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悪役令嬢たるべきは

第3話

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 オリヴィアはレイル・スコットという婚約者の弟君を味方につけることにした。

 レイルは銀髪の長い髪をひとつにくくった線の細い美青年だ。
 兄であるラファエルより素朴で大人しく、まだあどけない。

 男、というよりはまだ男の子……もしくは女の子に見えたりもするくらい中性的で美しい。

 性格も、聡明で無邪気な子だった。歳はオリヴィアより四つほど下だ。オリヴィアにとっても可愛い弟である。

 ラファエルとレイルは、対照的だった。

 紳士然として魔力も強い優等生のラファエルに比べ、レイルは少し頼りなく魔力も弱い。

 王宮でも、ふたりはよく比べられているようだった。

 オリヴィアはレイルに、自分を重ね合わせていた。

 圧倒的ヒロイン感のあるソフィアに比べ、オリヴィアは劣っていた。
 家柄こそ立派なものの、与えられるドレスもあまり好みではない。

 どれもどぎついのだ。
 深い赤色や漆黒など、はっきりとした色のものが多い。オリヴィアとしては、白や淡い桃色などが好みなのだが。

 とはいえ、これ以上ないくらい悪役令嬢らしいので、この服装を変える気はない。
 とりあえず、悪役令嬢でいる限りは。

 オリヴィアはレイルに、素直に今の想いを打ち明け、協力を頼んだ。

 するとレイルは、喜んで手伝うよと頷いてくれたのである。

 貯めた資金はすべてレイルに預けることにして、さっそく悪役として動くことにした。

 とはいえ陰湿な嫌がらせをするというのは、度胸のないオリヴィアにとってはちょっと精神に悪い。

 レイルに相談すると、それなら、と素晴らしい提案をされた。
 影でふたりのお膳立てをする、というものである。
 
 ラファエル王子には嫌われるような言動を取り、ヒロインの前ではつんとする。

 そして、第二王子であるレイルに、影でオリヴィアがこう言ってたああ言ってた、など、散々良くない噂を流してもらった。(若干レイルが悪役王子となった)

 すると、少しづつオリヴィアは学校で孤立していった。
 ゲームの終盤では、学校内でオリヴィアを好く者はいなくなった。
 
 結果、オリヴィアは無事ラファエル王子から婚約破棄を突き付けられ、その後の処分待ちの牢の中に収まった、というわけだ。

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