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顧問2年目05月
顧問2年目05月 10
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「ああああああっ!!!」
声を出さずに入られなかった。この瞬間だけは恥も外聞もなかった。当然だ。耐えに耐えてきた便意から解放される瞬間だったのだ。
自分の肛門に入れられた指が抜かれたのだ。糞が漏れ出ることを防いでいた指だ。そんな指があっさりと抜かれたら、その後どうなるか。簡単な答えだ。立成がいくら声を出したところで、自分の肛門から溢れ出てくる汚物の流出を防ぐことなどできるわけがないのだった。
ビジャビジャビジャビジャビジャー
栓が抜かれた後は簡単だ。ただ、開かれた出口から放たれるだけだ。
押しだされ続ける汚物。
湧き上がる排便の快感。
それでも止められない雄の悲鳴。
サンダルを履いただけの全裸の立成はすがるように目の前の木の幹をその太い腕で抱きしめ額を擦りつける。
そんな立成の強制排泄の様は凄惨の一言だった。
ブブブッー ブボボボッ ブブブブリリリッ プスーッ
液状の便が出きった後に続くは、硬度のある便がその流れに乗って排出される。
せわしなく忙しく収縮しているからか、その肛門からは空気も放出され、破裂音や摩擦音の外にも放屁音までも聞かせてしまっていた。
その惨状は自分の尻の穴が由来であるというのに、立成は呆然としてしまっていた。
何も見たくない。何も見せたくない。
今すぐ消えてしまいたかった。
それでも立成が糞を漏らしている事実は変わらなかった。
飛び散る茶色い飛沫。
辺りに響く不快な排泄音。
立成の開いた足元に積み重なっていく排泄物。
そして、情けない放屁音。
「あっ・・・あぁっ・・・」
すべてが流れ落ちてゆく行く。
プライドも。尊厳も。
ここまでしてしまっては、もはや人ではなくなってしまったような気分だった。
目も耳も鼻も、全てを覆いたくなるような惨状だった。
そんな状況でも、背後にいる筒井は動かずにずっと立成の近くにいたのだった。
そして、立成の恥ずべき汚らしい排泄行為に付き合い続けてた。
立成は自身が木端微塵に引き裂かれるような気分だった。
漏らす姿を見られてしまった。
排泄音も聞かれてしまった。
便臭も嗅がれてしまった。
垂れ流した糞から湧き上がる蒸気にも触れられてしまった。
生物の営みとして切っても切れない、しかし社会的生活を全うする人間であれば、最も隠すべきはずである排泄行為の最初から最後まで、その全てを筒井に曝け出してしまった。
恥じるどころではない、人として、教師として、堕ちるところまで堕ちてしまった。堕とされてしまった。
それでも、立成の肛門からは流れ出る汚物が止まることはない。
ピチャッ ピチャッ
もはや辺りには、残便の滴が垂れる音だけになっていた。
長い時間をかけた立成のスカトロジーショーがようやく終焉を迎えた。
突き出したデカ尻の中央、割れ目からも覗いている長く黒いケツ毛に囲まれた立成の肛門。その菊門は周囲を茶色く染めながら、直腸に残った残便を出し切ろうと、主人の意志に関係なくヒクヒクと蠢き続ける。
排出された立成の便は、通常の便所のように水たまりに溜まらないため、それらが有する本来の匂いを思う存分この世界に放出していた。観客は背後にいる生徒1人。演者も立成1人。独演状態だった。
「はぁっ、はぁっ・・・うっ、ううっ・・・ヒック・・」
立成は目に涙を浮かべて嗚咽を漏らしていた。
32歳にして野外で糞を漏らした。それも全裸で。
そんなとんでもない状況に自分がなってしまったのだ。ガキのように涙してしまうことも仕方がない。
普段の厳つい男臭い立成の顔からは想像もつかないほど、弱弱しく、か細い顔つきで泣いてしまっていた。
そんな顔は誰にも見せられなかった。荒れる呼吸を抑えることができなかった。
ただただ、その大柄な身体を屈めながらも、自分の後ろの窄まりから垂れる汚物が肢に付着しないように広げ、その臀部を高々と突き出したまま、羞恥と屈辱に身体を震わせながら泣きじゃくってしまっていた。
大分長い間、そのままだった。
あたりは静かなまま、世界が回り続けた。
穏やかな風が流れると草が揺れる。小鳥たちが飛び立つ。そんな美しい風景とその中で奏でられる綺麗な音色。そんな光景の中で、排泄させられた糞による悪臭が立ち込める中、立成の大人の男泣きの声が響いていた。
背後に筒井の存在を感じながらも、立成はそのままでいた。
あまりにも自分の無防備な姿だ。一糸纏わずの男らしい身体。胸から腹にかけて生い茂る体毛。頼りになりそうな広い背中にもうっすらと背中にも生えている。
そんなどう見ても大人の男が、木の幹を支えとして己の尻を突き出したままだ。
「先生・・・」
筒井がそんな立成の背中を撫でる。ようやく嗚咽が止まり、呼吸ももとに戻ったタイミングだった。立成が落ち着いたことをで話しかけたのだった。本当はずっと、問いかけたかったのだろう。
「先生、大丈夫、大丈夫だから・・・」
優しく背中をさすられる。飲み過ぎて嘔吐したあとのように解放されている。そんな筒井の優しさが暖かくもあり、生徒にそんなことをされている自分に情けなさも感じた。
立成はただただ、頷くだけだった。ようやく落ち着いてきたのか、目尻には涙の痕があるものの、その瞳は気力が少しだけ戻りつつあった。
(俺はまた、とんでもないことを・・・)
思考がまとまりだすと、さっきまでの自分の行動を振り返ってしまう。考えれば考えるほど、つらくなってしまっていた。
「先生、一旦、綺麗にしよっか。俺、なんか水持ってくるね」
そういって立ち去った筒井だがすぐに戻ってきた。その手にはバケツを持っていた。歩く度に水の揺れる音がする。
「何でそんなもんが・・・」
「昨日の的貼りで溜めてた水っぽい。誰か知らないけど捨ててなくてよかった」
優しく微笑む筒井。浣腸をされた相手だというのに、そんな筒井の心遣いに心が潤んでしまう。
こんな、糞を漏らして泣いてしまうような駄目教師だというのに、それでも優しくしてくれるなんて。
「お尻上げて」
「えっ?」
「お尻きれいにしてあげる」
しんみりとしていた立成がぎょっと目を見開く。
なんてことを言い出すのだ。てっきり、辺りに水を撒くのだと思っていたのだ。
「いや、自分でやるから」
「いいよ、先生疲れ切ってるし。ほら」
「うっ」
いやいやと手足を動かして筒井から抵抗しようとした。したのだが、動かすことができなかった。
長時間この格好でいたからだろうか。腕も腰も脚も痺れているような気がした。うまく筒井の腕をかわそうとするが上手く動かせなかった。立成はそのまま、木の幹に手を突き、尻を突き出した体勢から動けなかった。
「先生、ちょっとお尻上げるね」
「えっ、なっ・・・」
筒井が立成の腰をつかみ、そのまま上に持ち上げた。自然と脚が伸び、腰の位置が高くなる。尻は相変わらず突き出されたまま、尻の位置が高くなった。洗いやすく、そして、見やすい状態になってしまった。
(くそっ、こんな格好っ・・・!)
ずっとその格好でいたにもかかわらず、立成は羞恥を覚えてしまう。
排便の全てを見られた後では今更ではあるが、自分の身体の恥ずかしい場所がすべて丸見えな体勢をとっていると思うと、立成の心は焦燥した。
「じゃやるね」
「うっ冷てぇ・・・」
「ごめんね先生、もうちょっとだから」
手で掬ったバケツの水が立成の尻にかけられていた。
水の冷たさに立成の身体がビクッと震える。
春の陽気の中とは言え、丸1日屋外に放置されていた水だ。その温度は川の水のようなものだった。
そんな冷水を自分の後ろの秘孔にかけられていた。肛門周りを中心に残っていた排泄の痕跡が徐々に洗い流されていく。
「はぁっ」
「まだ汚れているから・・・」
「ぐっ、そ、そこまでしなくても・・・あっ」
尻の割れ目の中までに手を入れられていた。敏感な場所を直接手で弄られたことで立成はいちいち声が出てしまっていた。
流水だけでは取り除けなかった立成の汚れを、生徒の優しい手が洗い流していく。
生肌にこびりついた糞カスにより黄土色に染められていた所狭しと生えているケツ毛が、その本来の黒さを取り戻していった。
かけられていた水が止まった。目で見える範囲の洗浄が完了したのだろう。
立成のが一段とぶるっと震えた。
興奮によるものではない。単純に寒かった。風を生肌に受けるだけでなく、冷水で洗浄されたことで身体が冷えてしまっていたのだ。
「うっ・・・」
そんな冷えた肌を撫でられていた。
その時に自分が全裸で野外にいることに思い当たる。今さら羞恥する。
そしてその身体の上から、筒井が覆いかぶさっ来る。さっきの弓道場でされたようなものだ。そんな生徒の身体の重みがかえって幸せだった。その身体の温かみを感じることで、立成は落ち着きを取り戻していた。
「ゴメンね先生。俺が、浣腸しちゃったばっかりに」
その言葉で立成は心がじんわりと解きほぐされてしまった。
そのとおりなのだ。筒井が言い出したから、自分はこんな目に遭ってしまった。全裸で道場の外に出て、あまつさえ排便させられるなんて。
とはいえ・・・
「いや、いいんだ。俺が、その、ま、なんだ」
「ううん、ごめん。最近の俺、ちょっと調子に乗ってたかも」
「そんなことは」
「先月だって先生のお尻、滅茶苦茶に叩いちゃったし・・・なんか、先生に甘えてばかりだし・・・本当にごめんなさい、こんなことしちゃって」
「はぁっ・・・」
思わず筒井を振り向く。こんなことになってしまって、愛しの顧問をこんな目に追いやったことを悔いているのだろうか。その表情は憂いを含んでいた。
そんな顔をしながらも、労わるかのように立成の尻を撫でていた。それはまさに慈愛の手だった。いやらしい気持ちなど全くない手つきだった。それがわかっているにもかかわらず、尻を撫で上げられるその事実で、立成は官能を疼かせてしまう。
「先生、前も洗うね」
「えっ、前って、あっ・・・」
「先生のここ縮んじゃってるね。普段はもっとおっきいもんね。寒かった?寒かったよね。ゴメンね」
「いやっ、これは」
股の間から一物が握られた。いきなり急所を掴まれた。優しい力で立成の分身が生徒の手に包まれた。
立成の一物は見事に縮こまっていた。
普段から皮を被っているのは変わらず、その先端にはサーモンピンク色の亀頭すら見えないほどになっていた。
サイズも明らかに小さくなっていたそれは、皮に包まれているのも相まって小学生のモノのようだった。周囲に黒々と生えている陰毛と比べるとアンバランスだった。
そんな恥部をモロに触れられて立成は戸惑う。いくら事情がわかってもらっているとはいえ、自分の小さくなってしまった性器を見られるのは男としては屈辱だった。それでも、そんな扱いをされることを受け入れてしまった。
おかしな状況であるものの、筒井も立成も、互いに思いやっていた。
そのうえで、片方は相手の身体を労り、もう片方はそれを受け入れていた。
それはまさに、純粋な気持ちで愛し合っている恋人同士であるかのようであった。
「あれ、何これ」
そんな美しい時間の最中、筒井の手の動きが止まった。
立成も思わず視線を下げ、自分の股間に目をやる。
ちょうど上から見る立成からは死角になる場所、小学生のような一物の皮に巻き込まれたかのように、白い薄っぺらい紙がそこにプラーンとぶら下がっていた。
(な、なんだあれ・・・待てよ、あれは・・・)
立成は思考を巡らせていた。筒井もだ。それがいったい何なのか。
一瞬の空白。
そして。
「なっ!」
「ねぇ!何でチンポにティッシュが着いてるの!?」
「それは・・・」
一瞬で立成の身体が沸騰する。さっきまで感じていた寒さが嘘のようだ。
自分の一物の皮に挟まれて存在していたティッシュペーパーの欠片。
それが示すのが何であるか。青年であればわかってしまうだろう。少年であっても思春期を過ぎた齢であれば察しがついてしまうだろう。
「先生はおしっこしたときにチンポを拭いてるの?」
「そ、そうだ・・・」
「嘘だよね?そんなことしてるところ見たことないですよ?」
生徒の口調は厳しかった。罪人を問い詰める検察官だった。
しかし、筒井は嬉しそうに、その罪人である立成をを見やってくる。
慈愛の顔はどこへやら、今度は笑みを浮かべていた。明らかに嘲笑だった。
(どうして、今まで気づかなかった・・・?)
全身を火照らせながらも後悔の念が立成を襲う。部屋で着替えるときにはパンツも脱いで履き替えていた。便所にだって何度も行って小便もした。自分の一物を目にする機会など散々あったはずなのだ。いくら見えづらい死角となる部分であるとはいえ、そんな
後悔といえば今日の自慰行為もだ。自分で竿をしごいていれば、こんなことにはならなかったはずだ。それが、ずいぶん射精とご無沙汰だったこと、そして独身男の人恋しさから、クッションと身体で一物を挟んで圧をかける疑似セックス床オナニーに励んでしまったのだ。そのときにティッシュを挟まなければ、こんなことには・・・
しかしもう遅い。物的証拠がそこにあるのだ。言い逃れは不可能だった。すべてが露呈されたのだ。
立成は観念した。白旗だ。降伏するしかなかった。
まるで罪人の気分だった。全ての明かすしか他に道がない大悪党かのようだった。
「それは・・・・したからだ・・・」
「え、何をしたんですか?」
しかし生徒はいじわるだった。その顔は立成をなおも恥をかかせることを無邪気に楽しんでいた。
立成はすでに捨て去ったつもりだった教師としてのプライドをなおも粉々に粉砕した。
「だ、だから・・・お・・・オナニーをしたからだ」
声が震えていた。大柄な体の太い肢も腕も同じように震えていた。それでいて、顔も首も耳も真っ赤に染まっていた。
こんなにも恥ずかしいことを自分の口でいうなんて。
全裸で這いつくばって野外を動いて。排便までも披露して。これ以上ないっていう程に恥をかいたというのに、さらに堕ちてしまっているような気がした。
しかし、そんな風に思っているというのに、立成は己の細やかな罪を告白しただけで、身体が疼いてしまっていた。
「そっかー、先生オナニーしちゃったんですねぇ。お盛んですねぇ」
筒井は満足したようにニヤニヤしながら立成を見る。
恥ずかしさのあまり立成は木の幹に額を擦り付ける。
さっきの排便とは種類が違う恥かしさだ。
生理的現象と、自分の意志での自慰行為。
後者を生徒にバレるというのは、とてもではないが顔を見せられなかった。
「どおりで、だから今日は先生お寝坊しちゃったんだね」
「え、いや今朝はちゃんと早起きしたから」
「え?」
「え?」
2人ともクセスチョンマークを浮かべていた。
どちらも思ったままを言ったはずだった。何か特別なことを言ったつもりもなかった。それでも話がかみ合っていなかった。
一瞬後。
二人の顔が同時に変わった。
生徒の顔は、明らかに笑っていた。
教師の顔は、先ほどまでよりも紅潮していた。真っ赤っかだ。
当然だ。
自分で墓穴を掘ったのだ。
言わなくてもよいことまで言ってしまっていたのだ。
そのせいで、もっと恥ずかしいことまで暴露してしまったのだ。
立成の自慰行為の白状により、その行為は昨夜のものだと思っていた。そのまま眠ってしまったことから、今朝は性器にティッシュをつけてしまっていたのだろうと。だから今朝、部屋を訪ねても立成が扉を開けるのに時間がかかったと。
しかし、それを立成本人があっさりと否定してしまったのだ。それが否定されたとなれば、思いつくことはただ1つ。そしてそれは、きっと真実にたどり着いている。
「へぇ~~~」
筒井がニヤニヤしながら立成の顔を見てくる。先ほどまでよりも下卑た笑いだ。
立成はその巨体を縮こませるように。びくついていた。
まるでこっそりと行っていた密やかな悪事がバレてしまった子供のようだった。
「つまり、先生は、今朝、オナニーしていたんですねぇ」
「・・・・」
立成は無言だ。肯定も否定もしていないが、それはつまり、肯定だった。
こんな目にあっているというのに立成の縮こまっていた魔羅がピクンと震えた。
声を出さずに入られなかった。この瞬間だけは恥も外聞もなかった。当然だ。耐えに耐えてきた便意から解放される瞬間だったのだ。
自分の肛門に入れられた指が抜かれたのだ。糞が漏れ出ることを防いでいた指だ。そんな指があっさりと抜かれたら、その後どうなるか。簡単な答えだ。立成がいくら声を出したところで、自分の肛門から溢れ出てくる汚物の流出を防ぐことなどできるわけがないのだった。
ビジャビジャビジャビジャビジャー
栓が抜かれた後は簡単だ。ただ、開かれた出口から放たれるだけだ。
押しだされ続ける汚物。
湧き上がる排便の快感。
それでも止められない雄の悲鳴。
サンダルを履いただけの全裸の立成はすがるように目の前の木の幹をその太い腕で抱きしめ額を擦りつける。
そんな立成の強制排泄の様は凄惨の一言だった。
ブブブッー ブボボボッ ブブブブリリリッ プスーッ
液状の便が出きった後に続くは、硬度のある便がその流れに乗って排出される。
せわしなく忙しく収縮しているからか、その肛門からは空気も放出され、破裂音や摩擦音の外にも放屁音までも聞かせてしまっていた。
その惨状は自分の尻の穴が由来であるというのに、立成は呆然としてしまっていた。
何も見たくない。何も見せたくない。
今すぐ消えてしまいたかった。
それでも立成が糞を漏らしている事実は変わらなかった。
飛び散る茶色い飛沫。
辺りに響く不快な排泄音。
立成の開いた足元に積み重なっていく排泄物。
そして、情けない放屁音。
「あっ・・・あぁっ・・・」
すべてが流れ落ちてゆく行く。
プライドも。尊厳も。
ここまでしてしまっては、もはや人ではなくなってしまったような気分だった。
目も耳も鼻も、全てを覆いたくなるような惨状だった。
そんな状況でも、背後にいる筒井は動かずにずっと立成の近くにいたのだった。
そして、立成の恥ずべき汚らしい排泄行為に付き合い続けてた。
立成は自身が木端微塵に引き裂かれるような気分だった。
漏らす姿を見られてしまった。
排泄音も聞かれてしまった。
便臭も嗅がれてしまった。
垂れ流した糞から湧き上がる蒸気にも触れられてしまった。
生物の営みとして切っても切れない、しかし社会的生活を全うする人間であれば、最も隠すべきはずである排泄行為の最初から最後まで、その全てを筒井に曝け出してしまった。
恥じるどころではない、人として、教師として、堕ちるところまで堕ちてしまった。堕とされてしまった。
それでも、立成の肛門からは流れ出る汚物が止まることはない。
ピチャッ ピチャッ
もはや辺りには、残便の滴が垂れる音だけになっていた。
長い時間をかけた立成のスカトロジーショーがようやく終焉を迎えた。
突き出したデカ尻の中央、割れ目からも覗いている長く黒いケツ毛に囲まれた立成の肛門。その菊門は周囲を茶色く染めながら、直腸に残った残便を出し切ろうと、主人の意志に関係なくヒクヒクと蠢き続ける。
排出された立成の便は、通常の便所のように水たまりに溜まらないため、それらが有する本来の匂いを思う存分この世界に放出していた。観客は背後にいる生徒1人。演者も立成1人。独演状態だった。
「はぁっ、はぁっ・・・うっ、ううっ・・・ヒック・・」
立成は目に涙を浮かべて嗚咽を漏らしていた。
32歳にして野外で糞を漏らした。それも全裸で。
そんなとんでもない状況に自分がなってしまったのだ。ガキのように涙してしまうことも仕方がない。
普段の厳つい男臭い立成の顔からは想像もつかないほど、弱弱しく、か細い顔つきで泣いてしまっていた。
そんな顔は誰にも見せられなかった。荒れる呼吸を抑えることができなかった。
ただただ、その大柄な身体を屈めながらも、自分の後ろの窄まりから垂れる汚物が肢に付着しないように広げ、その臀部を高々と突き出したまま、羞恥と屈辱に身体を震わせながら泣きじゃくってしまっていた。
大分長い間、そのままだった。
あたりは静かなまま、世界が回り続けた。
穏やかな風が流れると草が揺れる。小鳥たちが飛び立つ。そんな美しい風景とその中で奏でられる綺麗な音色。そんな光景の中で、排泄させられた糞による悪臭が立ち込める中、立成の大人の男泣きの声が響いていた。
背後に筒井の存在を感じながらも、立成はそのままでいた。
あまりにも自分の無防備な姿だ。一糸纏わずの男らしい身体。胸から腹にかけて生い茂る体毛。頼りになりそうな広い背中にもうっすらと背中にも生えている。
そんなどう見ても大人の男が、木の幹を支えとして己の尻を突き出したままだ。
「先生・・・」
筒井がそんな立成の背中を撫でる。ようやく嗚咽が止まり、呼吸ももとに戻ったタイミングだった。立成が落ち着いたことをで話しかけたのだった。本当はずっと、問いかけたかったのだろう。
「先生、大丈夫、大丈夫だから・・・」
優しく背中をさすられる。飲み過ぎて嘔吐したあとのように解放されている。そんな筒井の優しさが暖かくもあり、生徒にそんなことをされている自分に情けなさも感じた。
立成はただただ、頷くだけだった。ようやく落ち着いてきたのか、目尻には涙の痕があるものの、その瞳は気力が少しだけ戻りつつあった。
(俺はまた、とんでもないことを・・・)
思考がまとまりだすと、さっきまでの自分の行動を振り返ってしまう。考えれば考えるほど、つらくなってしまっていた。
「先生、一旦、綺麗にしよっか。俺、なんか水持ってくるね」
そういって立ち去った筒井だがすぐに戻ってきた。その手にはバケツを持っていた。歩く度に水の揺れる音がする。
「何でそんなもんが・・・」
「昨日の的貼りで溜めてた水っぽい。誰か知らないけど捨ててなくてよかった」
優しく微笑む筒井。浣腸をされた相手だというのに、そんな筒井の心遣いに心が潤んでしまう。
こんな、糞を漏らして泣いてしまうような駄目教師だというのに、それでも優しくしてくれるなんて。
「お尻上げて」
「えっ?」
「お尻きれいにしてあげる」
しんみりとしていた立成がぎょっと目を見開く。
なんてことを言い出すのだ。てっきり、辺りに水を撒くのだと思っていたのだ。
「いや、自分でやるから」
「いいよ、先生疲れ切ってるし。ほら」
「うっ」
いやいやと手足を動かして筒井から抵抗しようとした。したのだが、動かすことができなかった。
長時間この格好でいたからだろうか。腕も腰も脚も痺れているような気がした。うまく筒井の腕をかわそうとするが上手く動かせなかった。立成はそのまま、木の幹に手を突き、尻を突き出した体勢から動けなかった。
「先生、ちょっとお尻上げるね」
「えっ、なっ・・・」
筒井が立成の腰をつかみ、そのまま上に持ち上げた。自然と脚が伸び、腰の位置が高くなる。尻は相変わらず突き出されたまま、尻の位置が高くなった。洗いやすく、そして、見やすい状態になってしまった。
(くそっ、こんな格好っ・・・!)
ずっとその格好でいたにもかかわらず、立成は羞恥を覚えてしまう。
排便の全てを見られた後では今更ではあるが、自分の身体の恥ずかしい場所がすべて丸見えな体勢をとっていると思うと、立成の心は焦燥した。
「じゃやるね」
「うっ冷てぇ・・・」
「ごめんね先生、もうちょっとだから」
手で掬ったバケツの水が立成の尻にかけられていた。
水の冷たさに立成の身体がビクッと震える。
春の陽気の中とは言え、丸1日屋外に放置されていた水だ。その温度は川の水のようなものだった。
そんな冷水を自分の後ろの秘孔にかけられていた。肛門周りを中心に残っていた排泄の痕跡が徐々に洗い流されていく。
「はぁっ」
「まだ汚れているから・・・」
「ぐっ、そ、そこまでしなくても・・・あっ」
尻の割れ目の中までに手を入れられていた。敏感な場所を直接手で弄られたことで立成はいちいち声が出てしまっていた。
流水だけでは取り除けなかった立成の汚れを、生徒の優しい手が洗い流していく。
生肌にこびりついた糞カスにより黄土色に染められていた所狭しと生えているケツ毛が、その本来の黒さを取り戻していった。
かけられていた水が止まった。目で見える範囲の洗浄が完了したのだろう。
立成のが一段とぶるっと震えた。
興奮によるものではない。単純に寒かった。風を生肌に受けるだけでなく、冷水で洗浄されたことで身体が冷えてしまっていたのだ。
「うっ・・・」
そんな冷えた肌を撫でられていた。
その時に自分が全裸で野外にいることに思い当たる。今さら羞恥する。
そしてその身体の上から、筒井が覆いかぶさっ来る。さっきの弓道場でされたようなものだ。そんな生徒の身体の重みがかえって幸せだった。その身体の温かみを感じることで、立成は落ち着きを取り戻していた。
「ゴメンね先生。俺が、浣腸しちゃったばっかりに」
その言葉で立成は心がじんわりと解きほぐされてしまった。
そのとおりなのだ。筒井が言い出したから、自分はこんな目に遭ってしまった。全裸で道場の外に出て、あまつさえ排便させられるなんて。
とはいえ・・・
「いや、いいんだ。俺が、その、ま、なんだ」
「ううん、ごめん。最近の俺、ちょっと調子に乗ってたかも」
「そんなことは」
「先月だって先生のお尻、滅茶苦茶に叩いちゃったし・・・なんか、先生に甘えてばかりだし・・・本当にごめんなさい、こんなことしちゃって」
「はぁっ・・・」
思わず筒井を振り向く。こんなことになってしまって、愛しの顧問をこんな目に追いやったことを悔いているのだろうか。その表情は憂いを含んでいた。
そんな顔をしながらも、労わるかのように立成の尻を撫でていた。それはまさに慈愛の手だった。いやらしい気持ちなど全くない手つきだった。それがわかっているにもかかわらず、尻を撫で上げられるその事実で、立成は官能を疼かせてしまう。
「先生、前も洗うね」
「えっ、前って、あっ・・・」
「先生のここ縮んじゃってるね。普段はもっとおっきいもんね。寒かった?寒かったよね。ゴメンね」
「いやっ、これは」
股の間から一物が握られた。いきなり急所を掴まれた。優しい力で立成の分身が生徒の手に包まれた。
立成の一物は見事に縮こまっていた。
普段から皮を被っているのは変わらず、その先端にはサーモンピンク色の亀頭すら見えないほどになっていた。
サイズも明らかに小さくなっていたそれは、皮に包まれているのも相まって小学生のモノのようだった。周囲に黒々と生えている陰毛と比べるとアンバランスだった。
そんな恥部をモロに触れられて立成は戸惑う。いくら事情がわかってもらっているとはいえ、自分の小さくなってしまった性器を見られるのは男としては屈辱だった。それでも、そんな扱いをされることを受け入れてしまった。
おかしな状況であるものの、筒井も立成も、互いに思いやっていた。
そのうえで、片方は相手の身体を労り、もう片方はそれを受け入れていた。
それはまさに、純粋な気持ちで愛し合っている恋人同士であるかのようであった。
「あれ、何これ」
そんな美しい時間の最中、筒井の手の動きが止まった。
立成も思わず視線を下げ、自分の股間に目をやる。
ちょうど上から見る立成からは死角になる場所、小学生のような一物の皮に巻き込まれたかのように、白い薄っぺらい紙がそこにプラーンとぶら下がっていた。
(な、なんだあれ・・・待てよ、あれは・・・)
立成は思考を巡らせていた。筒井もだ。それがいったい何なのか。
一瞬の空白。
そして。
「なっ!」
「ねぇ!何でチンポにティッシュが着いてるの!?」
「それは・・・」
一瞬で立成の身体が沸騰する。さっきまで感じていた寒さが嘘のようだ。
自分の一物の皮に挟まれて存在していたティッシュペーパーの欠片。
それが示すのが何であるか。青年であればわかってしまうだろう。少年であっても思春期を過ぎた齢であれば察しがついてしまうだろう。
「先生はおしっこしたときにチンポを拭いてるの?」
「そ、そうだ・・・」
「嘘だよね?そんなことしてるところ見たことないですよ?」
生徒の口調は厳しかった。罪人を問い詰める検察官だった。
しかし、筒井は嬉しそうに、その罪人である立成をを見やってくる。
慈愛の顔はどこへやら、今度は笑みを浮かべていた。明らかに嘲笑だった。
(どうして、今まで気づかなかった・・・?)
