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第2章 スファニー・レノア

12. 譲れない戦い3

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スプリンガーは、全員に一瞥をくれると渋い表情で中央スクリーンを指し示す

『 これを見ろ…。ブラッシュは ただの囮だ 』

第8軌道周辺、 小惑星の陰。
セイバーの巨大旗艦が、
囂々ごうごうと唸りながら、とぐろを巻いて潜んでいる

中央のスペースコロニーは、ズミトニウム300%、光り輝くゴールデン スクリームだ。

このギガモンスターが、ひと声雄叫ぶと あたり一面をセイバー戦闘機が埋め尽く事となる。

「 な、なんと いつの間に💦」

顔面蒼白のバイアラ、次の言葉が続かない。

『 …。』

ギロリと目玉だけ動かし、カイルに指示を出せと促すスプリンガー

『   バイアラ、 圏内空域の機動艦隊は すべて第8へ集結させろ!   北西4.1、小惑星の反面より一斉砲撃だ。
第3軌道に係留中の挺侵を含む攻撃部隊もすべて呼び寄せ、 前後からの総攻撃で敵のコロニーを殲滅する 』

「 は、はぁ、しかしNBへの救援はいかがいたしましょう💦   このままでは惑星内に敵の侵入を許す恐れがあります 」

『…うむ、なるほどな…。そうなればサウスが責任を問われるだろう  』
ニヤリとするカイル

サウスイートはピクリと眉を動かしカイルに目をやる

『  洒落にならない毒を吐くな、カイル 』

『 …だがスクリームを撃破できなければ 我々は、それ以上の制裁を受けることとなるだろう 』

『 NBを奪われる以上の失態
があるのか  』

『 サウス、ハーリア閣下が今、一番望まれているモノ、それはセイバーのスペースコロニー。まさにあのゴールデンスクリームだぞ。それを目の前にして、みすみす取り逃がしたとあっては、まず重罪は免れん。 それどころか、今回のプロジェクトチーム全体が極刑も覚悟する必要がある! 』

周りを見渡し凄むカイルに、サウスイートもギアオも返す言葉がない。

スプリンガーは頷き、満足気に薄笑いを浮かべた

『 ああ…カイル、その通りだ。だが一つ言うなれば、撃破ではない、壊してはならん確保だ。あの美しいタンクを壊さず、必ず確保するのだ! 
ふぁっふぁっはっはっはっはぁっ! 』

声を上げて笑うスプリンガー

『…💧』

その場のすべての者たちが、顔面を強張らせ固まったことは言うまでもない

バイアラのはらわたもギリギリと締めつけられ、吐き気を覚える

「(汗)ははぁっ!仰せの通りに💦 」

深々と頭を下げた

サウスィートは顔をしかめたまま押し黙る

『  …。』
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