先生との1年間

スオン

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2年01月

2年01月 1

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「明日は七時半に俺の家に来てくれよ」
「はい」
「持ち物は弓道の道具だけなんだな?」
「そうですよ。あと、当然ですけど袴もです」

 年が明けた。
 新年になって、気分はそれなりに変わったものの、俺達の弓道部の練習はいつも通りだ。
 ひたすら矢を的に撃つ。


 明日は弓道の昇段試験だ
 俺は二段、先生は一級を受験する。

 先月、先生の部屋での出来事は、無かったことにはならなかった。
 ふとした瞬間に、どうしても意識してしまうことがある。
 それは先生も同様だった。
 普段は普通にふるまっているけれど、本当に、ちょっとしたタイミングで、前とは空気が変わったようになることもあった。
 それでも、先生が、普通にふるまおうとしてくれているのが、俺の救いだった。

 翌日。

 予定どおり待ち合わせし、先生の車で隣の市へ向かう。
 休日に受験するわけだけだから学校は関係ないのだけれど、先生は一応スーツ姿だった。
 少し朝が早かったため、車の中で二人で朝飯を食べる。先生は運転しながら、サンドイッチをむさぼっている。
 
「先生、これ食べる?」
「ん?食べる。あんがと」

 俺が持ってきたお菓子だ。
 俺が先生に差し出すと、先生は何も気にした様子を見せずに口で咥えてくれた。

 そんな些細なことでも、ちょっと幸せな気分になれた。
 あー、先生と付き合えたら、もっとこういうことできるんだろーなー・・・。 

「先生、ここが試験会場の道場だよ」
「そういえば、五月にも来たなあ!思い出した!結構小さいなぁって思ったんだった」
「弓道人口がそんなにないからね。控え室はこっちだよ」

 試験会場の弓道場から、少し歩く。
 そこには古くさい掘っ立て小屋が立っていた。片方が男子用だ。
 見た感じは大分時間が経ったプレハブ小屋という感じなのだ。

「え、ここ?」
「そうだけど」
「こんな所なのか」
「まぁ、弓道の昇段試験なんて、いってしまえば矢を2本撃つだけだからね。俺は座学の試験もあるけどさ。だから、大した控室なんていらなんだよね。ここではごはん食べたり、着替えたりする位だし」
「そんなもんなんかねぇ」
「じゃ、先生、着替えよっか」
「あぁ」

 控え室という名の掘っ立て小屋に入る。
 中は四方の壁の内三方がベンチを立て掛けられていて、中には先客の男たちがいた。
 学生風のグループと、社会人ぽい人たちだ。おじさんぽい人も何人かいた。

 もう、昇段試験を受けるのも3回目だ。
 いつものことだから、俺は上着を脱ぎ、胴着を着始めた。
 先生もジャケットを脱ぎ、ワイシャツ脱ぎ出す

「もっとなんというか、総体の会場みたいな場所を想像していたぞ」
「俺はここしか知らないからなー。もっと大きな町だったら、ちゃんとした会場になるかもしれないけど」
「たしかに、あまり需要がないのかもな。・・・あっ!」

 先生は急に素っ頓狂な声をあげた。

 どうしたんだ、と先生を見る。
 回りの人たちも先生を見つめる。

 先生は上半身裸になっていた。
 スラックスノベルとに手を掛けており、そこでフリーズしている。

「ど、どうしたの先生?」
「え、いや、その・・・」

 先生はその格好のまま、俺に近づいて小声で話しかける

「なぁ、トイレは近いか?」
「トイレ?どこだったかな・・・歩いていけるけど、ちょっと離れてた気がするよ」
「そうか、俺はそこで着替えるぞ」
「え、何で?もうすぐ開会式だよ」
「何?そんなのあるのか?」
「昨日言ったよ・・先生どうしたの?」
「俺、今日な、あのパンツはいてるんだ・・・」
「・・・はぁ?」
「いや、この場で着替えるのは・・・」
「あ、そういうこと」

 先生は少し焦った様子だった。
 俺はようやく理解した。
 まさか、更衣室がなく、狭い部屋に人が密集した、こんなに開けっ広げた場所だと思わなかったんだろう。

「で、でも、さすがに気にしすぎじゃない?そりゃ、今時は珍しいかもだけど、パンツなんだからさ。別にビキニなんて・・・」
「違うんだ」
「え?」
「ビキニじゃない方。お前がくれたやつなんだ。今履いてるのは」

 ビックリした。
 今目の前の先生は、スラックスの中にケツ割れを履いている?何で?

 確かに昨日、弓道場にて「先生、頑張ろうね!」と言った際に、「明日は勝負だから、先生も、勝負パンツを履かないとね!」と言ってみた。

 最初、先生は あ? という感じだったが、数秒後、合点がいったようだ。
 拒否されるかな?と思ったが、先生は以外にも「お!そうだな!」と言っていた・・・
 
「何でそっち履いてきたの!?」
「こっち方が気合いが入りそうだと思ったから!」
「そ、そうだとしても・・・別に見られてもいいんじゃない?パンツはパンツなんだし・・・」
「いや・・・駄目だ、変態だと思われちまう」
「気にしすぎだよ・・・」
「時間は?まだ少しあるな。じゃあ、お前、先に着替えてくれ。んで、その後俺の壁になってくれれば・・・」
「わかったよ・・・」

