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三話 第二王子side
しおりを挟む新入生の入学式の日、ミレクシアが風邪を引いたと聞いた。見舞いに行かなくては。
「あ、あの、すみません、道に迷ってしまったのですが、講堂へはどうやって行ったらいいのでしょう?」
見知らぬ生徒が話しかけてきた。道を教えてやると礼を言って立ち去った。…ミレクシアは大丈夫だろうか。
入学式が終わってすぐ、ミレクシアの部屋へ向かう。ノックをすれば少しかすれた声で返事をされた。
「どうぞ?」
「俺だ。体調はどうだ、何か欲しいものはあるか。」
「大丈夫。わざわざお見舞いに来てくれて、ありがとう。嬉しいよ。」
「そうか。」
ミレクシアは風邪のせいか頬が赤く目がうるんでいた。…兄さんには見せられないな。
そっと頭を撫でれば、ミレクシアはゆっくりと眠りについた。頬に伝った涙は、心細さからだろうか。
とある日のことだった。
「ねえ、アダム。」
「なんだ?」
「俺のこと好き?」
どうしてそんな当たり前のことを聞くのだろうか。
「勿論、誰よりも愛している、ミレクシア。」
俺の婚約者。
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