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第2章 迷宮都市と主の脅威
下層魔物討伐作戦会議
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(近況にも書きましたがお気に入り100超えました!皆さんほんとうにありがとうございます)
冒険者ギルドで依頼を受けた隆人達は、商業区の飯処などでしばらく時間を潰した。
そして指定された14時の15分前になった頃、隆人とティナは冒険者ギルド内にある、会議室1に向かった。
「うわ、結構いるね」
「皆さんがこの依頼の参加者なのでしょうね」
まだ作戦会議の時間まで少しあるというのにその会議室の中にはかなりの数の冒険者がすでに座っていた。その数はざっと数えただけで40人近くおり、Dランクパーティ以上というだけあって、全員がその身をそれなりに装備で包んでいた。
事実、Dランク以上でこの依頼を受けなかったパーティは既に別の依頼を受けているところや、ダンジョンに潜っている最中のもの、帰還したばかりで休息を取っているものがほとんどであり、手が空いていて実働可能なパーティのほぼ全てがこの場に存在していた。
「あの人達……」
隆人は会議室に集まった中に数人かなりの実力を持つものがいるのを感じる。もちろん全員がDランクパーティのメンバーなので実力は確かなのだが、その中でも突出した者達の雰囲気を感じたのだ。
何人かの冒険者達は入ってきた隆人達に注目している。その多くは値踏みするような視線やティナに対する邪な視線などであったが、中にはいくつか違う色の視線も混ざっていた。
「[炎姫]か!」
その中の1人である男が声を上げる。その声は男が隆人達の入った入り口とは逆側の席に座っていた為に必然的に大きくなり、部屋中に響くことになる。
「何?」
「本当だな、[炎姫]が来ている」
「今回は楽になりそうだな」
その結果、2人はよりたくさんの注目を集めてしまう。先程までこちらに視線を向けていなかった冒険者達の視線も今はこちらに向いている。
ただ違う点を挙げるとしたら増えた視線の多くが邪なものではなく、非常に鋭いものであった。
今鋭い視線を向けてきた者達の中には先程隆人が強者だと感じた者も含まれており、その視線はティナだけでなく隆人にも注がれていた。
そして、一瞬にして注目の的となった隆人は、ティナに先程の中で気になったことを訪ねる。
「ティナ、『炎姫』って?」
「あぅ……、私の、異名です……」
そう答えるティナの顔はこれでもかというほど赤面しており、かなりの羞恥がうかがえた。そしてそのまま俯いてしまう。
ティナにしてみれば異名など自分には分不相応なものであると思っていたし、事実ティナの異名は実力によるものも大きいが、その容姿による部分も大きい。
それを自分を助けた人に他人から知らされる、しかも『炎』に『姫』である。ティナが恥ずかしがるのも仕方のない事だろう。
(へぇ、異名持ちかぁ……)
対する隆人は異名持ち、というものに非常に興味を持っていた。隆人が前世で読んでいた創作物では、異名とは実力のあるものの象徴であり、重要人物や実力者達についていることが多かった。
そしてその異名がこの異世界にも実際に存在しているとわかり、隆人のテンションは上がっていた。
2人がそんな変な空気になり、周囲の視線の多くは未だにそんな2人の方に向けられている。
そしてそんな状況を生み出すきっかけとなった当の男は周囲の状況には目もくれず、立ち上がってこちらに向かってくる。更にその後ろには3人の男女が追随していた。
「(ティナ)」
「(……。あ、はい!)」
向かってくる男達に少し早く我に返っていた隆人が気づき、ティナを小声で呼びかけて小突く。
それによって羞恥の渦から逃れたティナも我を取り戻した。俯いていた顔を上げ、赤みも消えている。
向かってくる男達はみな冒険者風の装いをしており、装備から見て先頭の男とその後ろの男は戦士で、残りの女性2人はヒーラーと魔法使いといったところだろうか。ところどころに傷が見受けられるがその装備はどれも質が良いものであり、雰囲気からも熟練といった感じがわかる。
そんな集団がいきなり近づいてきた為、隆人は内心警戒を高める。だがティナの方が知り合いなのか一切警戒する様子がなく、むしろ笑っているために隆人はその警戒を解いた。
そして、男達がティナの前まで来て、立ち止まる。
「ありがとう!」
と、次の瞬間には先頭の男がガバッと音が聞こえる程の勢いで90度頭を下げる。見ると後ろにいた残りの3人も同様に頭を下げている。その異様とも言える光景に隆人は呆気に取られ、戸惑う
「リュート様、この方達はサイクロプスに最初に遭遇した方達なんですよ」
それを見たティナが説明してくれる。この男達はパーティで、下層に潜っていた時にサイクロプスに遭遇したのだと言う、そこでサイクロプスによってパーティが壊滅し、そこにティナが助太刀したのだという。
「あの時あの瞬間に[炎姫]が来てくれなかったら、俺たちパーティは全滅していただろう。だが結果として君が来てくれて俺たちが逃げる時間を稼いでくれたおかげで俺たちは誰一人欠けることなく生還することができた。感謝の言葉もない。何か礼をしたい」
「いえ、あの時はあれが最善でしたから。結局全員無事帰還出来たんですから。お礼なんていりませんよ」
頭を上げた先頭の男が感謝の言葉を言う。その声には強い感情が篭っていて、心よりのものであると隆人にもわかった。
「君は俺たちパーティにとっての恩人だ、何か礼をさせてもらえないと俺たちの気が済まない」
「そうですか。……では、私が今度困っている時に助けてください。それでおあいこです」
「[炎姫]、いやクリスティーナさん、感謝する」
そう言って再び頭を下げる男達。隆人はティナの人柄と器の大きさに感心していた。
そんなちょっとしたイベントの後、隆人とティナは会議室の席に座る。そのまま待つことしばし、時計がちょうど2時を指したとき、会議室の入り口から男がやってきた。
男は中背程の体躯に似合わぬ大剣を軽々と背負っており、悠々と歩いて来る。
「あの男……」
隆人がそれを見て思わず声を漏らす。今やって来た男はこれまでこの部屋にいたどの冒険者よりも強い気配を発しており、大柄ではないにも関わらず存在感を放っていた。
その男は会議室を突っ切り一番前の席、前世でいう主役席に座った男は埋まっている席を一瞥した後口を開く。
「そろっているね、僕はグリンジャー。Bランクパーティである『太陽の剣』のリーダーであり、僕自身は[両断]の異名を持つAランク冒険者です。今回の依頼の指揮は僕が取りますのでよろしくお願いします」
そう言って頭を下げる男、強い気配と裏腹に物腰は穏やかであり、好青年といった感じである。自分の実力を理解した上で驕らず礼儀を大事にする。その姿に隆人はいい印象を抱いた。
そして挨拶をした男はもう一度会議室にいる冒険者達を見渡す。その視線が一度隆人のところで止まったことに気づいたのは隆人だけだった。
「ではまず、各々の紹介からいきましょうか。これから依頼を共にする上で互いのことを知っておくのは必要ですからね。もちろん能力等は秘匿しても構いません。とりあえず私の隣から順にお願いします」
そう言ってその言葉を皮切りに冒険者達の自己紹介が行われる。といっても和気藹々といった感じではなく、名前とjobに所属するパーティなどの情報が主であり、淡々と進んでいった。
そして隆人の順番になる。
「俺の名前は隆人で、jobは戦士。Dランクパーティ『暁の風』のFランク冒険者です」
「Fランク冒険者」という言葉で会議室がざわつく、ここに来ている半数ほどの冒険者はギルドでの出来事を知っている為騒ぐ事はなかったが、そのことを知らない冒険者達には無視できないことであるようだった。
「なんでFランク冒険者なんて雑魚がこの場にいるんだ!」
そう言って冒険者の一人がガタッという音を上げて勢いよく立ち上がる。その男はそしてそのまま隆人に向かって指を向けて、声を荒げる。
(確か、Cランク冒険者って言ってたな)
先程自己紹介をしていたのを覚えていた隆人はこの男がステインというグリンジャーと同じ『太陽の剣』に所属するCランク冒険者だったと当たりをつける。
「ここに来れるのはDランク冒険者以上だ、お前みたいな場違いはさっさと出てい……っ!」
突然、大声を上げていたステインはその勢いを止められる、その理由はこのままじゃ会議が進まないと考えた隆人がステインに少し殺気を向けたからであり、その殺気によって萎縮してしまったのだ。
そして自分がFランク冒険者の殺気に怯んだと理解したステインは顔を真っ赤にして再び声をあげようとする。
「……ステイン」
と、会議室に低い声が反響する。その声はそこまで大きくなかったが、ざわざわとした会議室の中にも関わらずよく通り、乱雑な声を一掃した。
「ステイン、控えるんだ」
そしてその声の主、グリンジャーが再び口を開く。それはステインに向けられたものであり、低い声にはかなりの圧が込められていた。
「し、しかし……」
「控えるんだ」
汗をかきながら絞り出すような声を出したステインに、グリンジャーは再び端的に口を開いた。
それによって今度こそステインは口を閉じた。
「僕のパーティメンバーが失礼した。自己紹介を再開しようか」
その後は何もハプニングも起こることなく順調に会議は進行した。ステインもかなり気を落としており反抗する様子は見られなかった。
「それでは、これで作戦会議を終了する。この依頼は急を要する為、先程いった通り開始は明日の9時、集合次第ダンジョンに潜行する」
その言葉を最後に作戦会議は終了した。そのまま冒険者達は各々去っていく。
そして隆人達も席を立ち、会議室を出ようとする。そこへグリンジャーがやってきた。
「先程はうちのメンバーがすまなかったね」
「……すまない」
「いえ、構いませんよ」
「明日はよろしく」
そう言ってすれ違う。その瞬間、一瞬立ち止まったグリンジャーが隆人の耳元でボソッと言う。
「(ギルドマスターから話は聞いている。明日は頼んだよ)」
そうして再びグリンジャーは歩き出した。
そして翌日、下層魔物討伐戦が始まる。
冒険者ギルドで依頼を受けた隆人達は、商業区の飯処などでしばらく時間を潰した。
そして指定された14時の15分前になった頃、隆人とティナは冒険者ギルド内にある、会議室1に向かった。
「うわ、結構いるね」
「皆さんがこの依頼の参加者なのでしょうね」
まだ作戦会議の時間まで少しあるというのにその会議室の中にはかなりの数の冒険者がすでに座っていた。その数はざっと数えただけで40人近くおり、Dランクパーティ以上というだけあって、全員がその身をそれなりに装備で包んでいた。
事実、Dランク以上でこの依頼を受けなかったパーティは既に別の依頼を受けているところや、ダンジョンに潜っている最中のもの、帰還したばかりで休息を取っているものがほとんどであり、手が空いていて実働可能なパーティのほぼ全てがこの場に存在していた。
「あの人達……」
隆人は会議室に集まった中に数人かなりの実力を持つものがいるのを感じる。もちろん全員がDランクパーティのメンバーなので実力は確かなのだが、その中でも突出した者達の雰囲気を感じたのだ。
何人かの冒険者達は入ってきた隆人達に注目している。その多くは値踏みするような視線やティナに対する邪な視線などであったが、中にはいくつか違う色の視線も混ざっていた。
「[炎姫]か!」
その中の1人である男が声を上げる。その声は男が隆人達の入った入り口とは逆側の席に座っていた為に必然的に大きくなり、部屋中に響くことになる。
「何?」
「本当だな、[炎姫]が来ている」
「今回は楽になりそうだな」
その結果、2人はよりたくさんの注目を集めてしまう。先程までこちらに視線を向けていなかった冒険者達の視線も今はこちらに向いている。
ただ違う点を挙げるとしたら増えた視線の多くが邪なものではなく、非常に鋭いものであった。
今鋭い視線を向けてきた者達の中には先程隆人が強者だと感じた者も含まれており、その視線はティナだけでなく隆人にも注がれていた。
そして、一瞬にして注目の的となった隆人は、ティナに先程の中で気になったことを訪ねる。
「ティナ、『炎姫』って?」
「あぅ……、私の、異名です……」
そう答えるティナの顔はこれでもかというほど赤面しており、かなりの羞恥がうかがえた。そしてそのまま俯いてしまう。
ティナにしてみれば異名など自分には分不相応なものであると思っていたし、事実ティナの異名は実力によるものも大きいが、その容姿による部分も大きい。
それを自分を助けた人に他人から知らされる、しかも『炎』に『姫』である。ティナが恥ずかしがるのも仕方のない事だろう。
(へぇ、異名持ちかぁ……)
対する隆人は異名持ち、というものに非常に興味を持っていた。隆人が前世で読んでいた創作物では、異名とは実力のあるものの象徴であり、重要人物や実力者達についていることが多かった。
そしてその異名がこの異世界にも実際に存在しているとわかり、隆人のテンションは上がっていた。
2人がそんな変な空気になり、周囲の視線の多くは未だにそんな2人の方に向けられている。
そしてそんな状況を生み出すきっかけとなった当の男は周囲の状況には目もくれず、立ち上がってこちらに向かってくる。更にその後ろには3人の男女が追随していた。
「(ティナ)」
「(……。あ、はい!)」
向かってくる男達に少し早く我に返っていた隆人が気づき、ティナを小声で呼びかけて小突く。
それによって羞恥の渦から逃れたティナも我を取り戻した。俯いていた顔を上げ、赤みも消えている。
向かってくる男達はみな冒険者風の装いをしており、装備から見て先頭の男とその後ろの男は戦士で、残りの女性2人はヒーラーと魔法使いといったところだろうか。ところどころに傷が見受けられるがその装備はどれも質が良いものであり、雰囲気からも熟練といった感じがわかる。
そんな集団がいきなり近づいてきた為、隆人は内心警戒を高める。だがティナの方が知り合いなのか一切警戒する様子がなく、むしろ笑っているために隆人はその警戒を解いた。
そして、男達がティナの前まで来て、立ち止まる。
「ありがとう!」
と、次の瞬間には先頭の男がガバッと音が聞こえる程の勢いで90度頭を下げる。見ると後ろにいた残りの3人も同様に頭を下げている。その異様とも言える光景に隆人は呆気に取られ、戸惑う
「リュート様、この方達はサイクロプスに最初に遭遇した方達なんですよ」
それを見たティナが説明してくれる。この男達はパーティで、下層に潜っていた時にサイクロプスに遭遇したのだと言う、そこでサイクロプスによってパーティが壊滅し、そこにティナが助太刀したのだという。
「あの時あの瞬間に[炎姫]が来てくれなかったら、俺たちパーティは全滅していただろう。だが結果として君が来てくれて俺たちが逃げる時間を稼いでくれたおかげで俺たちは誰一人欠けることなく生還することができた。感謝の言葉もない。何か礼をしたい」
「いえ、あの時はあれが最善でしたから。結局全員無事帰還出来たんですから。お礼なんていりませんよ」
頭を上げた先頭の男が感謝の言葉を言う。その声には強い感情が篭っていて、心よりのものであると隆人にもわかった。
「君は俺たちパーティにとっての恩人だ、何か礼をさせてもらえないと俺たちの気が済まない」
「そうですか。……では、私が今度困っている時に助けてください。それでおあいこです」
「[炎姫]、いやクリスティーナさん、感謝する」
そう言って再び頭を下げる男達。隆人はティナの人柄と器の大きさに感心していた。
そんなちょっとしたイベントの後、隆人とティナは会議室の席に座る。そのまま待つことしばし、時計がちょうど2時を指したとき、会議室の入り口から男がやってきた。
男は中背程の体躯に似合わぬ大剣を軽々と背負っており、悠々と歩いて来る。
「あの男……」
隆人がそれを見て思わず声を漏らす。今やって来た男はこれまでこの部屋にいたどの冒険者よりも強い気配を発しており、大柄ではないにも関わらず存在感を放っていた。
その男は会議室を突っ切り一番前の席、前世でいう主役席に座った男は埋まっている席を一瞥した後口を開く。
「そろっているね、僕はグリンジャー。Bランクパーティである『太陽の剣』のリーダーであり、僕自身は[両断]の異名を持つAランク冒険者です。今回の依頼の指揮は僕が取りますのでよろしくお願いします」
そう言って頭を下げる男、強い気配と裏腹に物腰は穏やかであり、好青年といった感じである。自分の実力を理解した上で驕らず礼儀を大事にする。その姿に隆人はいい印象を抱いた。
そして挨拶をした男はもう一度会議室にいる冒険者達を見渡す。その視線が一度隆人のところで止まったことに気づいたのは隆人だけだった。
「ではまず、各々の紹介からいきましょうか。これから依頼を共にする上で互いのことを知っておくのは必要ですからね。もちろん能力等は秘匿しても構いません。とりあえず私の隣から順にお願いします」
そう言ってその言葉を皮切りに冒険者達の自己紹介が行われる。といっても和気藹々といった感じではなく、名前とjobに所属するパーティなどの情報が主であり、淡々と進んでいった。
そして隆人の順番になる。
「俺の名前は隆人で、jobは戦士。Dランクパーティ『暁の風』のFランク冒険者です」
「Fランク冒険者」という言葉で会議室がざわつく、ここに来ている半数ほどの冒険者はギルドでの出来事を知っている為騒ぐ事はなかったが、そのことを知らない冒険者達には無視できないことであるようだった。
「なんでFランク冒険者なんて雑魚がこの場にいるんだ!」
そう言って冒険者の一人がガタッという音を上げて勢いよく立ち上がる。その男はそしてそのまま隆人に向かって指を向けて、声を荒げる。
(確か、Cランク冒険者って言ってたな)
先程自己紹介をしていたのを覚えていた隆人はこの男がステインというグリンジャーと同じ『太陽の剣』に所属するCランク冒険者だったと当たりをつける。
「ここに来れるのはDランク冒険者以上だ、お前みたいな場違いはさっさと出てい……っ!」
突然、大声を上げていたステインはその勢いを止められる、その理由はこのままじゃ会議が進まないと考えた隆人がステインに少し殺気を向けたからであり、その殺気によって萎縮してしまったのだ。
そして自分がFランク冒険者の殺気に怯んだと理解したステインは顔を真っ赤にして再び声をあげようとする。
「……ステイン」
と、会議室に低い声が反響する。その声はそこまで大きくなかったが、ざわざわとした会議室の中にも関わらずよく通り、乱雑な声を一掃した。
「ステイン、控えるんだ」
そしてその声の主、グリンジャーが再び口を開く。それはステインに向けられたものであり、低い声にはかなりの圧が込められていた。
「し、しかし……」
「控えるんだ」
汗をかきながら絞り出すような声を出したステインに、グリンジャーは再び端的に口を開いた。
それによって今度こそステインは口を閉じた。
「僕のパーティメンバーが失礼した。自己紹介を再開しようか」
その後は何もハプニングも起こることなく順調に会議は進行した。ステインもかなり気を落としており反抗する様子は見られなかった。
「それでは、これで作戦会議を終了する。この依頼は急を要する為、先程いった通り開始は明日の9時、集合次第ダンジョンに潜行する」
その言葉を最後に作戦会議は終了した。そのまま冒険者達は各々去っていく。
そして隆人達も席を立ち、会議室を出ようとする。そこへグリンジャーがやってきた。
「先程はうちのメンバーがすまなかったね」
「……すまない」
「いえ、構いませんよ」
「明日はよろしく」
そう言ってすれ違う。その瞬間、一瞬立ち止まったグリンジャーが隆人の耳元でボソッと言う。
「(ギルドマスターから話は聞いている。明日は頼んだよ)」
そうして再びグリンジャーは歩き出した。
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