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幕間 (第一部 ⇒ 第二部)
ちょっと調子悪いんだ。
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「・・・ユイちゃん。ユイちゃん!」
「・・・え?」
「そんな大穴を開けてどうするつもりだい。」
一瞬、ユイは何を言われているのかわからなかった。そもそも、自分は今何をしていたのだろうか。手には・・・クワがある。
そうだ、芋を植えるための畝を作っていたのだ。
だけど考え事をしてて・・・。
そこでようやく自分の前に出来上がっていた落とし穴を見る。
「ば、婆様。これは、私が・・・?」
「他に誰がいるって言うんだい。まったく。まぁ、あんたにもいろいろあるだろうけどさ。仕事はきちっとやってもらわないと。」
「・・・も、申し訳ありません。」
ユイは自分のことが恥ずかしくなり、小さくなった。
何をやっているんだ私。婆様の言う通りだ。与えられた任務を確実に遂行するのが騎士ってものじゃないか。
「しっかりしろ。」そう言いながら自分の顔を手でパンパンと2度叩いて気合を入れる。
しかし、それでもリリーナが雄太のことが好きと言った姿を忘れることはできなかった。すぐに頭の中はそのことでいっぱいになる。私は主君の気持ちに寄り添わなければならないのに・・・。素直にそれを認めることが、なぜかできない。屋敷でも思わず逃げ出してしまった。
「リリーナ様。このサツマイモって美味しいのかな?」
プリムの声が聞こえ、そっちに顔を向ける。そこには彼女と一緒に芋苗をせっせと植えているリリーナの楽しそうな姿があった。
「お婆様がさっき言ってましたが、今年は『紅あずま』と『安納』の2つの種類を植えるそうです。プリム、あなたが今持っているのが安納だと思います。甘くて焼くと美味しいらしいですよ。」
「わぁ。いつ頃食べられるのかな!? 明日かな、明後日かな?」
「残念、すぐには無理みたいです。収穫できるのは何ヶ月も先と聞きました。」
「むぅ。ボク、それまで我慢できるないよぉ。」
「プリムは本当に食いしん坊さんですね。わかりました。雄太さんにどこかで売ってないか聞いてみましょう。」
「うん!」
リリーナが雄太の名前を呼ぶ。それを聞くだけで胸の辺りが剣先で突かれたみたいにチクッとした。
どうして・・・。私は、私はリリーナ様の騎士なんだぞ。
なのに、あの人が雄太と口にするのを聞きたくないなんて・・・。
――――――
「あ!雄太。」
畑に現れた俺をプリムはすぐさま見つけ、芋苗を放り出しながら全力でこっちに向かって来た。そしてそのまま腹の中へドーンと頭を突っ込ませる。
「ぐえっ。プ、プリム。手加減してくれよ。」
「えへへ。雄太、お帰り。見て、今日は芋を植えてるんだよ。」
「お、今日は真面目に手伝ってるんだな。」
「むぅ、ボクはいっつも真剣だよ。」
「嘘つけ。普段は走り回って遊んでいるくせに。まぁ、それはいいけど・・・作業、あまり進んでいないみたいだな。」
見れば昼だというのに畑の4分の1も終わっていない。このペースでは今日中に終れるかと聞かれれば難しいと答えるしかない。
「うん・・・ユイがね。ちょっと調子悪いんだ。」
プリムの後ろの方でユイはクワを地面に振り下ろしていた。だけど、どこか集中できていないように見える。
「さっきもこーんな大きな穴を掘って、お婆ちゃんに怒られてたんだよ。」
一生懸命背伸びをして両手を広げるプリムの頭を撫でながら、俺はやっぱり朝のことを引きずってるんだろうな、などと考えていた。
――――――
「雄太さん。お帰りなさい、今日は遅かったですね。」
プリムと一緒に芋苗のところへ行くと、リリーナが優しく笑いながら話しかけてきた。
「ちょっといろいろありまして。ヒデちゃんに相談したりとか、犬拾ったりとか。」
「ヒデちゃん? 犬?」
「あ、いや。か、帰ってから説明しますよ。ほら、今は芋苗を植えてしまわないと。婆ちゃんが『遅い』って怒り出さないうちに。」
「そうですね。私も後でゆっくりとお話したいことがあるんです。」
そう言いながらリリーナはユイのことをチラッと見た。しかしすぐに視線を手元に戻して作業へと戻る。
彼女の話とはやはりユイのことか。ある意味ではリリーナはユイの保護者だからな(年下だけど)。あの時のようにユイの気持ちを代弁するつもりなのかもしれない。
「夕食の後、お部屋にお伺いしてもよろしいですか?大事な、大事なことですから2人きりになりたいのです。」
いつの間にか彼女は屈んだまま上目遣いでこちらを見ていた。その可愛さに一瞬ドキっとしてしまう。
「は、はい。大丈夫れす。」
噛んだ。
くっそ、何やってんだ俺。リリーナに心動かされてどうする。
「リリーナ様! ボクも雄太の部屋行く。一緒に遊ぶ。」
「プリム、今日だけは遠慮してもらいます。」
「えー!? リリーナ様のケチ。」
「拗ねないの。私の夕食のオカズあげますから。」
「デザートも!」
「はいはい。好きなだけ持って行ってください。」
プリムは頬を膨らませながらも納得したようで、芋苗をせっせと植え始めた。リリーナも邪魔者は排除しましたと言わんばかりにウインクを一つして自分も作業へ戻っている。
俺はもう一度ユイを見て、そして苗を手に取った。
―――――――
夕方、なんとか今日のノルマは終わらせたものの体は疲れヘトヘトだった。
「明日からはもっと早く手を動かすんだよ。」
婆ちゃんが叱咤するのにも理由がある。芋を植える畑は全部で4面あり、今日終わったのはそのうちの1つだけだったからだ。
「わかってるよ。だけど、今日はもう遅いし。帰って風呂で泥を落としてサッパリしようぜ。」
俺達は道具を抱え、屋敷に向かって歩き出す。普段であればリリーナとユイは楽し気に会話をするのだが、今日はどちらも黙ったまま一言も発しなかった。
「みんな、今日もお疲れ。クラウスさんが風呂の用意してくれてるはずだから、いつも通り女性陣から入りなよ。」
道具を片付け玄関前に集まったみんなに声を掛ける。そして扉に近づいた。すると今まで口をつぐんでいたユイがおずおずと俺を呼び止めてくる。
「ゆ、雄太。」
「え?」
目が合った。ユイは頬を赤らめ視線を思わず逸らす。
「な、何かな・・・。」
「い、いや。その。扉の向こう側に何かの気配を感じてな。危険かと思って。」
「・・・大丈夫。クラウスさんが待ってるだけだよ。勘違いだって。」
「そ、そうだな。屋敷に賊やモンスターなどいるわけないよな。うん。私の気のせいだった。すまない。」
ミートリオもおばさんたちが連れて帰ったし、危ない奴なんているはずがない。
「ただいま~。」
『ガアッ!!!』
扉を開けた瞬間、屋敷の中から茶色い何かが飛び出してくる。俺は避けようとしてその場に尻もちをついた。
「いてっ。な、なんだ!?」
俺の頭上を飛び越えたそれは猛スピードで辺りをグルグルと回り始める。
こ、こいつ、まさか・・・。しばらく走り回って気が済んだのか、それは地面を蹴って思い切りダイブした。
・・・ユイの胸の中へ。
「キャッ!?」
あまり聞くことのできない、女らしい悲鳴を上げながら彼女は押し倒されていた。そこが気に入ったのかそいつは尻尾を思い切り振り回しながらフンフンッと鼻を鳴らして匂いを嗅ぐ。
「その毛色、赤い首輪。」
そう、それは俺が拾って来た犬『チビ』だった。
「こ、こいつ・・・オ、オス・・・?」
小さな雄犬に組み伏せられたユイ。彼女の男嫌いは人間以外も対象になる。彼女は涙目で「助けて・・・。」とか細い声で懇願した。しかし、チビは聞く耳を持たないようで、無情にも顔をペロペロ舐められるとユイはその場で気絶した。
「・・・え?」
「そんな大穴を開けてどうするつもりだい。」
一瞬、ユイは何を言われているのかわからなかった。そもそも、自分は今何をしていたのだろうか。手には・・・クワがある。
そうだ、芋を植えるための畝を作っていたのだ。
だけど考え事をしてて・・・。
そこでようやく自分の前に出来上がっていた落とし穴を見る。
「ば、婆様。これは、私が・・・?」
「他に誰がいるって言うんだい。まったく。まぁ、あんたにもいろいろあるだろうけどさ。仕事はきちっとやってもらわないと。」
「・・・も、申し訳ありません。」
ユイは自分のことが恥ずかしくなり、小さくなった。
何をやっているんだ私。婆様の言う通りだ。与えられた任務を確実に遂行するのが騎士ってものじゃないか。
「しっかりしろ。」そう言いながら自分の顔を手でパンパンと2度叩いて気合を入れる。
しかし、それでもリリーナが雄太のことが好きと言った姿を忘れることはできなかった。すぐに頭の中はそのことでいっぱいになる。私は主君の気持ちに寄り添わなければならないのに・・・。素直にそれを認めることが、なぜかできない。屋敷でも思わず逃げ出してしまった。
「リリーナ様。このサツマイモって美味しいのかな?」
プリムの声が聞こえ、そっちに顔を向ける。そこには彼女と一緒に芋苗をせっせと植えているリリーナの楽しそうな姿があった。
「お婆様がさっき言ってましたが、今年は『紅あずま』と『安納』の2つの種類を植えるそうです。プリム、あなたが今持っているのが安納だと思います。甘くて焼くと美味しいらしいですよ。」
「わぁ。いつ頃食べられるのかな!? 明日かな、明後日かな?」
「残念、すぐには無理みたいです。収穫できるのは何ヶ月も先と聞きました。」
「むぅ。ボク、それまで我慢できるないよぉ。」
「プリムは本当に食いしん坊さんですね。わかりました。雄太さんにどこかで売ってないか聞いてみましょう。」
「うん!」
リリーナが雄太の名前を呼ぶ。それを聞くだけで胸の辺りが剣先で突かれたみたいにチクッとした。
どうして・・・。私は、私はリリーナ様の騎士なんだぞ。
なのに、あの人が雄太と口にするのを聞きたくないなんて・・・。
――――――
「あ!雄太。」
畑に現れた俺をプリムはすぐさま見つけ、芋苗を放り出しながら全力でこっちに向かって来た。そしてそのまま腹の中へドーンと頭を突っ込ませる。
「ぐえっ。プ、プリム。手加減してくれよ。」
「えへへ。雄太、お帰り。見て、今日は芋を植えてるんだよ。」
「お、今日は真面目に手伝ってるんだな。」
「むぅ、ボクはいっつも真剣だよ。」
「嘘つけ。普段は走り回って遊んでいるくせに。まぁ、それはいいけど・・・作業、あまり進んでいないみたいだな。」
見れば昼だというのに畑の4分の1も終わっていない。このペースでは今日中に終れるかと聞かれれば難しいと答えるしかない。
「うん・・・ユイがね。ちょっと調子悪いんだ。」
プリムの後ろの方でユイはクワを地面に振り下ろしていた。だけど、どこか集中できていないように見える。
「さっきもこーんな大きな穴を掘って、お婆ちゃんに怒られてたんだよ。」
一生懸命背伸びをして両手を広げるプリムの頭を撫でながら、俺はやっぱり朝のことを引きずってるんだろうな、などと考えていた。
――――――
「雄太さん。お帰りなさい、今日は遅かったですね。」
プリムと一緒に芋苗のところへ行くと、リリーナが優しく笑いながら話しかけてきた。
「ちょっといろいろありまして。ヒデちゃんに相談したりとか、犬拾ったりとか。」
「ヒデちゃん? 犬?」
「あ、いや。か、帰ってから説明しますよ。ほら、今は芋苗を植えてしまわないと。婆ちゃんが『遅い』って怒り出さないうちに。」
「そうですね。私も後でゆっくりとお話したいことがあるんです。」
そう言いながらリリーナはユイのことをチラッと見た。しかしすぐに視線を手元に戻して作業へと戻る。
彼女の話とはやはりユイのことか。ある意味ではリリーナはユイの保護者だからな(年下だけど)。あの時のようにユイの気持ちを代弁するつもりなのかもしれない。
「夕食の後、お部屋にお伺いしてもよろしいですか?大事な、大事なことですから2人きりになりたいのです。」
いつの間にか彼女は屈んだまま上目遣いでこちらを見ていた。その可愛さに一瞬ドキっとしてしまう。
「は、はい。大丈夫れす。」
噛んだ。
くっそ、何やってんだ俺。リリーナに心動かされてどうする。
「リリーナ様! ボクも雄太の部屋行く。一緒に遊ぶ。」
「プリム、今日だけは遠慮してもらいます。」
「えー!? リリーナ様のケチ。」
「拗ねないの。私の夕食のオカズあげますから。」
「デザートも!」
「はいはい。好きなだけ持って行ってください。」
プリムは頬を膨らませながらも納得したようで、芋苗をせっせと植え始めた。リリーナも邪魔者は排除しましたと言わんばかりにウインクを一つして自分も作業へ戻っている。
俺はもう一度ユイを見て、そして苗を手に取った。
―――――――
夕方、なんとか今日のノルマは終わらせたものの体は疲れヘトヘトだった。
「明日からはもっと早く手を動かすんだよ。」
婆ちゃんが叱咤するのにも理由がある。芋を植える畑は全部で4面あり、今日終わったのはそのうちの1つだけだったからだ。
「わかってるよ。だけど、今日はもう遅いし。帰って風呂で泥を落としてサッパリしようぜ。」
俺達は道具を抱え、屋敷に向かって歩き出す。普段であればリリーナとユイは楽し気に会話をするのだが、今日はどちらも黙ったまま一言も発しなかった。
「みんな、今日もお疲れ。クラウスさんが風呂の用意してくれてるはずだから、いつも通り女性陣から入りなよ。」
道具を片付け玄関前に集まったみんなに声を掛ける。そして扉に近づいた。すると今まで口をつぐんでいたユイがおずおずと俺を呼び止めてくる。
「ゆ、雄太。」
「え?」
目が合った。ユイは頬を赤らめ視線を思わず逸らす。
「な、何かな・・・。」
「い、いや。その。扉の向こう側に何かの気配を感じてな。危険かと思って。」
「・・・大丈夫。クラウスさんが待ってるだけだよ。勘違いだって。」
「そ、そうだな。屋敷に賊やモンスターなどいるわけないよな。うん。私の気のせいだった。すまない。」
ミートリオもおばさんたちが連れて帰ったし、危ない奴なんているはずがない。
「ただいま~。」
『ガアッ!!!』
扉を開けた瞬間、屋敷の中から茶色い何かが飛び出してくる。俺は避けようとしてその場に尻もちをついた。
「いてっ。な、なんだ!?」
俺の頭上を飛び越えたそれは猛スピードで辺りをグルグルと回り始める。
こ、こいつ、まさか・・・。しばらく走り回って気が済んだのか、それは地面を蹴って思い切りダイブした。
・・・ユイの胸の中へ。
「キャッ!?」
あまり聞くことのできない、女らしい悲鳴を上げながら彼女は押し倒されていた。そこが気に入ったのかそいつは尻尾を思い切り振り回しながらフンフンッと鼻を鳴らして匂いを嗅ぐ。
「その毛色、赤い首輪。」
そう、それは俺が拾って来た犬『チビ』だった。
「こ、こいつ・・・オ、オス・・・?」
小さな雄犬に組み伏せられたユイ。彼女の男嫌いは人間以外も対象になる。彼女は涙目で「助けて・・・。」とか細い声で懇願した。しかし、チビは聞く耳を持たないようで、無情にも顔をペロペロ舐められるとユイはその場で気絶した。
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