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2.もういいや、酔って忘れてしまおう
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「俺も気になる人ならいるけど」
旭は目を見開いた。全身から血の気が引いていく。
「そう」
自分でもそっけない返事をしたと思った。
(聞かなきゃよかった)
膝から崩れ落ちそうになり、胸の奥がザワザワする。気持ちに気づかれたくなくて目を逸らし、目の前にあったビールの残りを一気飲みした。
それを見ていた敦は思い出したようにいった。
「そういえば、新しく買ったワインあるんだった。飲むか?」
「飲む。でもこれ以上呑んだら帰れなくなるかもしれないな」
「明日休みだし、泊まっていけばいいだろ」
立ち上がって冷蔵庫にワインを取りに行く。
敦の背中を見ながら、旭はもうどうなってしまってもいいと思っていた。
「分かった。お言葉に甘えて泊まらせてもらうよ」
「ついでに食後のデザートにレモンシャーベットも食べるか?」
冷蔵庫を除いていた敦が振り返って聞いてくる。
「食べる。敦は本当、料理上手だな」
いつかこの料理も食べられ無くなるのかと胸をチクリとさせながら旭は笑顔で答えた。
敦は持ってきたワイングラスと白ワインのボトルを慣れた手つきでテーブル並べると椅子に座る。
「旭の喜ぶ顔が見たいからさ。ほら、先ワイン飲もう」
敦はワインのコルクを開けるとグラスに注いだ。
目の前のワイングラスに映った自分の顔を眺めながら、旭は考え事をしていた。
敦が気になる人と付き合ったら、この自分が座っている席にその人が座るのだろうか。そして、敦と幸せそうにワインを飲んでキスしてそのままセックスとかするのだろう。
もしも、敦が気になる人と結婚したらこういう風に二人きりでゆっくりお酒飲んだりもできなくなるのだろうか。
敦と自分以外の人が結ばれた時に、素直に祝える気がしない旭はどうすればいいのか分からなかった。
「何ボケっとしてるんだ。ほら乾杯」
旭はハッとして敦の方を向いた。いつも変わらない優しい表情をしていて安心するが、何も知らない敦に少し罪悪感で胸が痛む。
敦は目の前のワイングラスを持ち軽く上に上げて、旭のグラスに近づけた。
「あぁ。悪い。乾杯……って何に対して乾杯なんだ」
敦とまた、目が合う。
「美味しい料理と二人の夜にとかどうだ?」
雄っ気の強い眼差しで見つめられ、旭の胸は高鳴った。
(敦のこんな表情初めて見た。俺の事、からかってるのか?)
「二人の夜にって恋人じゃないんだから」
冗談言うなよと、旭は無理矢理笑った。
「そっか」
それにつられて敦も笑うと、二人同時にワイングラスに口を付けた。
「このワイン美味しいな」
旭はグラスに残っていたワインを、ジュースのように飲み干した。
「良かった。でも度数高いらしいから気をつけろよ」
敦は少しずつワインを口に含みながら、旭にやんわりと注意する。
「今日は泊まるし酔っても平気だろ。早く飲まないと敦の分まで飲んじゃうぞ」
旭は白ワインのボトルを持つと、ワイングラスに注いだ。
敦は呆れながらそれを見ている。
「全く、しょうがないな。どうなっても知らないからな」
「美味しい酒飲んでどうにかなるなら俺は構わないけど」
本心だった。今の旭は酒の力でも借りないと、どうにかなってしまいそうだった。
そして、明日になったら敦に対する思いを忘れてすごそうと決めていた。
注いだ白ワインを半分まで一気に飲み干す。
こんな無茶な飲み方をしたのは初めてだなと思いながらもう半分を飲み干し、意識をもうろうとさせた。
旭は目を見開いた。全身から血の気が引いていく。
「そう」
自分でもそっけない返事をしたと思った。
(聞かなきゃよかった)
膝から崩れ落ちそうになり、胸の奥がザワザワする。気持ちに気づかれたくなくて目を逸らし、目の前にあったビールの残りを一気飲みした。
それを見ていた敦は思い出したようにいった。
「そういえば、新しく買ったワインあるんだった。飲むか?」
「飲む。でもこれ以上呑んだら帰れなくなるかもしれないな」
「明日休みだし、泊まっていけばいいだろ」
立ち上がって冷蔵庫にワインを取りに行く。
敦の背中を見ながら、旭はもうどうなってしまってもいいと思っていた。
「分かった。お言葉に甘えて泊まらせてもらうよ」
「ついでに食後のデザートにレモンシャーベットも食べるか?」
冷蔵庫を除いていた敦が振り返って聞いてくる。
「食べる。敦は本当、料理上手だな」
いつかこの料理も食べられ無くなるのかと胸をチクリとさせながら旭は笑顔で答えた。
敦は持ってきたワイングラスと白ワインのボトルを慣れた手つきでテーブル並べると椅子に座る。
「旭の喜ぶ顔が見たいからさ。ほら、先ワイン飲もう」
敦はワインのコルクを開けるとグラスに注いだ。
目の前のワイングラスに映った自分の顔を眺めながら、旭は考え事をしていた。
敦が気になる人と付き合ったら、この自分が座っている席にその人が座るのだろうか。そして、敦と幸せそうにワインを飲んでキスしてそのままセックスとかするのだろう。
もしも、敦が気になる人と結婚したらこういう風に二人きりでゆっくりお酒飲んだりもできなくなるのだろうか。
敦と自分以外の人が結ばれた時に、素直に祝える気がしない旭はどうすればいいのか分からなかった。
「何ボケっとしてるんだ。ほら乾杯」
旭はハッとして敦の方を向いた。いつも変わらない優しい表情をしていて安心するが、何も知らない敦に少し罪悪感で胸が痛む。
敦は目の前のワイングラスを持ち軽く上に上げて、旭のグラスに近づけた。
「あぁ。悪い。乾杯……って何に対して乾杯なんだ」
敦とまた、目が合う。
「美味しい料理と二人の夜にとかどうだ?」
雄っ気の強い眼差しで見つめられ、旭の胸は高鳴った。
(敦のこんな表情初めて見た。俺の事、からかってるのか?)
「二人の夜にって恋人じゃないんだから」
冗談言うなよと、旭は無理矢理笑った。
「そっか」
それにつられて敦も笑うと、二人同時にワイングラスに口を付けた。
「このワイン美味しいな」
旭はグラスに残っていたワインを、ジュースのように飲み干した。
「良かった。でも度数高いらしいから気をつけろよ」
敦は少しずつワインを口に含みながら、旭にやんわりと注意する。
「今日は泊まるし酔っても平気だろ。早く飲まないと敦の分まで飲んじゃうぞ」
旭は白ワインのボトルを持つと、ワイングラスに注いだ。
敦は呆れながらそれを見ている。
「全く、しょうがないな。どうなっても知らないからな」
「美味しい酒飲んでどうにかなるなら俺は構わないけど」
本心だった。今の旭は酒の力でも借りないと、どうにかなってしまいそうだった。
そして、明日になったら敦に対する思いを忘れてすごそうと決めていた。
注いだ白ワインを半分まで一気に飲み干す。
こんな無茶な飲み方をしたのは初めてだなと思いながらもう半分を飲み干し、意識をもうろうとさせた。
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