ペースト学園かまぼこ部能力ver〜抗う能力者達〜

澪音

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戦闘の始まり

乙女の刻《2》

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瑞輝side

「助けてくれませんか…?」
土下座で頼み込んでくる女性を目の前に、俺等おれらは未だどうする事もできてない()
あ…はたまた俺、瑞輝みずき視点だ。
つか、この章リーダー組しか視点なってねぇじゃん。
狙ってんのかな?
…いいや、分からんし()

「頭を上げてください」
土下座までされなくとも、俺の決意は固まっていた。
それは俺だけでは、無かったようだ。
「脱出すればいい…だけの話なんだよな?」
美海みか喧嘩ケンカより暴れれる為、闘志が燃えているようだ。
喧嘩ケンカっ早いところはどーにかなんないかな…。
「脱出出来れば救えるんだし?」
愛結あゆも便乗して、やる気に満ちている。
「なるべく怪我ケガは無いようにしないとね、何があるか分からないし…」
この期に及んで、波奈はな怪我等ケガなどの心配をしている。
「そーいう時は拓実たくみの能力使えば、早いだろ」
「確かに」
「何でだよ、美海みかも居るじゃん」
大翔やまとの提案に賛同する正樹まさき、即座にツッコむ(?)拓実たくみ
やれない事も無いらしいが…。

「全員、やる気みたいだな」
俺はそう告げる。
美海みか辺りが反応してきそ()
「当たり前やん」
ほら、美海みかが即座に応える。
俺等おれらは脱出するだけ、それで政府に囚われた能力者達が救われるなら、俺等おれらも頑張んないとダメだろ?」
いつもは面倒臭そうに物事を片付ける美海みかが、やる気に満ち溢れている。
決意が固まっていたのは、俺だけじゃないんだなと実感した。
「よし、そういう事なんで」
俺は、女性の方に向き変える。
俺等おれらはちゃんと脱出するから、安心して大丈夫ですよ」
女性には俺等おれらがどう見えているのかは、分からない。
でも、嬉しかっただろう。
「……っ…………ありがとう、ございます……っ…」
きっと、今まで辛かったんだろう。
突然政府に収集されて、尚且なおかつ試練をクリアしろだなんて…。
どんなに怯えただろう、どんなに悲しかったのだろう…。
女性をあわれむような言葉が頭の中を駆け巡る。
俺は頭を少し横に振り、その言葉をかき消した。

しばらくすると、女性は立ち上がった。
「…そういえば、名前を教えておりませんでしたね…」
開口一番そう言われ、そういえばそうだと思った。
「私の名前は魔魅夜澪華まみや れいか、政府の中ではミレイと呼ばれています」
魔魅夜まみや澪華れいか…?
どっかで聞いたことあるが……。
「あの、どうされましたか…?」
俺等おれら戸惑とまどいを感じ取ったのか、魔魅夜まみや…ミレイさんが問いかけてきた。
魔魅夜澪華まみや れいかって…確か突然姿を消したって有名な人の名前…」
「え………!?」
波奈はなの言葉に、ミレイさんが驚きの声を出した。
そりゃ、そうだろうな…。
まさか自分が行方不明になっているとは、思わなかったんだろう。
「ニュースにもなったんですよ、確か…いつだったかな…」
「2、3ヶ月前だな…」
鈴奈れなが思い出せない中、正樹まさきが素早く応える。
俺が言いたかったああああぁぁぁぁ…()
「…ちょうど、私が此処ここに連れてこられた時間軸と同じですね…やはり…」
実感が湧かない…目の前に居る女性が行方不明だった魔魅夜澪華まみやれいかである事に…。
当の本人も実感が湧かないのか、それとも現実的に受け止めきれてないのか、驚きつつも冷静さを保とうとしていた。

しばらくして落ち着きを取り戻す。
「…それでは、話し始めましょう」
ミレイさんが、政府に連れてこられた時の事を話し始める。
俺等おれらはそれを聞くしか出来ないが、何か掴めれたらいいと思う…。

何でもいい、政府に関することなら。
そう思っていた俺の思考を凌駕りょうがするほど、政府の複数能力者への待遇が酷い事を、聞いていく内に気付かされる事になるとは思ってもいなかった…。

「あれは、連れてこられて間もない時…」
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