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毒された真夜

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「ねぇ、お盆前に実家にいこうか…」
「やっぱり、帰らなきゃダメだよな…。真夜は予定は大丈夫なのかよ?」
「うん、バイトはある程度融通効くからねぇ!」

いや、そう言うことじゃなく・・・・・元なのか?今なのか、分からないけど。あの男とはいいのか?って事なんだけど。
口には出さない。てか、出したくない。

「他は予定ないのか?」
「ん?ないよ??…裕翔はあるの?」
「ないな。」
「じゃあ、裕翔のバイトに合わせるね!」

………………………


休日は真夜と2人で過ごすことが多いのだが、会話が無いわけではないけど、ぶっちゃけ暇だ。
「どっかに、行くか?」
「どっかってどこ?」
「どっかは、どっかだろ。」
「う~ん、じゃあ、どっか行こうよ!準備してくるね~」

真夜は部屋に着替えに行った。
俺も着替えて真夜の準備を待っていた。

「裕翔~!あの時計付けて行こうね!!」
「あっ、うん」

 時間はスマホで見てもわかるんだけどな・・・・・
時々ナンパされてるから、そうゆう対策なのかもしれない。
可愛いって大変だな。色々考えなきゃイケナイらしい。
 真夜が部屋から出てるくと、白いショートパンツに黒いオフショルのブラウスを着ていた。

真夜は部屋から出るなり、嬉しそうに俺の手を引いた。
「じゃあ~どっかに行こう!!」

ちょっと遠いけど、水族館に行こうと思う。
ネットで調べたのだが、涼む事も出来て夏にはうってつけだと思う。
電車の中で真夜は、何処にいくの?って聞いてくるけど。どっか…と答えている。

電車とバスを乗り継いでむかったが、水族館の看板が、増えてきて流石の真夜も気付いたらしい。
「水族館行くんだぁ!涼しいし良いねっ!」

暑いから涼しい所を求めるって所は真夜と意見があった。
入場料を払って中に入ると、かなり涼しい。
人も多いし、手を繋いで進んでいった。
 一面にガラス張りで出来た水槽には色んな魚が泳いでいた。
「こんなに色んな魚いて大丈夫なのかな?小さい魚食べられたりしないかなぁ??」
「あ~、どうなんだろうな。サメっぽいのも居るしお腹空いたら食べちゃうんじゃね?」
「それは可哀想だよ~」
「でも、ほらっ!飼育員が潜ってきて餌やってるぞ?そうやってコントロールしてるのかもな。」
「そうだといいよねっ!」

奥に進むと小さい水槽にカラフルな魚が入っている。

「こんなカラフルな魚って、不味そうだよな…」
「うん、きっと美味しくないよね…ってか、そんな事を考えるのやめなよっ!」
「でも、昔の人は見て食べれるか食べられないか?確認して。美味しいかどうかで今の食卓があるんだぞ?」
「そんなのいいの!観賞用ですっ!!」

イルカショーやペンギンショーを見て気が付くと、一通り見終わっていた。

「楽しかったねぇ!ありがとう!!」
真夜は俺の唇に手を当ててきた。
俺も真夜の唇に手を当てて、外出時用のチューをした。

帰りには、やっぱり商業施設に寄って買い物を付き合わされた。
真夜にとっては荷物持ちがいるから、行きたいのだろう。
普通の服を見る分には良い。
でも、下着売り場に連れていかれるのは、どうしても慣れない。近くのベンチで座っていても、どっちが可愛い?って聞いてくる・・・・・
知らねぇーよ!って言いたいけど…

「原色より薄い色の方が好きだな。」
「なるほどねぇ!わかった!!」

元彼とヨリを戻したのか?
男でも好みは違うんだから、俺に聞いても正解とは限らないんだけどな。

「ねぇ、この中だと…どれがいいと思う??」

言わないけど、思うこと。
俺を下着売場に入れるんじゃねぇ!!
半分以上ヤケになって答えた。

「こうゆう、紐の奴とか好きな男は多いんじゃね?」
「そうなんだぁ!!」

俺がベンチに戻ると、真夜は何着か買ったようだった。
俺の持つ袋にはお店の名前がはいっている・・・・・
他のお店の袋欲しいな…

雑貨屋さんに入ると、女子が多くて袋を丸めてロゴを隠した。
「ねぇ、裕翔!!この帽子どうかな?」
「うん、いいんじゃね?」

ちょっと適当に答えたけど、真夜はその帽子を買っていた。
俺はお店の外で待っていると。真夜は買った黒いキャップを被っていた。
「はい!裕翔のもねっ!!」

俺の頭にも、キャップを被せてきた・・・・・
「ペアルックの物、増えたね!」
「真夜・・・・・母さん達に毒されてないか?」
「嫌なの?」
「いや、嫌じゃないけど…」
「ならいいじゃん!小さい頃って同じもの付けてたじゃん!」
「母さん達の趣味だろ?トラウマも残ってるわ!」
「幼稚園の頃にスカート履かされてたもんね!」
「黒歴史・・・・・花梨たちには言うなよ!」
「うん!多分・・・・・ね」
「絶対だ!」

その後もお揃いのサングラスを買って、付けて歩いていた。

「あれ?裕翔??」

目の前には涼太がいた。
綺麗な女性と一緒に・・・・・
「あれ??真夜ちゃんもいる!!てか、なに??お揃いの帽子とサングラス!!仲良いねぇ!」
「うん!涼太だって綺麗な人といるんだねぇ!」
「そうだよ!俺らの事言えねぇぞ?」

涼太と、会話しているの女性が口を開いた。

「いつも、弟と仲良くしてくれてありがとうございます!」
「お姉さんなんですね!同じ大学の倉石です!こっちは幼なじみで同じ大学の裕翔です!」

人前ではしっかりしている真夜が説明してくれた。

「倉石さんに裕翔くん。これからも涼太と仲良くしてあげてね。」
「お姉さん!涼太とは、仲良くしてるので。お任せください!」
俺も真面目に応えると何故か真夜に睨まれた…
「裕翔…鼻の下伸びてるよ・・・・・」
「裕翔!!うちの姉ちゃん手出しするなよ!」
「しねぇーよ!ばか」
「ふふふっ。ホントに仲良くしてくれてるみたいで良かった。高校の時も友達がいなくて心配してたから。」
「大学で1番仲の良い友達ですから!安心してください!!」
「裕翔の1番は真夜ちゃんだろ…」

涼太が、何か言ってるけど聞こえない。
「じゃあ、俺たち頼まれた買い物あるからまたね!」

涼太はお姉さんと歩いていった。

家に帰った頃には夕方になっていた。

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