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キスとチューは違うんです

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 家に帰った俺はバイトに行く準備をしていた。
今日は俺がバイトで真夜は休み。
「帰ってきてからご飯食べる?」
「うん。先に食べてていいからな?たぶん9時半くらいになるし。」
「待ってるよ!」

俺はバイトに行く為に玄関に向かった。
真夜も玄関までお見送りをしてくれた。
「いってらっしゃい」

いってらっしい のチューをしてきた。

「いってきます。」

子供の頃、バイバイのチューを良くしていた事を思い出した。
それが、今はいってらっしゃいのチューに変わった。


3時間のバイトを終えて、帰宅する。

玄関のドアを開けると、真夜はお出迎えしてくれる。
「おかえりなさい」
「ただいま」

ちょっと長めのチューをした。

「子供の頃に戻った気分になるね!」
「そうだな、懐かしく思えるな」

真夜が生姜焼きを焼いてくれて、遅めの夕食だった。
「やっぱり、真夜のご飯は美味いな!」
「うん、ありがとう!」
「直人達みたいなカップルってどうゆう感じなんだろうな?」
「私もちょっと気になる!」
「俺は彼女と遊んでも、カラオケとか行ったくらいだし。触れるとかしてないな。」
「私も遊んだりしてなかったけど、学校帰りに手を繋がれて、直ぐに離しちゃったし。」

「小さい頃からだし、真夜以外と手を繋ぐって違和感しかないんだよな。」
「うん!私も嫌で離しちゃったからね。キスしたいって言われて、無理って思って別れる事にしたし。」
「彼氏彼女のキスってハードル高いよな。幼なじみのチューの方がしっくり来るんだよなぁ。」
「キスってなると緊張するよね」
「真夜?キスしてみる?」
「えっ…やだぁ!恥ずかしいもん」
「言っみたけど、俺も恥ずかしくて無理だな」

ちょうどご飯を食べ終えて、食器を2人で下げた。
「ごちそうさまでした!今日も美味しかったぞ」

ごちそうさま、のチューをする。

「私たちって子供の時より、今の方がチューしてるよね」
「嫌か?」
「嫌なわけないじゃん!」

布団の中でも、おやすみのチューをした。

「1日何回チューしてるんだろうな?」
「え~、わかんない」
「明日数えてみるかな」
「数えてみて~!」

そして、眠りについた。

最近はチューで起こされるようになった。
「おはよ!1回目だな。」
「えっ、私は起きた時と、布団出る時と今で3回目だよ!」
「俺が寝てる時はノーカンだろ!」
「じゃあ、1回目でいいよ。」

朝ごはんを食べて、ごちそうさまのチュー
「2回目だねっ!」

学校に行く前の玄関でチュー
「3回目だな!」

学校では流石にしない。

お昼ご飯は6人で集まった。

直人の腕を優が掴んでいる。
相変わらずのラブラブカップルだ。

帰りは待ち合わせのコンビニで真夜と合流した。
道路の反対側に直人と優が居た。こっちには気付いてないが、腕を組んで歩いている。

「あれ優ちゃんだよね?」
「そうだな、腕組んでラブラブだなっ、恥ずかしくないのか?」
「絶対恥ずかしいよね。でも2人の世界なんだろうね?」
「俺らも帰るぞ!」

真夜の手を握って歩き始めた。

家に着いて、学校お疲れ様のチュー
「4回目かな?」
「だな」

ソファに座って、スマホでゲームをしている。
真夜は俺によしかかって来てSNSを見ている。
「見てぇ!この犬可愛いよ!」
「おっホントだ!」
真夜と目が合ったから、チュー
「5回目だな」

「トイレに行ってくるね」
真夜が立ち上がって、チュー
「6回目は私からね」

戻ってきて、隣に座ったからチュー
「7回目は俺からな」

ご飯支度するのに、立ち上がる時に8回目。

しばらく空いて、ご馳走様のチュー
「お粗末さまでした!9回目ね」

「先にシャワーいくね!10回目ね」
真夜が上がってきてチュー
「歯磨きしただろ!ずるい!11回目」

シャワーの、後に歯磨きした。
「裕翔も歯磨き粉の味する!12回目ね」

「そろそろ寝るか?」
「うん」

ふかふかのベッドに入ってチュー
「13回目だね。子供の頃より断然してるよね」
「直人たちカップルなら、もっとしてるよな。きっと」
「直人と優ちゃんは付き合ってるし、チューじゃなくてキスなんじゃない?」
「それもそうだな。」

「あっ、そうだ。ゴールデンウィークに涼太が温泉に行ったんだって。来月の休みに俺達も温泉いかないか?」
「えっ、行きたい!」
「よし!じゃあ行こう!」
「やったー!ありがとう!」
14回目のチュー
ラストはおやすみのチューで15回。

温泉に行くために、次の日から食費を削った。
買い食いも出来なかった日々…

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