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序章 ─da capo─
1話 おはよう世界、久しぶりね10歳の私
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私の名前はトロヴァトーレ・フォン・オルグイユ。
オルグイユ伯爵家の第二子であり、紺色の髪と金色の瞳と、10歳という歳の割りには育った身体を持つ、花も恥じらう愛らしい少女(他称)です。
現在の時刻は朝5:00。当然外は暗く、庭に生い茂る荘厳な木々達も静かに首を垂れていました。この深い闇で俄かに浮いて見える紺色の髪は、私の心情を悟ったかのように、ゆるゆると揺れています。
「ああ~~!! また失敗したー!!」
──響き渡るのは少女の声。誰の? 当然、私の。
違う。違う違う違う。さっきまで私の声はこんなんじゃなかった。もっと張りのある、ハキハキとした若い女性の声だったのに。この身体だって、もっと素晴らしいないすばでーだったのに。
私の記憶では、この姿を見るのは五度目。
そう。またしても私は、あのクソ王子“エリカ・フォン・ドルチェ”に死ぬまで溺愛されて、やつの魔法により無理矢理逆行させられたのだ。御伽噺でもこんな展開ゴメンだっての!
オルグイユ伯爵家の第二子であり、紺色の髪と金色の瞳と、10歳という歳の割りには育った身体を持つ、花も恥じらう愛らしい少女(他称)です。
現在の時刻は朝5:00。当然外は暗く、庭に生い茂る荘厳な木々達も静かに首を垂れていました。この深い闇で俄かに浮いて見える紺色の髪は、私の心情を悟ったかのように、ゆるゆると揺れています。
「ああ~~!! また失敗したー!!」
──響き渡るのは少女の声。誰の? 当然、私の。
違う。違う違う違う。さっきまで私の声はこんなんじゃなかった。もっと張りのある、ハキハキとした若い女性の声だったのに。この身体だって、もっと素晴らしいないすばでーだったのに。
私の記憶では、この姿を見るのは五度目。
そう。またしても私は、あのクソ王子“エリカ・フォン・ドルチェ”に死ぬまで溺愛されて、やつの魔法により無理矢理逆行させられたのだ。御伽噺でもこんな展開ゴメンだっての!
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