生徒との1年間

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顧問2年目06月

顧問2年目06月 5

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「さて、一体立成先生は、この大きなお尻にどんなパンツを履いているのかな!正解者はいるかな!」
「いえーい!」

 たった4人しかいないスナック店内の一画。
 他に客がいないことをいいことに、破廉恥な遊戯が続いている。
 立成は清野に抑え込まれ、上半身裸のままで無様に臀部を突き出させられていた。
 これから羞恥のパンツ披露ショーが開幕してしまう。どうにか阻止したい立成ではあるが、この状況ではどうしようもない。できることはただ哀願することだけだった。

「やめて、やめてください・・・」
「どうしたの!立成先生!さては、そう言って喜んでるな!なんだかんだスケベな奴だ!」
「やだー!」
「エロい!先生、エローい!」
「違う、違うんだ」

 立成は泣きそうになりながらも必死に許しを請う。そんなこと受け入れられないのは百も承知だ。
 それでもなんとか、微かでもあり得る可能性、これで解放されることを望んでしまう。

 今はダメだ。今日はダメなのだ。なぜ今日なのか。せめて昨日であれば。そんな思いが頭を満たされ、そしてそれが羞恥となって立成の身体を襲っていく。
 これから起こることを想像しただけで身体を震わせるほどの羞恥に染まっている立成の苦しみを知らない他の3人は相変わらずの乱痴気騒ぎだ。 

「こら!また暴れやがって!よし、俺がこいつをしっかり抑えておくから、あやのちゃん!ちえみちゃん!脱がしちゃえ!」
「はーい!」
「やった!」
「ダメだって!」

 立成の身体と両腕を抑えながら清野からの大号令が出された。馬鹿騒ぎにゆれる店内。
 なんということだ。今の下着を見られるだけでも恥ずかしくて苦しいのにまさか女たちに脱がされるなんて。
 ただ脱ぐだけでも嫌だというのに、そんな仕打ちを受けてしまうとは。

「くっ・・・」
「おや・・・なんだい立成先生、そんなことをしてくれちゃって」

 何も言っても駄目な状況。立成は最終手段に出た。
 どうしても下着を見られたくない立成は、絶対にズボンを脱がされまいと思うあまり、尻を突き出した状態のままその先にある太く逞しい両足を限界まで大きく広げていた。
 そんな立成の下半身にあやかとちえみの魔の手がせまる。しかし、限界まで開かれた立成の脚により、彼のチノパンを剥ぎ取ろうにもびくともしなかった。
 立成の最後の意地だった。上半身は両腕を含めて抑えられている。自由なのは突き出している尻を支える足だけだった。その足を広げていれば、チノパンを脱がすどころか、前閉じのホックを外すことすらできない。立成はそう踏んだのだ。
 しかしそれでも周りの観衆は許さない。

「あーんもう!」
「ダメじゃん!」
「あちゃー。おい、立成先生!さすがに往生際が悪いんじゃないかい?」
「それは。しかし、しかしですね・・・」
「あ、じゃあこうしちゃえば!」
「なぁっ!」
「あたしも!」
「はぁっ」
「おおっ!いいねぇー2人とも!」

 ちえみの手が立成の尻の割れ目に入れられて肉の間を荒らした。
 あやかの手は、立成の局部に添えられてそこにある雄の証明を擦っていた。
 前と後ろの敏感な場所を女の手に触れられると、抑えようとしても艶のある声が漏れ出てしまう。

 煮え切らない立成の様子に、彼女たちも責め気が出てしまったのだろう。ここはスナックだ。疲れた男性が心の隙を見せられる憩いの場だ。決して風俗店ではない。それだというのに、彼女たちは自分の意志で、目の前の無様な男のデリケートゾーンを荒々しく侵略してきたのだ。

 刺激が強すぎた。腕や脚を触られるだけでも顔が湯だってしまうほどに奥手なのだ。
 それなのに、下半身のそんなところを触られてしまうなんて。
 絶対にズボンを脱がされまいと決意しての大開脚であったはずであるのに。しかし、そんなところを触られたのだ。男の本能として、その敏感な雄の弱点を無意識に守ろうとしてしまい、男としてはあるまじき、なんとも情けない内股の状態になってしまっていた。

「やった!大成功!」
「すんごい内股!女子みた~い!こんなに脚太いのに!」
「情けないなぁ立成先生。じゃ、2人ともやっちゃって!」
「は~い!」
「い、嫌だ!やめろぉーーーーっ!」

 立成の悲鳴が空しく店内に響き渡る。
 誰でもいいから助けてほしかった。今はこの4人以外に誰もいないのはわかっていたというのに。

(こんな・・・俺が、レイプされているみたいじゃないか・・・!)

 全てが無意味な抵抗となってしまった。
 チノパンのホックが外される。ファスナーも下ろされる。
 立成が情けない姿を晒してまでも守ろうとしていた最後の砦が、彼女たちの手で取り払われようとしている。
 そして、何の問題もなく、立成が脱がされまいと必死になっていたチノパンも、立成がかつて鍛えていたことがわかる下半身からずり下ろされてしまった。

「あっ」
「えっ」
「あれっ」
「うっ・・・」

 3人の観衆の目の前に現れたもの。
 這いつくばるように突き出していた尻を包んでいる布の正体が明かされてしまった。
 ゲームの答えが示されたのだった。

 それは、水色のビキニブリーフ。
 普通のボクサーブリーフやトランクスよりも丈が短く、普通のブリーフよりも股下のカットが鋭い。
 それは誰が見ても下着だとわかるほど妖艶で、男のプライベートな部分を守る代物だ。

 昨年の弓道の大会の日に筒井が買って来たものだ。
 試合に出る自分を勇気づけてほしいと。立成の馬鹿話のようなゲン担ぎの下着。

 しかし、そんな由縁など、周りの3人が知るはずなどない。
 いくら他人の目に触れる機会のないものだとしても、教師が履く下着としては際どすぎる代物だった。
 そんなものが、まるで体育教師と見間違うほどに立派な体躯の男である立成の尻をしっかりと守っている。そしてその生地の色である鮮やかな水色が、ただでさえ肉感的なデカ尻をさらに映えさせていた。

(くそぉ・・・なんで・・・こんなパンツを履いてるとこを見られるなんて・・・あぁ・・・)

 恥じていた。自然と身体が震えていた。
 弁明したかった。言い訳したかった。
 なぜ、自分がこんなパンツを履いているのか、赤裸々に話したかった。

 それでも言葉が出ない。口から声を出すこともできない。
 ただ、顔を赤くし、脂汗を額に浮かべ、荒い息を吐き出すだけだ。
 もはや脱がされているから意味はないのだが、そんな気持ちになっていたからだろうか。立成の脚は、脱がされた時の内股になったままだった。むき出しのその脚は、ちえみが称賛したように、太く逞しく、発達したハムストリングスとその周りの脂肪がしっかりと着いた、黒く長い毛が生え揃った男の脚だった。そんな男性フェロモン溢れる両脚の膝関節をくっつけた、まるで女性のような情けない内股状態のままで身体を固めてしまっていた。その様は、恥をおそれて弱気になっている立成の心情を表していた。

「へ~え、こういうパンツなんだぁ」
「やば!エロいパンツ履いてるんですね」
「やっぱり身体がすごいからナルシストの気があるんだね」
「でも、すんごい似合ってる!」

 3人の視線が刺さる。
 自分の尻にぴったりと張り付いているその下着に、3人の視線が集まっていることがわかってしまっていた。
 視線の気配を感じ、見られていることを意識してしまう。
 立成からは見えないというのに。
 
 そんな見られている状況だ。息をするのもはばかれる。自分の存在を消してしまいたい。ハッハッと短い呼吸しかできない。
 身体中に湧き上がるその羞恥を抑えようと、立成は内股にした両足の膝関節をこすり合わせる。スリスリと、モジモジと、太い眉にがっしりとした顎をもつ大人の男がするにしては情けない仕草は、少しでも心の安寧を求めているようだった。

「はい、パンツ当てゲーム、立成先生の今日のパンツの正解は『水色のエッチなビキニパンツ』でした~!2人とも残念でした!」
「難しいよ~」
「あ、でもあたしは結構いい線いきましたよ」
「そうだね、ちえみちゃんはかなり正解に近かったね。じゃ、何かご褒美をあげないと」
「やった!」
「じゃ、立成先生との写真撮影だね!今の立成先生のお尻とのツーショット、特別に撮らせてあげる!」
「はぁっ!?何を言って」
「えぇ何それぇー!」
「あははは!じゃあたしが撮ってあげる~!ほら、顔寄せてあげて!」
「もうー!」
「や、やめろおおお!」

 立成の声が空しく響く。
 もはや立成の抵抗の声など聞き飽きたと言わんばかりに、全ての物事が進んでいく。
 発言権がないというのだろうか。肖像権もまるっきり無視だ。もはや人間ですらないのか。これでは奴隷だった。

 残酷なパンツ当てゲームの勝者であるちえみは、無様に突き出されたその『エッチなビキニ』に包まれた臀部の近くに顔を持っていき、そして・・・

 パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ

 無慈悲な撮影音が響き渡る。

 その被写体となっているのは、少々キツ目ではあるが、確かに美人なスナック嬢、ちえみ。
 きっと週末になると、そんな彼女との逢瀬を楽しみにした親父たちが店内にひしめき合うのだろう。
 そんな親父たちが求める彼女の素敵な顔の横に鎮座しているのは、明らかにこの場にふさわしくない、破廉恥な状況の雄尻。明白に男のそれとわかってしまうものだ。それは写真になっても変わらない。下着とはいえしっかりと、はっきりと尻を晒している情けない男。そんな男の尻の隣で笑みを浮かべる女のツーショットだ。それは女に屈服した情けない男の姿を描いているようだった。

「頼む・・・そんなとこ、撮るな・・・」
「え~、そんなこと言うなら、もっと撮っちゃえ!」
「やめて・・・」
「あははは!」

 パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ

 一向に鳴りやまない撮影音。
 その音が鳴る度に、立成の恥部がデジタルで記録されていく。
 教師が履いているとは思えない際どすぎる下着が、そしてその下着に包まれた男らしく発達した臀部が、見ず知らずのスナックの嬢のスマホに、何枚も何枚も刻まれてしまう。
 みっともない下着が、下着の色が、下着のサイズが、尻の大きさが、尻の割れ目が、女のスマホに写真として、何枚も何枚も残されてしまった。

「はい、終わり!楽しかった~!」
「ありがと。ねぇ、あたしにも送ってね」
「いいよー。はい!送ったよ!」
「ありがと!」
「はっはっはっ!よく撮れたかな!?立成先生もお疲れさん!」
「くっ・・・はぁっ、はぁっ」

 ようやく清野が抑えこんだ手を離してくれた。
 無茶な体勢を取らされ続けた立成は思わずしゃがみこむ。荒れた息を無理やり整える。
 なんてことをされたのだ。恥ずかしさのあまり、両手で顔を覆っていた。顔を嬢たちに向けられない。

「でも、すごいパンツ履いているんですね」
「あたし、ビキニ履いてる男性は初めて見たかも~」
「全く、エロイんだからなぁ、立成先生は!」
「違うんですよ」
「でもさ、前はボクサーパンツ履いてなかったっけ?」
「そうなの?じゃ、最近ビキニ派になったんだ」
「いや、そういうわけじゃ」
「意外~こういうの履いて無さそうだもん」
「なんか心境の変化でもあったんですか~?」
「だから、違いますって、普段はちゃんと普通のパンツを」
「またまた~いいですよ、そういうの!」
「でも、なんかエッチですよね、これ」

 少しでも自分の身体が隠れるよう、しゃがみこんでいる立成。
 そんな立成を取り囲むように、ワイワイと騒ぎ続ける3人。

 教師というのは公務員として、立派で大変な仕事だ。
 
 それなのに下着を見られただけだというのに、立成はこの場においては最底辺の扱い、面白おかしく酒の肴にされるただの遊具として扱われていた。

「このエッチなパンツ、前の方はどんな感じなんですか?」
「えっ、何を言って」
「お尻の方はかなり、こう、クイット」
「よしっ、立成先生、立つんだ!前も見せろ!」
「い、いやだ・・・ああっ!」

 またも羽交い絞めで無理やり立たされてしまっていた。
 何とか抵抗しようとしたものの、肉体的にも精神的にも疲弊してしまった今の立成は、ノリノリで絶好調の清野の敵ではなかった。おまけに嬢たちに下ろされて立成の膝に絡まったままのチノパンが、立成の抵抗の行為を妨害していた。
  
「ほら、これが立成先生のパンツですよー!」
「うわぁ!毛がはみ出してる!」
「ここ!見て見て!やっば!すごいモッコリしてる~!」
「あっはは!アレの形がもろ見え!」
「・・・ッ!見ないでください!」
「恥ずかしい!ごめんごめん!」
「ちょっとお腹のお肉が乗ってる~」
「前から見ると、肢がほとんど出てるんですね」
 
 キャーキャーと騒ぎ立てる2人の嬢の声がスナック店内に響き渡る。
 ビキニブリーフの前部分がどうなっているか。そんなもの、見るまでもなくわかることだった。
 こうなっているのだ。男にしかないモノが、そこにはあるのだ。
 明らかに立成の陰茎と陰嚢による膨らみがつくられており、それらが水色の生地に包まれていた。

 最初に腕や脚をちえみに触れられただけでも、その茎は鎌首をもたげていたのだ。
 しかし、今はまだ3割程度の膨張であり、少し固くなった程度となっている。

 これだけの羞恥体験を、このスナックではしてしまっているのだ。本来であれば、立成は完全に勃起してしまっていただろう。
 そうでない理由。それは単純に、色々と経験不足の立成にとってはあまりにも刺激が強すぎただけだった。

 生徒である筒井からは、散々と恥をかかされていた。
 しかし、立場が違うとはいえ、それは男同士の出来事。
 今のこの場に女性が2人いる。ただそれだけで、立成の精神的な部分で余裕がなくなってしまっているのだ。
 羞恥が強すぎるあまり、身体と精神がまだ付いて行っていないのだった。もう少し立成が冷静であったならば、今頃完全に勃起していただろう。
 だが、それももう少しだった。
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