすぐに駆け寄る。
「リュートさま、ありがとうなのです」
「ごめんなさい。完全に隙を突かれました」
2人が心底申し訳なさそうに頭を下げる。
隆人が介入するのはどちらかの命が本当の意味で危険になった時、今はあのままではロロノは確実に攻撃をモロに受け死んでいた可能性が高い。
だが、隆人は笑顔を向ける。
「うん、反省しているみたいだし問題ないね!最初はこんなものだと思っていたよ」
そのまま隆人は言葉を続ける。
「連携って言うのは個が強い程その力が爆発的に大きくなるんだよ。それこそ比較にならないくらいにね」
「油断していないつもりだったんですけど……ここまで違うとは思っていませんでした」
こちらは先制で仕掛けたにも関わらずまともに攻撃を与えられず、逆にすぐに致命の隙を作らされた。ティナは悔しそうに言う。
「だからこそ、複数の敵と相対す時は絶対に目を離してはいけない。一体に注視すれば他が疎かになるんだ。そして確実に数を減らしていく。わかったかな?」
「はい」
「はいなのです」
「よし!じゃあ次に行こうか!どんどん壁にぶつかって行こう、そうすればどんどん強くなれるはずだよ!」
そう隆人が発破をかけるように言い、特訓2日目は再開された。
迷宮での特訓2日目。4つの魔除け石に囲まれた簡易テントを背に隆人は目を閉じ、胡座をかいて座っていた。
無論テントの中にはティナとロロノが寝入っており、隆人はその番をしているのだ。
大迷宮ディアラの公式未到達階層(隆人という例外がいる為にティナ達はとりあえずこのように呼ぶことにした)、言うまでもなくティナもロロノも始めて来るこの場所で2人はいきなり深層の化け物達と死闘をさせられた。
複数の群で現れた魔物に関しては隆人が瞬殺していった為に2人が戦ったのはいずれも単体の魔物だけである。
だがそれでも単体とは言え迷宮深層の魔物達は甘くない。
エルダーゴブリンをはじめとするCランクの魔物達を相手に2人は何度も死にかける状況を味わいながらも戦い抜き、初日の最後にはBランクの魔物であるグレーター・マンティスを正面から下した。
そんな、人生でも経験したことがないであろうほど濃密な時間を過ごした2人はよほど疲れたのか、食事を摂るや否や既に隆人によって設置してあった揃って爆睡した。
元々その日の特訓が終わったら休ませるつもりだった隆人はそのまま夜通しで番をしているのだ。
と言っても寝ずの番ではない。目を閉じているというのは集中しているとか言うわけではなく、実際にただ寝ているだけである。
と、隆人達のテントがある場所、そこにつながる通路の一本から魔物が顔を出す。4本の鎌がついた腕を持つカマキリのような魔物、グレーター・マンティスである。魔除け石の効果は絶対ではなく、特に強い魔物には効きづらい。
グレーター・マンティスが簡易テントとその前で寝ている隆人の姿を捉える。そしていい獲物だと思ったのだろう。更に一歩4本の足を進めて行く。
チンッ
だが、ある程度近づいたところでその歩は止まることとなる。鈴が鳴ったかのような涼やかな音が鳴った瞬間、グレーター・マンティスの首は宙に浮いていた。
そしてその傍らでは先程までテントの前で寝ていたはずの隆人が剣を振り抜いていた。
隆人が一人で迷宮で生活していた頃。少し深く潜ると安全地帯の小部屋以外で野宿をする必要がある。しかしいくら間引きをしても魔物は湧くものである。
そんな中で寝るのだから嫌でも感覚は鋭くなる。いや、ならないと死ぬ。
隆人は熟睡している時でさえ意識することすらなく気配探知の網を張っており、悪意を向けられればどんなに深く寝ていても目を覚ます。隆人にとっては当たり前のことであり、だからこそこんな迷宮の中でもまるで無警戒に寝れるのだ。
この一晩で同じような光景は何度も見られた。その度に隆人は音すら立てずに魔物を屠り、匂いなどが充満しないよう簡単に処理してはまた寝るを繰り返していた。
「うん、そろそろだね」
Bランクの魔物グレーター・マンティスをまるで歯牙にもかけず倒した隆人はそんなことをつぶやきながら、テントの方へと戻る。
そして再びテントの前で眠る、ことはせずそのままテントまで来た。そしてニヤリと笑う。
「さぁ!2人とも起きて!朝だよ!!」
そしてガバッとテントを開くと思いっきり大声で声を出す。声が辺りに響く。
そんな大声を受け、熟睡していた2人も目を覚ます。
「うぅ……もう少し……」
「あと5分なのです……」
だが昨日の疲れもあるのか2人とも寝ぼけており、半目でうわごとのように小さく声を漏らす。
そんな2人を見て隆人はストレージから一本の剣を出す。だが剣といっても刀身はなく、海のように深い青の柄だけがある。
「『流水の剣』」
隆人が名を呼びMPを流すと柄の部分から刀身の代わりに水が吹き出す。流水の剣は隆人が迷宮のもっと深い階層で見つけた魔剣であり、魔力を流すことで水の刀身が生まれるという面白い能力を持つ剣である。
だがこの剣は水の刀身を作るだけではない。隆人は流水の剣を繰り、水をまるで鞭のように浮かべる。
そのままバシャン!と2人の顔を薙いだ。ちゃんと怪我をしないように水を固めずに薙いだので痛みはないが、寝ぼけている中に突然の大量の水である。2人は盛大に直撃し目を覚ました。
「ばぶっ!?……なにするんですか!リュート様」
「びちょびちょなのです……」
隆人の行動に2人とも非難の眼差しを向ける。だが隆人は気にした様子はない。
「あはは、ごめんごめん。2人が寝ぼけて全然起きないからついね。それよりほら、準備しておいで。特訓2日目を始めるよ」
「なんか納得できません……」
「準備なのです~」
憮然とした表情のティナに対し、ロロノはすぐに切り替えたようにテントに入っていく。ティナも隆人を睨んだ後、「まぁいいです」と笑顔を見せて後に続いた。
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「さて、これから特訓2日目をするんだけど」
「ごくり、なのです」
朝?の1騒動の後3人で食事をとり、そして隆人は2人の前に立つようにして告げた。
2人とも真剣に隆人を見る。
「今日からは複数戦も経験してもらうよ」
「複数戦、ですか?」
「うん、この階層の魔物とは昨日一日で散々戦ったと思うけど、群れはまた違う怖さがある。まぁそれは実際に戦えばわかると思うよ。後昨日同様普通に単体とも戦うからね」
「はいなのです!」
「わかりました!」
テンションの高いロロノに続きティナも元気よく声をあげた。
それを見て頷いた隆人はふと視線を横に向ける。
そこには一匹の魔物が現れていた。
「さぁ、早速魔物が来たみたいだね。じゃあ特訓2日目、開始だよ!」
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そして初日と同様に単体の魔物との戦闘を繰り返すこと数度、ついに目的の魔物達に遭遇する。
「エルダーゴブリンが3体、ですね」
「うん、初めての対複数にしては中々いいんじゃないかな」
隆人達の目の前にはエルダーゴブリンが3体、それぞれ得物を構えた状態で立っている。ゴブリン種というのはほかの魔物と比べて群れを作りやすく、それは最上種であるエルダーゴブリンも変わらない。
ここ2日でエルダーゴブリンと戦い慣れているティナが物怖じなく剣を構える。
「Cランクのは初めてですけど、私はソロの冒険者だったので群れとの経験だってあります」
「そうだろうね。でも彼らは一味違うよ気をつけてね」
「はい」
油断なく剣を構えるティナ、その横にはロロノがいる。一瞬互いに視線を交差させる。先に動いたのはティナである。見るとロロノもすぐ後ろを追い突撃している。
「相手が複数の時は動きを見極めるか先手を取って数を減らすのが基本です!」
「倒すのです!」
2人は一体のエルダーゴブリンに先制攻撃をしかける。ティナはもとより、成長速度の著しいロロノもエルダーゴブリンと多少戦えるようになっている。
2人で先制して一体倒しまず数の差を無くすのが狙いだろう。
対するエルダーゴブリンの一体もティナに対して鈍器で殴りつける。たが、ティナは落ち着いてその攻撃を横からずらし、懐に剣を振る。
そのまま当たるかに思われた剣。しかしその一撃はエルダーゴブリンの身体に届くことはなかった。
横からもう一本の鈍器が振るわれ、ティナの攻撃は中断させられた。
「しまったっ」
苦い顔をしでその攻撃を避けるティナ、そこに更にもう一体の追撃が迫る。回避で体勢が整っていないティナはそれを防げない。
そこに追いついたロロノの槍が割り込む。
ガキィと鈍い音がする。そのままロロノはエルダーゴブリンと鍔迫り合い、にはせず攻撃を受けた勢いをうまく利用して後退する。
「横なのです!?」
ロロノの視線が目の前のエルダーゴブリンに向いた時、最初にティナ達が狙ったエルダーゴブリンは既に回り込みロロノを横から狙う。
2人の気が完全に逸れた所を狙う奇襲。完全に虚をつかれた2人はそれを止められない。
ロロノの小さな身体にエルダーゴブリンの鈍器が容赦なく振るわれる。
「まぁ、最初はこんなところだろうね」
隆人が呟き、動く。
ロロノを襲おうとしていたエルダーゴブリンの前に、ロロノを庇うように立ち、ストレージから出した代用品の剣を振るう。
エルダーゴブリンの身体に銀線が描かれて、倒れる。
更にドドサッと二つの倒れる音が重なる。見ると先程戦っていたもう2体のエルダーゴブリンも絶命している。眉間には隆人の熊爪の短剣が突き刺さっていた。
あまりの早業に一瞬何が起きたのかわからなくなる2人、だがそれが隆人によるものとわかるとすぐに駆け寄る。
「リュートさま、ありがとうなのです」
「ごめんなさい。完全に隙を突かれました」
2人が心底申し訳なさそうに頭を下げる。
隆人が介入するのはどちらかの命が本当の意味で危険になった時、今はあのままではロロノは確実に攻撃をモロに受け死んでいた可能性が高い。
だが、隆人は笑顔を向ける。
「うん、反省しているみたいだし問題ないね!最初はこんなものだと思っていたよ」
そのまま隆人は言葉を続ける。
「連携って言うのは個が強い程その力が爆発的に大きくなるんだよ。それこそ比較にならないくらいにね」
「油断していないつもりだったんですけど……ここまで違うとは思っていませんでした」
こちらは先制で仕掛けたにも関わらずまともに攻撃を与えられず、逆にすぐに致命の隙を作らされた。ティナは悔しそうに言う。
「だからこそ、複数の敵と相対す時は絶対に目を離してはいけない。一体に注視すれば他が疎かになるんだ。そして確実に数を減らしていく。わかったかな?」
「はい」
「はいなのです」
「よし!じゃあ次に行こうか!どんどん壁にぶつかって行こう、そうすればどんどん強くなれるはずだよ!」
そう隆人が発破をかけるように言い、特訓2日目は再開された。
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