3 / 4
3、うさぎのおしごと
しおりを挟む
「こんばんは、うさぎをご指名ありがとうございます!」
ぺこりと、私は頭を下げた。
源氏名はうさぎ。年齢はもちろんヒ・ミ・ツ。
背が小さくて中学生に見間違えられたりするほどだから、中学生ってことにする?
あ、でもそれじゃあお仕事できないや。
ところで、私はこの店のネット指名ナンバーワンである。
なぜ、ネット指名が多いのか。
「うさぎたん、会いたかった! いつもブログ見てるよぉ」
「ほんとぉ~? うさぎも会いたかったぁ~!」
そう、ブログ。
ブログで客の心――もとい客のちんこを掴んでいるのである。
今時のホテヘルとかは、指名をとるべく、女の子一人一人が個別でブログを書くのが平常運転だ。
うちのホテヘル店も、ブログをやっている。
しかしそれを苦手とする女の子の多いこと多いこと。
毎回同じアングルの胸だけ映した写メと、グルメブログかっつーほどの食べ物の写メの数々。そしてお決まりの文章。
バカね、そんなんじゃ客のちんこは掴めないわ!
私は自分に「うさぎ」というキャラを作って、それを売っている。
さすがにプレイ現場への道のり――外では普通(?)のゴスロリの恰好をしているが、プレイ中や、ブログ内では常にバニーガールの恰好だ。
黒いえっちいバニー服。
もちろんウサ耳のカチューシャも忘れずに。
ロリうさ娘の完成だ。
そして外見だけでなく、中身も徹底的にキャラを作った。
「早くうさぎちゃんのバニー姿みたい~!」
「うさぎも早く見せたい~!! もう、うさぎ興奮してきちゃったぁ」
「ぐはぁ、うさぎたん、かわゆ~」
ふふ、いちころね。
今日もがっぽり稼いで、ちょ~気になってるゴスロリ服を買うのよ!
内心ではそんなことを思いながら、客のうでにすり寄っていた。
ブログでもこのキャラを貫き通し、毎回いろんなシチュエーションの「うさぎ」を撮った。
そしてブログを見てる人のちんこに届く、文章を書く。それだけである。
女の子の待機所の壁にでかでかと貼られたランキングには、私の票だけが異様に伸びている。
私はここではアイドルなのよ!
――そう、なにを隠そう私、実はお昼は普通のOLだったりする。
昼職で溜まったイライラを、夜職で発散する!
それが私のモットーだ。
「さぁさぁ、うさぎとお城に入ろー!」
ラブホの前で叫ぶ。
大丈夫、心配ない。
たとえ会社の仲間たちが見たとしても、私がまさかこんなゴスロリ服きてこんな声出してるなんて、わかりっこないない。大丈夫。
なんの不安もなく、今日も、よるの「私」のおしごとがはじまった。
ぺこりと、私は頭を下げた。
源氏名はうさぎ。年齢はもちろんヒ・ミ・ツ。
背が小さくて中学生に見間違えられたりするほどだから、中学生ってことにする?
あ、でもそれじゃあお仕事できないや。
ところで、私はこの店のネット指名ナンバーワンである。
なぜ、ネット指名が多いのか。
「うさぎたん、会いたかった! いつもブログ見てるよぉ」
「ほんとぉ~? うさぎも会いたかったぁ~!」
そう、ブログ。
ブログで客の心――もとい客のちんこを掴んでいるのである。
今時のホテヘルとかは、指名をとるべく、女の子一人一人が個別でブログを書くのが平常運転だ。
うちのホテヘル店も、ブログをやっている。
しかしそれを苦手とする女の子の多いこと多いこと。
毎回同じアングルの胸だけ映した写メと、グルメブログかっつーほどの食べ物の写メの数々。そしてお決まりの文章。
バカね、そんなんじゃ客のちんこは掴めないわ!
私は自分に「うさぎ」というキャラを作って、それを売っている。
さすがにプレイ現場への道のり――外では普通(?)のゴスロリの恰好をしているが、プレイ中や、ブログ内では常にバニーガールの恰好だ。
黒いえっちいバニー服。
もちろんウサ耳のカチューシャも忘れずに。
ロリうさ娘の完成だ。
そして外見だけでなく、中身も徹底的にキャラを作った。
「早くうさぎちゃんのバニー姿みたい~!」
「うさぎも早く見せたい~!! もう、うさぎ興奮してきちゃったぁ」
「ぐはぁ、うさぎたん、かわゆ~」
ふふ、いちころね。
今日もがっぽり稼いで、ちょ~気になってるゴスロリ服を買うのよ!
内心ではそんなことを思いながら、客のうでにすり寄っていた。
ブログでもこのキャラを貫き通し、毎回いろんなシチュエーションの「うさぎ」を撮った。
そしてブログを見てる人のちんこに届く、文章を書く。それだけである。
女の子の待機所の壁にでかでかと貼られたランキングには、私の票だけが異様に伸びている。
私はここではアイドルなのよ!
――そう、なにを隠そう私、実はお昼は普通のOLだったりする。
昼職で溜まったイライラを、夜職で発散する!
それが私のモットーだ。
「さぁさぁ、うさぎとお城に入ろー!」
ラブホの前で叫ぶ。
大丈夫、心配ない。
たとえ会社の仲間たちが見たとしても、私がまさかこんなゴスロリ服きてこんな声出してるなんて、わかりっこないない。大丈夫。
なんの不安もなく、今日も、よるの「私」のおしごとがはじまった。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる