19 / 19
第一章「機械の戯れ」
次なる挑戦者
しおりを挟む
正樹side
美海と合流してあの部屋を出た。
暗い顔はしてないものの未だ浮かない顔の美海。
ただ、どことなく吹っ切れたような雰囲気もあった。
同じような通路を進む。
たったそれだけだが、俺等の中には多少の緊張が走っていた。
この通路が何処まで続いているか分からん。
ある程度はミレイさんから教えてもらったものの、彼女が連れてこられたのは二・三年前らしい。
だから、多少構造が変わっていてもおかしくないのだ。
しばらく歩くと、既視感のある扉が見えた。
張り紙の貼ってある扉。
書かれてある内容は違うが、確かにそれは試練の部屋の扉。
今度はなんだ…?
[暴れるぬいぐるみ達を止めよう!!]
…ぬいぐるみ?
って事は能力者が一人は確実にいる訳だ。
「はぁ?今度はぬいぐるみぃ?」
思いっきり行く気満々の美海。
だが、美海は行けないな…。
ちっせー文字で
[前回入った人は一人だけ入っていいよ!
※二人とも入っても片方に罰が来るだけだよ★]
って凄いお茶目(?)みたいな感じのこと書かれてた。
「…お前か瑞輝は入れねぇぞ」
「はぁ?!」
「ここ見ろ、明らかに無理だろ」
ちぇーと悪態をつく美海。
俺だってお前に行かせたいわ()
つかさっきまでの暗い表情はどこいったんだよ。
「じゃあ別の奴が行くしかねーじゃん」
「まぁ、必然的にそうなるね」
ムスッとした顔で言う美海とそれに応える波奈。
さて、誰を行かせよう…。
これってさ、行かせる人によってはダメだろ。
ちゃんと考えて派遣しないt
「俺か瑞輝が行けるなら瑞輝が行けばいい」
おい、おい()
炎でどーしろと…あ、燃やせばいいんだ()
なるほどな、意図が分かってきたぞ。
「瑞輝が行くなら拓実も連れてけ」
「…?なんで俺?」
久しぶりの登場だな、拓実(この章で初登場)
まぁ…それは置いといて…。
俺の一言に驚きを隠せない美海以外のメンバー全員。
「…そーくる?」
と最早呆れてるような返答をする美海。
そう来ちゃう★
キャラ崩壊とかメタいこと言わないでね?
「ぬいぐるみなんぞ、燃やすか濡らすかしたら終わりだろ」
「濡らしても終わらん気が…」
俺の発言にボソリとツッコむ美海。
確かになぁ …でも、美海か拓実は絶対要るだろー。
「でも回復役は要るよね」
サラッと俺の意図をくんでくれた愛結。
ありがとう()
「…あー、そういうこと」
ようやく意図を理解したのか美海が納得の表情を見せる。
「他になにか…まだ聞きたいこと、異論はあるか?」
しんと静まり返った空気。
全員が文句無しの賛同ということだ。
「んじゃ、頑張ってこいよ」
そういい、俺は扉を指す。
扉に向かう瑞輝と拓実。
そんな二人に何か言いたげな様子の美海だったが、結局何も言わなかった。
多少なりとも信じてるってことなんだろう。
ちゃんと、生きて帰ってくると。
二人は部屋に入る直前に口を揃えて、こう言った。
「「行ってくる」」
見事にハモったありきたりなセリフに俺は同じようにありきたりな言葉を返した。
「行ってこい、ちゃんと無事にな」
そして二人は部屋の中へ入っていった。
美海と合流してあの部屋を出た。
暗い顔はしてないものの未だ浮かない顔の美海。
ただ、どことなく吹っ切れたような雰囲気もあった。
同じような通路を進む。
たったそれだけだが、俺等の中には多少の緊張が走っていた。
この通路が何処まで続いているか分からん。
ある程度はミレイさんから教えてもらったものの、彼女が連れてこられたのは二・三年前らしい。
だから、多少構造が変わっていてもおかしくないのだ。
しばらく歩くと、既視感のある扉が見えた。
張り紙の貼ってある扉。
書かれてある内容は違うが、確かにそれは試練の部屋の扉。
今度はなんだ…?
[暴れるぬいぐるみ達を止めよう!!]
…ぬいぐるみ?
って事は能力者が一人は確実にいる訳だ。
「はぁ?今度はぬいぐるみぃ?」
思いっきり行く気満々の美海。
だが、美海は行けないな…。
ちっせー文字で
[前回入った人は一人だけ入っていいよ!
※二人とも入っても片方に罰が来るだけだよ★]
って凄いお茶目(?)みたいな感じのこと書かれてた。
「…お前か瑞輝は入れねぇぞ」
「はぁ?!」
「ここ見ろ、明らかに無理だろ」
ちぇーと悪態をつく美海。
俺だってお前に行かせたいわ()
つかさっきまでの暗い表情はどこいったんだよ。
「じゃあ別の奴が行くしかねーじゃん」
「まぁ、必然的にそうなるね」
ムスッとした顔で言う美海とそれに応える波奈。
さて、誰を行かせよう…。
これってさ、行かせる人によってはダメだろ。
ちゃんと考えて派遣しないt
「俺か瑞輝が行けるなら瑞輝が行けばいい」
おい、おい()
炎でどーしろと…あ、燃やせばいいんだ()
なるほどな、意図が分かってきたぞ。
「瑞輝が行くなら拓実も連れてけ」
「…?なんで俺?」
久しぶりの登場だな、拓実(この章で初登場)
まぁ…それは置いといて…。
俺の一言に驚きを隠せない美海以外のメンバー全員。
「…そーくる?」
と最早呆れてるような返答をする美海。
そう来ちゃう★
キャラ崩壊とかメタいこと言わないでね?
「ぬいぐるみなんぞ、燃やすか濡らすかしたら終わりだろ」
「濡らしても終わらん気が…」
俺の発言にボソリとツッコむ美海。
確かになぁ …でも、美海か拓実は絶対要るだろー。
「でも回復役は要るよね」
サラッと俺の意図をくんでくれた愛結。
ありがとう()
「…あー、そういうこと」
ようやく意図を理解したのか美海が納得の表情を見せる。
「他になにか…まだ聞きたいこと、異論はあるか?」
しんと静まり返った空気。
全員が文句無しの賛同ということだ。
「んじゃ、頑張ってこいよ」
そういい、俺は扉を指す。
扉に向かう瑞輝と拓実。
そんな二人に何か言いたげな様子の美海だったが、結局何も言わなかった。
多少なりとも信じてるってことなんだろう。
ちゃんと、生きて帰ってくると。
二人は部屋に入る直前に口を揃えて、こう言った。
「「行ってくる」」
見事にハモったありきたりなセリフに俺は同じようにありきたりな言葉を返した。
「行ってこい、ちゃんと無事にな」
そして二人は部屋の中へ入っていった。
0
お気に入りに追加
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
異世界にクラス転移したら全員ハズレスキルを持たされた
アタラクシア
ファンタジー
人生で数度もない貴重なイベントである修学旅行。この風鈴高校に通う二年二組の生徒たちも、長い間待ち望んでいた修学旅行に胸を躍らせていた。
はしゃぐバスの中――突然周りが黒く染まり、生徒たちは下へ下へと落下してしまう。
目が覚め、見えた景色は――現実の法則が意味をなさない、まさに『異世界』であった。
クラス全員ハズレスキル!?前代未聞の異世界転移に少年少女らは立ち向かう。
――根源に至る『四騎士』
――世界征服を企む『ナイトメア』
――新世界を作ろうとする『ネビュラ教』
異世界の様々な情勢に振り回されながらも奔走する。目指すは「クラスメイト全員の合流」と「元世界への帰還」。
はたして彼らは全員合流し、元の世界へと帰れるのか。
長くも奇妙な修学旅行が今始まる――。

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる