生徒との1年間

スオン

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顧問2年目06月

顧問2年目06月 9

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「まさか本当に童貞だったなんてね~」
「別に悪くないのに。なんでだろう?」
「奥手なんですね~。だからこんなにきれいな色なんだぁ」
「さっきは彼女がいた感じ出してたけどね」
「今でもビンビン!元気過ぎない?」

 まじまじと自分の性器を見られながら、立成は好き放題に言われるていた。それらの言葉は明らかに嘲笑を帯びているが、なす術もない立成はより敗北感を感じてしまう。
 そんな中だというのに、立成はその隆起した自分の男茎を見せつけるかのように立っている。女たちは、一応皮が剥けた状態の立成の恥垢が付いている童貞チンポに目線を合わせながら、経験人数当てゲームを終えた余韻に浸っていた。

「へぇ~。こんないやらしいパンツ履いてるのに童貞なんだぁ~」

 完全におもちゃにされていた。
 こんなに男臭い見た目なのだ。散々女遊びをしていてもおかしくはない風貌だ。身体はデカいし、厳つい面構え。包茎ではあるがなかなかのサイズの一物。
 それなのに、その身体は未だに女の事を知らずに純潔を守っている初心な男なのだ。その上履いている下着が、まるでAV男優かと思わせるような水色の際どいビキニブリーフという有り様だ。夜の商売をしている女からすれば、こんなにも面白い素材はないだろう。

「でもなんでこんなエッチなパンツ履いてるんだろう?」
「勝負パンツなんじゃない?」
「彼女いないんだから意味なくない?あっ、いつでも初エッチができるようにって?」
「やだー!エロ過ぎ!獣じゃん!」
「こんなパンツ履いて学校で授業してるの?」
「生徒たちにもバレてるかもね、エロパンツ先生って呼ばれてるかも」
「でも、その先生が・・・」
「チェリーボーイなんだもんね~!!」

 キャハハと笑いあう2人。彼女たちに挟まれて全裸で立ち竦む立成。
 その様子はほとんどいじめだ。学校のクラスのギャルが、おとなしい男子生徒を裸ににした挙げ句に嘲笑っているかのようだった。

 立成にとって屈辱以外の何者でもなかった。
 確かに童貞なのは仕方がない。否定できるものではない。これまでの人生、積極的に女性と関係を結ぼうとしなかった自分の責任だ。たが、だからといってそこまで嘲笑されなければならないのか。
 おまけに、今履いている下着については・・・
 否定したいことはたくさんある。
 事情があるのだ。大人の事情が。
 それでも、立成は何も言えなかった。
 最早立成は反逆の精神すらなく、歯をギュッと噛みしめて耐えながらも、ただ2人の嬢に言われるがままとなっていた。本来は男性客を接待する立場である2人であるのに、今や立場は客の立成よりも上になっているように感じられた。

 それでも、いや、だからこそ。
 立成の身体は、彼の意志とは反対の反応をしてしまっている。
 このスナックに足を踏み入れてからの、数々の精神的な凌辱。
 こんなにも、自分の恥部を把握されてしまっているのだ。
 
 昨年の1年間で筒井に仕込まれてしまった、被虐の悦び。
 今、まさにその成果が現れそうになっている。
 それは立成の意志とは無関係に、いや、いやだと思えば思うほど、その身体はいやらしく昂ってしまう。

 ぷるぷるとその漢の幹が揺れ出しそうになっている。いやらしい汁がジンワリと滲みだしそうになっている。 
 まだ、それはわずかなものではあるのだが。

「あっ!もーやだー!見て、あやか」
「何々?・・・え~っ!嘘~!」

 唐突なちえみの声がした。
 それに続くあやかの声も含めて、何かを見つけたかのような、次のおもちゃを見つけたかのような声色だった。

 もう、やめてくれ。勘弁してくれ。自分が何をしたって言うんだ。

「なんだ、どうしたんだ」
「立成先生のエッチなパンツのお尻の部分、すごく茶色い!」

 ハッとした立成は思わず視線を下に向ける。
 ちえみが指摘したとおり、ビキニブリーフの尻が当たる部分に、小さいものではあるが、べっとりと茶色い汚れが付いてしまっていた。明らかに便カスの染みだとわかるものだった。
 
 これまでさんざん、筒井に言われ、からかわれていたことだ。その度に立成は顔を赤く染め、もう二度と下着を汚しまいと、排便後に入念に尻の割れ目にトイレットペーパーを宛がっていたのだ。しかし、それも時間が経つにつれておざなりになっていったのだった。

 立成は泣きそうになっていた。
 どうしてこんな日に限って!?これまでは気をつけてケツを拭いていたというのに!?
 普通だったら、こんな所見せることもないはずなのに、なぜだ、なぜ・・・
 
「お尻拭いてないのかな?」
「そんなんだから未だに童貞なんですよ!」
「清潔感がないとモテないよ!」

 面白がる2人への否定として、立成は首を横に振る。
 そうじゃない。尻を拭いていないはずがない。
 そこまで雑な人間ではないのだ。
 かといって、尻の拭きかたが甘いわけでもない。そんな、ガキみたいな理由なんかじゃない。
 ただ、拭いても拭いても汚れがとれないだけなのだ。

 では、なぜ、尻の汚れがとれないのか。
 それを説明したかった。事情があるのだと。だが、もしそれを言葉にしたら、今度は・・・

「清野先生も見てやってくださいよ~!」
「えー・・・あー、これまた・・・あー、そうか。うん。ま、まぁ仕方ないよ、うん、仕方ない」

 2人の嬢に言われて立成の下着の汚れを確認した後の清野の反応は、どこか同情したかのような言い草だった。
 さっきまでは意気揚々と立成への辱しめを先導していたというのに、急に大人しくなっている。今も、立成の下着が汚れているという、格好のいじりネタまで提供してしまっているというのに、歯切れの悪い感想を述べるだけになっていた。それとは反比例するかのように、2人の嬢は率先して立成を貶めるような言葉が止まらなくなってしまっているのだが。
 
「仕方ないって、どういうことですか?清野先生?」
「えっ!・・いや、まぁ・・・仕方ないんだ、言葉通りだよ・・・」
「えー、そんなことあるかなー?」
「もともとすごい物臭な人ってことですか?」
「いや、そうじゃないんだけども」
 
 やはりおかしい。清野からはストレートな物言いがなく無くっていた。坊主頭の初老の顔も少し困り顔で、なんとか言葉を作って反応しているという雰囲気だ。
 あまりにも惨めな状態の立成を思いやっているのかもしれない。事実、ひた隠しにしていた童貞であることを白状してからの立成は、もはや抗議の言葉すら口にできず、ただただ突っ立っているのみだ。それでも厳つい雄の顔にある眼光は鋭いのだか、やはりどこか弱さが感じられる。

(頼む・・・清野先生・・・!)

 立成は心の中で懇願していた。なんとか切り抜けてくれ、と。上手くごまかしてくれ、と。
 もう、これ以上の辱しめには耐えられそうになかったのだ。これ以上何かされたら、もはや理性を保つことができない。それは、羞恥で頭がおかしくなるだけではない。散々弄ばれた、清らかな雄の身体が、爆発してしまうかもしれない・・・

 これで何とか誤魔化せたならば、立成はまだなんとか、人間のままでいられるような気がしていた。
 そのための全てが、清野にかかっている。

 しかし、清野は2人の嬢からの追求は止まらなかった。さほど時間はかからずとも、立成にとって今この2人の嬢に知られたくないことが、清野の口から発せられてしまった。

「だからね・・・立成先生は、ほら、結構毛深いだろ?腕も脚も、お腹もさ。」
「そうですね」
「すごいよね~黒くて毛も長いし!ゴリラみたい!」
「だから・・・それが、なんなんですか?」
「いや、だからね・・・その、ゴホン。お尻の穴の周りもそんな感じになっているから、汚れがとれづらいんだよ」

 清野から立成への気遣いが感じられる、とても優しい表現だった。
 それでも立成は自身の恥部を抉られるような、奈落の底に落とされるような絶望を感じた。

 とうとう、知られてしまった。バレてしまった。

 ただでさえ普通よりも大きくて膨らみのあるデカ尻なのだ。ズボンを履いていたってわかってしまうサイズなのだ。できることなら見られたくない。指摘されるのも恥ずかしい。そんな尻を持ってしまっているのだ。それだというのに、その中に生えているケツ毛のことまで、この2人に知られてしまった。

「えっ!そんなにお尻が毛深いの?」
「あー、だからこんなにパンツが汚いんだー」
「っていうか何でそんなことまで知ってるんですか~!もー!どんな関係なの~!怪しいな~!」
「ははは・・・まぁ、そういうタイミングがあったんだよ」

 相変わらず立成を嘲笑しながらも、2人の嬢は立成を見上げてくる。
 その4つの瞳を一瞬だけ見た立成は、すぐに目を伏せた。
 彼女たちの目が、明らかに違っていたのだ。客に接する目ではなく、弱者を見る目だ。獲物を見る目だった。
 
 ズキンと胸が痛む。四肢がぶるっと震える。
 自分が刈られる存在だとわからせられる。
 まるで自分がサバンナにおける草食動物にでもなったように感じていた。

「ここまでパンツが汚れているなら、あそこもきっと・・・そうだよね」

 唐突に出た、あやかの言葉。
 いかにも、意図を含んだような言い方だった。

 何が言いたいんだ。
 これ以上、自分に何をしろというのか。

 散々弄ばれていた。もういいじゃないか。いくら恥をかけば許されるのか。
 かなり際どいビキニブリーフを履いていることを知られて。
 普段は包茎であるのに、見栄剥きまでバレて。
 初体験すら済ませていない童貞であることも白状させられて。

 その上で、といったら・・・
 
 !

 この流れは、まさか。

 立成は閃いてしまった。

(まさか、ここで・・・?この店で・・・?)

 そんなことまでは・・・
 しかし一瞬後、あやかから、立成の期待どおりの言葉が出てきた。

「せっかくだから、お尻も見せてもらっちゃおっ!」

 立成はその言葉にゾクゾクしていた。
 熱が出たかのように全身がカーッと火照り始める。
 
 待っていたわけではない。決して期待していたわけではない。
 それなのに、あやかの言葉が、立成の胸を高鳴らせてしまっていた。
 これから、目の前にいる女性2人に、自分の身体の一番の恥部を披露する。そのイメージをしてしまっていた。

「そんな、そんな」
「はい、ダメです!拒否権はありません!それじゃ、今から開始しま~す!」
「え、何を始めるの?」
「決まってるじゃん!今度は立成先生のお尻をチェックしてあげないと!」
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