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顧問2年目06月
顧問2年目06月 8
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「なっ・・・何を言って・・・」
立成は絶句してしまっていた。羞恥で赤らんでいた顔が青くなっている。
("経験人数当てゲーム"だと・・・?)
経験人数とは何か。そんなもの、話の流れでわかる。
童貞の立成なのだ。そんなもの数えるまでもない。
ゼロはゼロなのだ。この回答は決して1になることなどない。
つまり、『女性との経験はありません』ということを宣言するしかないのだ。
今どきの男子高校生でも、既に経験済みの奴は何人もいるだろう。
そんなことを、出会ったばかりの女性を含めた3人に言えというのだろうか。
なんて恐ろしく、そしておぞましいゲームなのだ。
他人の女性経験というセンセティブなことまで面白おかしくゲームにするなんて信じられなかった。
確かにそういう話は盛り上がる。飲み会の定番の話のネタだ。男同士、酒が入ればこういう話にもなってしまう。
だが、この状況で、その話をするなんて・・・
しかも、ここには女性がいるのだ。
夜の飲み屋で働いているから、一般的な女性とは違うかもしれない。ある意味プロの女性とはいえるのだが、それでも女性は女性なのだ。それがさらに立成を焦らせる。男しかいないような雄臭い飲み会なのであれば・・・それでも嫌なことに変わりはないものの、それならただ自分が恥をかくだけなのだが。もし、自分の恥部が女性にばれるなんてことがあったりしたら・・・
「え~難しいっ!」
「そんなのわかんないよ!ちなみに経験人数ってどこまでいれるんですか?」
「そりゃーねー。あれだよ!ちゃんと挿れた人数だよ!」
「あははははっ!やだー!」
「よーし、がんばろっ!」
不安が膨らみ続ける立成をよそに盛り上がる3人。
いつのまにかこの下品なゲームの開催が決定されてしまっていた。
立成の預かり知らぬところでとんでもないことになってしまっていた。
立成と清野が来店してから、はしゃぎ続けていた2人の嬢、あやかとちえみ。
そんな2人が今、まじまじと見つめているモノは、立成の皮被りの一物だ。
ゲームだというのに、その目は真剣だ。本気で立成の女性経験人数を当てようとしている。
その一物の形から、大きさから、色の具合から、皮の被り具合から、立成がどれだけの女性にソレを使用したのかを割り出そうとしているのだ。
なぜ自分のチンポを見るのか。
どうしてそんなことができるのか。
じっくりと見るようなものではないはずなのに。
ましてや出会ったばかりの男のモノであるというのに。
そして・・・
これだけの辱しめを受けているというのに、立成のその一物は血管を浮き出させた状態で、まるで恥知らずのように天を向いてそびえ立ったままでいる。何とか落ち着かせようとしている立成の呼吸により少しだけ上下していることから、人間の臓器であることがわかる。
そんなものを2人の女性に見られているのだ。良い意味でも悪い意味でも、立成にとっては夢のような状況だった。
「みっ・・・見ないでください、そんなとこ、見ないで・・・」
「え~!だって見ないとわかんないじゃ~ん」
「もうゲームは始まってるみたいですし」
「清野先生、こんなふざけたこと、さすがに」
「はっはっ、まぁ、今日だけのスペシャルってことだから、頼むよ、立成先生!」
あまりにも暢気すぎる清野の対応に、立成はさすがに恨めしく思えてきてしまっていた。
こっちは裸を晒しているのだ。チンポまで見られているのだ。
そんな中、なぜここまで自分を愚弄するようなことを言うのだろうか。
こんなにも自分を辱めたいのか。
酔っていたから、では済まないレベルに足を踏み込んできている。
それだというのに、まるっきりの他人事だ。いや、清野のことだから、自分が立成の立場になったとしても、喜んで自分の股間を晒してしまうのかもしれないが。
「え~、わかんないよ~!どう、ちえみちゃん、わかるぅ?」
「うーん、でもチンポは大き目だから、それがヒントになるのかな?」
「え~、サイズは当てになんないよ!それに、包茎だからな~」
「ほ、包茎じゃありません!」
「またまた~!ちゃんと被ってるじゃないですか!」
「む、剥けます!俺、ちゃんと剥けます!剥けるんですよっ!・・・ツッ!!・・・ほらっ!ほらっ」
絶対に認めたくない。包茎だと言われたくない。立成のそんな意志が見え透いていた。
先ほどあれだけ見栄剥きであることが3人にバレて恥をかいたというのに、立成はまたもや自分のプライドを守ろうとした。意地でも自分が包茎であることを否定するために、その股間に隆起している一物を覆っている、長く厚いその包皮に手を当てていた。
正常な大人が普段は服を着ていることと同じであるといわんばかりに、立成はそんなチャチな自意識を守るがごとく、片方で一物を抑え、もう片方の手によりその余っている恥ずかしい皮膚を剥き上げていた。
むしろ、3人の前でそんな行為をすることの方が恥ずかしい側面があるのだが、そんなことまでは全く考えも及ばなかった。普段はその亀頭という肉を覆っている包皮。それを剥き上げるのだから、亀頭への刺によりわずかに痛むものの、包茎だと言われたくないあまりに立成は力づくでその皮を剥き、自分の本当の亀頭を見せつけてやった。
「ど、どうですかっ」
「あははっ!一応剥けるってのはさっきのでわかってるんだよ、立成先生!」
「そうですよ!もう、意地っ張りなんだから~!」
「そうですよ、少し痛そうだったし・・・うわっ、皮が無いと、ここ、汚れすごい!」
「汚~!なんか匂いもすごいし!」
「あ・・・ああっ!」
嗚呼、何と言うことだろう。 簡単にわかることだというのに。
普段は被っているのだから。当たり前だ。
立成が頑張って痛みに耐えてやっと剥いたことにより彼が得られたものは、達成感でも守りたかったプライドでもなく、新たな恥でしかなかったのだ。立成は自分の意志で行った行動で更なる墓穴を掘ってしまっていたのだった。
「汚れはひどいけど、亀頭の色は結構綺麗ですね」
「本当だ~。ピンク色だぁ」
「そ、そんなことは・・・」
「へぇ。どれどれ、俺にも見せて・・・ははっ!こりゃ確かに綺麗だな!綺麗なピンク色だ!これはいいヒントになるんじゃないか?」
「えっ、そんなに違うもんなの?」
「まぁ、人それぞれではあるけどね。でも、この色はかなり初心な感じだよなぁ」
「そうなんだぁ~」
立成はもう既に泣きそうになっている。
自分のやってしまった過ちを本気で後悔していた。
あまりにも初心なことがわかりそうなほどに、綺麗でみずみずしい色合いをしているそのサーモンピンクの亀頭をしっかりと披露してしまったのだ。
正確には、一物の色味はその人の性経験とはあ直接的には関連がない。
その人の持って生まれたものであり、多少の色味の変化はあれど、単純な比例関係ではない。
だから、今、3人が口に出しているようなことはなく、あまり参考にならないはずなのだ。
しかし、そんなことは、清野も2人の嬢も知っているのだ。
知っていて、わざと立成を辱めようとしている。
このゲームを、今この場を楽しむためのアクセントとしている。
しかし、立成はそんなことは知らない。
自分のきれいな色味のサーモンピンクの亀頭を披露してしまった以上、もはや嘘は通じないと本気で思ってしまっていた。すでに3人には、自分の一物が未使用チンポであることが見透かされていると思っていた。男らしい顔をゆがませながらも、身体が震えそうになっていた。
(くそっ・・・何で俺はこんなことを・・・剝かなければ・・・剥かなければ・・・!)
