現代神曲〜プルガトリオの人面樹が叫びを聴けッ！〜

プロローグ 煉獄悲哀遊戯

第17話 神話の怪物

僕が、新武装を展開すると
ゴーレム内部にいるキング・メイソンは、
それを警戒し腕を伸ばし殴り付ける様な動作をした。

僕は、それを大型建造物破壊特化型エレファントに止めさせると

「もう、その馬鹿デカいだけの体では、
僕にアドバンテージを取れないぞ！」

と言い
大型建造物破壊特化型エレファントにゴーレムの腕を両腕で持たせゴーレムの腕を引き千切られた。

すると、キング・メイソンは、
「だから、
最初からコイツは囮だと言っているだろう
やれ、パイロ！」

と言い千切れた腕が流体の様な動きをし
大型建造物破壊特化型エレファントにまとわりついて動きを止めると
腕の内部から全身に炎を纏ったパイロが出てきて、
指揮をしている僕に襲いかかって来た。

「これだけ数を揃えたって無駄だぜ
お前らも来いッ！」

パイロがそう言うと、千切れた腕から
大型建造物破壊特化型エレファントの体を足場にして、メメント・モリ構成員六人が現れた。

パイロは、それを確認すると
僕に炎を飛ばして他の武装から離すようにしながら、

「サイドワインダー！
デカい奴以外どれでも良いからクリエイターの体を捕まえろ！
サイキックは、能力で敵の動きを止めろ
ヒートショットは、止まった体を攻撃して一体ずつ破壊しろ
その他は、敵が近付いてきた場合にその三人を守れッ！」

「「「「「「了解ッ！」」」」」」

メメント・モリ構成員の
サイドワインダーと呼ばれた能力者が、
腕からワイヤーを出して狙撃特化型クロウを捕え、
自らの方へ引き寄せると、槍術特化型ライノがそれを阻止しようとするが、
サイキックと呼ばれた能力が新武装達に手のひらを向けると全員の動きが止まった。
そして、そこにヒートショットと呼ばれた能力者が、
レーザーを出して新武装を破壊していった。

智慧ジュウホエ、エネルギーシールドを全員に張れ、
もう少し粘るぞ

僕は、頭の中で智慧ジュウホエに指示すると

「了解ヤオミンバエ天帝シャンティー
エネルギーシールド展開します！」

と智慧ジュウホエが言うと
ヒートショットの攻撃がほぼ全て弾かれ、
新武装は、どれも無傷だった。

僕が、次の敵を待っていると
ちょうど良いタイミングで

「何をぼうっとしてやがる
まだまだ、いるぞ！」

と僕の背後にグラスホッパーが、
飛び蹴りを食らわせてきた。

僕は、それを触手で受け止めると

今度は、上空から
変身したイカロスにぶら下がったブラックアウトが、飛んできた。

よし、このくらいか
智慧ジュウホエ、音波兵器特化型ドルフィンの出番だ
思いっきりやってくれ！

僕が、頭の中でそう言うと

「了解ヤオミンバエ天帝シャンティー！
音波兵器フルパワーでやっちゃいます！」

智慧ジュウホエが、頭の中でそう応えると

音波兵器特化型ドルフィンが、口を開き
周りが震えて見える程の協力な音波が辺り一面に響き渡った。

すると、
僕以外のこの場にいた全員が耳から血を吹き出して
頭を抱え苦しみ始めた。

「「「「「「うああああああァァッ！！」」」」」」

うわっ！
思ったよりえげつない攻撃になったな
まあ、良い
智慧ジュウホエ、剣術特化型ビートルに狙撃特化型クロウを救出させるのと同時に、この場にいる全員を敵捕縛特化型スパイダーに捕えさせろ！

「了解ヤオミンバエ天帝シャンティー！」

智慧ジュウホエが、指示を全うする為に
それぞれの体を操作する
敵捕縛特化型スパイダーが、電磁ネットで全員を縛るとグラスホッパーだけ、化学兵器散布特化型スカンクのガスで眠らせ、次の指示を出す。

そろそろ、兵力補充特化型クイーンビーの準備が整っただろう兵力補充特化型クイーンビーに生産させた兵隊蜂達を一挙に放出しろ。

「了解ヤオミンバエ天帝シャンティー
現在、兵隊蜂二百体準備完了です
それでは、蜂さん達を放出します！」

智慧ジュウホエの操作で、
兵力補充特化型クイーンビーの蜂の巣の様な部分から、二百体隊の身長130cm程の蜂の顔と羽、針を持つ人型の体が一斉に飛び出し、ゴーレムを囲んだ。

「うお、クソッ！
アイツは何体兵士を出せるんだ！
キリがないぞ！」

と文句を言いながら、
必死で腕を振り回し、蜂を追い払っていると
先程の音波兵器で拘束していた
コンクリート部分が砕け散った大型建造物破壊特化型エレファントが、拳を振り上げゴーレムを殴り付けるモーションを取る。
大型建造物破壊特化型エレファントは、拳を握り殴り付ける為に肘を後ろに引くと、肘の後端が開き物凄い勢いで周りの空気を吸い込んだ。

キング・メイソンは、攻撃に備え、
ゴーレムの千切れた腕を戻し、
腕を前にクロスさせた。

「ははッ！
そんなので防げるかな
やれ、智慧ジュウホエ！」

僕が、高らかにそう叫ぶと

「了解ヤオミンバエ天帝シャンティー！
圧縮空気砲スタンバイOK」

「放てッ！」

僕が、そう叫ぶと
大型建造物破壊特化型エレファントは、拳を開き掌をゴーレムに向けて
思い切り押し出すと掌の真ん中にある発射口から、
圧縮された空気の塊が飛び出してクロスした腕ごと胴体に大穴を開けた。

「うおおおおッ！
クソッ！」

崩れるゴーレムから、キング・メイソンが、
コンクリートを一部纏い脱出しようと出てきた所を
狙撃特化型クロウに狙撃させた後、
大型建造物破壊特化型エレファントがゴーレムをバラバラに砕き、
中に入っている奴らを全員敵捕縛特化型スパイダーに捕えさせると

「どうだッ！
僕の勝ちだッ！」

と僕は、縛り上げた奴らを馬鹿にする様にそう叫んだ。

すると、
それを聞いた神が聖達を引き連れて
僕の前に現れた。

僕は、聖を見ると
急いで近づいて抱きしめた。

「無事で良かったッ！
今まで、何処にいたんだ？」

と僕が尋ねると

聖は、僕を同じ様に抱きしめながら、
バツが悪そうに

「それが～．．．」

と言い

それを見た役小角が、

「お前の戦いを見ながら
ここに来る前の続きで焼き菓子食ってた」

と答え

「え？」

と僕が、呆気に取られていると

「これは、君だけに与えた試練だからな
彼らは、見学させていた
なかなか良かったぞ
お前の戦いぶりも、焼き菓子も」

神がそう言った。

それを聞いて

「僕の代わりに聖達と仲良くお茶してたのか！？
僕を殺そうとしながら！」

と僕が怒鳴ると

「何度も言うがこれは、君への試練なんだ
わかってくれ
では、次に行こうか」

神は、そう言うと
手を子招く様な動作をした。
すると、神の前に魔法陣が現れ、
その中から怪物達が現れた。

「死後、私の下僕となった
ケルベロスとハヌマーンだ
次の試練はコイツらを倒す事だ
では、健闘を祈るぞ」

怪物が出てくると頭を撫でながら、
神がそう言った後、
指をパチンッと鳴らし、
玉座を出してそれに座して宙に浮いた。

僕は、急いで超高出力のエネルギーシールド発生装置を取り出して、聖、咲、前鬼、中鬼、後鬼を守ると、

「役小角、どっちがいい？」

と尋ねた。

「おいッ！
お前の試練だろ！
俺も守れよ！」

役小角が、文句を言うと

「いや、やっぱり暫く両方相手してくれ
僕は、助っ人を連れてくる」

そう言って僕は、
先程倒した奴らの回収に向かった。

「てめえ！せめて
どれでも良いからお前の体置いていけッ！
一人じゃいくら何でも無理だろッ！」

役小角が、そう叫ぶと

「うるさいな
わかったよ
智慧ジュウホエ、兵隊蜂のターゲットをケルベロスとハヌマーンにセットしろ」

「了解ヤオミンバエ天帝シャンティー！」

「それと、コイツらの救命措置を異空間倉庫内でやってくれ！」

そう言いながら、僕は倒れた能力者達を触手で掴むと片っ端から異空間倉庫に放り込んだ。

暫くして

「さて、全員回収完了だ
僕も倉庫内で回復するか」

全員拾い集めて僕が、そう呟くと

「おお～い
後、10分くらい
そのままでいてくれッ！」

と役小角に叫んだ。

何やら、押されているように見えるが
無視しよう
10分くらい生き残れるだろ

僕は、そう思いながら異空間倉庫のゲートをくぐった。

「ふざけんなッ！
早く戻って来いッ！」

ゲートが閉じた後、
役小角の悲鳴が虚しく辺りに響き渡った。