生徒との1年間

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顧問2年目06月

顧問2年目06月 6

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「も、もういいですね!?いいですよねっ!?」

 慌てて股間を隠す立成。
 散々見られた後だというのに、その漢だけが持つ膨らみを見えなくしてしまいたかった。
 立成は今、3人に囲まれたまま、1人だけ自分だけがみっともないパンツ一丁の姿でいるのだ。他の3人は服を着たまま、裸同然の己を冷やかすように見ているのだ。耐えられないような居づらさだった。それだというのに、3人は相変わらず立成を無邪気に辱しめ続ける。
 
「えー、もっと見た~い!」
「だ、ダメですよ」
「お願い!お願い!ねっねっ?」
「いや、だから」
「ハッハッハ!大人気だね立成先生!せっかくここまでやったんだから、最後にこのエロパンツも脱いであげれば?」
「は、はぁっ!?」

 もう勘弁してくれ!そう叫びたかった。
 信じられない。もはや付き合ってられない。あまりにも度を過ぎている。
 何も言いたくない。何を言っても無駄だ。頭が回らない。脳が動かない。
 立成は衰弱しきっていた。清野のおふざけ発言に対しても無言を貫いた。それは、立成としては拒否のつもりだった。しかし・・・

「あやかちゃん、ちえみちゃん。どう、見たくない?」
「見た~い!」
「だよね。じゃ、どうぞ」
「やったー!それっ!」
「ちょっ」
「こっちからも!」
「やめっ!やめてください!」

 水色のビキニブリーフを掴み取ろうとする2人の嬢。
 その手を何とか払いのけ、ビキニを引っ張り上げ、何とか最後の砦を守ろうとする立成。
 そんな端から見ればいちゃついている、本人としては泣き出しそうなほどの状況だった。
 これだけの仕打ちを受けているのだ。もはやなりふり構わず暴れてしまいたい。いや、いっそこの場から逃げてしまいたい。しかし相手は女性なのだ。むやみに己の力を使って撥ね退けるわけにもいかなかった。できることといえば、あんなにも見られるのが嫌だったこのビキニブリーフが自分の下半身を守ってくれるよう引っ張りながらも彼女たちの魔の手を払いのけることだけだった。先ほどまでもこの2人からあんなにも恥ずかしい目にあったというのに、それでも立成は相手を思いやってしまっていたのだ。

「そりゃっ!どうだ!」
「あああああっ!」

 言葉にならない叫び声だった。
 明らかに嬢たちの力ではない、男の力でビキニブリーフが下げられてしまっていた。いつの間にか清野に背後をとられていて、立成の臀部を覆うその布を力いっぱいにずり下したのだ。
 立成が押さえようにも、状況が明らかに不利だった。嬢たちの手に気を取られていた立成はなす術もなく、あの際どすぎるビキニブリーフは残酷にも膝までずり下ろされてしまっていた。
 咄嗟に自分の股間を両手で押さえるが時は遅く、すでに立成のブツを隠すプライベートな布はあるべき場所には無く、立成の手はダイレクトに己の一物を抑えていた。

 何でこんなことまで。何でこんな目に。
 おふざけといっても、度を過ぎている。
 恥ずかしさと屈辱を感じて涙を浮かべそうになりながらも立成は、その肉厚で毛深い両手で必死に股間を隠していた。大人の男が切羽詰まった様子で恥部を見せまいとする仕草に、観衆たちはさらに湧き上がるのだった。

「ははは!立成先生!恥ずかしいのはわかるが、彼女たちも見たがってるんだから、サービスしなさい!」
「そんな、清野先生・・・!」
「え~、なんで?そんなに恥ずかしいの?」
「そんな、当たり前・・・」
「大丈夫ですよ、パンツの状態を見た感じ大きかったし!めっちゃモッコリしてたし!」
「そういう問題じゃ」

 泣き出しそうになるのを必死に堪えながらも立成は冷やかしに応える。
 つい先刻までは、カジュアルなポロシャツにチノパンの格好だったが、今や靴下のみを履いた生まれたままの姿を晒してしまっている。両手でその股間を覆っているものの、他は丸裸なのだ。毛だらけで鍛えた跡がある胸も、弛み始めてポヨンとした腹も、発達した筋肉と脂肪で丸太のように太い脚も、そして体格に見合わないほどにただただ大きいその尻も、いくらでも見せてしまっている状況だ。丸裸も同然だった。これで恥ずかしくない人間がいるのだろうか。
 少しでも自分の局部が見える可能性を下げようと、立成はグイグイとその両手を股間に抑え込み、自ら尻を突き出して、股間を奥へ奥へと送り出そうとしている。まるで小便を漏らしそうになって耐えているような恰好だった。

「わかった!それじゃ、この手を離してくれたら、あたしもいいことしてあげる~!」
「い、いいこと・・・ですか・・・?」
「何々、あやかってば、何をしてあげるの?」
「う~んとねー、じゃ、あたしのおっぱい触らせて上げる!」

 唐突にあやかが言ってのけた。あまりにも突然の、そして突飛すぎる発言だった。
 立成の頭がガーンと、何かでぶたれたかのような衝撃を受けた。
 何を・・・・何を言い出してるんだ、この小娘は!?

「な、そんな、ダメですって!」
「えぇっ!あやかちゃん、サービス良すぎじゃないっ?!」
「え~っ、それくらいならいいかな~って」
「あっ、じゃあおじさんも脱いじゃおっ」
「清野先生はダメ~っ!!じゃ、立成先生ちゃんと立って立って!」
「なっ・・・」

 腰を折り曲げた状態から無理矢理立ち上げさせられる。相変わらず股間を押さえ、何とか自分の恥部を守っている。
 あやかの言葉を聞いても立成の決意は変わらない。こんなこと、あっていいはずはない。ましてや、女性の身体、それも胸に触るだなんて。自分の股間を見せるのも、相手の身体を触るのも、問題があり過ぎるのだ。以ての外だ。

 そう心では思っていた。思ってはいたのだ。
 だが・・・

(ぐっ・・・駄目だ・・・!)

 あやかの提案を受けて、どうしても頭に浮かんでしまうのは、未知の女体。膨らんだ胸。白い肌。桃色の乳首。そして、柔らかな感触。

 デジタル画像でしか見たことがない、立成が今まで知ることのなかった女の身体が、脳裏をちらついてしまった。それらの情景は頭から離れていかない。目をうつろにしながら鼻腔を広げて鼻息も荒くなる。先ほどまでよりも全身から力が抜けていく。

「それじゃ、いくよ!ちえみもそっちの手をよろしく~」
「はいはーい」

 股間を守ろうとする立成のごつい両手首を、2人の嬢が握る。
 決して強い力ではない。それでも立成は、嬢たちの手にその身を任せてしまっていた。
 今からこの腕が取り払われてしまう。
 その最後の刹那、本当にいいのか?という自問があった。良心、欲望、倫理、情欲・・・言葉にならない様々なもので頭が揺らぎ、自分の一物を包み込んでいる両手の指にも力がこもる。
 
(ダメだ・・・いや、でも・・・あぁ、ああああっ!)
「じゃ、せーのっ!御開帳~♪」
「ーーーーーっ!!!」

 立成の決意が固まるよりも早く、残酷な号令が出されてしまっていた。
 成す術もなく、本当に最後の砦が打ち破られた。
 必死に股間を隠していたその両手が、一物を守っていた指が、立成の下半身から引き離され、とうとうあやかとちえみによって両腕ごと開かれてしまっていた。 

「あはは!見ちゃった!」
「立派ですねー!」
「はっはっはっ!さすがだね立成先生!」
「ーーーー!」

 大人の男のシンボルを丸出しにしてしまった。
 うっそうと繁り臍まで続いている、縮れた黒い陰毛。
 衰えを知らないであろうことがわかるほどに立派な双玉を収めた陰嚢。
 穢れを知らないであろう、しかし立成の人柄を現したかのような真っすぐな一物。

「やっぱり大きい!」
「これが先生のチンポなんだね~!」
「長いし太い!」
「これで勃ってないんだ~」
(ーーーーーーっっ!)

 とても言葉にできない。身体を襲ってくる羞恥の嵐が立成の身体をズタズタにしてくる。 
 相変わらず自分の身体について何かを言われている。耳では聞こえるが脳が追い付ていない。

 現実感がなかった。
 今、立成は、全てを取り払った全裸の状況で、3人の男女の前に立っていた。
 見せても良い場所も、見られたくない場所も、すべてがモロ出しの状況だった。
 これを”恥”と言わずに何というのか。 
 立成は目線を上げ、何もない宙を見るでもなく見つめながらも、ハッハッと短い呼吸で何とか酸素を送り込む。

(だ、だめだ・・・・!)
「こら!だめだぞっ!」
「ひぃっ」

 恥ずかしさのあまりに立成は再度両手で股間を隠そうとするが、その腕を無理やり両手を後ろに引っ張られていた。またも清野に背後を取られていたのだった。 

「立成先生、両手は頭の後ろで組みなさい!」
「えっ、えっ」
「頭の後ろ!」
「はっ、はいっ」

 清野の言葉に、立成は思わず従ってしまっていた。
 普段は歳の差はあれど、友人関係だったはずなのに。
 体育会系の上下関係のように。厳しい軍隊の士官と兵士のように。
 もはや今の立成は、全裸の調教される雄に成り下がっていた。

 腋までも見せびらかすかのように、立成は両手を頭の後ろに組んだ。
 当然、こんな体勢では何も隠すことができない。 

「ちょっとつんとするね」
「何が~?」
「えへっ、これの匂い」

 確かに近づけば、その酸っぱいような匂いが漂っていた。
 部活の顧問として一日働いたあとなのだ。汗をかいていても仕方ない。小便だってしただろう。匂いがするのも当然なのだ。それが人間なのだ。それを咎めることなど誰もできるはずがないのだ。
 しかし、今この場では、そんな当然の理論などが通じるはずもない。

「あれ。立成先生、これは・・・・」
「・・・」
「どうしたんですかぁ?」
「いやね・・・」

 そんなことを言いながらも清野がちらちらと立成をみやる。何かに気づいたかのような言いぐさだ。
 これだけ好き放題に言ってくる清野らしくない挙動だ。何かを遠慮しているようだった。
 
「言ってもいいのかな・・・?」
「えっ、何々?」
「教えてくださいよ~」
「う~ん・・・ま、いいや!じゃ、言っちゃうけど、立成先生、包茎じゃなかったっけ?」
「!」

 サーッと立成の顔が紅に染まる。

(き、気づかれた・・・!)

 そう、この場には普段と違う点があった。
 それは清野の指摘した、まさにそのとおりなのだ。
 股間を隠していた両手を無理やり奪われて見られてしまっている、立成の一物。それが問題だった。
 その立成の一物が、今、包皮がカリ首までめくれ上がり、サーモンピンク色の亀頭が見えていてるのだった。

 普段の立成の一物は先端まで覆うほどの包茎のはずだ。
 それが、なぜ、こうなっているのか。
 自然とこうなったのか?そんなはずはない。ではなぜか。

 答えは、立成のしたことだった。 
 90%ほどが無意識の行いだった。が、それでも、潜在的なものかもしれないが、立成は意識的に行っていたのだ。あやかとちえみにその両手を持っていかれる直前、その刹那。立成は手早く、己の亀頭を覆うその包皮をズルっと剥いてしまっていたのだった。
 それは一物を見られる恥ずかしさに加え、気にしている自分の包茎。たとえ仮性包茎だとしても、皮を被っているのを見られたくはなかったのだ。日本男性の半数以上が仮性包茎なのだから、そんなことを気にする必要もないのではあるが、他人に、ましてや女性に一物を見せる機会のなかった立成には、こんな状況とはいえ、いや、こんな状況だからこそ、思わず自分のプライドを守りたくなり、思わずそのしっかりと亀頭を守っていた包皮をめくりあげてしまっていたのだった。
 
「え、でもほら、剥けてますよ~」
「うん」
「そうだよね。でもね、去年俺が立成先生のチンポ見たんだけどさ」
「何見てんの!」
「いつ見たの~!」
「まぁまぁ。で、で。そのとき見たときはさ、立成先生、チンポの先っちょまで皮被ってたんだよね」

 フルフルと顔も身体も震えが止まらない。
 顔を隠せず、一物も隠せず。
 語る清野の声が意味することを考えるだけで、立成は汗がだらだらと流れている。
 そんな立成の様子を顧みることなく、清野は次第に笑顔に・・・いや、嘲笑するかのような表情になりながら、話を続けた。

「だからねぇ、これはねぇ。立成先生は・・・いわゆる”見栄剥き”をしたんだなって」
「えっ!」
「見栄剥き?」
「ち、違う・・・」

 立成は思わず否定していた。
 しかし、この状況、明らかに信ぴょう性があるのは清野だった。

 今の清野はふざけて嘘をついている様子など全くないのだ。
 おまけに立成の震える身体と、止まらない汗。
 偽証をしているのがどちらかは、誰にだってわかるだろう。
 そんな立成にあやかが問いかける。

「本当ぉ~?立成先生?見栄剥きじゃないの?」
「・・・本当です」
「本当に本当~?」
「本当ですっ!」
「じゃ、ジャンプしてみなよ!」

 立成の顔が今度はサーっと青くなる。そんなことをしたら・・・
 あやかの台詞に、清野は高笑いしながら両手を叩く。
 
「ハッハッハ!なるほどね!」
「ほらっ!ぴょんぴょんしなって!」
「あっ、そういうこと?」
「そんな、そんな」
「見栄剥きじゃないズル剥けなら問題ないでしょ~?」

 あやかの言い分はもっともだった。
 とても断れそうにもなかった。やるしかないのだ。

(頼む、頼む・・・!)
 
 立成は心の中で願っていた。しかし、何に願っているのかもわからなかった。神か。仏か。それとも己の無様な一物か。ただ、願う内容はただ一つ。包皮が戻ってしまわないことだ。

 立成は呼吸を止めて、目をつぶった。

 その一拍後。
 立成は飛んだ。

 しかし、膝関節をほとんど曲げず、一瞬だけ宙へ1cmほどだった。驚くほどに小さな、低すぎる跳躍。
 明らかに包皮が戻らないことを意識していることが見て取れる、お粗末なジャンプだった。

「や、やりました」
「ダメ~!もっと高く!何回もっ!」
「はぁ、はぁっ」
 
 もはや3人とも、立成が嘘をついていることはわかっていた。
 それは立成も薄っすらと感じ取っていたことだ。
 弄ばれている・・・
 確実に、嘘だとバレている・・・

 それでも、今、この場はやるしかないのだ。当然だ。立成が『自分はズル剥けだ』と主張してしまったのだから。その言葉を証明する義務が立成にはあるのだ。だから、立成は飛ばないといけないのだ。そして、辱めを受けるしかなかったのだ。

 男らしい太い眉を吊り上げながらもギュッと目をつぶり、羞恥に耐えながらも、立成は1回、2回・・・何度も跳ねた。そして、何回目だろうか、跳躍をしたその瞬間。

(まっ・・・・まずいっ・・・ああっ!)
 
 無理やり剥いていた包皮が、跳躍の衝撃に何度も耐えられることなどないのだった。
 文字通り、立成の”見栄”によりカリ首まで剥かれていた包皮が、その跳躍の瞬間、『シュルルッ』と聞こえない音を奏でながらも、サーモンピンクの亀頭を覆い隠してしまった。
 そして、その皮が元に戻るその世紀の瞬間は3人の誰の目にも見られてしまっていたのだった。

「あーっ!!」
「戻ったーーー!」
「あーっ!あははは!」
「被ったぁ!すっぽりぃ!」
「あはははははっ!残念だったね、立成先生!」
「ーーーーっ!!!!」

 どっと湧き上がる3人の男女。まるでメジャースポーツの日本代表が勝利したかのような大歓声だった。 
 大きさに違いはあれど、その包皮が戻る様は、まるで大人の一物から子供のチンコに一瞬にして変わった手品をみているようなものだった。立成は3人に対して、自分の身体を使った一世一代のイリュージョンを披露してしまっていたのだった。

 オーディエンスの歓声を受け、立成は先ほどの股間を晒したときよりもより一層、身体を震わせていた。
 何に怒ればいいのか。何に泣きつけばいいのか。
 ぐちゃぐちゃになった感情のやり場が無くなってしまっていた。茫然と立ち尽くすだけだった。
 
 ただただ、己の一物・・・いや、包茎チンポを3人に晒すことしかなかったのだった。
 しかし、それは仕方のないことだ。それが立成の本当の姿なのだから。

(ーーーーっ!こんなことなら、剥かなければよかった・・・・!)

 しかし後悔しても遅い。
 心の中で泣いてもどうにもならない。
 過ぎた時間は戻らない。
 自分の一物にある余り気味の包皮を恨めしく思いながらも、立成は顔を隠してしまいたかった。
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