「そういえば立成先生は何歳なんでしたっけ?」
「・・・32歳です」
「そうなんだ!」
「立成先生、はじめて女の子と付き合ったのはいつですか?」
「えぇっ!?」
ちえみからの質問だった。彼女としては単純な質問だったはずだ。
32歳の男なのだから、当然男女交際はしているものだと。
世間一般の常識的にはその認識に間違いはない。
しかし立成にとってはかなり致命的なものだった。
まさか、そんなものなどない、などと答えられなかった。
「そ、そうですね・・・」
「コラコラ!そういう質問はダメだよ!もう質問は禁止だよ!」
「えーっ」
清野がニヤニヤ笑いながらちえみの質問を遮る。
そのおかげで、立成は回答を濁すことができた。
結果的に助け舟を出してもらった形であった。
もっとも、それはほんの少しの時間稼ぎに過ぎない。
立成はこれから、自分の口で、自分の生涯の恥を存分に語らないといけないのだ。
「じゃ、そろそろ予想ターイム!まずはあやのちゃんから!」
「えー、もうですか?うーん、4人!」
「やっぱり、立成先生はあまり女性経験は少ないと思うんですよね。だから4人ぐらいかなって」
背筋にゾクゾクとするものを感じながら立成はそのやりとりを聞いている。
(4人・・・だと?4人の経験人数が少ないというのか・・・?)
そんな発言、とうてい立成は受け入れられなかった。
こちらはゼロ人なのだ。1人ですらないのだ。
それなのに、4人の経験人数が少ないというのか。
立成は間接的に男として未熟であると言われている気分になる。惨めでつらい気持ちになる。自分の存在を消してしまいたくなる。
「ちえみちゃんはどうかな?」
「うーん・・・はい!決めました!1人です!」
「あはは!こりゃまた」
「えー、そんな少ない人いる~?32歳なんだよ~?」
「立成先生は結構そういうのには真面目な人なのかなって思ったからね」
立成はプルプルと身体を震わせる。
そのちえみの鋭さに動揺してしまう。
下着あてゲームのときと同じだ。ほとんど正解を当てられてしまっている。
だが、どちらもほんのわずかに答えが間違っているのだ。
そしてその違いは、明らかに立成にとってより恥ずかしい方に違いが出てしまっているのだ。
「じゃ、立成先生、正解発表お願いします!」
「そんな・・・そんな・・・」
「頼むよ~!2人とも気になって仕方ないんだからっ!さぁっ!立成先生!今まで何人の女性とエッチしてきたのですかっ!」
相変わらずにやにやとした好色そうな顔を見せる清野。
昨年の11月。立成が自分の一物を清野に披露してしまった日。
そのときから、既に清野は立成が女性経験が少ないと思っていた。それはその色味の薄さからだった。理由としては薄弱だ。
清野が立成と良好な関係になってから、何度か飲みの場においても、清野は立成に対して下半身の話題を広げていた。その度に、立成は何とかやり過ごし、具体的なことは清野には語っていなかったのだ。それが清野にとっては少し不満だったのだ。
その答え合わせがとうとうできる。
清野にしては、仲の良い教師仲間とより親密になるための軽いイベントのつもりだったのだろう。
お互いの秘密を明かすことで、距離が近まり、より親しくなれる。
その考え自体は素晴らしいものだ。
「お、俺は・・・」
ごくり。
(どうする?、どうすればいい?)
答えは出ない。
ニヤニヤしながら見守る3人。
正直に言うのか?
だが、そんなことをして何になる?
かといって捏造するか?
だが、もうほとんどバレているのではないか?
立成は葛藤し、そして・・・
「俺の、経験人数は・・・・・・・・ぜ・・・ゼロ人です!」
言った。言ってしまった。
とうとう、本当のことを言ってしまった。
大人になってからは筒井以外の誰にも言っていない、立成の秘密。
それを、こんな場所で、こんな風に言ってしまうなんて。
冷房が効いた店内だというのに、全裸の状態でいる全身がカーッと熱くなる。うなじや脇からも嫌な汗が湧き上がる。自分にとって忌まわしい事実を、何も隠すことなく、高らかに宣言した。してしまった・・・
「えー」
「本当~?」
「はははっ!またまた!立成先生も面白い冗談が言えるんだな!」
3人とも笑っている。
当然、立成のおふざけだと思っているのだ。
32歳の男。それが経験ゼロだなんて、ありえないと。
しかし、立成のその弱弱しい様が、おふざけではないことが感じられた。当然だ。残念ながら、本当のことなのだから。
「おいっ、立成先生!本当かっ!」
横から清野の声が聞こえて来た。
立成はそちらに顔を向けて清野の顔を見る。
少し慌てたような表情をしていた。その顔を見ながら、無言でコクリと頷く。
立成のその仕草は、とても大人の男ではなく、弱り切った少年のように見えた。
唖然とする清野。
そのやりとりを見た2人の嬢は、目の前の体躯の良い男へさらに質問を投げ続ける。
「え、じゃあさっき、彼女がいたみたいなこと言ってましたけど・・・」
「すみません!さっきのも、嘘です!誰とも付き合ったことはありません!」
もはや立成はヤケクソだった。
目をぎゅっと閉じ、他の何も見ないように、ただその口からは真実だけを話していた。
その鬼気迫るような迫真の状況で語るには、何とも情けないことばかりが言葉となって放出されていた。
「ねぇ~本当に童貞なの?」
「ほ、本当です!」
「本当に本当?」
「本当に本当です!」
「今度こそ嘘じゃない?」
「嘘じゃないです!本当です!俺は、本当に、童貞です!!!!」
「あははははっ!」
なんて恥ずかしいことをしているのだろう。
その羞恥と屈辱に負けそうになるが、それを打ち払うように立成は堂々と自身が清らかな身体であることを大声で宣言し続けた。
これまで散々と嘘をついてきたからだろうか。あやかとちえみが何度も訝しみ、それを訂正するためになおも恥を恥で上塗りしていく。
そんなことをしているというのに、立成の分身は今もなお大きくしたままである。
さらに恥をかいているというのに、いや、だからだろうか。
立成のその先端からは、うっすらと透明な汁がジンワリと滲みだしていることに、他の3人も立成自身も、気づいてはいなかった。
立成は絶句してしまっていた。羞恥で赤らんでいた顔が青くなっている。
("経験人数当てゲーム"だと・・・?)
経験人数とは何か。そんなもの、話の流れでわかる。
童貞の立成なのだ。そんなもの数えるまでもない。
ゼロはゼロなのだ。この回答は決して1になることなどない。
つまり、『女性との経験はありません』ということを宣言するしかないのだ。
今どきの男子高校生でも、既に経験済みの奴は何人もいるだろう。
そんなことを、出会ったばかりの女性を含めた3人に言えというのだろうか。
なんて恐ろしく、そしておぞましいゲームなのだ。
他人の女性経験というセンセティブなことまで面白おかしくゲームにするなんて信じられなかった。
確かにそういう話は盛り上がる。飲み会の定番の話のネタだ。男同士、酒が入ればこういう話にもなってしまう。
だが、この状況で、その話をするなんて・・・
しかも、ここには女性がいるのだ。
夜の飲み屋で働いているから、一般的な女性とは違うかもしれない。ある意味プロの女性とはいえるのだが、それでも女性は女性なのだ。それがさらに立成を焦らせる。男しかいないような雄臭い飲み会なのであれば・・・それでも嫌なことに変わりはないものの、それならただ自分が恥をかくだけなのだが。もし、自分の恥部が女性にばれるなんてことがあったりしたら・・・
「え~難しいっ!」
「そんなのわかんないよ!ちなみに経験人数ってどこまでいれるんですか?」
「そりゃーねー。あれだよ!ちゃんと挿れた人数だよ!」
「あははははっ!やだー!」
「よーし、がんばろっ!」
不安が膨らみ続ける立成をよそに盛り上がる3人。
いつのまにかこの下品なゲームの開催が決定されてしまっていた。
立成の預かり知らぬところでとんでもないことになってしまっていた。
立成と清野が来店してから、はしゃぎ続けていた2人の嬢、あやかとちえみ。
そんな2人が今、まじまじと見つめているモノは、立成の皮被りの一物だ。
ゲームだというのに、その目は真剣だ。本気で立成の女性経験人数を当てようとしている。
その一物の形から、大きさから、色の具合から、皮の被り具合から、立成がどれだけの女性にソレを使用したのかを割り出そうとしているのだ。
なぜ自分のチンポを見るのか。
どうしてそんなことができるのか。
じっくりと見るようなものではないはずなのに。
ましてや出会ったばかりの男のモノであるというのに。
そして・・・
これだけの辱しめを受けているというのに、立成のその一物は血管を浮き出させた状態で、まるで恥知らずのように天を向いてそびえ立ったままでいる。何とか落ち着かせようとしている立成の呼吸により少しだけ上下していることから、人間の臓器であることがわかる。
そんなものを2人の女性に見られているのだ。良い意味でも悪い意味でも、立成にとっては夢のような状況だった。
「みっ・・・見ないでください、そんなとこ、見ないで・・・」
「え~!だって見ないとわかんないじゃ~ん」
「もうゲームは始まってるみたいですし」
「清野先生、こんなふざけたこと、さすがに」
「はっはっ、まぁ、今日だけのスペシャルってことだから、頼むよ、立成先生!」
あまりにも暢気すぎる清野の対応に、立成はさすがに恨めしく思えてきてしまっていた。
こっちは裸を晒しているのだ。チンポまで見られているのだ。
そんな中、なぜここまで自分を愚弄するようなことを言うのだろうか。
こんなにも自分を辱めたいのか。
酔っていたから、では済まないレベルに足を踏み込んできている。
それだというのに、まるっきりの他人事だ。いや、清野のことだから、自分が立成の立場になったとしても、喜んで自分の股間を晒してしまうのかもしれないが。
「え~、わかんないよ~!どう、ちえみちゃん、わかるぅ?」
「うーん、でもチンポは大き目だから、それがヒントになるのかな?」
「え~、サイズは当てになんないよ!それに、包茎だからな~」
「ほ、包茎じゃありません!」
「またまた~!ちゃんと被ってるじゃないですか!」
「む、剥けます!俺、ちゃんと剥けます!剥けるんですよっ!・・・ツッ!!・・・ほらっ!ほらっ」
絶対に認めたくない。包茎だと言われたくない。立成のそんな意志が見え透いていた。
先ほどあれだけ見栄剥きであることが3人にバレて恥をかいたというのに、立成はまたもや自分のプライドを守ろうとした。意地でも自分が包茎であることを否定するために、その股間に隆起している一物を覆っている、長く厚いその包皮に手を当てていた。
正常な大人が普段は服を着ていることと同じであるといわんばかりに、立成はそんなチャチな自意識を守るがごとく、片方で一物を抑え、もう片方の手によりその余っている恥ずかしい皮膚を剥き上げていた。
むしろ、3人の前でそんな行為をすることの方が恥ずかしい側面があるのだが、そんなことまでは全く考えも及ばなかった。普段はその亀頭という肉を覆っている包皮。それを剥き上げるのだから、亀頭への刺によりわずかに痛むものの、包茎だと言われたくないあまりに立成は力づくでその皮を剥き、自分の本当の亀頭を見せつけてやった。
「ど、どうですかっ」
「あははっ!一応剥けるってのはさっきのでわかってるんだよ、立成先生!」
「そうですよ!もう、意地っ張りなんだから~!」
「そうですよ、少し痛そうだったし・・・うわっ、皮が無いと、ここ、汚れすごい!」
「汚~!なんか匂いもすごいし!」
「あ・・・ああっ!」
嗚呼、何と言うことだろう。 簡単にわかることだというのに。
普段は被っているのだから。当たり前だ。
立成が頑張って痛みに耐えてやっと剥いたことにより彼が得られたものは、達成感でも守りたかったプライドでもなく、新たな恥でしかなかったのだ。立成は自分の意志で行った行動で更なる墓穴を掘ってしまっていたのだった。
「汚れはひどいけど、亀頭の色は結構綺麗ですね」
「本当だ~。ピンク色だぁ」
「そ、そんなことは・・・」
「へぇ。どれどれ、俺にも見せて・・・ははっ!こりゃ確かに綺麗だな!綺麗なピンク色だ!これはいいヒントになるんじゃないか?」
「えっ、そんなに違うもんなの?」
「まぁ、人それぞれではあるけどね。でも、この色はかなり初心な感じだよなぁ」
「そうなんだぁ~」
立成はもう既に泣きそうになっている。
自分のやってしまった過ちを本気で後悔していた。
あまりにも初心なことがわかりそうなほどに、綺麗でみずみずしい色合いをしているそのサーモンピンクの亀頭をしっかりと披露してしまったのだ。
正確には、一物の色味はその人の性経験とはあ直接的には関連がない。
その人の持って生まれたものであり、多少の色味の変化はあれど、単純な比例関係ではない。
だから、今、3人が口に出しているようなことはなく、あまり参考にならないはずなのだ。
しかし、そんなことは、清野も2人の嬢も知っているのだ。
知っていて、わざと立成を辱めようとしている。
このゲームを、今この場を楽しむためのアクセントとしている。
しかし、立成はそんなことは知らない。
自分のきれいな色味のサーモンピンクの亀頭を披露してしまった以上、もはや嘘は通じないと本気で思ってしまっていた。すでに3人には、自分の一物が未使用チンポであることが見透かされていると思っていた。男らしい顔をゆがませながらも、身体が震えそうになっていた。
(くそっ・・・何で俺はこんなことを・・・剝かなければ・・・剥かなければ・・・!)
「そういえば立成先生は何歳なんでしたっけ?」
「・・・32歳です」
「そうなんだ!」
「立成先生、はじめて女の子と付き合ったのはいつですか?」
「えぇっ!?」
ちえみからの質問だった。彼女としては単純な質問だったはずだ。
32歳の男なのだから、当然男女交際はしているものだと。
世間一般の常識的にはその認識に間違いはない。
しかし立成にとってはかなり致命的なものだった。
まさか、そんなものなどない、などと答えられなかった。
「そ、そうですね・・・」
「コラコラ!そういう質問はダメだよ!もう質問は禁止だよ!」
「えーっ」
清野がニヤニヤ笑いながらちえみの質問を遮る。
そのおかげで、立成は回答を濁すことができた。
結果的に助け舟を出してもらった形であった。
もっとも、それはほんの少しの時間稼ぎに過ぎない。
立成はこれから、自分の口で、自分の生涯の恥を存分に語らないといけないのだ。
「じゃ、そろそろ予想ターイム!まずはあやのちゃんから!」
「えー、もうですか?うーん、4人!」
「やっぱり、立成先生はあまり女性経験は少ないと思うんですよね。だから4人ぐらいかなって」
背筋にゾクゾクとするものを感じながら立成はそのやりとりを聞いている。
(4人・・・だと?4人の経験人数が少ないというのか・・・?)
そんな発言、とうてい立成は受け入れられなかった。
こちらはゼロ人なのだ。1人ですらないのだ。
それなのに、4人の経験人数が少ないというのか。
立成は間接的に男として未熟であると言われている気分になる。惨めでつらい気持ちになる。自分の存在を消してしまいたくなる。
「ちえみちゃんはどうかな?」
「うーん・・・はい!決めました!1人です!」
「あはは!こりゃまた」
「えー、そんな少ない人いる~?32歳なんだよ~?」
「立成先生は結構そういうのには真面目な人なのかなって思ったからね」
立成はプルプルと身体を震わせる。
そのちえみの鋭さに動揺してしまう。
下着あてゲームのときと同じだ。ほとんど正解を当てられてしまっている。
だが、どちらもほんのわずかに答えが間違っているのだ。
そしてその違いは、明らかに立成にとってより恥ずかしい方に違いが出てしまっているのだ。
「じゃ、立成先生、正解発表お願いします!」
「そんな・・・そんな・・・」
「頼むよ~!2人とも気になって仕方ないんだからっ!さぁっ!立成先生!今まで何人の女性とエッチしてきたのですかっ!」
相変わらずにやにやとした好色そうな顔を見せる清野。
昨年の11月。立成が自分の一物を清野に披露してしまった日。
そのときから、既に清野は立成が女性経験が少ないと思っていた。それはその色味の薄さからだった。理由としては薄弱だ。
清野が立成と良好な関係になってから、何度か飲みの場においても、清野は立成に対して下半身の話題を広げていた。その度に、立成は何とかやり過ごし、具体的なことは清野には語っていなかったのだ。それが清野にとっては少し不満だったのだ。
その答え合わせがとうとうできる。
清野にしては、仲の良い教師仲間とより親密になるための軽いイベントのつもりだったのだろう。
お互いの秘密を明かすことで、距離が近まり、より親しくなれる。
その考え自体は素晴らしいものだ。
「お、俺は・・・」
ごくり。
(どうする?、どうすればいい?)
答えは出ない。
ニヤニヤしながら見守る3人。
正直に言うのか?
だが、そんなことをして何になる?
かといって捏造するか?
だが、もうほとんどバレているのではないか?
立成は葛藤し、そして・・・
「俺の、経験人数は・・・・・・・・ぜ・・・ゼロ人です!」
言った。言ってしまった。
とうとう、本当のことを言ってしまった。
大人になってからは筒井以外の誰にも言っていない、立成の秘密。
それを、こんな場所で、こんな風に言ってしまうなんて。
冷房が効いた店内だというのに、全裸の状態でいる全身がカーッと熱くなる。うなじや脇からも嫌な汗が湧き上がる。自分にとって忌まわしい事実を、何も隠すことなく、高らかに宣言した。してしまった・・・
「えー」
「本当~?」
「はははっ!またまた!立成先生も面白い冗談が言えるんだな!」
3人とも笑っている。
当然、立成のおふざけだと思っているのだ。
32歳の男。それが経験ゼロだなんて、ありえないと。
しかし、立成のその弱弱しい様が、おふざけではないことが感じられた。当然だ。残念ながら、本当のことなのだから。
「おいっ、立成先生!本当かっ!」
横から清野の声が聞こえて来た。
立成はそちらに顔を向けて清野の顔を見る。
少し慌てたような表情をしていた。その顔を見ながら、無言でコクリと頷く。
立成のその仕草は、とても大人の男ではなく、弱り切った少年のように見えた。
唖然とする清野。
そのやりとりを見た2人の嬢は、目の前の体躯の良い男へさらに質問を投げ続ける。
「え、じゃあさっき、彼女がいたみたいなこと言ってましたけど・・・」
「すみません!さっきのも、嘘です!誰とも付き合ったことはありません!」
もはや立成はヤケクソだった。
目をぎゅっと閉じ、他の何も見ないように、ただその口からは真実だけを話していた。
その鬼気迫るような迫真の状況で語るには、何とも情けないことばかりが言葉となって放出されていた。
「ねぇ~本当に童貞なの?」
「ほ、本当です!」
「本当に本当?」
「本当に本当です!」
「今度こそ嘘じゃない?」
「嘘じゃないです!本当です!俺は、本当に、童貞です!!!!」
「あははははっ!」
なんて恥ずかしいことをしているのだろう。
その羞恥と屈辱に負けそうになるが、それを打ち払うように立成は堂々と自身が清らかな身体であることを大声で宣言し続けた。
これまで散々と嘘をついてきたからだろうか。あやかとちえみが何度も訝しみ、それを訂正するためになおも恥を恥で上塗りしていく。
そんなことをしているというのに、立成の分身は今もなお大きくしたままである。
さらに恥をかいているというのに、いや、だからだろうか。
立成のその先端からは、うっすらと透明な汁がジンワリと滲みだしていることに、他の3人も立成自身も、気づいてはいなかった。
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