街を駆けるラパン


 赤い瞳を持つ黒ウサギを見つけたときは、よく目を凝らすべきだ。

 それが敵なのか味方なのか、はたまたそのどちらでもないのか、きちんと見定めなくてはならない。

 黒ウサギが微笑んでいるのか、それとも嘲笑っているのか……。

 もしも影が嘲笑っているのなら、追いつかれる前に必死に逃げた方がいい。
 その赤い瞳にとらわれてしまったら、もうおしまいなのだから。

 黒ウサギは、可愛い草食動物などではない。愛でるべきものでもない。それは、笑顔で誰かの血肉を貪り喰らう、冷酷で獰猛な獣なのだ。

 みなさん、街中で美しい瞳の黒ウサギを見かけたら、くれぐれも気を付けて……。
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