上 下
2 / 127

引っ越し

しおりを挟む

引越しの当日は真夜母の香織さんがテキパキと指揮を取ってお昼頃にはリビングの整理がほとんど終わっていた。

「あんた達どっちの部屋か決めたの?」

真夜母が俺たちに聞いてくる。

「えっ?私は日当たりの良い部屋で朝日を浴びないと起きれないもん!こっちの部屋だよ!」

「部屋は真夜に任せるわ。俺はどっちでもいい」

「そうね。どうせ真夜のお世話になるんだから、それくらい真夜に選ばせて正解ね」

キッチンでお昼ご飯を作ってた俺の母親は息子を信用せず、生活面で真夜のお世話になるって決めつけている。
あながち間違ってないと思うけど。

「蕎麦茹でたからみんなで食べましょう!」

笑顔で真夜は俺の母親にお礼を伝える。

「裕翔ママ!ありがとう!!」

次からは真夜が料理担当になるからか?
すごく喜んで居るように見えるのは気のせいだろうか?

夕方には大方の作業が終わり、母親達は帰る準備を始めた

「真夜!裕翔の事よろしくね。」
「でもね、真夜もしっかりしてるようで、抜けてるから…ヒロトに迷惑かけると思うよ?ヒロトも真夜の事よろしくね」
「まっ、あなた達は喧嘩なんてしないでしょうから、力を合わせてがんばりなさい」

おいおい…2人とも自分の子供の事を信じてないのに2人で住まわせていいのかよ…

引越し祝いで帰ってから飲もう!なんて言いながら2人は帰宅していった。

リビングで座っていると、真夜がお茶を用意して話し掛けてきた。
「一緒に住むなんて予想してなかったけど、うけるね」
「てかさぁ、お互い彼氏、彼女出来たらめんどくさいよな。」
「私はしばらく作る気ないから平気だよ!」
「嫉妬されるのが面倒臭いんだろ?」
「うん!絶対されるじゃん!」
「俺もそう思う。考える事は一緒だな。」

お互い気を使うわけでもなく、リビングでずっと一緒にいた。


「あっ!そうだ。裕翔、役割決めようよ!」

2人で話し合って、料理担当は真夜。ごみ捨ては俺の仕事になった。ゴミくらい俺にも捨てられる!はず…

掃除は場所を決めてする事。洗濯は交代制。
ただし、主導権は真夜…

初日の夕飯はバタバタしていたので、近くのスーパーを見学がてら、お惣菜を買って食べることにした。

食べ終わると
「先にシャワー入っちゃうね~」

30分くらいでシャワーから出てきた真夜はピンクのシルクのパジャマ姿で歩いてきた。

リビングでドライヤーを掛けている間に俺もシャワーに入る事に。
「洗濯は私が明日やるから、洗濯物カゴに入れておいてね!」

洗濯物カゴを見ると、黒いブラジャーと丸まったショーツ。

下から3番目のカップくらいかと思いきや、ブラジャーのタグにはB70と書いてるからBカップだったらしい。

女の子の使用済み下着を見ても何も思わないのは幼なじみだからだと思う。

でも、見てしまうのは男の性なのでだろうな…

真夜は幼なじみを抜きに見ると、美少女タイプ。
クリっとした目で整った顔立ちをしている。これはモテて当然だと思う。

シャワーから出ると、真夜はロングヘアーを降ろして、スマホをいじっていたのだが。

「あっ、お茶でいい?」
「あっ、うん。サンキュー」

わざわざ立ち上がってお茶を入れてくれる真夜。

明日のご飯の準備や洗い物。ましてやシャワー上がりのお茶までだしてくれて、俺も頑張らなきゃ。

なんだかんだで、24時くらいまで話をしていて、規則正しい生活を送っていた真夜は眠たそうにしていて、気がつくと俺の膝を枕にして眠ってしまった。
とりあえず起こそう!

「真夜!こんな所で寝たら風邪ひくぞ!」
「むぅ~。連れて行ってぇ」

もう起きる気が無いようなので、お姫様抱っこして部屋に連れていこうと思ったんだけど…

「軽っ!」

思わず口に出してしまった。
「重いなんて言われたら明日からのご飯無くなるところだったねww」
「笑える元気があるなら、自分で歩け!」
「えっ、あ~。裕翔やさしい!カッコイイ!!」

なんかムカつく。
真夜は落ちないように俺の首に手を回してしがみついている。
俺は部屋の扉を開けると…


布団敷いてない…
「布団敷いてないやん!」
「あっ…忘れてたぁ。てへっ笑」

まだ圧縮袋に入って、ペシャンコの布団・・・・・
布団を敷かずに、化粧品や、装飾ばかりやっていたっぽい
順番違う…

「じゃあ~裕翔の布団で一緒に寝てあげる!」
「仕方ないから、一緒に寝てやるよ」

ついでに電気も消して2人で俺の布団に入った。
「一緒に寝るのって中学生ぶりじゃない??」
「そうだな!怖いテレビにビビってた以来か?」
「あれは裕翔が悪い!」

「てかさ?質問なんだけど…」
「なに??」
「なんで、俺の腕を枕にしてる??」
「じゃあ、枕貸して?」
「どうぞ!俺の腕をお使いください!!」
「うん。それでよろしい」
「高校の時に彼氏いたから、腕枕なれてるんだろ?好きなのか?」
「居たけど…一緒に寝るとかしてないし。なんなら遊んですらいなかったもん。」
「そうなの?」
「しつこいから付き合ったけど、形式上の彼氏だっただけ!そうゆう、裕翔だって腕枕してたんじゃないの?」
「俺も一緒に寝るとかしてないし…遊んではいたけど。」
「そうなんだ…意外だね!」


いつの間にか真夜は寝息をたてて、眠りについた。

(こうやって見ると可愛いんだけどな…)

俺も真夜を軽く抱き枕にして初日の夜を迎えた。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

美少女幼馴染が火照って喘いでいる

サドラ
恋愛
高校生の主人公。ある日、風でも引いてそうな幼馴染の姿を見るがその後、彼女の家から変な喘ぎ声が聞こえてくるー

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…

ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。 しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。 気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…

サザン・ホスピタル byうるかみるく

くるみあるく
恋愛
1980年代〜2000年あたりの現代沖縄、後半部はロサンゼルスを交えた舞台に展開する青春ドラマです。最初の作品発表は2005年(当時アルファポリスに外部URL登録していました)。現在、ノベルアップ+に連載している内容をこちらへ再収録します。 糸満市生まれの上間(うえま・つとむ)はアメリカ白人系クォーター。西原町へ引っ越した後も、金髪で色白な容姿を理由に同級生らからイジメの対象になってます。 ある日、勉はいじめっ子たちから万引きするよう脅迫され、近所の商店からチョコレートを盗み出そうとして店主にとがめられ、警察へ突き出されそうになります。窮地を救ったのは同級生である東風平多恵子(こちんだ・たえこ)の父親、長助でした。長助はチョコレート代金を払って勉を連れ出すと、近くの公園でサンシンを演奏しはじめます。サンシンの音色に心を動かされた勉は以後、多恵子に内緒で長助からサンシンを習い始めます。 演奏の上達とともに自分に自信をつけ始めた勉はもともと頭が良かったこともあり、席次はつねにトップ。中学では級長に選ばれるまでになりましたが、多恵子にはサンシンの件をずっと内緒にしつづけます。 人命救助に当たったことをきっかけに、勉は医者になりたいと願うように。ちょうどその頃、第二アメリカ海軍病院であるサザン・ホスピタルが優秀な人材を確保するため奨学生の募集を始めた、という情報を耳にします。母親が夜逃げするという事態が起きた後も、長助夫婦らは彼をサポートしつづけるのでした。 やがて勉は国立大学医学科に合格し、サザン・ホスピタルの奨学生として奨学金をうけながら医師国家試験の合格を目指します。一方、東風平夫妻の一人娘である多恵子は看護師として働き始めました。勉が研修医としてサザン・ホスピタルに勤め始めたのをきっかけに、多恵子もまた自らのステップアップのためサザン・ホスピタルへ転職します。 多恵子のことを今までウーマクー(わんぱく、おてんば)な幼馴染としか思っていなかった勉でしたが、同僚としての彼女は想像以上に優秀な看護師でした。やがて勉は多恵子を意識するようになりますが、天然な多恵子は全然気にする様子がありません。はてしてこの二人、どうなっていくのやら……?  沖縄那覇方言/日本語/英語を使用し、爽やかさ全開トリリンガルにお届け。

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

処理中です...