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第三章
70 あなたに会えるとは思わなかった
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いつもの砂糖菓子のような甘い笑みではなく諦念の笑みを浮かべたレナータ様に、私は感動を覚えていた。嬉しくて体が震えることを抑えられない。
レナータ様は自分が言っていることを受け入れて貰えるとは思っていない。自分でも荒唐無稽と言った位だし。
それでも、私のためを思って注意喚起しようとしてくれている。きっと、私が冤罪で断罪される悪役令嬢だと知っているからだ。
セバスチャンが、前世の記憶を持って産まれることは稀にあると言っていたが、それもこの世界の中でのことであり、妄想と思われるであろう異世界転生なんて早々他言できるわけじゃない。
ああ、私はやっぱりレナータ様が好きだ。ほんわかした見た目を裏切るような芯の強さ。己の不利益を承知で友人の為に心を配れる優しさ。それでいて決定的にダメージを受けないように立ち回れる賢さ。
レナータ様の心意気と友情を受け入れるだけじゃ女が廃る。
なので私も言う。
「レナータ様の推しの方はその中にいらっしゃるの?」
私にも前世の記憶がありますと。おそらく同時代の日本人ですと。
「私の推しは……って、え?あ、あの、シシィ様?まさか、シシィ様もですの?」
レナータ様の珍しい慌てた様子にクスリと笑いがこぼれた。
「お嬢様、推しとは何ですか?」
「んー、一番好きな人ってことかなぁ」
「では、お嬢様の推しは?」
「いない。言ったでしょ?私は、友達に聞いてその物語の一部を知っているだけで、誰かに思い入れを入れる程のめり込んでなかったの」
レナータ様が元日本人の転生者だということで、スピネルに対する口調を崩した。公爵令嬢としてはアウトだけど、元日本人としてなら大丈夫だろう。
「レナータ様は詳しくご存じですか?私、友人に頼まれてチュートリアルをプレイしただけで――って、スピネル、分からない事は後で説明するから、先ずはレナータ様とお話しさせて」
私の服を引っ張って説明を乞うスピネルを、とりあえず落ち着かせておく。一々説明していたら話が進まない。
って言っても、ゲームの説明を私が出来るかな?
「ええ、私はかなり詳しい方だと思いますわ。あの……シシィ様はチュートリアルしかご存じないのですね?お友達に頼まれて?」
「はい、ですが、その友人に話を聞いていますので、私の行く末があまり宜しくないものだとは知っております」
よろしくないというのは、かなり婉曲な言い回しだ。冤罪・断罪・処刑だもんな。
「そう……なのですね」
「レナータ様、大丈夫です。死亡フラグはもうバッキバキのメッタメタに粉砕済みですから」
貴族らしい匂わせる言い方ではなく、直接的な表現をする。実際、王子様とのお茶会で私が断罪される可能性はほぼゼロになったと言っていい。
「友人に聞いて知っています。私が悪役令嬢になるルートは王太子殿下の婚約者として、或いはフィデリオ・ファルナーゼの義妹としてだと。詳しくは申し上げられませんが、私が殿下の婚約者になることはありません。これは、殿下も了承済みです」
まだ、王太子じゃないけどね。
「シシィ様、埒も無い事を聞くと思われるかもしれませんが――空手を嗜んでいらっしゃいませんでした?」
「まぁ、良くお分かりになりますね。動きに出ておりますか?」
今世では剣の方に重きを居ているけれど、前世では空手に力を入れていた。もしかして、レナータ様も空手やってたのかな?おっとりした姿からは想像もつかないけど、それを言ったら私だって暴れん坊には見えていないと思うし。多分。
「いえ、私はその手の資質はございません」
そう言うとレナータ様は、私の手を両手で掬うようにして握った。潤んだ目で私をじっと見つめている。
「私も、友人にチュートリアルをお願いしたことがございます。その友人は勉強があまり得意ではなく、私は試験前に教えておりました。私にもっと上の高校を狙えただろうと言いつつ、同じ学校に通えるのが嬉しいと言ってくれました。大きな熊のようなお兄様が二人。空手が得意で全国大会にも出れるほどの腕前でした。真っ正直で感情を素直に出せるその友人と一緒に居ると、いつも気持ちが穏やかになっていました。その友人は――」
まさか……まさか、まさかまさか。なんで、こんな所にいるの。
「……まっつん?」
「サク。久しぶり」
レナータ様の潤んでいた瞳は、話しているうちに決壊してしまった。滂沱の涙をぬぐう事もせずに抱きついてきたレナータ様を目いっぱい抱きしめる。
「サク、キツイよ。――馬鹿力は変わらない」
涙声で抗議され、少し力を緩める。それと同時に後ろからスピネルが抱きついてきた。
「……スピネル?」
「セレンハート嬢が羨ましくなりまして。口を挟むとお邪魔でしょうから、私はここで待機しております」
「おい、待機場所!」
もう、感動の再開が台無しじゃないか。そう思いつつ背後から回された手をポンポンと叩いて、つい笑ってしまった。焼き餅スピネル健在だ。
レナータ様もスピネルの行動に虚をつかれたようで、一瞬呆気にとられてポカンとした後に笑い出した。私とレナータ様は抱擁を解いたのに、スピネルの待機位置が変わらないのが解せないが、とりあえず放置しておく。
「スピネル様、ごめんなさいね?あなたを除け者にする気は無かったのですけれど、結果的にそうなってしまいましたわ。シシィ様、スピネル様はシシィ様の事情をご存じなんですね?」
「うん。スピネルとお父様とお母様、それとユニコーンの一角こといっちゃんと、バイコーンの双角ことそうちゃんと、うちの家令のアーノルドとあと一人は知ってる。……って、お嬢様口調のまま?」
「今ではこの方が話しやすいのですもの。――シシィ様は沢山の理解者に囲まれているのね。私は……誰にも話せませんでしたわ」
「そっか。でも、もう、私がいるから大丈夫」
「ええ、そうね……。今度、時間を取ってゆっくりお話ししましょうね?」
「うん。絶対だよ?あ、まっつんは例の乙女ゲームはやりこんでたよね」
「そうですわね、それなりに」
「じゃ、乙女ゲームの事、王子様に話してくれないかな?
「……え?」
私のフラグは折れたし、王子様も前回の事があるからヒロインちゃんに落ちることはないだろう。けど、ヒロインちゃんが王子の見た前回同様に策略を巡らして誰かを陥れるようなことになるのなら、それは未然に防ぎたい。
「王子様の事は私が勝手に話す訳にはいかないんだけど、まっつんの知識があると王子様はすっごく助かると思うんだ。王子様は私の事情知ってるし。……駄目、かな?」
今まで誰にも話してこなかった転生の事を、さして親しくも無い王子様に話してくれと言うのは無理があるかもしれない。けど、前回のシシィのような不幸な出来事は再び起こって欲しくはないのだ。
「ええ、いいわ」
「え?いいの?本当に?」
「ええ。”ここぞと言う時の勘は外さない”野生動物並みの本能を持つ貴女からのお願いですもの。必要な事なんでしょう?」
「うんっ。ありがとうレナータ様っ!」
もう一度レナータ様に抱きつこうとしたら、私の背後霊スピネル君が全く空気を読んでくれずに私を拘束したままだったので首が締まっただけだった。
帰ったら説教が必要のようだ。
レナータ様は自分が言っていることを受け入れて貰えるとは思っていない。自分でも荒唐無稽と言った位だし。
それでも、私のためを思って注意喚起しようとしてくれている。きっと、私が冤罪で断罪される悪役令嬢だと知っているからだ。
セバスチャンが、前世の記憶を持って産まれることは稀にあると言っていたが、それもこの世界の中でのことであり、妄想と思われるであろう異世界転生なんて早々他言できるわけじゃない。
ああ、私はやっぱりレナータ様が好きだ。ほんわかした見た目を裏切るような芯の強さ。己の不利益を承知で友人の為に心を配れる優しさ。それでいて決定的にダメージを受けないように立ち回れる賢さ。
レナータ様の心意気と友情を受け入れるだけじゃ女が廃る。
なので私も言う。
「レナータ様の推しの方はその中にいらっしゃるの?」
私にも前世の記憶がありますと。おそらく同時代の日本人ですと。
「私の推しは……って、え?あ、あの、シシィ様?まさか、シシィ様もですの?」
レナータ様の珍しい慌てた様子にクスリと笑いがこぼれた。
「お嬢様、推しとは何ですか?」
「んー、一番好きな人ってことかなぁ」
「では、お嬢様の推しは?」
「いない。言ったでしょ?私は、友達に聞いてその物語の一部を知っているだけで、誰かに思い入れを入れる程のめり込んでなかったの」
レナータ様が元日本人の転生者だということで、スピネルに対する口調を崩した。公爵令嬢としてはアウトだけど、元日本人としてなら大丈夫だろう。
「レナータ様は詳しくご存じですか?私、友人に頼まれてチュートリアルをプレイしただけで――って、スピネル、分からない事は後で説明するから、先ずはレナータ様とお話しさせて」
私の服を引っ張って説明を乞うスピネルを、とりあえず落ち着かせておく。一々説明していたら話が進まない。
って言っても、ゲームの説明を私が出来るかな?
