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戦闘の始まり

疑問の刻

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瑞輝side

貴女方あなたがたは…選ばれたのです」
開口一番、そう言われた。
あ…俺は、かまぼこ部副部長の古家瑞輝ふるけ みずき
能力は火を操る能力、詳しくは前話を見てくれ。
「…………………………………は?」
絞り出したような声が出る。
そりゃ、初めて言われる言葉があれだと誰だって驚くかな…?
驚くか()
「選ばれた…?……どゆこと?」
愛結あゆが腕組みをしながら考え始めた。
「あのー…選ばれたって一体…?」
そう質問したのは佳村波奈よしむら はな

波奈はなの能力は氷を操る能力。
水から派生した能力の持ち主。
派生能力者は元素能力者より多いというデータもあるほど人数的には居てもおかしくない。
だが、波奈はなは合わせ技をすると大変な事になる。
分かりやすくいえば、山が無くなる()
それほど威力いりょくが凄いのだ。

「まず、ここは政府が能力の威力いりょくが高い者を集め、能力を上手くコントロール出来るよう試練を与える場所です。ちなみに、この部屋に試練はありません」
淡々たんたんと答える女性。
「つまり…政府に選ばれし異常威力能力者が集められ、試練をクリアしていく…ってことでいいんですか?」
おぉ、簡潔にまとめられたな…流石波奈さすが はな
女性はうなずく。
「誠に勝手ながら、連れて来る前に貴女方あなたがたの事は調べさせて頂きました」
女性が告げると何故なぜか身震いした。
身辺調査ってやつか…?
それとも下調べ…?
疑問に思ったのは、俺だけではないようだ。
「調べる必要があったんですか?」
美海みかが強めの口調で言う。
「はい。調べた結果、貴女方あなたがたは一人一人複数能力者、つまり能力が二つある事が判明致しました」
「え?」
「は?」
現時点で能力が二つあるのは、正樹まさき美海みかの二人だけ。
しかし…全員が複数能力者だとはっきり言われた。
それも見ず知らずの女性に。
女性のこの言葉に、俺等おれらは驚きを隠せなかった。
ただ一人を除いて。
「…あー…やっぱりか……」
ボソッと呟いたのは、美海みかだ。
「やっぱりって、どういう事だよ…」
永江大翔なかえ やまと美海みかに詰め寄る。

大翔やまとの能力は植物を操る能力。
既にある物を操るのは勿論もちろん、自分から植物を出す事も可能だ。
自分が出したい草木をイメージすれば、大抵出てくるという(最早もはや確定の域)
肉食植物も出せるから、下手に手を出せない奴。

「どういう事だって!!」
大翔やまと美海みかの制服のえりを掴む。
勢いが凄いから、キレてんだろうな。
大翔やまと、止めとけ」
咄嗟とっさ正樹まさきが止めに入る。

正樹まさきの能力を詳しく言ってなかったな()
正樹まさきの能力は、鬼化と土を操る能力。
元々あったのは土を操る能力。
能力が開花したらしく、鬼化する能力も得たんだと。
土を操る能力で、自身を砂にして相手を撹乱かくらんすることも可能。
鬼化は完全ではなく、半鬼人はんきじんと言った感じ。
この場合は自我も保ってる。
しかし、暴走すると鬼神になる。
この時は…自我が保てれば吉、保てて無ければ凶。
まぁ、美海みかより危ない能力だな()

「でも…っ!」
大翔やまとが何か言おうとした時、美海みかえりを掴んでいる大翔やまとの手に触れる。
その手は、少し震えてる様にも見えた。
「……っ…!」
大翔やまとは、ハッとなり美海みかの顔を見る。
俺からは大翔やまとが盾になって顔が見えなかったが…()
「…ごめん」
先程とはうって変わり、少しは落ち着いたようだ。
大翔やまとがどいたおかげで、美海みかの顔が見れたが…。
思ったよりも暗い顔をしていた。
あんな事があった後だから当然だろうが…。

俺は、呑気のんきにそんな事を考えていた。
次の美海みかの言葉から、美海みかの今までの心情を聞くことになるなんて知らずに…。

「俺が、知ってる事…全部、話すよ」
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