側妻になった男の僕。

selen

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#15 【続編あり♡】

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「すごい……菜の花畑だ……!!」
目の前いっぱいに広がる輝く黄金の花々ー。
例え話では無く、本当に地平線までそれかま広がっている。
「素晴らしいだろう。……と、いっても私が育てたわけでは無いのだがな。」
ルイスはそう誇らしげに言って、菜の花畑の中に細く伸びる道に慣れた様子で進んで行った。
「ウィル、掴まれ。」
振り返ったルイスは僕に手を伸ばした。その瞬間、ドキッと胸が高鳴る。……だめだって。こんなに期待しちゃったら。
「あ、ありがとうございます……。」
今更緊張する。
あの日ベランダのプールでお互いびちゃびちゃになりながら抱きしめ合ったのに、毎日一緒のベッドで寝てるのに、あのとき……初めてキスしたのに。
「わっ……えっちよ、ちょっとルイス!!」
恥ずかしさで中々手が伸びない僕の強引に腕をひく……だけならまだ良かったけどその勢いで僕をお姫様抱っこする。
恥ずかしいけど、この菜の花畑には僕ら以外誰もいないみたいだった。
「道が狭い。この方が良いだろう。」
平然とした顔でしれっとそう言う。
「……そうですね……。」
ちょっと、ルイスに甘えたかった。
だって……好きだから。甘えたかった。
そんなことされたら、もう自分の気持ちを誤魔化せずになんか居られないじゃないか。
僕は両腕でルイスの首の後ろに手を回した。
「…… ……ウィル?」

「泣いているのか……?」

・・・

「ウィル、昨日今日と引き続き、誤解を招くような言い方をしてすまなかった……しかし、しっかりと聞いて欲しいんだ。」
涙が止まらなくなった僕を、菜の花畑の奥にある一本木の生えた丘の上に静かに降ろした。
「ごめんなさい……。泣いちゃったりして……。」
ルイスは僕の髪をふわっと触るように頭を撫でた。
「そうだな……。まずお前には、お前をここへ連れてきた理由もよう話していなかったな。」
よくよく考えればそうだった……。僕は1ヶ月以上なんで自分がここにいるかも分からずに中央棟で勤務していたのか……盲点だ。
ルイスに何か言葉を返そうと思ったけど、泣いて唾液が喉で絡まって上手く声が出なかった。
「一目惚れしたんだよ。お前に。」
「…… …… …… ……え?」
ルイスはふー、と息を吐いて丘の上に寝そべった。だから僕も真似するように寝そべった。
今日は、見事な晴天。僕はこんな変な気持ちなのに、空はこんなにほのぼのとしていてちょっとムカついた。
「……ルイス、今、一目惚れしたって言いました?」
ルイスは顔をそっぽに向けた。髪と芝生が擦れる音がする。
「そうだ。…… ……悪いか。」
「え、一目惚れってあの一目惚れですか?世にいう……。」
「そうだ。そうだと言っている。」
さっきまでは、切なくて、これからは側妻で居られなくなって、悲しくて泣いていたのに、今度は頭が妙にさえて仕方ない。
