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第1章 辺獄妄執譚
第22話 時間にかけて誓う。本当に人間は、喪失の中にいる。
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キング・メイソンがシャフリアールに倒された頃、マイスター達は、ハウニブに乗り込み搭載されたレーダーを使ってマルコ・ポーロを追っていた。
ハウニブの操縦室にてマイスターは、マルコ・ポーロを探す為レーダー画面の前で、他のメンバーが休憩している中休まずに反応を確認していた。
暫く探してもそれらしい反応が無く、苛立ちを隠せずに机を、ドンッ!と殴りつけた。
「クソ!
彼奴が、我々から離れたのは、ついさっきだと言うのに
何故、見つからないんだ!」
そう言うと、マイスターは操縦席から立ち上がり、暫く、操作盤の前を行ったり来たりして考え込んでいると、ふと、ハウニブが落とされる前に見たターバンを巻いた兵士達の事を思い出した。
「マルコ・ポーロが出した兵士は全員、かなり前の時代の武器を使っていたが、最初に見た奴等はアサルトライフルを持っていた
何故だ?
単に武器の数が限られている?
いや、奴は見たところ好きな様に兵を出していた
と言う事は、もう一人リーダー格の敵がいるはず
そうと、わかれば」
マイスターは、自問自答を繰り返し、結論に至ると、操縦席に座り直し艦内放送で仲間に指示を出した。
「敵の所在がわかった
総員、戦闘の準備を」
その不親切なくらい短い放送を聞き付けた元メメント・モリ構成員は、重たい身体を起こし各自準備に入った。
それと、同時にマイスターは、ハウニブの操縦系に目的地をセットし、自らも戦闘準備に入った。
マイスターは、戦闘準備にかかると操縦室を後にしハウニブ内の小型艇収容庫へと足を運んだ。
収容庫に入ったマイスターは、何も無い倉庫で魔法を発動する。
「聴けッ!
どの地、どの空、どの世でも
見上げし仰ぐは、紅鏡也
その偉大なる使い
何時をも共にする烏をここに
黒き御使いは万の空を翔る」
マイスターが、魔法を発動するとマイスターの目の前に巨大な魔法陣が現れ、その中から黒い羽根が一陣の風と共に飛び出してきた。風が吹き止むと、黒い羽根が消え去り、クリエイターの異空間倉庫から目的の物が現れた。
「よし、これだ
また、クリエイターに無断だが、まあ、良いだろう」
マイスターは、そう言うと現れた二つの物の内の一つ、巨大なウルツァイト窒化ホウ素の塊を能力で操り、作業に取り掛かった。
マイスターが、作業を終わらせるとハウニブは、既に目的地に到着しており、光学迷彩を発動して待機状態を取っていた。
マイスターは、収容庫に今、作った物を置いて皆が待つハウニブ内の会議室に向かった。
会議室に着くと、既に全員がナノマシン発生装置を起動した状態で、待ちくたびれたと言いたげな表情をマイスターに向けていた。
「待たせて、済まない
では、今回の作戦を説明する」
マイスターが、いつも通り皆の態度を無視して、話を進めると皆、しょうがないと言わんばかりの態度を取って作戦を聞いた。
「まず、始めに今回の作戦の目的は敵の制圧だ
それは、わかるな?
では、次に作戦地点だが、我々の住む屋敷を覆う森と砂漠の境界線から7km地点の砂漠地帯だ
皆も先程の戦いでわかったと思うが敵の数は膨大で、さらに厄介な魔法使いもいる
そこで、今回は犠牲を減らす為に、敵と集団戦をやる」
マイスターがそう言うと、スカーが手を挙げて質問をした。(勝手に話に割り込むとマイスターが激怒する為)
「なんだ?スカー」
マイスターが、上機嫌でスカーに尋ねると、スカーは
「何故、わざわざ上陸して戦うんだ
上から一気に攻撃を浴びせれば良いじゃないか」
と、最もな意見を言うと
「詳しくは、これから渡す作戦書に記載されているので割愛する
これだ、全員目を通しておく様に」
そう言って、マイスターが持っているステッキで自分の机を小突き、ステッキのギミックで魔法陣が現れ、人数分の分厚い作戦書が机上に現れた。
すると、全員が嫌そうな顔をして受け取り、スカーも不承不承と承知した。
「他に質問がある者」
スカーが、承知したのを見てマイスターが、皆に尋ねると皆、報告書を必死で読んでいたので誰も手を挙げなかった。
「よろしい
では、作戦の第一段階だ
クラウド、能力で増えておけ
人数は、作戦書にある
皆は、クラウドの準備が終わり次第、持ち場につけ
私は操縦室にいる」
マイスターが、そう言うと
「「「「「「「りょ、了解...」」」」」」」
と、皆、作戦書を読みながら、いつに無く自信なさげな返事をした。
ハウニブの操縦室にてマイスターは、マルコ・ポーロを探す為レーダー画面の前で、他のメンバーが休憩している中休まずに反応を確認していた。
暫く探してもそれらしい反応が無く、苛立ちを隠せずに机を、ドンッ!と殴りつけた。
「クソ!
彼奴が、我々から離れたのは、ついさっきだと言うのに
何故、見つからないんだ!」
そう言うと、マイスターは操縦席から立ち上がり、暫く、操作盤の前を行ったり来たりして考え込んでいると、ふと、ハウニブが落とされる前に見たターバンを巻いた兵士達の事を思い出した。
「マルコ・ポーロが出した兵士は全員、かなり前の時代の武器を使っていたが、最初に見た奴等はアサルトライフルを持っていた
何故だ?
単に武器の数が限られている?
いや、奴は見たところ好きな様に兵を出していた
と言う事は、もう一人リーダー格の敵がいるはず
そうと、わかれば」
マイスターは、自問自答を繰り返し、結論に至ると、操縦席に座り直し艦内放送で仲間に指示を出した。
「敵の所在がわかった
総員、戦闘の準備を」
その不親切なくらい短い放送を聞き付けた元メメント・モリ構成員は、重たい身体を起こし各自準備に入った。
それと、同時にマイスターは、ハウニブの操縦系に目的地をセットし、自らも戦闘準備に入った。
マイスターは、戦闘準備にかかると操縦室を後にしハウニブ内の小型艇収容庫へと足を運んだ。
収容庫に入ったマイスターは、何も無い倉庫で魔法を発動する。
「聴けッ!
どの地、どの空、どの世でも
見上げし仰ぐは、紅鏡也
その偉大なる使い
何時をも共にする烏をここに
黒き御使いは万の空を翔る」
マイスターが、魔法を発動するとマイスターの目の前に巨大な魔法陣が現れ、その中から黒い羽根が一陣の風と共に飛び出してきた。風が吹き止むと、黒い羽根が消え去り、クリエイターの異空間倉庫から目的の物が現れた。
「よし、これだ
また、クリエイターに無断だが、まあ、良いだろう」
マイスターは、そう言うと現れた二つの物の内の一つ、巨大なウルツァイト窒化ホウ素の塊を能力で操り、作業に取り掛かった。
マイスターが、作業を終わらせるとハウニブは、既に目的地に到着しており、光学迷彩を発動して待機状態を取っていた。
マイスターは、収容庫に今、作った物を置いて皆が待つハウニブ内の会議室に向かった。
会議室に着くと、既に全員がナノマシン発生装置を起動した状態で、待ちくたびれたと言いたげな表情をマイスターに向けていた。
「待たせて、済まない
では、今回の作戦を説明する」
マイスターが、いつも通り皆の態度を無視して、話を進めると皆、しょうがないと言わんばかりの態度を取って作戦を聞いた。
「まず、始めに今回の作戦の目的は敵の制圧だ
それは、わかるな?
では、次に作戦地点だが、我々の住む屋敷を覆う森と砂漠の境界線から7km地点の砂漠地帯だ
皆も先程の戦いでわかったと思うが敵の数は膨大で、さらに厄介な魔法使いもいる
そこで、今回は犠牲を減らす為に、敵と集団戦をやる」
マイスターがそう言うと、スカーが手を挙げて質問をした。(勝手に話に割り込むとマイスターが激怒する為)
「なんだ?スカー」
マイスターが、上機嫌でスカーに尋ねると、スカーは
「何故、わざわざ上陸して戦うんだ
上から一気に攻撃を浴びせれば良いじゃないか」
と、最もな意見を言うと
「詳しくは、これから渡す作戦書に記載されているので割愛する
これだ、全員目を通しておく様に」
そう言って、マイスターが持っているステッキで自分の机を小突き、ステッキのギミックで魔法陣が現れ、人数分の分厚い作戦書が机上に現れた。
すると、全員が嫌そうな顔をして受け取り、スカーも不承不承と承知した。
「他に質問がある者」
スカーが、承知したのを見てマイスターが、皆に尋ねると皆、報告書を必死で読んでいたので誰も手を挙げなかった。
「よろしい
では、作戦の第一段階だ
クラウド、能力で増えておけ
人数は、作戦書にある
皆は、クラウドの準備が終わり次第、持ち場につけ
私は操縦室にいる」
マイスターが、そう言うと
「「「「「「「りょ、了解...」」」」」」」
と、皆、作戦書を読みながら、いつに無く自信なさげな返事をした。
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