「ええ、私はかなり詳しい方だと思いますわ。あの……シシィ様はチュートリアルしかご存じないのですね?お友達に頼まれて?」
「はい、ですが、その友人に話を聞いていますので、私の行く末があまり宜しくないものだとは知っております」
よろしくないというのは、かなり婉曲な言い回しだ。冤罪・断罪・処刑だもんな。
「そう……なのですね」
「レナータ様、大丈夫です。死亡フラグはもうバッキバキのメッタメタに粉砕済みですから」
貴族らしい匂わせる言い方ではなく、直接的な表現をする。実際、王子様とのお茶会で私が断罪される可能性はほぼゼロになったと言っていい。
「友人に聞いて知っています。私が悪役令嬢になるルートは王太子殿下の婚約者として、或いはフィデリオ・ファルナーゼの義妹としてだと。詳しくは申し上げられませんが、私が殿下の婚約者になることはありません。これは、殿下も了承済みです」
まだ、王太子じゃないけどね。
「シシィ様、埒も無い事を聞くと思われるかもしれませんが――空手を嗜んでいらっしゃいませんでした?」
「まぁ、良くお分かりになりますね。動きに出ておりますか?」
今世では剣の方に重きを居ているけれど、前世では空手に力を入れていた。もしかして、レナータ様も空手やってたのかな?おっとりした姿からは想像もつかないけど、それを言ったら私だって暴れん坊には見えていないと思うし。多分。
「いえ、私はその手の資質はございません」
そう言うとレナータ様は、私の手を両手で掬うようにして握った。潤んだ目で私をじっと見つめている。
「私も、友人にチュートリアルをお願いしたことがございます。その友人は勉強があまり得意ではなく、私は試験前に教えておりました。私にもっと上の高校を狙えただろうと言いつつ、同じ学校に通えるのが嬉しいと言ってくれました。大きな熊のようなお兄様が二人。空手が得意で全国大会にも出れるほどの腕前でした。真っ正直で感情を素直に出せるその友人と一緒に居ると、いつも気持ちが穏やかになっていました。その友人は――」
まさか……まさか、まさかまさか。なんで、こんな所にいるの。
「……まっつん?」
「サク。久しぶり」
レナータ様の潤んでいた瞳は、話しているうちに決壊してしまった。滂沱の涙をぬぐう事もせずに抱きついてきたレナータ様を目いっぱい抱きしめる。
「サク、キツイよ。――馬鹿力は変わらない」
涙声で抗議され、少し力を緩める。それと同時に後ろからスピネルが抱きついてきた。
「……スピネル?」
「セレンハート嬢が羨ましくなりまして。口を挟むとお邪魔でしょうから、私はここで待機しております」
「おい、待機場所!」
もう、感動の再開が台無しじゃないか。そう思いつつ背後から回された手をポンポンと叩いて、つい笑ってしまった。焼き餅スピネル健在だ。
レナータ様もスピネルの行動に虚をつかれたようで、一瞬呆気にとられてポカンとした後に笑い出した。私とレナータ様は抱擁を解いたのに、スピネルの待機位置が変わらないのが解せないが、とりあえず放置しておく。
「スピネル様、ごめんなさいね?あなたを除け者にする気は無かったのですけれど、結果的にそうなってしまいましたわ。シシィ様、スピネル様はシシィ様の事情をご存じなんですね?」
「うん。スピネルとお父様とお母様、それとユニコーンの一角こといっちゃんと、バイコーンの双角ことそうちゃんと、うちの家令のアーノルドとあと一人は知ってる。……って、お嬢様口調のまま?」
「今ではこの方が話しやすいのですもの。――シシィ様は沢山の理解者に囲まれているのね。私は……誰にも話せませんでしたわ」
「そっか。でも、もう、私がいるから大丈夫」
「ええ、そうね……。今度、時間を取ってゆっくりお話ししましょうね?」
「うん。絶対だよ?あ、まっつんは例の乙女ゲームはやりこんでたよね」
「そうですわね、それなりに」
「じゃ、乙女ゲームの事、王子様に話してくれないかな?
「……え?」
私のフラグは折れたし、王子様も前回の事があるからヒロインちゃんに落ちることはないだろう。けど、ヒロインちゃんが王子の見た前回同様に策略を巡らして誰かを陥れるようなことになるのなら、それは未然に防ぎたい。
「王子様の事は私が勝手に話す訳にはいかないんだけど、まっつんの知識があると王子様はすっごく助かると思うんだ。王子様は私の事情知ってるし。……駄目、かな?」
今まで誰にも話してこなかった転生の事を、さして親しくも無い王子様に話してくれと言うのは無理があるかもしれない。けど、前回のシシィのような不幸な出来事は再び起こって欲しくはないのだ。
「ええ、いいわ」
「え?いいの?本当に?」
「ええ。”ここぞと言う時の勘は外さない”野生動物並みの本能を持つ貴女からのお願いですもの。必要な事なんでしょう?」
「うんっ。ありがとうレナータ様っ!」
もう一度レナータ様に抱きつこうとしたら、私の背後霊スピネル君が全く空気を読んでくれずに私を拘束したままだったので首が締まっただけだった。
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