だって、僕のどこがいいって言うんだ?
「そんな、僕はただの厨房で働くただの雑務係だったのに……!!それに、僕より美しくて可愛い女性の側妻の方だって沢山いるのに……!!!」
彼は目だけをこちらに向けた。
「ひ、人の好みはそれぞれだろうが……!私はこんな呪われた身分だ。前にも言ったように望んだものは全て手に入る。」
誰もいない広大な菜の花畑にのどかな葉のそよぐ音やどこかで小鳥が囀る声が聞こえる。無限に広がる空の前にルイスの声が響く。
「元々、あの側妻達は私の正妻という地位しか見ていない。……女々しいようだが、それは私自身を愛してはいないだろう。」
意外と、そういうのって気にするんだ、と思った。……そうだ、ルイスの恋愛の概念は全て市場に出回る恋愛物語で構成されているのか……。そう考えるとルイスの最終的な意見にたどり着く気がする。
実はピュアなんだなと思った。ルイスの可愛いギャップがまたひとつ増えた。
「昔から自分の地位に嫌気がさしていたよ。」
「…… ……なんだか、皮肉な話ですね。」
僕は菜の花畑の自然の香りが染み付く空気を鼻から吸った。もう春は終わりかけなのに、春の匂いがした。
「街の人達は莫大な権力と大国家を持つルイス国王に憧れていたのに……その傍ら、ルイスは平凡で質素な人生を望んでいたなんて。」
僕らの真上を、赤いテントウムシが飛んだ。
ルイスの方に飛んで行ったそれを目で追うと、ルイスもテントウムシを目で追った。
「……まったく、ウィルの言う通りだな。つくづくお前の発言力と身の間際えなさには感心するよ……。」
「なっ……!身の間際えなさって!!ルイス、失礼ですよ!!」
寝そべりながら楽しそうに笑うルイスを軽く小突いた。
「ほら、そういう所だよ。なぜだかウィルとは心の距離が縮まるのが身に染みて分かる。この私を小突くなんて、他の側妻には出来ない芸当だ。」
悔しいけど、こんなに楽しそうなルイスは見たことがない……。(ちょっと子供みたいで可愛い。)
「僕は……ルイスが好きです。」
ルイスはじっと僕の言葉一つ一つに耳を傾けるように、雲ひとつない空の彼方を遠くを見つめる。
「最初は凄く怖くて、一緒にいるのだけでも胃が痛くなるくらい変に緊張して大変だったけど、あの舞踏会の日、2人でプールに飛び込んだ日から、僕はルイスが怖くなくなったのかもしれない。……それから、僕はルイスの暖かい心が大好きです。国民には『非人道』なんてイメージが染み付いてるけど、僕はそんなルイスの綺麗な笑顔が大好きなんです。」
不思議と、もう涙は出てこなかった。
現実をちゃんと自分の中で飲み込めたのかな、なんて頭の中で冷静に思っていた。
ー全部夢、だったんだ。
男の僕なんかが国の城に招待されて、側妻になった。容姿の整った国王との恋。そんなのはやっぱり夢に過ぎなかったんだ。
夢は覚める。絶対に。
「…… ……大丈夫。ちゃんと、受け入れてますから。」
僕は仰向けの状態から上半身だけを起こした。
そして、ルイスと正面から向き合う。

「今まで、素敵な夢を見させてくれてありがとうございました。」

ルイスも、こちらこそ礼を言う、と短く返して、今度はルイスが僕を真似るように上半身を起こした。

「…… ……はい……?」
一瞬、理解したつもりになっていたけど、その言い方はなにか他の意味合いを含んでいるようだ。当然語尾にクエスチョンマークも着いてしまう。
「お前のような愛らしい男、放って置けるか。」
全然、理解できない。
え、え、だってさっき……!!
「どういう、ことですか……?」
ルイスは笑った。
「側妻から解雇する代わり、ウィル・フリードを私の正妻に迎え入れよう。」
彼の身体に引き寄せられる。あったかい。心臓の音が伝わってくる。
「なんで…… ……。僕なんかで……。」
「良いに決まっている。私はお前が好きだ。」
「でも僕……男だし……」
「性別など関係あるものか。冷酷不動のルイス・アードラースヘルムには誰も逆らえんよ。…… ……ウィル。」
「ルイス……」
僕達はキスをした。

・・・

ちょっとしてから城に戻ることにした。
こうして見ると、やっぱりここ一帯は田舎なんだなあ、としみじみ思う。
「あ、鳥だ。」
その上空には大きな翼を広げた鳥が無限に広がる空を羽ばたいているのを見つけた。
「おお、もうそんな時間か。」
そう言ってルイスはおもむろに指を口にくわえた。
「え?る、ルイス、何をしているんですか……?」
僕の質問には答えずに、そのまま指笛を鳴らした。
ピイーーーと、甲高く真っ直ぐな音が響く。
「……ん?なんか、あれ?あの鳥近づいてきていません?」
何度も見間違いかと思ったけど、あの鳥は確実にこちらへ急降下してくる。しかも、小鳥やツバメなんていう可愛らしい鳥じゃない。食物連鎖の頂点に君臨する猛禽類だ……!!
猛禽類の一種には、その鋭い爪で猿の頭蓋骨をも圧迫し砕く超大型なものもいるそうだ。
「ひっ!!」
僕の間近で重厚感のある羽がバサバサと折りたたまれる音がした。
「ウィル、怖がらせてしまったか?」
本能的に固く瞑って閉まっていた瞼を恐る恐る開けると、外の光と一緒に飛び込んできた光景はなんと意外でびっくりした。
そこには、ルイスの右腕にしっかりと止まる大きな鳥が居た。
「えっえっな、なんですかこれは?!」
「こいつは私の愛鳥トニーだ。可愛いだろう。」
「あ、愛鳥?!初めて知りましたよ……。」
ルイスはトニーと早速じゃれ合う。
「確かにウィルには見せていなかったな。しかしこいつは野生の力を衰えさせないようにほとんどは自然の中で生活させているんだ。」
「それにしても……トニーは鷲か何かですか?」
ルイスは嬉しそうに頷く。
「正解だ。トニーとは8年の付き合いでな。昔はよく伝書鳩代わりになってもらっていたよ。」
トニーをひと撫でしてから、後ろを向いて勢いよく右手を振るう。するとトニーはまた美しい翼を羽ばたかせ空へと飛んでいった。こうして見ると、ルイスとトニーは息ぴったりだ。
「おい!大丈夫か?!」
近くにあったにんじん畑からかなり慌てた様子で顔を出したのは、あの直売してくれたおじちゃんだった。
年季の入った麦わら帽子をかぶり、白い髭に腕まくりしたストライプ柄のワイシャツに、ちょっとダボダボした黒いズボンを履いている。
その姿は僕が最後におじちゃんに野菜をわけてもらった日から何ら変わりない。
「おや!ウィル君か!」
「えっ、あっ、お、おじちゃん……!!久しぶりだね!!」
まずいぞ。ここで会ってしまった。
しかもすっごい不自然な挨拶しちゃったし。怪しまれるかも……?
「たった今鷲に襲われているように見えたのだが……大丈夫そうだな。それにしてもウィル君、久しぶりだなあ~最近見ないが元気かね?……それと、隣の兄ちゃんは……?」
おじちゃん……。隣の兄ちゃんはルイス・アードラースヘルム国王なんです……。
「ウィルの夫だ。」
「はあ~ウィル君結婚したんだなあ!おめでとさん。それにしても旦那さん、べっぴんさんだなあ。国王にそっくりだ!」
「?!っそ、そうですかね……?」
本当は何もかも違うけど、とりあえずそう堪える。
「ああ。よく言われる。」
よく言われるって……貴方がルイス国王当人でしょ……!!と心の中で叫びまくる。
というか、ルイスもこんな冗談言ったりするんだ。
結婚祝い、と手押し車の中にたくさん積まれていた人参を僕とルイスそれぞれに何本か持たせてくれた。
僕がおじちゃんの立場だったら色々ツッコミたいところは山ほどあるはずなんだけど……おじちゃん本人はあまり気にしていないっぽい。(根掘り葉掘り聞かれなくて良かった)
両手いっぱいににんじんを持ったルイスはちょっと可愛い。
今夜は僕達でにんじんパーティーを開こうと思った。

・・・

「あ、ヘルツシュさんじゃないですかあ!」

「ぜリムさん、こんにちは。先日の遠征お疲れ様でございました。」

「いやいやあんなん全然余裕ですって~!はははは!!」

「そういえば、遠征中にルイスと剣術を交えて下さったようですね。彼は貴方の素晴らしい才能にライバル心を抱いていましてね……毎度毎度ご迷惑をお掛けして申し訳ございません。」

「んーん!俺も楽しかったから、ルイス国王にはまたやろー!って言っといたから大丈夫ですよ!!…… ……それはそうと、ヘルツシュさん。」

「なんでございましょう、ぜリムさん。」

に変わりはないですか?」

「……もちろん。着々と進んでおりますよ。」





✩.*˚【側妻になった男の僕。】はこれにて終了です!続きは【何故か正妻になった男の僕。】にて読めます!(⌒▽⌒)よければそちらへお飛びください✩.*˚

※ぜひぜひ呼んでください。お願いします。お願いします。。
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