 そういって俺は胴着と袴に着替えた。

 先生は、一度脱いだワイシャツをまた着るのも変に思われると思ったのだろう。
 上半身裸のままで、鞄の中身をごそごそしたり、スマホをいじったりして、何気なく時間を潰しているような振りをしている。

 この掘っ立て小屋は寒いから、裸のままでいる方が変に見られるような気もするけど・・・

 俺は胴着に着替えながら先生の身体を見る。
 大胸筋はしっかりと膨らんでいてその上の少し生えた胸毛がいやらしい。
 乳首はちんまりとしていて、控えめな感じだ。
 乳輪のまわりには、陰毛のような長く縮れた毛が生えていた。
 腹まわりもどっしりしている。
 脂肪が着いいるがわかるけれど、逆にその方が、男としての安定感を感じる。

 俺が着替え終わる頃には、開会式の時間が迫ったからか、掘っ立て小屋にいる人間も大分減ってきた。

「先生、俺、着替えたよ。今ならもう大丈夫じゃない?」
「そうだな・・・悪い、そこに立っててくれ」

 俺は袴姿のまま、それとなく先生の側に立ち、それとなく視線を遮るようにした。
 そうすると先生は、慌てたように自分のベルトをカチャカチャと外した。
 ホックも外し、ファスナーを下ろすと、スラックスを勢いよくガバッと下す。
 俺が誕生日にプレゼントしたケツ割れを履いた下半身が現れる。
 俺が先生にあげたケツ割れは、後から調べたところによると、ジョグストラップと言うやつらしい。
 
 俺は何とか自然に隠すように立っている
 今、ここでひょいっと動いたら、数人とはいえ、知らない人たちに、先生はケツ割れを履いた姿を見られるんだよな。
 もちろん、ちゃんとした下着なのだから、別に悪いものじゃないははずだ。
 でも、弓道でそういう下着を着る人っているのかな?
 先生は焦っているからか、スラックスから脚を抜き取るのに苦戦して、バタバタさせていた。
 先生、また太ったのかなぁ。太って脚が抜けにくくなったのかなぁ。

「もうすぐ始まりますよー」
「先生、来たよ!」
「わかってる!!」

 係員のおじさんが入ってきた。
 少し太り気味のメタボ体型で、とぼけた顔をした、どこにでもいるようなおじさんだ。
 掘っ建て小屋に残っていた数名の人たちが、少しずつ小屋から出ていく。
 
「ほら、急いでください」
「はい、今!先生、急いで!」
「あぁ!・・・ぬわっ!」

 ようやくスラックスから両脚を抜き去った先生。
 今の先生は、ほぼケツ割れ一丁だ。
 鞄から取り出しておいた胴着に腕を通す。
 紐を結ぶのもそこそこに、今度は腰に巻く帯を準備しようと・・・

 慌てすぎた先生は、下に置いた鞄を跨ごうとしたときに、脚を滑らせて前に倒れこでしまった。
 掘っ立て小屋の中に転倒音が鳴り響く。

「うわっ先生!」

 先生は前方に倒れこんだが、床に置いておいた鞄がクッションになった。
 その鞄がちょうど先生の腹のあたりにあり、頭をぶつけることはなかったようだ。
 倒れこんだ時に、軽く膝と手を打ってしまった程度だった。

「ちょっ・・・大丈夫ですか?」
「あぅ、痛て・・・あっ」

 係員のおじさんは先生に近づいた。
 もろに先生のの格好見てしまった。

 紐を結んでいなかった胴着は、はだけてしまい、転んだ拍子に背中周りに捲り上がってしまっている。
 つまり、先生のお尻を何とか覆い隠せそうなモノはない状態なのだ。
 デカい尻タブをさらに強調するかのような、細い紐で支えられたケツ。
 臀部には下着としての生地はない。
 当然、毛の生えた尻タブも隠されることなく、係員のおじさんの眼前にさらされた。
 おまけに、から、尻の割れ目からもケツ毛がピロンとはみ出てしまっているのもわかる。
 結局先生は、係員のおじさんに、ケツ割れを履いたお尻をバッチリ披露してしまっていた。
 
「おお!兄ちゃん!すげぇパンツ履いてんな!」
「こ、これは、その」

 先生はその格好のまま、少しでも尻を隠そうと、両手で尻を覆う。甲に毛の生えた両手が、尻毛だらけのケツを覆う。
 顔が一気に紅潮していた。
 尻を見られただけではなく、ケツ割れを履いていることを他人に見られたことにより羞恥していた。
 ガタイのいい大人の男が、腹ばいで倒れたまま、赤くなって尻を隠している。

 係員のおじさんは、先生の恥ずかしい尻を隠している両手を奪うと、その両手を掴み、先生を無理やり立たせた。
 後ろ側から先生を支えるから、丁度、先生のケツのあたりに顔が近づく。
 何とか立ち上がる際には、先生はケツを突き出さざるを得ない。
 係員のおじさんは、突き出された先生のケツを、見ていることを隠そうともせずにじろじろと眺めていた。
 先生は、顔を赤くさせながら、顔だけを係員の方に振り向く。
 それを見た係員のおじさんは、大声で笑いだした。

「ははは!兄ちゃん、気合い入っとんね~!今晩、彼女とデートでもあんのか?ほれ、恥ずかしがってないで、急がんと!」

 係員のおじさんは大声で笑いながら、掘っ建て小屋から出て行った。




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