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真夜の激怒

花梨の気持ち

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最近はみんな幸せそうだなぁ。
幼なじみって言ってても、真夜と裕翔もラブラブ過ぎるよ…
私だけ取り残されちゃった気分なんだよなぁ。。。
どうしよ…

今日はSNSのチェックまだだったなぁ。
いいなぁ。幸せそうなコメントばかり…

なにこれ?

「寂しい人募集中!お話しませんか?」

こんな事つぶやく人もいるんだぁ。

「私…寂しい人です。」

ちょっとした興味本位だった。
すぐにDMが届いて、寂しさトークで盛り上がった。
毎日DMするようになって…メッセージアプリの交換もして。
通話するようになって。
とっても優しそうな声で話しかけてくれた。

会ったこともない人と会話するのが楽しくなって。

「花梨ちゃんの声も可愛いね。きっと素敵な人なんだろうな」

胸きゅん♡しちゃった。

「30歳なんだけど、こんなおじさんに言われてもキモいよね?ごめんね。」
「えっ!そんな事ないです!!嬉しい」

この人と会ってみたいって思った。
そして、私はアイコンを自撮りにしてみた。

その日の夜の通話中に
「アイコンって、花梨ちゃん?」
「うん…可愛くないですよ?」
「いや、めっちゃ可愛くてビックリした。」
「そ…そんな事ないですよ…」

めっちゃ気合い入れた自撮りだもんね!

「良かったら…お食事でもどうかな?」
「嬉しい!行きたいです」
「会う前にビデオ通話しようか?俺の事も見ておいた方がいいと思うし。無理そうなら会わないでもいいから。保健的な意味でどうかな?」
「はい!見てみたいです!!」

画面越しに映った彼はとても優しそうで。そんなにイケメンじゃないけど、嫌いなタイプじゃなかった。
私の事も可愛いって言ってくれて。

会える日を楽しみにしながら、ドキドキしちゃった。
何を着て行こうか?万が一の為に下着も・・・・・
私は何考えてるの!でも…可愛い下着にしよ。

メイクは久しぶりに大人っぽさをだそうかな?

白いシャツと紺のフレアスカートで彼との待ち合わせの居酒屋にいった。

「花梨ちゃん!こっちだよ」

そこには、ビデオ通話で話してるままの彼がいた。
私の話も頷きながら聞いてくれて。
優しかった。

「バーとかって行ったことある?」
「無いです!」
「お洒落な所があるから行ってみようか?」
「はい!」

まだ、一緒にいられると思うと嬉しかった。

「夜景を見ながら飲める所なんだけど、どうかな?」
「綺麗だし、ロマンチックですね」

大人の人って凄いなぁ。
でも、時間は有限。終電の時間が迫ってきていた。

駅まで歩いてる時に彼は手を繋いでくれた。
駅に着いた時・・・・・抱きしめられてキスをした。

私はこの人が好きになった。

何度か一緒に飲んで。
ヤリ目も警戒はしてたけど。
やっぱりそんな人じゃなくて。
でも、スマホの待ち受けには子供が写ってて。
「あっ、俺の子供なんだけどね。離婚調停中なんだ。だからさぁ。もう会えないんだよね。」

私は残される寂しさを知っている。
彼も引き離されて、寂しいんだ…
私が寂しさを和らげてあげたいな。

それから会う回数を増やした。
そして彼に言われた言葉は。

「俺の彼女になってくれないかな?」
「はい」

そして私には彼氏ができた。

初めてエッチした時も凄く優しくしてくれて。
ローションも使って、私が痛くならないように考えてくれた。

友達からは最初は痛かったとか聞くけど。
全然そんな事もなくて。
きっと彼が優しいからなんだ。

でも…妻子持ちってみんなに言ったらどうなるかな。
真夜は…言い難いけど応援してくれるかな?

高校の時からの友達も似たような事を経験してるから話をしてみた。

「おじさんはお金持ってるし、全然いいんじゃない??遊びでも本気でもありだと思うよ!」

他の子も
「大人の人の方がいいよね!同年代はガキに感じるし。社会経験豊富だから勉強になるよ!良かったね」

みんな賛成してくれた。
真夜もそうだよね?

そして、彼にも話をした。

「ねぇ。私の親友に会ってくれないかな?紹介したいの!」
「えっ…うーん。まぁいいよ!」

真夜は週末は裕翔と温泉に行くみたいだから、帰ってきてから時間を作って会うことにした。

「真夜来てくれてありがとう!彼ね居酒屋で待ってるから!」
「うん!楽しみにだよ!!」
「実はね?まだ離婚してないんだけど、もう別れるって言ってくれてるの。」
「えっ?」

真夜の顔がくもった…

「う~ん。とりあえず会ってみようかな…」

真夜は口数が減っちゃったけど。会って彼の優しさに気付いたら応援してくれるよね!

そして、彼の待つ居酒屋にいった。

「こんばんは。君が真夜ちゃんだね?花梨と同じで可愛いね。こいつも来たいって言うから連れてきたんだけど。仲良くしてあげて」

私の知らない男の人もいた。

「どうゆう事?」
「花梨の友達に会うんだし。こいつも紹介しろってうるさくてさ。」

まぁ、私の友達に会ってもらうんだから、仕方ないよね。

真夜はお酒を飲まなかった。
だから、私も飲むのをやめた。

「2人とも飲まないのかな?緊張しちゃってる?」
「うーん、真夜は?」
「私は飲まない」
「飲まなくても大丈夫なんだ。じゃあ、もうホテルに行っちゃう?」
「は?」
「花梨ちゃんと一緒でやりたいんだろ?」
「俺はこいつみたいに、落として疑似恋愛する趣味は、ないからさ。やりたい同士でWin-Winだろ?」

真夜に腕を引っ張られて居酒屋を出た。

多分、彼の友達が勘違いしてるか?嫉妬しての発言なんだろうけど。
真夜には通じないよ・・・・・後で彼に謝らなきゃ。

真夜の家に着くと裕翔もいた。

真夜は裕翔とラブラブなくせに!
なのに…なのに。
怒ってる時は裕翔の事なんて眼中に無い感じ。

昔、私が悪い事をしておばあちゃんに怒られてる時に、髪の毛を触ったりしてたら。

「花梨!おばあちゃんは真剣に怒ってるの!花梨を見て怒る時は他の事なんて考えてないの。だから、花梨もちゃんと聞きなさい!」

真夜は真剣に怒ってくれてるんだぁ
なんで?なんで真夜が泣いてるの?
私の事を真剣に考えてくれて、泣いてるの?

「もぉーーーー!!須藤花梨しっかりしろー!!」

えっ!私はおかしくなってたの?

「花梨ごめんね。わたしシャワーで頭冷やしてくる」

真夜はシャワーに行って裕翔と2人になった。

「裕翔もごめんね…」
なんか、気が付いたら私の生い立ちについて話しちゃった。
真夜に怒られてる時におばあちゃんと重なったからかな。

裕翔も俯いて、真剣に聞いてくれてる。
目も合わせないで、俯いたまま返事を返してくれて。

真夜も裕翔もこんなにも心配してくれてるんだ。
すると、突然うしろから抱きつかれた。

「私はずっと、花梨と一緒にいるよ?」

真夜・・・・・
自然と涙が出てきた


「真夜…ごめんね」
「全然知らなくて、私もごめんね」
「もう…別れるから。」
「うん」

お子さんに申し訳ないなぁ

それから彼に電話した。
止められるかな?
彼が泣いちゃったらどうしよ?

「花梨です」
「うん。どうしたの?」
「さっきは、ごめんなさい」
「うん。こっちこそごめんね。あいつが変な誤解しててさ。」
「うん…」

言わなきゃ…
言いたくない・・・・・けど。
真夜達を悲しませたくない!

「別れてほしい」
「あっ、そう。わかった。」

通話が終わった…
えっ?そんなに軽いの?切ないよ…

「別れた…よ」

「花梨…お前今日は真夜と寝ろ。俺は真夜の部屋で寝るから。女同士語り合え」

裕翔は真夜の部屋に行った。
きっと、私の事も考えてくれてて、悔しがってくれてるんだと思う。

そして、私は真夜に泣きついて。真夜に抱かれて眠れた。

でも、真夜と同じくらい早く起きちゃって。

「花梨の目が腫れちゃったね…」
「うん…わかる?」
「私はわかるよ!裕翔は分からないと思うけどね?」

真夜と話をしていると、玄関へのドアが開いた。

えっ???だれ???

綺麗な女の人が2人・・・・・

「なんだぁ、真夜はやっぱり起きてたかぁ」
「ちょっと!ママなんでいるの???」

ママ?

「2人の様子を見に来たのよ?」
「裕翔ママも来るなら言ってよ!!」
「言ったら面白くないじゃない?」

え?何この会話・・・・・

「あら?お友達かな?初めまして真夜のママです」
「私は裕翔のママですよ。」

「あっ…初めまして。須藤花梨です」
「やっぱり、花梨ちゃんなんだ!真夜と裕翔がお世話になってるわね。よろしくね。私は真夜ママって呼んでね?裕翔は真夜母って呼んでるけど。ママって言ってくれないの・・・・・」
「私の事も母さんだからね?私は裕翔のママだから、裕翔ママって呼んでね?花梨ちゃん」

えっ・・・・・キャラ凄くない??



「花梨ちゃんも可愛らしいわね?でもちょっと髪の毛が傷んでるかしら?かおり・・・・・真夜ママに見てもらったら?」
「そうね!花梨ちゃん。いらっしゃい」

真夜ママは髪の毛をとかしてくれた。

「ブラシはね、持ち方も気を付けないと髪の毛を痛ませちゃうからね?」

おばあちゃんにやってもらってた時はちょっとガサツだったけど。
真夜ママは優しくとかしてくれた。
裕翔ママも笑顔で見つめてきてる。

「私は裕翔を起こして来ようかしら。」

裕翔ママが裕翔を起こしに行った。

「花梨ちゃんも朝ごはん食べるわよね?」
「いいんですか??」
「遠慮しなくていいのよ?裕翔も真夜とも仲良くしてくれてるんだから。」

なんでこんなに、優しいの??
胸が苦しい…

ママ達は家にも誘ってくれて。
ママっていいなぁ

自然と涙が出てきた。
優しい言葉を掛けられて、更に泣いちゃった…

真夜と裕翔の周りの人達は暖かいなぁ。
私もがんばらなきゃ!


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