全身を火照らせながらも後悔の念が立成を襲う。部屋で着替えるときにはパンツも脱いで履き替えていた。便所にだって何度も行って小便もした。自分の一物を目にする機会など散々あったはずなのだ。いくら見えづらい死角となる部分であるとはいえ、そんな
後悔といえば今日の自慰行為もだ。自分で竿をしごいていれば、こんなことにはならなかったはずだ。それが、ずいぶん射精とご無沙汰だったこと、そして独身男の人恋しさから、クッションと身体で一物を挟んで圧をかける疑似セックス床オナニーに励んでしまったのだ。そのときにティッシュを挟まなければ、こんなことには・・・
しかしもう遅い。物的証拠がそこにあるのだ。言い逃れは不可能だった。すべてが露呈されたのだ。
立成は観念した。白旗だ。降伏するしかなかった。
まるで罪人の気分だった。全ての明かすしか他に道がない大悪党かのようだった。
「それは・・・・したからだ・・・」
「え、何をしたんですか?」
しかし生徒はいじわるだった。その顔は立成をなおも恥をかかせることを無邪気に楽しんでいた。
立成はすでに捨て去ったつもりだった教師としてのプライドをなおも粉々に粉砕した。
「だ、だから・・・お・・・オナニーをしたからだ」
声が震えていた。大柄な体の太い肢も腕も同じように震えていた。それでいて、顔も首も耳も真っ赤に染まっていた。
こんなにも恥ずかしいことを自分の口でいうなんて。
全裸で這いつくばって野外を動いて。排便までも披露して。これ以上ないっていう程に恥をかいたというのに、さらに堕ちてしまっているような気がした。
しかし、そんな風に思っているというのに、立成は己の細やかな罪を告白しただけで、身体が疼いてしまっていた。
「そっかー、先生オナニーしちゃったんですねぇ。お盛んですねぇ」
筒井は満足したようにニヤニヤしながら立成を見る。
恥ずかしさのあまり立成は木の幹に額を擦り付ける。
さっきの排便とは種類が違う恥かしさだ。
生理的現象と、自分の意志での自慰行為。
後者を生徒にバレるというのは、とてもではないが顔を見せられなかった。
「どおりで、だから今日は先生お寝坊しちゃったんだね」
「え、いや今朝はちゃんと早起きしたから」
「え?」
「え?」
2人ともクセスチョンマークを浮かべていた。
どちらも思ったままを言ったはずだった。何か特別なことを言ったつもりもなかった。それでも話がかみ合っていなかった。
一瞬後。
二人の顔が同時に変わった。
生徒の顔は、明らかに笑っていた。
教師の顔は、先ほどまでよりも紅潮していた。真っ赤っかだ。
当然だ。
自分で墓穴を掘ったのだ。
言わなくてもよいことまで言ってしまっていたのだ。
そのせいで、もっと恥ずかしいことまで暴露してしまったのだ。
立成の自慰行為の白状により、その行為は昨夜のものだと思っていた。そのまま眠ってしまったことから、今朝は性器にティッシュをつけてしまっていたのだろうと。だから今朝、部屋を訪ねても立成が扉を開けるのに時間がかかったと。
しかし、それを立成本人があっさりと否定してしまったのだ。それが否定されたとなれば、思いつくことはただ1つ。そしてそれは、きっと真実にたどり着いている。
「へぇ~~~」
筒井がニヤニヤしながら立成の顔を見てくる。先ほどまでよりも下卑た笑いだ。
立成はその巨体を縮こませるように。びくついていた。
まるでこっそりと行っていた密やかな悪事がバレてしまった子供のようだった。
「つまり、先生は、今朝、オナニーしていたんですねぇ」
「・・・・」
立成は無言だ。肯定も否定もしていないが、それはつまり、肯定だった。
こんな目にあっているというのに立成の縮こまっていた魔羅がピクンと震えた。
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