ペースト学園かまぼこ部能力ver〜抗う能力者達〜

澪音

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第一章「機械の戯れ」

次なる挑戦者

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正樹side

美海みかと合流してあの部屋を出た。
暗い顔はしてないものの未だ浮かない顔の美海みか
ただ、どことなく吹っ切れたような雰囲気もあった。
同じような通路を進む。
たったそれだけだが、俺等おれらの中には多少の緊張が走っていた。
この通路が何処どこまで続いているか分からん。
ある程度はミレイさんから教えてもらったものの、彼女が連れてこられたのは二・三年前らしい。
だから、多少構造が変わっていてもおかしくないのだ。

しばらく歩くと、既視感のある扉が見えた。
張り紙の貼ってある扉。
書かれてある内容は違うが、確かにそれは試練の部屋の扉。
今度はなんだ…?
[暴れるぬいぐるみ達を止めよう!!]
…ぬいぐるみ?
って事は能力者が一人は確実にいる訳だ。

「はぁ?今度はぬいぐるみぃ?」
思いっきり行く気満々の美海みか
だが、美海みかは行けないな…。
ちっせー文字で
[前回入った人は一人だけ入っていいよ!
※二人とも入っても片方に罰が来るだけだよ★]
って凄いお茶目(?)みたいな感じのこと書かれてた。
「…お前か瑞輝みずきは入れねぇぞ」
「はぁ?!」
「ここ見ろ、明らかに無理だろ」
ちぇーと悪態をつく美海みか
俺だってお前に行かせたいわ()
つかさっきまでの暗い表情はどこいったんだよ。

「じゃあ別の奴が行くしかねーじゃん」
「まぁ、必然的にそうなるね」
ムスッとした顔で言う美海みかとそれに応える波奈はな
さて、誰を行かせよう…。
これってさ、行かせる人によってはダメだろ。
ちゃんと考えて派遣しないt
「俺か瑞輝みずきが行けるなら瑞輝みずきが行けばいい」
おい、おい()
炎でどーしろと…あ、燃やせばいいんだ()
なるほどな、意図が分かってきたぞ。

瑞輝みずきが行くなら拓実たくみも連れてけ」
「…?なんで俺?」
久しぶりの登場だな、拓実たくみ(この章で初登場)
まぁ…それは置いといて…。
俺の一言に驚きを隠せない美海みか以外のメンバー全員。
「…そーくる?」
と最早呆れてるような返答をする美海みか
そう来ちゃう★
キャラ崩壊とかメタいこと言わないでね?

「ぬいぐるみなんぞ、燃やすか濡らすかしたら終わりだろ」
「濡らしても終わらん気が…」
俺の発言にボソリとツッコむ美海みか
確かになぁ …でも、美海みか拓実たくみは絶対要るだろー。
「でも回復役は要るよね」
サラッと俺の意図をくんでくれた愛結あゆ
ありがとう()
「…あー、そういうこと」
ようやく意図を理解したのか美海みかが納得の表情を見せる。

「他になにか…まだ聞きたいこと、異論はあるか?」
しんと静まり返った空気。
全員が文句無しの賛同ということだ。
「んじゃ、頑張ってこいよ」
そういい、俺は扉を指す。
扉に向かう瑞輝みずき拓実たくみ
そんな二人に何か言いたげな様子の美海みかだったが、結局何も言わなかった。
多少なりとも信じてるってことなんだろう。

ちゃんと、生きて帰ってくると。

二人は部屋に入る直前に口を揃えて、こう言った。
「「行ってくる」」
見事にハモったありきたりなセリフに俺は同じようにありきたりな言葉を返した。
「行ってこい、ちゃんと無事にな」

そして二人は部屋の中へ入っていった。
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