5 / 19
戦闘の始まり
先天の刻
しおりを挟む
瑞輝side
「俺が、知ってる事…全部、話すよ」
美海は俯き、言った。
その声はどことなく震えていた。
あ…前話に引き続き俺、瑞輝視点です()
詳しくは前話を見てくださいな。
「ハッキリ言うと、初めて会った時から皆の能力のエネルギー量が半端ないんだ。最初は、威力が桁違いなだけかと思った…でも、正樹の能力が二つになってから疑い始めたんだ。そしたら…」
美海は顔を上げ、声を荒らげた。
「ここに居るメンバー全員が、複数能力者だって分かった、本当は…認めたくなかった!複数能力者がどれだけ辛いか知っていたから…政府に見つかれば隔離されるし、何より…命を狙われやすいから…」
眉をひそめ、今にも泣き出しそうな顔で話し続ける。
「そんな危険な目に…合わせたくなかった…危険にさらされるのは俺一人で充分だと思ってたから…」
段々声の覇気が無くなる。
膝から崩れ落ち、その場に蹲る美海。
何時から知っていたんだろう。
ふと、そう思う。
どれくらいその重圧に囚われていたんだろう。
かけてやれる言葉が…見当たらなくなった。
聞きたい事は、沢山あった。
でも…複数能力者が幸運では無い事は分かっていた。
美海は、先天性の複数能力者だったから二つになるのは時間の問題だったという。
先天性は、生まれた時から複数の能力を得ているらしいが、美海は先天性の中でも珍しい能力の目覚めが遅いタイプだ。
それと違い、俺等は後天性らしい。
後天性は、生まれ持ったエネルギー量が莫大過ぎて、身体が新しい能力を作るって授業で聞いた。
先天性の方が珍しいが後天性も多くいない。
「〇天性、見つかれば即、隔離行き」
こんな言葉もあるくらいだ。
だから、美海の事も学校側は隠蔽してくれてたのだという。
今まで何処に隔離されるのかが疑問だったが…政府だったとは、恐れ入ったよ。
そう思っていたのは俺だけでなく、ここに居る残りのメンバー全員だろう。
皆かけてやれる言葉が見つからないのか、唖然とし黙っている。
さっきは美海に詰め寄った大翔もそれを止めた正樹も呆然と立ち尽くしていた。
愛結と波奈に至っては、涙が流れないよう我慢しつつも、美海の今までの心情の重みに耐えているようだ。
「…続きを話してもよろしいでしょうか」
女性の声が沈黙を破り響く。
多分、皆この女性のこと忘れてたんだろうなぁ…。
あ、俺もか()
「…あ…すいません」
咄嗟に詫びの言葉が出る。
しかし、状況が状況。
これを女性がどう捉えるか…。
「いえ、構いません…」
この予想外な返答に戸惑ったが、平静を装う。
美海の傍には波奈に付いてもらった。
ぶっちゃけ誰でも良かったが、ここは同性同士が落ち着くだろう。
「では、話の続きを…政府はこの調査結果を元に…」
女性が話し始めたのは、美海の話から暫くたった後だ。
美海もだいぶ落ち着いてきてるな…。
よかったよかった()
女性は美海が落ち着くのを待ってくれたのだ。
意外といい人なんだよな。
しかし、またもや女性の次の言葉で…政府がどんな目で俺等を見ていた事を知らされる。
「貴女方が危険だと判断されました」
「俺が、知ってる事…全部、話すよ」
美海は俯き、言った。
その声はどことなく震えていた。
あ…前話に引き続き俺、瑞輝視点です()
詳しくは前話を見てくださいな。
「ハッキリ言うと、初めて会った時から皆の能力のエネルギー量が半端ないんだ。最初は、威力が桁違いなだけかと思った…でも、正樹の能力が二つになってから疑い始めたんだ。そしたら…」
美海は顔を上げ、声を荒らげた。
「ここに居るメンバー全員が、複数能力者だって分かった、本当は…認めたくなかった!複数能力者がどれだけ辛いか知っていたから…政府に見つかれば隔離されるし、何より…命を狙われやすいから…」
眉をひそめ、今にも泣き出しそうな顔で話し続ける。
「そんな危険な目に…合わせたくなかった…危険にさらされるのは俺一人で充分だと思ってたから…」
段々声の覇気が無くなる。
膝から崩れ落ち、その場に蹲る美海。
何時から知っていたんだろう。
ふと、そう思う。
どれくらいその重圧に囚われていたんだろう。
かけてやれる言葉が…見当たらなくなった。
聞きたい事は、沢山あった。
でも…複数能力者が幸運では無い事は分かっていた。
美海は、先天性の複数能力者だったから二つになるのは時間の問題だったという。
先天性は、生まれた時から複数の能力を得ているらしいが、美海は先天性の中でも珍しい能力の目覚めが遅いタイプだ。
それと違い、俺等は後天性らしい。
後天性は、生まれ持ったエネルギー量が莫大過ぎて、身体が新しい能力を作るって授業で聞いた。
先天性の方が珍しいが後天性も多くいない。
「〇天性、見つかれば即、隔離行き」
こんな言葉もあるくらいだ。
だから、美海の事も学校側は隠蔽してくれてたのだという。
今まで何処に隔離されるのかが疑問だったが…政府だったとは、恐れ入ったよ。
そう思っていたのは俺だけでなく、ここに居る残りのメンバー全員だろう。
皆かけてやれる言葉が見つからないのか、唖然とし黙っている。
さっきは美海に詰め寄った大翔もそれを止めた正樹も呆然と立ち尽くしていた。
愛結と波奈に至っては、涙が流れないよう我慢しつつも、美海の今までの心情の重みに耐えているようだ。
「…続きを話してもよろしいでしょうか」
女性の声が沈黙を破り響く。
多分、皆この女性のこと忘れてたんだろうなぁ…。
あ、俺もか()
「…あ…すいません」
咄嗟に詫びの言葉が出る。
しかし、状況が状況。
これを女性がどう捉えるか…。
「いえ、構いません…」
この予想外な返答に戸惑ったが、平静を装う。
美海の傍には波奈に付いてもらった。
ぶっちゃけ誰でも良かったが、ここは同性同士が落ち着くだろう。
「では、話の続きを…政府はこの調査結果を元に…」
女性が話し始めたのは、美海の話から暫くたった後だ。
美海もだいぶ落ち着いてきてるな…。
よかったよかった()
女性は美海が落ち着くのを待ってくれたのだ。
意外といい人なんだよな。
しかし、またもや女性の次の言葉で…政府がどんな目で俺等を見ていた事を知らされる。
「貴女方が危険だと判断されました」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
異世界にクラス転移したら全員ハズレスキルを持たされた
アタラクシア
ファンタジー
人生で数度もない貴重なイベントである修学旅行。この風鈴高校に通う二年二組の生徒たちも、長い間待ち望んでいた修学旅行に胸を躍らせていた。
はしゃぐバスの中――突然周りが黒く染まり、生徒たちは下へ下へと落下してしまう。
目が覚め、見えた景色は――現実の法則が意味をなさない、まさに『異世界』であった。
クラス全員ハズレスキル!?前代未聞の異世界転移に少年少女らは立ち向かう。
――根源に至る『四騎士』
――世界征服を企む『ナイトメア』
――新世界を作ろうとする『ネビュラ教』
異世界の様々な情勢に振り回されながらも奔走する。目指すは「クラスメイト全員の合流」と「元世界への帰還」。
はたして彼らは全員合流し、元の世界へと帰れるのか。
長くも奇妙な修学旅行が今始まる――。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる