6 / 53
6話 命名
しおりを挟む
『本当にラブホに住んでて草』
『死ぬ死ぬマン、タケシって名前なんだ』
『タケシの部屋は901号室なんだ』
『死ぬ死ぬマン、個人情報緩すぎだろ!』
『橋本マリナに襲撃されそー』
『ダンジョンの外ではないっしょ』
『死ぬ死ぬマンのサブサブチャンネル、901号室固定カメラじゃん』
「はい! その通りです! サブサブチャンネルはこの部屋固定のカメラになっています!! みんな、夜中はサブサブの方を見てくださいね!! 視聴者がゼロになると死んでしまうので!!」
そう言ってからメインチャンネルの配信をドローン型カメラから据え置きカメラへと切り替える。明日に備えてドローンを充電しないとね!
俺がゴソゴソ作業していると、女グールがリビングのローテーブルに置いてあるノートパソコンを興味深く眺めていた。
「気になるのか? ソファーに座って見なよ。触ったら駄目だからな」
「ウゥ……」
ソファーを指差すと、なんとなく察したらしい。端っこにちょこんと座った。そしてノートパソコンのモニターを熱心に眺める。映っているのは勿論、【死ぬ死ぬマンチャンネル】だ。
「そういえば、名前が必要だな」
「ウゥウ……?」
「そう、名前。名付ける上で何か特徴はないかな~」
改めて女グールを見る。
髪は白く、ボサボサ。肩より少し長いくらい。顔はちょっと堀が深くて西洋人っぽい。ただ肌の色が灰色なのと、瞳が真っ赤なので人間とは明らかに違う種族と分かる。あと、時折覗く歯が滅茶苦茶鋭い。
体には襤褸切れを纏っていて体系はいまいち分からない。身長は俺より少し低いので百六十センチ後半かな。
「うーん……。名前に繋がらなぇ。もう、グルミでいい?」
『安直過ぎるだろ!!』
『もっと真剣に考えて!!』
『死ぬ死ぬマンさん! ネーミングセンス死んでる!』
『俺はいいと思うよ! グルミちゃん』
『いっそ縮めてグミは?』
『いいじゃん! グミちゃん』
本人に聞いてみるか。
「お前の名前なんだけど、グミでいい?」
「ウゥゥ!」
意外に好感触! 悩んでも仕方ないし、もうええかっ!
「じゃ、今日から彼女の名前はグミです! お菓子メーカーから案件もらえるように頑張ります!!」
『企業イメージマイナスなるだろ!』
『来るわけない! グールだぞ!?』
『グールは肉しか食わねぇよ』
『今日で一気にチャンネル登録者増えたから、あるかも!』
『グミちゃん、格好なんとかしてやれよ』
『そうだね。襤褸切れだもんね』
『風呂入れて身体洗ってやれよ』
「あれ? 人型モンスターの裸って配信するのに規制あるんでしたっけ?」
『ダンジョン配信鯖は海外で運営してるからお咎めなし』
『モンスターは動物と同じ括りだからないよ』
『テイムモンスターを虐待とかすると警察くるけどね!』
『性行為も虐待だからな! タケシ!!』
『タケシ、脱いでも大丈夫だよ!』
『タケシはすぐ脱ぐからなぁ』
「急にタケシタケシ呼ばないで! それに煽っても俺は脱がないからね!」
まぁ、ダンジョン内でモンスターの殺戮、なんなら人間同士の殺し合いを配信してもお咎めなしなんだ。裸ぐらい大した話じゃないか。
「では! これからグミをお風呂に入れまーす」
コメント欄に野郎どもの歓声が溢れた。
『死ぬ死ぬマン、タケシって名前なんだ』
『タケシの部屋は901号室なんだ』
『死ぬ死ぬマン、個人情報緩すぎだろ!』
『橋本マリナに襲撃されそー』
『ダンジョンの外ではないっしょ』
『死ぬ死ぬマンのサブサブチャンネル、901号室固定カメラじゃん』
「はい! その通りです! サブサブチャンネルはこの部屋固定のカメラになっています!! みんな、夜中はサブサブの方を見てくださいね!! 視聴者がゼロになると死んでしまうので!!」
そう言ってからメインチャンネルの配信をドローン型カメラから据え置きカメラへと切り替える。明日に備えてドローンを充電しないとね!
俺がゴソゴソ作業していると、女グールがリビングのローテーブルに置いてあるノートパソコンを興味深く眺めていた。
「気になるのか? ソファーに座って見なよ。触ったら駄目だからな」
「ウゥ……」
ソファーを指差すと、なんとなく察したらしい。端っこにちょこんと座った。そしてノートパソコンのモニターを熱心に眺める。映っているのは勿論、【死ぬ死ぬマンチャンネル】だ。
「そういえば、名前が必要だな」
「ウゥウ……?」
「そう、名前。名付ける上で何か特徴はないかな~」
改めて女グールを見る。
髪は白く、ボサボサ。肩より少し長いくらい。顔はちょっと堀が深くて西洋人っぽい。ただ肌の色が灰色なのと、瞳が真っ赤なので人間とは明らかに違う種族と分かる。あと、時折覗く歯が滅茶苦茶鋭い。
体には襤褸切れを纏っていて体系はいまいち分からない。身長は俺より少し低いので百六十センチ後半かな。
「うーん……。名前に繋がらなぇ。もう、グルミでいい?」
『安直過ぎるだろ!!』
『もっと真剣に考えて!!』
『死ぬ死ぬマンさん! ネーミングセンス死んでる!』
『俺はいいと思うよ! グルミちゃん』
『いっそ縮めてグミは?』
『いいじゃん! グミちゃん』
本人に聞いてみるか。
「お前の名前なんだけど、グミでいい?」
「ウゥゥ!」
意外に好感触! 悩んでも仕方ないし、もうええかっ!
「じゃ、今日から彼女の名前はグミです! お菓子メーカーから案件もらえるように頑張ります!!」
『企業イメージマイナスなるだろ!』
『来るわけない! グールだぞ!?』
『グールは肉しか食わねぇよ』
『今日で一気にチャンネル登録者増えたから、あるかも!』
『グミちゃん、格好なんとかしてやれよ』
『そうだね。襤褸切れだもんね』
『風呂入れて身体洗ってやれよ』
「あれ? 人型モンスターの裸って配信するのに規制あるんでしたっけ?」
『ダンジョン配信鯖は海外で運営してるからお咎めなし』
『モンスターは動物と同じ括りだからないよ』
『テイムモンスターを虐待とかすると警察くるけどね!』
『性行為も虐待だからな! タケシ!!』
『タケシ、脱いでも大丈夫だよ!』
『タケシはすぐ脱ぐからなぁ』
「急にタケシタケシ呼ばないで! それに煽っても俺は脱がないからね!」
まぁ、ダンジョン内でモンスターの殺戮、なんなら人間同士の殺し合いを配信してもお咎めなしなんだ。裸ぐらい大した話じゃないか。
「では! これからグミをお風呂に入れまーす」
コメント欄に野郎どもの歓声が溢れた。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ネカマ姫のチート転生譚
八虚空
ファンタジー
朝、起きたら女になってた。チートも貰ったけど、大器晩成すぎて先に寿命が来るわ!
何より、ちゃんと異世界に送ってくれよ。現代社会でチート転生者とか浮くだろ!
くそ、仕方ない。せめて道連れを増やして護身を完成させねば(使命感
※Vtuber活動が作中に結構な割合で出ます
強制的にダンジョンに閉じ込められ配信を始めた俺、吸血鬼に進化するがエロい衝動を抑えきれない
ぐうのすけ
ファンタジー
朝起きると美人予言者が俺を訪ねて来る。
「どうも、予言者です。あなたがダンジョンで配信をしないと日本人の半分近くが死にます。さあ、行きましょう」
そして俺は黒服マッチョに両脇を抱えられて黒塗りの車に乗せられ、日本に1つしかないダンジョンに移動する。
『ダンジョン配信の義務さえ果たせばハーレムをお約束します』
『ダンジョン配信の義務さえ果たせば一生お金の心配はいりません』
「いや、それより自由をください!!」
俺は進化して力を手に入れるが、その力にはトラップがあった。
「吸血鬼、だと!バンパイア=エロだと相場は決まっている!」
身バレしないように奴隷少女を買ってダンジョン配信させるが全部バレて俺がバズる
ぐうのすけ
ファンタジー
呪いを受けて冒険者を休業した俺は閃いた。
安い少女奴隷を購入し冒険者としてダンジョンに送り込みその様子を配信する。
そう、数年で美女になるであろう奴隷は配信で人気が出るはずだ。
もしそうならなくともダンジョンで魔物を狩らせれば稼ぎになる。
俺は偽装の仮面を持っている。
この魔道具があれば顔の認識を阻害し更に女の声に変える事が出来る。
身バレ対策しつつ収入を得られる。
だが現実は違った。
「ご主人様は男の人の匂いがします」
「こいつ面倒見良すぎじゃねwwwお母さんかよwwww」
俺の性別がバレ、身バレし、更には俺が金に困っていない事もバレて元英雄な事もバレた。
面倒見が良いためお母さんと呼ばれてネタにされるようになった。
おかしい、俺はそこまで配信していないのに奴隷より登録者数が伸びている。
思っていたのと違う!
俺の計画は破綻しバズっていく。
頭が花畑の女と言われたので、その通り花畑に住むことにしました。
音爽(ネソウ)
ファンタジー
見た目だけはユルフワ女子のハウラナ・ゼベール王女。
その容姿のせいで誤解され、男達には尻軽の都合の良い女と見られ、婦女子たちに嫌われていた。
16歳になったハウラナは大帝国ダネスゲート皇帝の末席側室として娶られた、体の良い人質だった。
後宮内で弱小国の王女は冷遇を受けるが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる