5 / 43
第一部
メイザース家の河童と呼ばれた私です。
しおりを挟む
「ほぅ、水練か。」
「いや、俺の話聞いてました?今日は海でウニ取りの仕事をするって言ったんですけど。」
予想通り金の亡者である婆ちゃんはウニを取って稼ごうと言い出した。リリーナたちに何をやるのか説明するとユイが泳ぎの訓練と勘違いしたのである。
「海と言えば姫様の指揮のもと一角クジラを討伐したことを思い出す。参加したのは白百合騎士団とプリムのみ。みな女で気兼ねしなかった。やはり女の世界が一番だ。」
遠い目をするユイ。それを見たリリーナはこそこそ耳打ちをしてきた。
「雄太さん、雄太さん。お願いがあるのですけど。」
「な、何でしょう。」
「ユイと海で勝負を行ってもらえませんか?」
いきなり勝負とかこの人は何を言い出すんだ?
「そんな怪訝な顔をしないでください。ユイの男嫌いの治すためなんです。協力してもらえませんか?プリムの魔法による援護も行います。雄太さんが勝ったらもう殴らないと約束させますので。」
彼女の男嫌いを治すためか。
目を閉じるとこれまで受けた理不尽な暴力の思い出が浮かんでくる。
よく死ななかったな俺。うん、ユイの男嫌いは治すにこしたことはない。
「リリーナさんたちが手助けをしてくれるなら、まぁやってみましょうか。でもユイさんが乗ってきますかね?」
俺は大きく頷き了承した。リリーナはお礼を言って微笑む。
「ありがとうございます。大丈夫です。彼女が承諾するよう餌をぶら下げます。雄太さんはうまく話を合わせてください。」
「わかりました。」
リリーナはプリムに目配せをするとユイに「行きますよ。」と声をかける。そして2人を連れて屋敷を出て行った。
「雄太様、お戻りは夕方ですか?」
クラウスさんが話しかけて来る。彼は打合せをしている間、微動だにしていなかった。これが本物の執事というやつか。
「いえ、干潮が11時なので昼過ぎには帰ると思います。」
「ではそのころに入れるようお風呂の準備をしておきますので。」
「ありがとうございます。クラウスさん。お願いします。」
ウニ取り勝負・・・。ま、子どもの頃から慣れ親しんだ海だ。負ける気はしないな。
――――
俺は『だっこちゃん』と呼ばれるウェットスーツを着用した。これは体温の低下を防いでくれて水中での活動時間を長くしたり、クラゲなどから身を守ったりできる。もう1着あったためユイさんに貸し出そうとしたが断られてしまった。
「私には婆様からもらったこれがあるからいい。」
「本当にそれでいいんですか?こっちのほうが温かいですよ。」
「くどい!」
まぁ、本人がいいって言うならいいけど。リリーナとプリムは麦わら帽子をかぶり、日焼けをしないように長袖のパーカーを着て「お揃い。」と言って笑っていた。
――――
漁場に着くと婆ちゃんは流木で火をおこし始めた。海から上がった時にこれで暖を取ることができる。
「雄太、まだ海に入らないのか?」
ユイはじれったそうに言った。早く泳ぎたい、そんな顔をしている。
婆ちゃんからもらった『白木綿の磯着』をユイは着ていた。薄い白装束が汗を吸って体のラインに張り付き始めており、その魅力的な体型から目を離すことをできなくさせる。
「なんだ?何を見ている。」
ジロッと鋭い視線をユイが返してくる。俺は頬を赤らめながら目を逸らした。
「パンパカパーン!それじゃ、第一回ウニ取り勝負を始めるよー!」
突然プリムが右手を上げて宣言する。お前が仕切るのかよ!?不安しかないんだけど。たしか、うまく流れを合わせるんだったな。
「勝負は簡単、たくさんウニを取った方が勝ち!ユイ、雄太、準備はできてるぅ?」
やけに楽しそうにプリムがはしゃぐ。
「こ、これはどういうことですか!?姫様。」
困惑するユイ。リリーナは微笑みながら返答する。
「遊びですよ。遊び。単純にお仕事をするだけというのもつまらないかと思いまして。ユイ、まさか自信がないとは言いませんよね?私の騎士ともあろうものが負けたりしませんよね?」
「も、もちろんです。メイザース家の河童と呼ばれた私です。必ず勝ちますとも。」
「雄太さん、あなたはどうです?やりますか?」
よし、少し悩んだふりをして参加するんだ。
「こ、困りましたねぇ。まぁでもリリーナさんに言われると断り難いです。やりましょうか。」
「よろしい。ではプリム、開始の合図をお願いします。」
「了~解~!じゃあ、いくよ。あ、勝者は負けた方の言うことを何でも聞くこと。ウニ取り勝負!スターット!!」
おい!ちょっと待て、さらっと大事を言わなかったか今。
「はぁぁ。」
ユイさんは何故かヴァレンタインを持って海へと走り出していた。俺は出遅れて取り残される。
「あら?早く行かなくていいのですか?」
「いや、さっきプリムが負けた方は勝った方の言うことを何でも聞くって・・・。」
「勝負が面白くなるかと思いまして。あ、そう言えば雄太さんにプリムから援護魔法をかけてもらうのを忘れていました。プリム、お願いします。」
「はいはい。わかりましたよ。アクアシールド!」
プリムの指先から光が放たれ俺の体が水色の半透明な膜で覆われる。
「できたよ。それで水の中で息できる。」
そ、それはすごい。だけど、今大事なのはそのことじゃない。
「リリーナさん魔法はありがたいんですけど、その、プリムが言った『負けた方は何でも言うことを聞く』ってことなんですが。」
「ふふふ、言葉の通りですよ。ユイが嫌がっても私の力で雄太さんのお願いを実行させます。そう、雄太さんが『男に触れられても殴らない』とか言えばいいんです。勝てばいいんですよ、勝てば。」
そ、そうだ、勝ちさえすればヒドイ目に合うことはない。彼女の男嫌いを治せるかもしれない。それにもしかしたら・・・。いやいや、俺はそんな自分の性欲に正直なことは考えない。31歳にもなる大人なんだから。そんなことは・・・。
「リリーナさん、プリム!行ってきます!」
人生で始めての敬礼をして、俺は海へと駆け出した。
ユイ、待ってろ。俺が君の男嫌いを治してやる!
ニマニマと顔の筋肉をだらしなく緩めながら、海中へと勢いよく飛び込んだ。
――――
それは不思議な感覚だった。
人は水中では生きられない。なぜなら呼吸ができないからだ。
しかし、飛び込んだ俺を待っていたのは水の中でも陸上と変わらず息を吸って吐くことができる現実だった。
(な、なにこれ。すごい。)
驚きを通り越して感動している。改めて魔法の力はすごいと思った。
(勝てる!ここら辺の海のことはガキのころから泳いでるからわかってる。いちいち水面に戻る必要はない。この勝負もらったな。ユイにどんなお願いをさせよう。)
早くも勝利を確信し、意気揚々と海底へと降り立った。だが、俺はすぐに焦り始めることになる。そう、目当ての物が探せど探せど見当たらなかったのだ。
(一個もないなんて変だな。)
キョロキョロと辺りを見回す。けれどウニの特徴である真っ黒なトゲトゲを確認することができない。
(嘘だろ、まさか。)
嫌な予感はそれを見た時に確信へと変わった。俺の目の前を白くて細い何かが揺らめきながら通り過ぎたのだ。。
その白くて細い何かは海底を這いながらスイスイと泳ぎ回っている。よく見ると手に網を持っており、その中に黒く輝く石が大量に入っていた。
(間違いない・・・。)
網に入るのは石ではなく目的のウニだった。そして、それを持つ白くて細い何かは白木綿の磯着を付けたユイである。
彼女は腰から足までをくねらせながら優雅に泳ぎ回っていた。結局、俺はウニをほとんど取ることができず、彼女が取り忘れた小さな残り物だけを網に入れてスゴスゴと帰ることになった。
―――――
婆ちゃん
俺(雄太)から見て金の亡者。
金を稼ぐために農業だけでなく漁業などいろいろやるため、その知識は豊富。
プリムのことをひ孫だと思って可愛がっている。
「いや、俺の話聞いてました?今日は海でウニ取りの仕事をするって言ったんですけど。」
予想通り金の亡者である婆ちゃんはウニを取って稼ごうと言い出した。リリーナたちに何をやるのか説明するとユイが泳ぎの訓練と勘違いしたのである。
「海と言えば姫様の指揮のもと一角クジラを討伐したことを思い出す。参加したのは白百合騎士団とプリムのみ。みな女で気兼ねしなかった。やはり女の世界が一番だ。」
遠い目をするユイ。それを見たリリーナはこそこそ耳打ちをしてきた。
「雄太さん、雄太さん。お願いがあるのですけど。」
「な、何でしょう。」
「ユイと海で勝負を行ってもらえませんか?」
いきなり勝負とかこの人は何を言い出すんだ?
「そんな怪訝な顔をしないでください。ユイの男嫌いの治すためなんです。協力してもらえませんか?プリムの魔法による援護も行います。雄太さんが勝ったらもう殴らないと約束させますので。」
彼女の男嫌いを治すためか。
目を閉じるとこれまで受けた理不尽な暴力の思い出が浮かんでくる。
よく死ななかったな俺。うん、ユイの男嫌いは治すにこしたことはない。
「リリーナさんたちが手助けをしてくれるなら、まぁやってみましょうか。でもユイさんが乗ってきますかね?」
俺は大きく頷き了承した。リリーナはお礼を言って微笑む。
「ありがとうございます。大丈夫です。彼女が承諾するよう餌をぶら下げます。雄太さんはうまく話を合わせてください。」
「わかりました。」
リリーナはプリムに目配せをするとユイに「行きますよ。」と声をかける。そして2人を連れて屋敷を出て行った。
「雄太様、お戻りは夕方ですか?」
クラウスさんが話しかけて来る。彼は打合せをしている間、微動だにしていなかった。これが本物の執事というやつか。
「いえ、干潮が11時なので昼過ぎには帰ると思います。」
「ではそのころに入れるようお風呂の準備をしておきますので。」
「ありがとうございます。クラウスさん。お願いします。」
ウニ取り勝負・・・。ま、子どもの頃から慣れ親しんだ海だ。負ける気はしないな。
――――
俺は『だっこちゃん』と呼ばれるウェットスーツを着用した。これは体温の低下を防いでくれて水中での活動時間を長くしたり、クラゲなどから身を守ったりできる。もう1着あったためユイさんに貸し出そうとしたが断られてしまった。
「私には婆様からもらったこれがあるからいい。」
「本当にそれでいいんですか?こっちのほうが温かいですよ。」
「くどい!」
まぁ、本人がいいって言うならいいけど。リリーナとプリムは麦わら帽子をかぶり、日焼けをしないように長袖のパーカーを着て「お揃い。」と言って笑っていた。
――――
漁場に着くと婆ちゃんは流木で火をおこし始めた。海から上がった時にこれで暖を取ることができる。
「雄太、まだ海に入らないのか?」
ユイはじれったそうに言った。早く泳ぎたい、そんな顔をしている。
婆ちゃんからもらった『白木綿の磯着』をユイは着ていた。薄い白装束が汗を吸って体のラインに張り付き始めており、その魅力的な体型から目を離すことをできなくさせる。
「なんだ?何を見ている。」
ジロッと鋭い視線をユイが返してくる。俺は頬を赤らめながら目を逸らした。
「パンパカパーン!それじゃ、第一回ウニ取り勝負を始めるよー!」
突然プリムが右手を上げて宣言する。お前が仕切るのかよ!?不安しかないんだけど。たしか、うまく流れを合わせるんだったな。
「勝負は簡単、たくさんウニを取った方が勝ち!ユイ、雄太、準備はできてるぅ?」
やけに楽しそうにプリムがはしゃぐ。
「こ、これはどういうことですか!?姫様。」
困惑するユイ。リリーナは微笑みながら返答する。
「遊びですよ。遊び。単純にお仕事をするだけというのもつまらないかと思いまして。ユイ、まさか自信がないとは言いませんよね?私の騎士ともあろうものが負けたりしませんよね?」
「も、もちろんです。メイザース家の河童と呼ばれた私です。必ず勝ちますとも。」
「雄太さん、あなたはどうです?やりますか?」
よし、少し悩んだふりをして参加するんだ。
「こ、困りましたねぇ。まぁでもリリーナさんに言われると断り難いです。やりましょうか。」
「よろしい。ではプリム、開始の合図をお願いします。」
「了~解~!じゃあ、いくよ。あ、勝者は負けた方の言うことを何でも聞くこと。ウニ取り勝負!スターット!!」
おい!ちょっと待て、さらっと大事を言わなかったか今。
「はぁぁ。」
ユイさんは何故かヴァレンタインを持って海へと走り出していた。俺は出遅れて取り残される。
「あら?早く行かなくていいのですか?」
「いや、さっきプリムが負けた方は勝った方の言うことを何でも聞くって・・・。」
「勝負が面白くなるかと思いまして。あ、そう言えば雄太さんにプリムから援護魔法をかけてもらうのを忘れていました。プリム、お願いします。」
