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第1章 辺獄妄執譚
第56話 冥府帰りの鎮魂歌
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ノアの方舟で煉獄の能力者達がアルゴノーツの元へ向かった後、
ピキニ・カイカイは琴を持った銀色の長い髪を風になびかせている男の元へと歩いた。
ピキニ・カイカイは、背中につけた八体のシェイプシフターを翼の様に広げ琴を持った男の元まで行くと、男は琴を奏でながらピキニ・カイカイにこう言った。
「私の相手は貴方ですか、中々強そうですね。見ての通り私は戦闘はあまり得意では無いので見逃してはくれませんか?」
それに対しピキニ・カイカイは、
「ああ、それは良いがもう我々の仲間の邪魔をしないと誓え」
と、言うと琴を持った男は微笑んで
「いえ、それは出来ません
私も仲間がむざむざ殺されるのは見たく無いので」
と、言った。すると、ピキニ・カイカイはコートの内ポケットから拳銃を取り出して
「そうか、では私も君を生かしてはおけない」
と、琴を持つ男を撃った。すると、琴を持った男は琴を奏で弾を甲板の上に落とした。
「残念です。貴方は賢い人とお見受けしたのに」
琴を持った男はため息をついてそう言うと、
続けて
「では、私もアルゴノーツの一員として貴方を殺します。文句はありませんね?」
そう言うと、琴を持った男は琴を奏でモーツァルトのレクイエムを演奏し始めた。すると、ピキニ・カイカイは驚いて
「おや?それは辺獄で覚えたのか?」
と、尋ねた。すると、琴を持った男はクスリと笑って
「ふふっ
いいえ、これは私が生前に恋人の為に奏でた音楽です。私が冥界に行った時に頭をよぎった音楽で死者を弔う曲の完成形。後の世でこれと同じ物が奏でられたのは知っていますが、これは純粋なる冥界の曲。
天才がそれを感じ取れるだけです。
では、長話も無粋なのでいきますよ。
このオルフェウスは冥界帰りを果たした者、その力を得とご覧あれ」
オルフェウスが、そう言うとピキニ・カイカイの前に突如黒いモヤが現れ、その中から露出の多い黒いドレスを着た、足に蛇の刺青のある美女が大きな鎌を持って現れた。
美女は現れると、オルフェウスの方を向いて微笑み
「ああ、オルフェウス
また、私を連れ出してくれたのね
今日は、何をするの?」
と、猫なで声で話しかけた。すると、オルフェウスは、
「ああ、エウリュディケ
今日も君の美しい踊りを見せてくれ
あそこのいる彼に存分に」
と言い、エウリュディケは
「わかったわ
見ててね、オルフェウス」
と、愛らしく言った。それを見たピキニ・カイカイは、鎌を持ったエウリュディケを警戒し、エウリュディケに対し拳銃の弾を撃ち放った。
エウリュディケは、それに気が付きブリッジの様な動きをして交わすと、ピキニ・カイカイの方へ向き直り、微笑んだ。
「まあ、せっかちな人ね
慌てなくても、楽しませてあげる」
エウリュディケは、そう言いながら、ドレスのスカートの裾を掴み軽く持ち上げて、足を見せながらピキニ・カイカイへと近づいてピキニ・カイカイに抱きつき、首に腕を回した。
エウリュディケが、近づく際ピキニ・カイカイは、何故かエウリュディケを最愛の恋人の様に感じ攻撃する事が出来なかった。
エウリュディケは、そのままピキニ・カイカイの耳元で
「ほら、大人しくしてて」
と、囁きピキニ・カイカイは、その場に膝をついた。すると、エウリュディケは微笑んで
「そう、いい子ね」
と、言うとピキニ・カイカイの周りで踊り始めた。
エウリュディケの踊りはとても華やかで美しく、ピキニ・カイカイは、自分の状況を忘れて目を奪われた。
エウリュディケの踊りを見ていくうちにピキニ・カイカイは、どんどん痩せ細っていったが、本当はそれを気にせず踊りを見続けた。
エウリュディケは、踊りながら鎌を振り少しずつピキニ・カイカイを切り裂いていき、動かなくなったシェイプシフターを切り落とした。
ピキニ・カイカイが、充分にやせ細ると、エウリュディケは、踊りをやめピキニ・カイカイにウィンクし
「じゃあ、これで終わりね
さようなら」
と、言ってピキニ・カイカイの首元に鎌をかけた。
ピキニ・カイカイは、それを受けてなお幸福な表情で膝をつき、抵抗する素振りを見せなかった。
そして、エウリュディケが鎌を引こうとしたその瞬間、海中から化け物の体をした青いドレスを着た少女が棍棒を持って飛び出し、エウリュディケを攻撃した。
エウリュディケは、それに驚き後方へ飛んでピキニ・カイカイから鎌を離した。
海から飛び出して来た少女は、ピキニ・カイカイが膝をついているのを見て急いで駆け寄り
「ねえ、大丈夫?
ねえってば!」
と、ピキニ・カイカイを激しく揺さぶった。
すると、ピキニ・カイカイは、目を覚まし少女を見て驚くと
「咲……?
どうした?何故、ここにいる」
と、尋ねた。すると、咲は溜息をついて
「はあ、もうちょっとで殺される所だったのにな~にその反応?
もしかして、また寝てたの?」
と、尋ねた。すると、ピキニ・カイカイは、
「眠ってなどいないさ
私は、ただオルフェウスを……
はっ!
私は、今まで何をしていたんだ!」
と、正気に戻って立ち上がった。
すると、咲は
「やっぱり、寝てたんだね~
お兄様に文句言っとか無いと、でも、その前に今は二人で敵を倒そう?」
と、言うとピキニ・カイカイは、
「ああ、そうだな
君が来たんだ。もう、無様は見せられない
私は、オルフェウスをやる。君はエウリュディケを頼むぞ」
と、言うと甲板に張り付いていたシェイプシフターを背中につけ、飛び上がってオルフェウスの元へといった。すると、咲は
「わかった!
それじゃあ、お姉さん
私と遊ぼ!」
と、エウリュディケに言った。すると、エウリュディケは
「私、子供は少し苦手なのだけれど……
まあ、いいわ。相手してあげる」
と、鎌を強く握り、咲に向かって走った。
咲は、それに対し地面を背中から蛸の足に蟹の甲羅がついた様な見た目の触手を八本出し、鞭の様にエウリュディケに叩きつけた。
エウリュディケは、舞う様にそれを避けながら、鎌で切り裂いていき、咲に近づくと咲の体に鎌を振りかざした。
咲は、エウリュディケが近づくと口から強酸を吐いてエウリュディケの足を攻撃した。
「きゃあああああっ!」
エウリュディケの足は酸で焼けただれた様になり、溶けた部分は白色の煙を出しながら骨を露出させた。
あまりの痛みにエウリュディケが踞ると咲は、エウリュディケの頭を棍棒で殴って叩き潰した。
咲は、エウリュディケの頭を潰した後、念の為にエウリュディケの体を棍棒で幾度も殴りグチャグチャの肉塊にした後、口から酸を吐いてそれを溶かし、顔を蜘蛛の様に変えてそれを啜って飲み込んだ。
「ぷは~!
聡~こっちは終わったよ~!」
咲が嬉しそうにそう言うと、ピキニ・カイカイは八体のシェイプシフターのうち、四体を翼に、残りの四体を触手に変えてオルフェウスを攻撃しながら、拳銃でオルフェウスを撃っていた。
オルフェウスは、逃げながら琴を引いて銃弾を落とし、船の端まで走って行くと逃げ場が無くなり、ピキニ・カイカイを見て
「はあ、僕もここまでか
イアソン、後は頼んだよ……」
と、言うと諦めてその場に座り込んだ。
すると、ピキニ・カイカイは
「なんだ、意外と呆気ない物だな
神話の英雄を倒すのは」
と、言った。すると、オルフェウスは、
「私は、戦えないからね
こんな物さ
はははっ」
と、笑った。ピキニ・カイカイは、完全に諦めたオルフェウスをシェイプシフターで叩き潰そうと四体のシェイプシフターをオルフェウスに向かって叩きつけ
「そうか、じゃあ良い演奏だったよ
さらばだ」
と、言った。
オルフェウスも、ピキニ・カイカイもその一撃でオルフェウスが死ぬと思ったが、突如、青銅の輝きを放つ閃光がオルフェウスの前に現れ、シェイプシフターを斬り裂いた。
ピキニ・カイカイは、それに驚き、現れた様を見て
「ソニック!何の真似だ!」
と、叫んだが、現れた人影はソニックでは無く、青銅の鎧を見に纏い、同じく青銅の剣を腰に挿し、トネリコの槍を持った美青年だった。
美青年は、ピキニ・カイカイの声に対し、少し不機嫌な様子で
「ソニック?
誰だぁ?そいつぁ!
俺を見て他人と間違えるとはいい度胸だな!
このアキレウスを!」
と、喧嘩腰に叫んだ。すると、閃光が現れた方から慌てて黄金のやたら野性味があって露出の多い鎧を着た女が走って来て
「アキレウス!
私を置いていくな!」
と、叫んだ。すると、アキレウスは女の方を見てチャラけた様子で
「ああ、悪い 悪い
親父に頼まれてこの船に乗ったんでな~
誰か死んだら申し訳ないと思って弱そうな奴の所に走ったら、案の定でよう
そう、怒るなってペンテシレイア」
と、言うとペンテシレイアはアキレウスに追いつくと彼の腕を掴んで噛みつき
「痛え!」
と、アキレウスが叫ぶと、ペンテシレイアは、頬を膨らませて
「伴侶よりもお父さんの方が大事なの?」
と、言った。すると、アキレウスは
「そんなわけ無いだろ~
機嫌治せよ~」
と、ペンテシレイアの頭をわしゃわしゃと撫でた。すると、ペンテシレイアは頬を赤らめて
「もう、それなら良いけど」
と、少しアキレウスから目を反らせながら言った。ピキニ・カイカイは、その一連のやり取りを見て馬鹿らしくなり、オルフェウスへ向けて銃弾を放った。
すると、アキレウスは高速でそれを弾き、槍をピキニ・カイカイに向けてこう言った。
「おい、アンタ
何やってんだ?やらせねえよッ!」
と、言って凄まじい勢いで飛び上がり、槍でピキニ・カイカイを突いた。ピキニ・カイカイは、それを触手で受け止めたが、衝撃で後ろへ飛んでしまう。
アキレウスは、ピキニ・カイカイを吹き飛ばすと、ピキニ・カイカイへ槍を向けてこう言った。
「弱い奴ばっか狙ってんっじゃねえよ
臆病者がァッ!
此奴を倒したきゃ、このアキレウスを倒してからにしな!」
と、怒声を放つと、ペンテシレイアは、そんなアキレウスを見てウットリしながら
「アキレウス……かっこいい……」
と、呟いた。
ピキニ・カイカイは琴を持った銀色の長い髪を風になびかせている男の元へと歩いた。
ピキニ・カイカイは、背中につけた八体のシェイプシフターを翼の様に広げ琴を持った男の元まで行くと、男は琴を奏でながらピキニ・カイカイにこう言った。
「私の相手は貴方ですか、中々強そうですね。見ての通り私は戦闘はあまり得意では無いので見逃してはくれませんか?」
それに対しピキニ・カイカイは、
「ああ、それは良いがもう我々の仲間の邪魔をしないと誓え」
と、言うと琴を持った男は微笑んで
「いえ、それは出来ません
私も仲間がむざむざ殺されるのは見たく無いので」
と、言った。すると、ピキニ・カイカイはコートの内ポケットから拳銃を取り出して
「そうか、では私も君を生かしてはおけない」
と、琴を持つ男を撃った。すると、琴を持った男は琴を奏で弾を甲板の上に落とした。
「残念です。貴方は賢い人とお見受けしたのに」
琴を持った男はため息をついてそう言うと、
続けて
「では、私もアルゴノーツの一員として貴方を殺します。文句はありませんね?」
そう言うと、琴を持った男は琴を奏でモーツァルトのレクイエムを演奏し始めた。すると、ピキニ・カイカイは驚いて
「おや?それは辺獄で覚えたのか?」
と、尋ねた。すると、琴を持った男はクスリと笑って
「ふふっ
いいえ、これは私が生前に恋人の為に奏でた音楽です。私が冥界に行った時に頭をよぎった音楽で死者を弔う曲の完成形。後の世でこれと同じ物が奏でられたのは知っていますが、これは純粋なる冥界の曲。
天才がそれを感じ取れるだけです。
では、長話も無粋なのでいきますよ。
このオルフェウスは冥界帰りを果たした者、その力を得とご覧あれ」
オルフェウスが、そう言うとピキニ・カイカイの前に突如黒いモヤが現れ、その中から露出の多い黒いドレスを着た、足に蛇の刺青のある美女が大きな鎌を持って現れた。
美女は現れると、オルフェウスの方を向いて微笑み
「ああ、オルフェウス
また、私を連れ出してくれたのね
今日は、何をするの?」
と、猫なで声で話しかけた。すると、オルフェウスは、
「ああ、エウリュディケ
今日も君の美しい踊りを見せてくれ
あそこのいる彼に存分に」
と言い、エウリュディケは
「わかったわ
見ててね、オルフェウス」
と、愛らしく言った。それを見たピキニ・カイカイは、鎌を持ったエウリュディケを警戒し、エウリュディケに対し拳銃の弾を撃ち放った。
エウリュディケは、それに気が付きブリッジの様な動きをして交わすと、ピキニ・カイカイの方へ向き直り、微笑んだ。
「まあ、せっかちな人ね
慌てなくても、楽しませてあげる」
エウリュディケは、そう言いながら、ドレスのスカートの裾を掴み軽く持ち上げて、足を見せながらピキニ・カイカイへと近づいてピキニ・カイカイに抱きつき、首に腕を回した。
エウリュディケが、近づく際ピキニ・カイカイは、何故かエウリュディケを最愛の恋人の様に感じ攻撃する事が出来なかった。
エウリュディケは、そのままピキニ・カイカイの耳元で
「ほら、大人しくしてて」
と、囁きピキニ・カイカイは、その場に膝をついた。すると、エウリュディケは微笑んで
「そう、いい子ね」
と、言うとピキニ・カイカイの周りで踊り始めた。
エウリュディケの踊りはとても華やかで美しく、ピキニ・カイカイは、自分の状況を忘れて目を奪われた。
エウリュディケの踊りを見ていくうちにピキニ・カイカイは、どんどん痩せ細っていったが、本当はそれを気にせず踊りを見続けた。
エウリュディケは、踊りながら鎌を振り少しずつピキニ・カイカイを切り裂いていき、動かなくなったシェイプシフターを切り落とした。
ピキニ・カイカイが、充分にやせ細ると、エウリュディケは、踊りをやめピキニ・カイカイにウィンクし
「じゃあ、これで終わりね
さようなら」
と、言ってピキニ・カイカイの首元に鎌をかけた。
ピキニ・カイカイは、それを受けてなお幸福な表情で膝をつき、抵抗する素振りを見せなかった。
そして、エウリュディケが鎌を引こうとしたその瞬間、海中から化け物の体をした青いドレスを着た少女が棍棒を持って飛び出し、エウリュディケを攻撃した。
エウリュディケは、それに驚き後方へ飛んでピキニ・カイカイから鎌を離した。
海から飛び出して来た少女は、ピキニ・カイカイが膝をついているのを見て急いで駆け寄り
「ねえ、大丈夫?
ねえってば!」
と、ピキニ・カイカイを激しく揺さぶった。
すると、ピキニ・カイカイは、目を覚まし少女を見て驚くと
「咲……?
どうした?何故、ここにいる」
と、尋ねた。すると、咲は溜息をついて
「はあ、もうちょっとで殺される所だったのにな~にその反応?
もしかして、また寝てたの?」
と、尋ねた。すると、ピキニ・カイカイは、
「眠ってなどいないさ
私は、ただオルフェウスを……
はっ!
私は、今まで何をしていたんだ!」
と、正気に戻って立ち上がった。
すると、咲は
「やっぱり、寝てたんだね~
お兄様に文句言っとか無いと、でも、その前に今は二人で敵を倒そう?」
と、言うとピキニ・カイカイは、
「ああ、そうだな
君が来たんだ。もう、無様は見せられない
私は、オルフェウスをやる。君はエウリュディケを頼むぞ」
と、言うと甲板に張り付いていたシェイプシフターを背中につけ、飛び上がってオルフェウスの元へといった。すると、咲は
「わかった!
それじゃあ、お姉さん
私と遊ぼ!」
と、エウリュディケに言った。すると、エウリュディケは
「私、子供は少し苦手なのだけれど……
まあ、いいわ。相手してあげる」
と、鎌を強く握り、咲に向かって走った。
咲は、それに対し地面を背中から蛸の足に蟹の甲羅がついた様な見た目の触手を八本出し、鞭の様にエウリュディケに叩きつけた。
エウリュディケは、舞う様にそれを避けながら、鎌で切り裂いていき、咲に近づくと咲の体に鎌を振りかざした。
咲は、エウリュディケが近づくと口から強酸を吐いてエウリュディケの足を攻撃した。
「きゃあああああっ!」
エウリュディケの足は酸で焼けただれた様になり、溶けた部分は白色の煙を出しながら骨を露出させた。
あまりの痛みにエウリュディケが踞ると咲は、エウリュディケの頭を棍棒で殴って叩き潰した。
咲は、エウリュディケの頭を潰した後、念の為にエウリュディケの体を棍棒で幾度も殴りグチャグチャの肉塊にした後、口から酸を吐いてそれを溶かし、顔を蜘蛛の様に変えてそれを啜って飲み込んだ。
「ぷは~!
聡~こっちは終わったよ~!」
咲が嬉しそうにそう言うと、ピキニ・カイカイは八体のシェイプシフターのうち、四体を翼に、残りの四体を触手に変えてオルフェウスを攻撃しながら、拳銃でオルフェウスを撃っていた。
オルフェウスは、逃げながら琴を引いて銃弾を落とし、船の端まで走って行くと逃げ場が無くなり、ピキニ・カイカイを見て
「はあ、僕もここまでか
イアソン、後は頼んだよ……」
と、言うと諦めてその場に座り込んだ。
すると、ピキニ・カイカイは
「なんだ、意外と呆気ない物だな
神話の英雄を倒すのは」
と、言った。すると、オルフェウスは、
「私は、戦えないからね
こんな物さ
はははっ」
と、笑った。ピキニ・カイカイは、完全に諦めたオルフェウスをシェイプシフターで叩き潰そうと四体のシェイプシフターをオルフェウスに向かって叩きつけ
「そうか、じゃあ良い演奏だったよ
さらばだ」
と、言った。
オルフェウスも、ピキニ・カイカイもその一撃でオルフェウスが死ぬと思ったが、突如、青銅の輝きを放つ閃光がオルフェウスの前に現れ、シェイプシフターを斬り裂いた。
ピキニ・カイカイは、それに驚き、現れた様を見て
「ソニック!何の真似だ!」
と、叫んだが、現れた人影はソニックでは無く、青銅の鎧を見に纏い、同じく青銅の剣を腰に挿し、トネリコの槍を持った美青年だった。
美青年は、ピキニ・カイカイの声に対し、少し不機嫌な様子で
「ソニック?
誰だぁ?そいつぁ!
俺を見て他人と間違えるとはいい度胸だな!
このアキレウスを!」
と、喧嘩腰に叫んだ。すると、閃光が現れた方から慌てて黄金のやたら野性味があって露出の多い鎧を着た女が走って来て
「アキレウス!
私を置いていくな!」
と、叫んだ。すると、アキレウスは女の方を見てチャラけた様子で
「ああ、悪い 悪い
親父に頼まれてこの船に乗ったんでな~
誰か死んだら申し訳ないと思って弱そうな奴の所に走ったら、案の定でよう
そう、怒るなってペンテシレイア」
と、言うとペンテシレイアはアキレウスに追いつくと彼の腕を掴んで噛みつき
「痛え!」
と、アキレウスが叫ぶと、ペンテシレイアは、頬を膨らませて
「伴侶よりもお父さんの方が大事なの?」
と、言った。すると、アキレウスは
「そんなわけ無いだろ~
機嫌治せよ~」
と、ペンテシレイアの頭をわしゃわしゃと撫でた。すると、ペンテシレイアは頬を赤らめて
「もう、それなら良いけど」
と、少しアキレウスから目を反らせながら言った。ピキニ・カイカイは、その一連のやり取りを見て馬鹿らしくなり、オルフェウスへ向けて銃弾を放った。
すると、アキレウスは高速でそれを弾き、槍をピキニ・カイカイに向けてこう言った。
「おい、アンタ
何やってんだ?やらせねえよッ!」
と、言って凄まじい勢いで飛び上がり、槍でピキニ・カイカイを突いた。ピキニ・カイカイは、それを触手で受け止めたが、衝撃で後ろへ飛んでしまう。
アキレウスは、ピキニ・カイカイを吹き飛ばすと、ピキニ・カイカイへ槍を向けてこう言った。
「弱い奴ばっか狙ってんっじゃねえよ
臆病者がァッ!
此奴を倒したきゃ、このアキレウスを倒してからにしな!」
と、怒声を放つと、ペンテシレイアは、そんなアキレウスを見てウットリしながら
「アキレウス……かっこいい……」
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