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顧問2年目05月
顧問2年目05月 15
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あれから2日後の月曜日。
ゴールデンウィーク明けの高校。
また平日がやって来た。
朝の職員室。
教師と言えど、休み明けは辛いものだ。ゴールデンウィークと言っても、部活の顧問を持っている教師が大半のため、連休をフルで休めた人が何人いるのだろう。リフレッシュとは程遠い休日だったのか、教師たちの顔つきはいつにもましてだるそうに見える。とても生徒には見せられない光景だ。
時間になる。
いつものように教頭と学年主任の訓話で1日が始まる。。
生徒の五月病に気を付けろとか、中間試験の準備をしておけとか。
なぜ年をとると話が長くなるのか。わかりきった話をさも重要なことのように話したがる。
そんな話が垂れ流されている中、職員室にはいつにもまして気だるい雰囲気が漂っている。
(あーあ、早く終わんねえかなあ・・・)
立成も見た目だけは話を聞いているが、心の中では生欠伸をしている。
きっと生徒たちも今頃、日常に戻ることを億劫がっているのだろう。
立成だってあまり気が乗らない。もっとも、その理由は連休が明けたから、というだけではないのだが。
そんな風にしていたら、ようやく2人のありがたい話が終わった。やれやれと、ほっとしたような息をついて自席に座る教師たち。
後数分もすれば朝のホームルームの時間だ。それが終われば、また生徒たちに授業をする日々が始まる。
「いやーはっはっはっ。そんなこと無いですよ!」
うるさい男の声が耳を突いてきた。
声の方を見なかともわかる。体育教師の角田だった。
長身の立成よりもさらに身体が大きい。背が高いのもあるが、肩幅も広く、腕も脚も太い。身体にも厚みがあり、
今日も朝から上下揃いのジャージ姿だ。出勤からジャージというのは体育教師とはいえあまり好ましくはない。だが、それが許容されているのも、あまりそういう所にはうるさくないこの高校ならではなのかもしれない。
角田は体育系らしい陽に焼けた肌だ。たしか学生時代も体育会系の部活・・・たしかサッカー部だったろうか、に所属していたはずだ。確か立成よりも少し年上だったはずだ。それだというのに、角田の身体は年齢を感じさせないほど、全身が逞しい筋肉の鎧で覆われていて、立成のように弛んだ部位などない。サイドを刈り上げ、前髪だけは少し長めで横に流しており、少し前に流行ったへアースタイルで決めている。確かまだ独身のはずた。その顔つきは明らかに勇ましく、生徒たちにも恐怖を抱かせるほどだ。それもあってか、生徒指導の責任者も任されている。
角田は身体だけでなく声も大きい。さすが体育会系というのだろうか。日常会話ですら腹から発せられる声のため、職員室の端にいたとしても角田の話し声は耳を澄まさなくとも聞こえてしまうだろう。
何が嬉しいのか、角田は色めきだった声をあげている。話す際にもオーバーに手振りを加えている。
悪い奴というわけではないのだが、気が合わないと関係を維持するのに疲れてしまうような、そんな人間だった。
立成として嫌っているわけではないのだが、少し・・・いや結構、やりづらさを感じてしまっている。
そんな角田と話している女性がいる。
よりによって養護教諭の吉沢だ。
角田のよくわからない話にも笑顔で付き合っている。しっかりと角田を見つめ、時折うなづき、しっかりと笑っている。
小柄な吉沢が、立成よりも身長がある角田と話していると、さらに上目使いになっている。
(吉沢先生、角田先生なんかを相手に、そんな真面目に話を合わせなくても・・・)
そんなことを考えながら、1限目の授業までの隙間時間を頭を空っぽにして過ごそうと思っていた。
「・・・でした?」
「・・・ヘッ?」
唐突に横から女性の声が聞こえた。
何気なくそちらを見るとなんと吉沢がいた。
「あっ・・・吉沢先生!すみません、聞いてませんでしたっ!」
「ふふっ、そんなに驚かないでくださいよ」
笑っている吉沢。
さっきまで角田と談笑していたのに、まさか自分の近くに来ているだなんて。
おまけに、自分に話しかけてくるとは・・・
32歳であるというのに、立成はまるで中学生男子のようにどぎまぎしてしまっていた。
立成は嬉しさを感じつつも、必死に自分が女慣れしていないことを隠そうとした。
「と、ところで、なんですか、吉沢先生?」
「いえ、別に大したことじゃないですよ。立成先生はどんな連休でした?」
「ははっ、それがほとんど部活でしたからねぇ。まぁ、補習がないだけ楽でしたけどね」
「そうですか。それは大変でしたね」
「そんなそんな、大したことないですよ。ま、最後は休みにしたので」
吉沢と話しているだけで、立成の雄臭い顔がだらしない表情になりそうになる。
デレデレとしそうになるのを必死に堪える。
そこには助平さはなく、まるで憧れのお姉さんとお喋りしている純情な小学生のような表情だった。
立成は話しながら思い出す。
連休とはいえ、結局は毎日のように学校に来ていたのだ。部活の顧問としての活動。そしてその後に、少しだけ書類仕事を片付けた。味気ない休日すぎて、せっかく吉沢に話しかけられたというのにいいネタがない。
いや、ネタといえば・・・
「それと・・・あっ」
一気に立成の胸が高鳴る。
市の弓道大会の日の朝。
目の前の女性を、吉沢を、自慰行為のネタにした。
この女性の裸を勝手にイメージして。この人とまだ知らぬ性行為をすることを妄想して。自分の未使用包茎チンポを晒し、童貞であることを謝り、セックスを教えてくれと懇願することを想像して。
そんなことを思い返してしまっていた。
「あれ、どうしました?」
「え、大丈夫ですよ。ははは」
勝手に赤面してしまう。そしてまたも思い出してしまう。
筒井に赤裸々に報告した、朝のオナニー活動。
その後、自分から筒井にせがみ、浣腸され、野外で全裸で這いつくばり、野糞と小便を撒き散らし、生徒に尻を叩かれ、尻の穴を指で弄られたあげく、挿入されただなんで、とても言えたものではなかった。
「・・・大丈夫ですか?何だか顔が赤いですけど」
「い、いや、なんでもないですよ」
「え、なんですか、教えてくださいよ!」
「ほんと、大丈夫ですよ、ハハハ」
「もうっ!気になるなぁ~。あ、そろそろ時間ですね。私、保健室に戻らなきゃ」
「あ、俺も教室に行かないと」
明らかに空元気を出しながらも、立成は吉沢と笑いあいながら職員室を出ていった。
一見、爽やかそうに会話している男女の組み合わせ。
しかし、男の方はというと、吉沢のことで頭がいっぱいになっている。ピンク色の考えが消えずにもやもやとしている。思わずその白衣の下の服のさらに下にある肢体を想像してしまいそうになっている。
(こんなにも細いのか・・・でも、きっと膨らむところは・・・って、何考えているんだ!しっかりしろ!)
脳内でせわしなく一人で会話する立成。
吉沢と歩きながらも、一度思い出してしまった厭らしい体験が抜けきらないあまりに、立成はスラックスの股間んを突っ張らせながら、それに気づかれないかをひやひやしていた。
放課後。
立成は職員室で伸びをする。
ようやく終わった。あまり休めなかったとはいえ、連休明けの仕事はきつい。
しかし、生徒たちに問題が生じていないことは救いだった。
ホームルームや授業の様子を見るに、GW明けのダルそうな感じはあるものの、クラスの生徒たちは皆出席していた。ひどく荒れた様子もなかった。
それだけでまずはひと安心だった。
今日も部活に出席だ。
6月は高校総体がある。高校生の大会で一番の目玉だ。そして3年生にとっては、泣いても笑っても実質最後の大会でもある。
(そうか、来月で筒井の高校部活も最後になるかもしれないんだな・・・)
当たり前のことだが、寂しくも思う。
少しだけ青春がうらやましくも思う。
教師として、定時後も休日も顧問として出校して面倒を見ているのだ。これだけ部活動で消耗しているというのに、やはり生徒のことを考えるとやりがいも感じてしまう。
教師という仕事は因果なもだ。
そんなことを考えながら、立成は弓道場に向かった。
「あのう、立成先生」
弓道場に着いたとたんに、2年の川崎が立成に問いかけてくる。川崎は11人いる2年の部員のなかでも、一番の実力者だ。的中率は時たま筒井をしのぐことすらある。もっとも、普段の彼は、筒井とはまた違ったマイペースさがあるのではあるが。
「ん?どうした?」
「あの、大したことじゃないんですけど、一応報告しておいた方がいいかと思って。ちょっといいですか?」
「・・・?」
川崎がずんずんと弓道場の外を歩いていく。
立成は何もわからずに着いていくしかない。
学校の敷地の外れにある弓道場。
他の部活動の掛け声が遠くから聞こえてくる。まるで高校であることを忘れてしまいそうな環境だ。
そんな中、川崎の後を追う立成は気づいてしまった。
川崎が的場の方へと歩いていくことに。
(ま、まさか・・・この方向は・・・!)
「立成先生って、鼻は良い方ですか?」
川崎が歩きながら立成にふいに問いかける。
その問いかけにドキッと心臓が止まりそうになる。
今、自分達が向かっている、2日前にたちなりが最悪の自分を露呈させた、あの的場の裏。
(川崎はあの惨事を知っているのか?いや、そんなはずは・・・)
そんな疑念が湧き上がる中、なんとか普段通りを装う。
「そ、そうか、よくわかんないな~、俺、今年から花粉症なもんで」
「そうですか、実は・・・」
川崎が何かを言おうとしたその時。
「何何」
「どうしたの」
他の部員たちも、何か異様な雰囲気を察したのかわらわらと湧いてくる。
なぜ、こんなときに限ってこいつらは群れてくるのか。
「いや、ちょっとヤバ目な光景があったからさ」
「え、何だよ何だよ」
「気になる~」
「的場に何かあんのかよ」
「もうとっくに準備はしてますよ」
ガヤガヤとにぎやかなっていく一団。
何も知らない生徒たち。
知っているのは、立成一人。
来なくて良い。
来ないでくれ。
そう思った。願った。そんなものはかなえられないと分かっていながら。
立成は身体が震えてきた。
今更ながら、2日前の自分を消し去りたかった。
それでも、立成も足を運ばざるを得ない。
今更拒否などできるわけがない。
生徒たちを止める理由などない。
行きたくない。
見たくもない。
見られたくない。
そう心で思いながらも、何も知らない風を装うしかない。
弓道場から的場までは30mほどだ。
歩いていたってあっという間だった。
にぎやかに川崎についてく部員たち。
先導する川崎が的場の裏に行くと・・・
「あっ!!!」
誰かが叫んだ。
その声を聞いて走って駆けつける他の部員たち。
立成も仕方なく駆けつける。
何があるのかは明白であるのに、まるで自分は知りませんと言う体裁を装って。
「うわっなんだこれ」
「なんかすげぇウンコがあるんだけど!」
「何でこんなとこにあるんだよ!」
「すげぇ量だな!」
「・・・気持ち悪くなってきた」
そこには2日前と、ほぼ同じ光景が残っていた。
さすがに2度放出した立成の精液や小便は跡形もなくなっていたが、尻穴からひり出されたものはしっかりと残っていた。
茶色から黒に近づいた色合いになってしまっている、かつては立成の腹にあったものたち。
時間が経ったこともあり、立成の汚物たちはある程度の風化はあるものの、まだまだ原型をとどめている。
それどころか、水分が抜けきったことでうまい具合に固くなり、より排泄物としてのおぞましさが増しているようになっていた。そんな糞の塊の中に、未消化の食ベカスが絡み合い、今にも虫たちの格好の餌になりそうになっている。
「やべぇなこれ」
「誰だよ~」
「的紙張りのときは無かったよな?」
「こんなひどいの初めて見た・・・」
「多分、犬が入ってきたんだろうな」
「でも、その割にはウンコが多くない?」
「大型犬なんだよきっと。こんなにうんこするなんて、躾がなってない犬だなぁ」
「えぇー、犬のうんこってこんなんでしたっけ・・・?」
生徒たちは無邪気に感想を述べる。
当然だ。まさか、この排泄物地獄の元凶となるのが、目の前にいる部活の顧問の教師だと、誰が思うだろうか。
立成は足を震わせていた。今にも膝を折りそうになっていた。顔を隠したくてたまらなかった。
自分の排泄物を部員たちに見られている。鑑賞されている。騒ぎ立てられている。
2日前。筒井との情事か終わった後、弓道場に駆けつけた筒井の後を追った立成。そこで、どこか寂しい空気を味わった後、すっかり的場の裏の惨状を忘れていたのだ。
思い出したのはその日の帰宅後。
しかし1日置くのだから、多分大丈夫だろう。きっと匂いも大気拡散するだろう。と思っていたのだ。だから、誰にも気づかれないだろうと。それなのに・・・
そんな楽観視など、まさに臭いものに蓋だったのだ。
立成は一気に汗まみれになった。
黒い短髪の生え際から玉のような滴が流れる。脇の下もビショビショだ。肌着を着ているというのに、ワイシャツにも染みが出てしまっているほどだ。背中にもうっすらと汗の跡ができつつあった。
その汗は、糞を見られたことの恥ずかしさによるものか。
それとも、自分の排泄物だとバレるのを恐れる恐怖からか。
あるいは、恥部を大勢に見られ嘲笑されることの官能によるものか。
それは、誰にもわからないことだ。
立成は汗まみれになりながら、ただ目の前の光景、自分の汚物とそれを嘲笑する生徒たちを、現実感のないフィクションのように感じながら、黙って見るでもなく眺めていた。
そんな立成に、川崎は話しかける。
「・・・先生、どうかしました?」
「えっ!!」
「なんか、顔色も悪いし、汗がダクダクだし」
「あっ、いや、・・・・これはひどいな!糞まみれじゃねぇか!しかもよく嗅いでみると、この辺はすげぇ匂いだなぁ!!くっせえなあ!」
「本当ですよね。ちょっと異常です」
川崎のつぶやきに対して、うんうん、と、腕組をしながら、さも教師面して頷きながらも、立成は1人赤面するしかなかった。
「なので、ちょっと立成先生や他の先生にも報告した方がいいのかなって」
「そ、そうか、感心だな、川崎。でもな、これは、まぁ、いいんじゃないかな?」
「えっ、そうですか?」
「ま、まぁ動物か何かの仕業だろうな、ははは」
空笑いで必死に取り繕う。
長袖のワイシャツを腕まくりし、ネクタイも身に着けている立成。
見た目はしっかりとした大人の逞しい男性教師だ。一体誰が、この男が、この場所で浣腸プレイを楽しんでいたと思うだろうか。
背後に人の気配を感じる。
立成は思わず振り返る。遅れて部活にやって来た筒井だった。
「あ、筒井さん」
「みんなどうしたの?こんな場所で・・・」
「的場の裏が、なんかうんこだらけなんですよ」
「えっ!・・・あっ・・・!」
筒井は素で驚いた表情をしていた。
その表情を見るに、筒井の方も、情事後の弓道場でのしっとりとしたやりとりで、的場裏の惨状についてはすっかり失念していたようだった。
「うわっ、すごいうんこだね。こりゃ」
「ですね。量もすごいし、サイズもすごくて。匂いは、まぁ、そんなでもないんですけどね」
「これ、どんな奴がしたんだろうね」
「今、立成先生と話してたんですけど、多分動物なんじゃないかって。ね、立成先生」
「えっ!あ、ああ、そう・・・だろうな」
川崎の説明と立成の反応を、ニヤニヤ笑いながら筒井が見てくる。
その眼が向かう先は、一見は会話相手の川崎なのだが、その先にいる立成を捉えている。
赤面している立成は無言のまま、ただただ二人の会話を聞くことしかできなかった。
「でも、これ動物のものなのかな?」
「やっぱり違いますよね、これ、明らかに人間の・・・」
「そうだろうな」
「そうですよね、それに、なんていうか・・・漏らしたって感じがしないんですよね」
「えっそこまでわかる?」
「漏らしたのなら、多分隠そうとしそうじゃないですか?普通の人間なら、恥ずかしいと思うので。でも、その痕跡が無いんですよ。なので、犯人はわざと外で野糞をしたかったんでしょうね。というと、やっぱりやばい奴なのかなって」
「そうだね、きっとすげぇ変態だと思うよ」
「ですね。野糞フェチっていうんですかね?」
立成は身体を震わせていた。泣きそうになっていた。
(やめてくれ・・・もう、やめてくれ・・・言わないでくれ・・・)
心の中で懇願していた。
2人の会話の全てが身体に、心に突き刺さる。
それでも、立成の排泄物を辱める会話は続いてしまう。
「一応、写真撮っておきます」
「なっ!川崎、なんで!」
思わず大声で反応する立成。
その声につられて何人かの部員がこちらに寄って来る。
「えっマジ?」
「お前そういう趣味が・・・」
「いや、結構珍しいかなって」
「えぇ・・・なんかスマホが汚れそう」
「まぁ、でも面白そうだよな!」
「俺もなんか撮りたくなってきた」
「うわぁ、ないわぁ」
「じゃ、俺も記念に・・・」
パシャ パシャ ピロン ピロン パシャ
川崎につられて、何人かがスマホを取り出す。
繰り返し聞こえる撮影音。撮影音。撮影音。
(やめろ・・・やめてくれ・・・俺の糞を撮らないでくれ・・・)
「後でお前に送ってやるよ」
「いらねえよ!そんな汚いもん!」
「残念!もう送った!」
「はぁーー!?」
一見、相変わらず暢気な部活だった。
1年も2年も3年も、野糞を見つけてワイワイガヤガヤと騒いでいる、馬鹿な高校生たち。
ただ1人、立成だけが、その楽しい雰囲気を味わえず、ただただ気力が削がれてしまっていた。
自分の尊厳が無くなってしまいそうになっていた。
筒井はそんな立成を微笑みながらも、部活動時間の最中だというのにこんなことに精を出すこの雰囲気を噛みしめていた。
高校総体まであと1か月だ。
ゴールデンウィーク明けの高校。
また平日がやって来た。
朝の職員室。
教師と言えど、休み明けは辛いものだ。ゴールデンウィークと言っても、部活の顧問を持っている教師が大半のため、連休をフルで休めた人が何人いるのだろう。リフレッシュとは程遠い休日だったのか、教師たちの顔つきはいつにもましてだるそうに見える。とても生徒には見せられない光景だ。
時間になる。
いつものように教頭と学年主任の訓話で1日が始まる。。
生徒の五月病に気を付けろとか、中間試験の準備をしておけとか。
なぜ年をとると話が長くなるのか。わかりきった話をさも重要なことのように話したがる。
そんな話が垂れ流されている中、職員室にはいつにもまして気だるい雰囲気が漂っている。
(あーあ、早く終わんねえかなあ・・・)
立成も見た目だけは話を聞いているが、心の中では生欠伸をしている。
きっと生徒たちも今頃、日常に戻ることを億劫がっているのだろう。
立成だってあまり気が乗らない。もっとも、その理由は連休が明けたから、というだけではないのだが。
そんな風にしていたら、ようやく2人のありがたい話が終わった。やれやれと、ほっとしたような息をついて自席に座る教師たち。
後数分もすれば朝のホームルームの時間だ。それが終われば、また生徒たちに授業をする日々が始まる。
「いやーはっはっはっ。そんなこと無いですよ!」
うるさい男の声が耳を突いてきた。
声の方を見なかともわかる。体育教師の角田だった。
長身の立成よりもさらに身体が大きい。背が高いのもあるが、肩幅も広く、腕も脚も太い。身体にも厚みがあり、
今日も朝から上下揃いのジャージ姿だ。出勤からジャージというのは体育教師とはいえあまり好ましくはない。だが、それが許容されているのも、あまりそういう所にはうるさくないこの高校ならではなのかもしれない。
角田は体育系らしい陽に焼けた肌だ。たしか学生時代も体育会系の部活・・・たしかサッカー部だったろうか、に所属していたはずだ。確か立成よりも少し年上だったはずだ。それだというのに、角田の身体は年齢を感じさせないほど、全身が逞しい筋肉の鎧で覆われていて、立成のように弛んだ部位などない。サイドを刈り上げ、前髪だけは少し長めで横に流しており、少し前に流行ったへアースタイルで決めている。確かまだ独身のはずた。その顔つきは明らかに勇ましく、生徒たちにも恐怖を抱かせるほどだ。それもあってか、生徒指導の責任者も任されている。
角田は身体だけでなく声も大きい。さすが体育会系というのだろうか。日常会話ですら腹から発せられる声のため、職員室の端にいたとしても角田の話し声は耳を澄まさなくとも聞こえてしまうだろう。
何が嬉しいのか、角田は色めきだった声をあげている。話す際にもオーバーに手振りを加えている。
悪い奴というわけではないのだが、気が合わないと関係を維持するのに疲れてしまうような、そんな人間だった。
立成として嫌っているわけではないのだが、少し・・・いや結構、やりづらさを感じてしまっている。
そんな角田と話している女性がいる。
よりによって養護教諭の吉沢だ。
角田のよくわからない話にも笑顔で付き合っている。しっかりと角田を見つめ、時折うなづき、しっかりと笑っている。
小柄な吉沢が、立成よりも身長がある角田と話していると、さらに上目使いになっている。
(吉沢先生、角田先生なんかを相手に、そんな真面目に話を合わせなくても・・・)
そんなことを考えながら、1限目の授業までの隙間時間を頭を空っぽにして過ごそうと思っていた。
「・・・でした?」
「・・・ヘッ?」
唐突に横から女性の声が聞こえた。
何気なくそちらを見るとなんと吉沢がいた。
「あっ・・・吉沢先生!すみません、聞いてませんでしたっ!」
「ふふっ、そんなに驚かないでくださいよ」
笑っている吉沢。
さっきまで角田と談笑していたのに、まさか自分の近くに来ているだなんて。
おまけに、自分に話しかけてくるとは・・・
32歳であるというのに、立成はまるで中学生男子のようにどぎまぎしてしまっていた。
立成は嬉しさを感じつつも、必死に自分が女慣れしていないことを隠そうとした。
「と、ところで、なんですか、吉沢先生?」
「いえ、別に大したことじゃないですよ。立成先生はどんな連休でした?」
「ははっ、それがほとんど部活でしたからねぇ。まぁ、補習がないだけ楽でしたけどね」
「そうですか。それは大変でしたね」
「そんなそんな、大したことないですよ。ま、最後は休みにしたので」
吉沢と話しているだけで、立成の雄臭い顔がだらしない表情になりそうになる。
デレデレとしそうになるのを必死に堪える。
そこには助平さはなく、まるで憧れのお姉さんとお喋りしている純情な小学生のような表情だった。
立成は話しながら思い出す。
連休とはいえ、結局は毎日のように学校に来ていたのだ。部活の顧問としての活動。そしてその後に、少しだけ書類仕事を片付けた。味気ない休日すぎて、せっかく吉沢に話しかけられたというのにいいネタがない。
いや、ネタといえば・・・
「それと・・・あっ」
一気に立成の胸が高鳴る。
市の弓道大会の日の朝。
目の前の女性を、吉沢を、自慰行為のネタにした。
この女性の裸を勝手にイメージして。この人とまだ知らぬ性行為をすることを妄想して。自分の未使用包茎チンポを晒し、童貞であることを謝り、セックスを教えてくれと懇願することを想像して。
そんなことを思い返してしまっていた。
「あれ、どうしました?」
「え、大丈夫ですよ。ははは」
勝手に赤面してしまう。そしてまたも思い出してしまう。
筒井に赤裸々に報告した、朝のオナニー活動。
その後、自分から筒井にせがみ、浣腸され、野外で全裸で這いつくばり、野糞と小便を撒き散らし、生徒に尻を叩かれ、尻の穴を指で弄られたあげく、挿入されただなんで、とても言えたものではなかった。
「・・・大丈夫ですか?何だか顔が赤いですけど」
「い、いや、なんでもないですよ」
「え、なんですか、教えてくださいよ!」
「ほんと、大丈夫ですよ、ハハハ」
「もうっ!気になるなぁ~。あ、そろそろ時間ですね。私、保健室に戻らなきゃ」
「あ、俺も教室に行かないと」
明らかに空元気を出しながらも、立成は吉沢と笑いあいながら職員室を出ていった。
一見、爽やかそうに会話している男女の組み合わせ。
しかし、男の方はというと、吉沢のことで頭がいっぱいになっている。ピンク色の考えが消えずにもやもやとしている。思わずその白衣の下の服のさらに下にある肢体を想像してしまいそうになっている。
(こんなにも細いのか・・・でも、きっと膨らむところは・・・って、何考えているんだ!しっかりしろ!)
脳内でせわしなく一人で会話する立成。
吉沢と歩きながらも、一度思い出してしまった厭らしい体験が抜けきらないあまりに、立成はスラックスの股間んを突っ張らせながら、それに気づかれないかをひやひやしていた。
放課後。
立成は職員室で伸びをする。
ようやく終わった。あまり休めなかったとはいえ、連休明けの仕事はきつい。
しかし、生徒たちに問題が生じていないことは救いだった。
ホームルームや授業の様子を見るに、GW明けのダルそうな感じはあるものの、クラスの生徒たちは皆出席していた。ひどく荒れた様子もなかった。
それだけでまずはひと安心だった。
今日も部活に出席だ。
6月は高校総体がある。高校生の大会で一番の目玉だ。そして3年生にとっては、泣いても笑っても実質最後の大会でもある。
(そうか、来月で筒井の高校部活も最後になるかもしれないんだな・・・)
当たり前のことだが、寂しくも思う。
少しだけ青春がうらやましくも思う。
教師として、定時後も休日も顧問として出校して面倒を見ているのだ。これだけ部活動で消耗しているというのに、やはり生徒のことを考えるとやりがいも感じてしまう。
教師という仕事は因果なもだ。
そんなことを考えながら、立成は弓道場に向かった。
「あのう、立成先生」
弓道場に着いたとたんに、2年の川崎が立成に問いかけてくる。川崎は11人いる2年の部員のなかでも、一番の実力者だ。的中率は時たま筒井をしのぐことすらある。もっとも、普段の彼は、筒井とはまた違ったマイペースさがあるのではあるが。
「ん?どうした?」
「あの、大したことじゃないんですけど、一応報告しておいた方がいいかと思って。ちょっといいですか?」
「・・・?」
川崎がずんずんと弓道場の外を歩いていく。
立成は何もわからずに着いていくしかない。
学校の敷地の外れにある弓道場。
他の部活動の掛け声が遠くから聞こえてくる。まるで高校であることを忘れてしまいそうな環境だ。
そんな中、川崎の後を追う立成は気づいてしまった。
川崎が的場の方へと歩いていくことに。
(ま、まさか・・・この方向は・・・!)
「立成先生って、鼻は良い方ですか?」
川崎が歩きながら立成にふいに問いかける。
その問いかけにドキッと心臓が止まりそうになる。
今、自分達が向かっている、2日前にたちなりが最悪の自分を露呈させた、あの的場の裏。
(川崎はあの惨事を知っているのか?いや、そんなはずは・・・)
そんな疑念が湧き上がる中、なんとか普段通りを装う。
「そ、そうか、よくわかんないな~、俺、今年から花粉症なもんで」
「そうですか、実は・・・」
川崎が何かを言おうとしたその時。
「何何」
「どうしたの」
他の部員たちも、何か異様な雰囲気を察したのかわらわらと湧いてくる。
なぜ、こんなときに限ってこいつらは群れてくるのか。
「いや、ちょっとヤバ目な光景があったからさ」
「え、何だよ何だよ」
「気になる~」
「的場に何かあんのかよ」
「もうとっくに準備はしてますよ」
ガヤガヤとにぎやかなっていく一団。
何も知らない生徒たち。
知っているのは、立成一人。
来なくて良い。
来ないでくれ。
そう思った。願った。そんなものはかなえられないと分かっていながら。
立成は身体が震えてきた。
今更ながら、2日前の自分を消し去りたかった。
それでも、立成も足を運ばざるを得ない。
今更拒否などできるわけがない。
生徒たちを止める理由などない。
行きたくない。
見たくもない。
見られたくない。
そう心で思いながらも、何も知らない風を装うしかない。
弓道場から的場までは30mほどだ。
歩いていたってあっという間だった。
にぎやかに川崎についてく部員たち。
先導する川崎が的場の裏に行くと・・・
「あっ!!!」
誰かが叫んだ。
その声を聞いて走って駆けつける他の部員たち。
立成も仕方なく駆けつける。
何があるのかは明白であるのに、まるで自分は知りませんと言う体裁を装って。
「うわっなんだこれ」
「なんかすげぇウンコがあるんだけど!」
「何でこんなとこにあるんだよ!」
「すげぇ量だな!」
「・・・気持ち悪くなってきた」
そこには2日前と、ほぼ同じ光景が残っていた。
さすがに2度放出した立成の精液や小便は跡形もなくなっていたが、尻穴からひり出されたものはしっかりと残っていた。
茶色から黒に近づいた色合いになってしまっている、かつては立成の腹にあったものたち。
時間が経ったこともあり、立成の汚物たちはある程度の風化はあるものの、まだまだ原型をとどめている。
それどころか、水分が抜けきったことでうまい具合に固くなり、より排泄物としてのおぞましさが増しているようになっていた。そんな糞の塊の中に、未消化の食ベカスが絡み合い、今にも虫たちの格好の餌になりそうになっている。
「やべぇなこれ」
「誰だよ~」
「的紙張りのときは無かったよな?」
「こんなひどいの初めて見た・・・」
「多分、犬が入ってきたんだろうな」
「でも、その割にはウンコが多くない?」
「大型犬なんだよきっと。こんなにうんこするなんて、躾がなってない犬だなぁ」
「えぇー、犬のうんこってこんなんでしたっけ・・・?」
生徒たちは無邪気に感想を述べる。
当然だ。まさか、この排泄物地獄の元凶となるのが、目の前にいる部活の顧問の教師だと、誰が思うだろうか。
立成は足を震わせていた。今にも膝を折りそうになっていた。顔を隠したくてたまらなかった。
自分の排泄物を部員たちに見られている。鑑賞されている。騒ぎ立てられている。
2日前。筒井との情事か終わった後、弓道場に駆けつけた筒井の後を追った立成。そこで、どこか寂しい空気を味わった後、すっかり的場の裏の惨状を忘れていたのだ。
思い出したのはその日の帰宅後。
しかし1日置くのだから、多分大丈夫だろう。きっと匂いも大気拡散するだろう。と思っていたのだ。だから、誰にも気づかれないだろうと。それなのに・・・
そんな楽観視など、まさに臭いものに蓋だったのだ。
立成は一気に汗まみれになった。
黒い短髪の生え際から玉のような滴が流れる。脇の下もビショビショだ。肌着を着ているというのに、ワイシャツにも染みが出てしまっているほどだ。背中にもうっすらと汗の跡ができつつあった。
その汗は、糞を見られたことの恥ずかしさによるものか。
それとも、自分の排泄物だとバレるのを恐れる恐怖からか。
あるいは、恥部を大勢に見られ嘲笑されることの官能によるものか。
それは、誰にもわからないことだ。
立成は汗まみれになりながら、ただ目の前の光景、自分の汚物とそれを嘲笑する生徒たちを、現実感のないフィクションのように感じながら、黙って見るでもなく眺めていた。
そんな立成に、川崎は話しかける。
「・・・先生、どうかしました?」
「えっ!!」
「なんか、顔色も悪いし、汗がダクダクだし」
「あっ、いや、・・・・これはひどいな!糞まみれじゃねぇか!しかもよく嗅いでみると、この辺はすげぇ匂いだなぁ!!くっせえなあ!」
「本当ですよね。ちょっと異常です」
川崎のつぶやきに対して、うんうん、と、腕組をしながら、さも教師面して頷きながらも、立成は1人赤面するしかなかった。
「なので、ちょっと立成先生や他の先生にも報告した方がいいのかなって」
「そ、そうか、感心だな、川崎。でもな、これは、まぁ、いいんじゃないかな?」
「えっ、そうですか?」
「ま、まぁ動物か何かの仕業だろうな、ははは」
空笑いで必死に取り繕う。
長袖のワイシャツを腕まくりし、ネクタイも身に着けている立成。
見た目はしっかりとした大人の逞しい男性教師だ。一体誰が、この男が、この場所で浣腸プレイを楽しんでいたと思うだろうか。
背後に人の気配を感じる。
立成は思わず振り返る。遅れて部活にやって来た筒井だった。
「あ、筒井さん」
「みんなどうしたの?こんな場所で・・・」
「的場の裏が、なんかうんこだらけなんですよ」
「えっ!・・・あっ・・・!」
筒井は素で驚いた表情をしていた。
その表情を見るに、筒井の方も、情事後の弓道場でのしっとりとしたやりとりで、的場裏の惨状についてはすっかり失念していたようだった。
「うわっ、すごいうんこだね。こりゃ」
「ですね。量もすごいし、サイズもすごくて。匂いは、まぁ、そんなでもないんですけどね」
「これ、どんな奴がしたんだろうね」
「今、立成先生と話してたんですけど、多分動物なんじゃないかって。ね、立成先生」
「えっ!あ、ああ、そう・・・だろうな」
川崎の説明と立成の反応を、ニヤニヤ笑いながら筒井が見てくる。
その眼が向かう先は、一見は会話相手の川崎なのだが、その先にいる立成を捉えている。
赤面している立成は無言のまま、ただただ二人の会話を聞くことしかできなかった。
「でも、これ動物のものなのかな?」
「やっぱり違いますよね、これ、明らかに人間の・・・」
「そうだろうな」
「そうですよね、それに、なんていうか・・・漏らしたって感じがしないんですよね」
「えっそこまでわかる?」
「漏らしたのなら、多分隠そうとしそうじゃないですか?普通の人間なら、恥ずかしいと思うので。でも、その痕跡が無いんですよ。なので、犯人はわざと外で野糞をしたかったんでしょうね。というと、やっぱりやばい奴なのかなって」
「そうだね、きっとすげぇ変態だと思うよ」
「ですね。野糞フェチっていうんですかね?」
立成は身体を震わせていた。泣きそうになっていた。
(やめてくれ・・・もう、やめてくれ・・・言わないでくれ・・・)
心の中で懇願していた。
2人の会話の全てが身体に、心に突き刺さる。
それでも、立成の排泄物を辱める会話は続いてしまう。
「一応、写真撮っておきます」
「なっ!川崎、なんで!」
思わず大声で反応する立成。
その声につられて何人かの部員がこちらに寄って来る。
「えっマジ?」
「お前そういう趣味が・・・」
「いや、結構珍しいかなって」
「えぇ・・・なんかスマホが汚れそう」
「まぁ、でも面白そうだよな!」
「俺もなんか撮りたくなってきた」
「うわぁ、ないわぁ」
「じゃ、俺も記念に・・・」
パシャ パシャ ピロン ピロン パシャ
川崎につられて、何人かがスマホを取り出す。
繰り返し聞こえる撮影音。撮影音。撮影音。
(やめろ・・・やめてくれ・・・俺の糞を撮らないでくれ・・・)
「後でお前に送ってやるよ」
「いらねえよ!そんな汚いもん!」
「残念!もう送った!」
「はぁーー!?」
一見、相変わらず暢気な部活だった。
1年も2年も3年も、野糞を見つけてワイワイガヤガヤと騒いでいる、馬鹿な高校生たち。
ただ1人、立成だけが、その楽しい雰囲気を味わえず、ただただ気力が削がれてしまっていた。
自分の尊厳が無くなってしまいそうになっていた。
筒井はそんな立成を微笑みながらも、部活動時間の最中だというのにこんなことに精を出すこの雰囲気を噛みしめていた。
高校総体まであと1か月だ。
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