「はいはい。わかりましたよ。アクアシールド!」
プリムの指先から光が放たれ俺の体が水色の半透明な膜で覆われる。
「できたよ。それで水の中で息できる。」
そ、それはすごい。だけど、今大事なのはそのことじゃない。
「リリーナさん魔法はありがたいんですけど、その、プリムが言った『負けた方は何でも言うことを聞く』ってことなんですが。」
「ふふふ、言葉の通りですよ。ユイが嫌がっても私の力で雄太さんのお願いを実行させます。そう、雄太さんが『男に触れられても殴らない』とか言えばいいんです。勝てばいいんですよ、勝てば。」
そ、そうだ、勝ちさえすればヒドイ目に合うことはない。彼女の男嫌いを治せるかもしれない。それにもしかしたら・・・。いやいや、俺はそんな自分の性欲に正直なことは考えない。31歳にもなる大人なんだから。そんなことは・・・。
「リリーナさん、プリム!行ってきます!」
人生で始めての敬礼をして、俺は海へと駆け出した。
ユイ、待ってろ。俺が君の男嫌いを治してやる!
ニマニマと顔の筋肉をだらしなく緩めながら、海中へと勢いよく飛び込んだ。
――――
それは不思議な感覚だった。
人は水中では生きられない。なぜなら呼吸ができないからだ。
しかし、飛び込んだ俺を待っていたのは水の中でも陸上と変わらず息を吸って吐くことができる現実だった。
(な、なにこれ。すごい。)
驚きを通り越して感動している。改めて魔法の力はすごいと思った。
(勝てる!ここら辺の海のことはガキのころから泳いでるからわかってる。いちいち水面に戻る必要はない。この勝負もらったな。ユイにどんなお願いをさせよう。)
早くも勝利を確信し、意気揚々と海底へと降り立った。だが、俺はすぐに焦り始めることになる。そう、目当ての物が探せど探せど見当たらなかったのだ。
(一個もないなんて変だな。)
キョロキョロと辺りを見回す。けれどウニの特徴である真っ黒なトゲトゲを確認することができない。
(嘘だろ、まさか。)
嫌な予感はそれを見た時に確信へと変わった。俺の目の前を白くて細い何かが揺らめきながら通り過ぎたのだ。。
その白くて細い何かは海底を這いながらスイスイと泳ぎ回っている。よく見ると手に網を持っており、その中に黒く輝く石が大量に入っていた。
(間違いない・・・。)
網に入るのは石ではなく目的のウニだった。そして、それを持つ白くて細い何かは白木綿の磯着を付けたユイである。
彼女は腰から足までをくねらせながら優雅に泳ぎ回っていた。結局、俺はウニをほとんど取ることができず、彼女が取り忘れた小さな残り物だけを網に入れてスゴスゴと帰ることになった。
―――――
婆ちゃん
俺(雄太)から見て金の亡者。
金を稼ぐために農業だけでなく漁業などいろいろやるため、その知識は豊富。
プリムのことをひ孫だと思って可愛がっている。
0
お気に入りに追加
128
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
保健室で授業サボってたら寝子がいた
夕凪渚
恋愛
毎日のように保健室で授業をサボる男――犬山健はその日、保健室で猫耳の生えた少女――小室寝子と出会う。寝子の第一発見者であり、名付け親の養護教諭、小室暁から寝子を保護しろと命令され、一時は拒否するものの、寝子のことを思い保護することになるが......。
バーニャ王国から寝子を連れ戻しに来た者によって、「寝子をこっちの世界に適応させないと連れ戻す」と言われてしまう。そんな事実を健は最初皆に隠し通し、一人で全てやろうとしていたが、最終的にいろいろな人にバレてしまう。そこから寝子の真実を知った者だけが集まり、寝子を世界に適応させるための"適応計画"がスタートしたのだった。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
時々おまけを更新しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる