ペースト学園かまぼこ部能力ver〜抗う能力者達〜

澪音

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戦闘の始まり

回想の刻《2》

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ミレイside

目覚めた場所は…予言した場所と一致いっちした。
しかし、神木さかきさんが見当たらない。
何故なぜ、彼が居ないのだろう。
その疑問を抱くも、時は刻々こくこくと進んでいく。

予言通り、私は別の場所へ連れて行かれた。
連行された場所に牢屋があり、私はその中へ入れられた。
そこは…制御室だと後になって気付いた。
そこでは少し慌てふためいた黒服の人が言った。
「昨夜見つからなかった神木真聖さかき まなとを見つけた」と。
彼は私の予言を聞いた後、全く別の道を使いホテルに泊まったのだと言う。
政府は彼を諦めるかと思ったが、政府の行動は予想をはるかに上回った。
政府は…彼を連れてきたのだ。
神木さかきさんは途中参加という名目で、別の試練を受けさせられていた。
私の予言では無かった道…新しく神木さかきさんが開いた未来いまを私は見てみる事にした。
霊気を操る能力を使い、神木さかきさんの状況を見せてくれるように頼んだ。
神木さかきさんの状況は…。

『残酷』
その一言でしか言い表せなかった。
神木さかきさんの周りには政府が作った対能力者用のロボットが取り囲んでいる。
明らかに様々な能力がある事も理解出来る。
そこで気付いた。
いや、気付くのが遅かった。
政府は暴走するだろうロボットを私たち異常能力者に壊させようとしてる事を…。
それでも、神木さかきさんは一人で最初から半分ほどのロボットをものの数十分で破壊した。
しかし、私はある異変に気付く。
神木さかきさんのエネルギー消費量がとてつもなく早い。
占いの時に見たが…神木さかきさんのエネルギー量は、底が見えなかった。
底がないような、常に莫大ばくだいなエネルギーが流れているかのような感じがしたのに対し…今は、流れているエネルギー量が減っている気がした。

ふと顔を見てみると…神木さかきさんの顔は…歪んでいた。
まるで、ロボットを破壊する事を躊躇ちゅうちょしてるかのよう…。
そこで私は、霊に頼んで神木さかきさんの神経に影響を及ぼさない程度に憑依ひょういしてもらった。
ロボットが…人の姿になっている。
いや、これは…幻覚。
幻覚を見せる能力…政府の中の誰かが能力者だと言うの…?!
恐らく、相手しているロボットにうつされた幻覚は、神木さかきさんの知り合いの姿をしているのだろう。
だから、倒すのを躊躇ちゅうちょしていたのね…。

私はその事を知った後、憑依ひょういをやめてもらい、そのまま見守る事しか出来なかった。
神木さかきさんは全てのロボットを破壊した。
しかし、神木さかきさんの表情は…絶望に満ちているような気がした。
私は、神木さかきさんの事が心配でしか無かった。
私は、見るしか出来ない。
彼が切り開いた、新しい未来いまを。

結局、生き残ったのは神木さかきさん一人だけ。
最後の試練、私はどうしても内容が知りたくてまた霊にお願いをした。
部屋の真ん中に、誰かいる。
神木さかきさんは…呆然と立ち尽くしていた。
両目を見開き、信じられないといった表情をして。
そして、そのまま帰らぬ人となった。
神木さかきさんを〇したのは…彼の友人と思わしき人。
その人の顔は、涙でぐしゃぐしゃだった。
神木さかきさん…私は結局、彼を助ける事は出来なかった。
私が、未来を予言したばかりに…。
彼の死で私の頭の中は悪い事ばかり駆け巡った。
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