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02.「うわ、マジでただの穴じゃん。種捨てる穴」
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俺を避けさせるために、セラピスト番号が「330」だっての教えたのが逆にダメだった。
店長や他のバイトにあだ名されてる「みさお」で覚えるよう言ったのもダメだった。
「操くんヤッホー♡」
って壁の向こうから掛かった声に、すぐにヤツだと分かったのだから嫌になる。
「……なんでだよ」
って思わず唸ったけど、俺からヤツは見えないし、ヤツからも俺のケツとちんちんとタマしか見えないでいる。
壁尻の上にプロフィールカードがあって、そこに雰囲気分かる写真も貼られてはいるけどさ。
でもまあ、客だから仕方ない。
料金分のプレイはするしかない。
といっても今さらだし、消化試合みたいなもん。
尻を揉まれながら、
「うわ、マジでただの穴じゃん。種捨てる穴」
笑うようにそんなこというヤツに、
「ごっ……ゴムはしろよ? 俺が通報したら店の人らに奥連れてかれるからな?」
念押しすると、ハイハイって言いながらゴム着けてる気配がした。
なんか変な感じだ。
本当にヤること自体は今さらなのに、身内とセックスするような(したことないけど)そんなソワソワ感がある。
面と向かってヤッてた時はそんなこと露ほど感じなかったのに、久々だからだろうか?
高校の時フツーの接客バイトやってた時に、バイト先に客として親が来たことあったけど、あんなソワソワかな?
ローションのついた指が入ってくる感覚に、ソワッとしながら息を詰める。
ちんちんピクピクまでしてくるのに戸惑って、気を逸らす。
「今日何人目?」
「接客とかしないんで、あんまり話しかけないでくれる?」
「まあまあ、世間話じゃん」
「――3人目」
「へ~、感じなくてもトロトロになって来るもんだな」
言いながら手マンしてくる指の動き、エロかった。
セフレでヤッてた時も最初は手マンとかフェラとかアナ舐めとかして来たけど、俺が本当に反応しないのに諦められたのか次第に慣らすだけの「作業」で終わってほぼ即ハメになってった。
「アー、でもちんこ勃って来てんじゃん」
言われ、「エッ?」て声出かけたの口を押さえた。
不感症だし不能だけど、まあ状況によっては勃つこともある。
中折れしちゃうし射精しないだけ。
だけどコイツに手マンされて勃つとは思わなかった。
多少ちんピクするとは思ってたけど、俺の気まぐれな身体の生理だ。
硬くなって来たちんちん舐められて、変な汗が出る。
不感症なの嫌ってほど分かってるのに、
これ以上勃ったらどうしよう?
とか思ってる俺がいる。
こいつのフェラは上手いんだと思う。
というかハメやすいよう腰の位置にある俺のちんちん舐めてるってことは、コイツが床に膝をついてしゃぶりついてるってこと。
キモオジとかチー牛ぽいのがヤッても「必死だなw」くらいにしか思わないのに、イケメンがそれするのはちょっと……ちょっとだけ興奮する俺が居る。
いつもなら客の顔とか意識することとかないから余計に。
「操くんにベロチューしたい、オプションとか無いの?」
「ない」
顔バレの危険がありそうなオプションはないから、基本的に俺らは壁の穴に顔を近づけることはない。
セラピスト側からのフェラとかもない。
チェッと残念そうな声がして、
「じゃあこっちにベロチューしよ♡」
ヤツは言いながら、俺のケツ穴にベロ突っ込んで舐め回して来る。
ビクッてしちゃったのは不覚。
他のブースから漏れ聞こえて来るセラピストたちの喘ぎ声を聞きながら、尻にかかるヤツの息が荒い。
「なんかすごい興奮するな、このシチュエーション」
ヤツが言うシチュエーションが壁尻という非日常で人格を無視した穴を使い性処理することなのか、既セクとはいえ知り合いが壁尻になってる状況のことなのか。
ケツにベロ突っ込まれたり、アナルにブチュブチュと下品な音を立てるキスされたり、啜られるよう唇を擦り付けられながら、俺のケツ穴はムズムズする。
何この感じ。
恥ずかしい……とか今さら。
だけど、だけど――。
「――ぅ、ん……」
喉の奥で出かけた吐息を、喉の不調のよう鳴らして誤魔化す。
何いまの……って思ってる間に、息を詰めてる自分に気づく。
俺、興奮してる?
このシチュエーションに興奮?
「はぁ……ッ」
乱れそうになる吐息を殺し誤魔化して、だけど手マンされながら尻の膨らみ舐められたら――鳥肌が立った。
「わ、どーした?」
鳥肌立ったのは誤魔化しようもなくて、気づかれる。
「しっ、しつこいから、くすぐったいんだよ、バカ」
知り合いとはいえ客に「バカ」と言ったことを笑われる。
だけどそうして何気なく笑われることにすら、また羞恥してる俺がいる。
「くすぐったい感覚あるなら可能性あるんじゃない?」
言われ、
「な……訳……ッッ」
反論しかけて、またぞわぞわッと肌が粟立った。
「ケツがキュッてなったよ、操」
言われ、顔が熱くなるのに暴れ出したくなった。
俺のケツは最初から今まで愛想のかけらもない性感死んでるただの穴で。
当時の彼氏にガッカリされた顔、今でも忘れない。
今さらどんなシチュでも……、
「――~~ッッ♡ ッ♡ ッ♡ ッぅ……」
堪えきれなかった声がちょっとだけ漏れちゃって、
「操くん?」
呼ばれたことに一気にたまらない衝動が押し寄せた。
ものすごい羞恥と、暴れ出したくなるような居た堪れなさ。
情緒的にはこのまま続行不可能!
って震えてるのに、軽く傾斜のついた尻の角度で客から容易に逃げられない。
そしてそのまま、
「ちんぽ挿れるよ」
興奮したような声が聞こえて、
気づかれてる!
って思ったら、
「やっ……ヤダ、まって、いまダメ……だめ……ッ♡」
パニックするよう小さな声出たの泣き声みたいに情けなくって、こんなの変なのに、ケツ穴はキュンキュンと収縮してる。
「マジで?」
彼の声と同じこと、俺も思ってた。
そうして無感情なオナホでしか無かった俺のケツ穴に――アイツの太マラの先っぽがぐぬぬぅ~~って埋められてく。
そのちんぽの形も大きさも覚えてる。
遊び過ぎて黒く灼けたちんぽはグロテスクなほど凶悪な形してる。
カリの立ち上がりとか、ナカ太に張り出した血管バキバキのサオとか、ガン勃ちするとやや右寄りに上反る角度とか。
見えないのに思い出すだけで、
今からソレに犯される!
って剥奪感に暴れ逃げ出したくなる。
だけど逃げることなんて出来なくて、胸の下に敷いていたクッションに抱きつきながらも、腰を反らすような角度のまま――、
「アっ! ぁぁあ……ッああああぁぁ~!!」
声が絶望感に満ちた声は止められなかった。
「ッあ~、すげぇ、感じてんじゃん」
繋がった男の声が腹まで響いて来るみたいで、俺は身悶えながら両手で口を押さえる。
やだ、やだ、やだ、やだ、やだッ!!
今さらコイツの前で痴態を晒すとか、感じたりイッたり、そんなの耐えられない!!
つか、まってよ、待ってまってまって……何これ、やだヤダやだヤダ……ケツをそんなふうに擦るな!!
浅いとこしつこくピストンしてくんのなんなの!?
待って…まって、まって……このままじゃ俺……おれ、
「ッあ“ぁ~♡ あ“ぁ~♡ ッあ"あ"あああああ……ッん♡」
声堪えきれなくて、緩んだ口からだらしない悲鳴みたいに止まらない。
涎が垂れて、クッションにシミを作る。
身体中がジワリと汗を浮かべるみたいにして、熱くなったそばからゾクゾク♡ と冷たい震えが来る。
「なんか変ッ! なんか変らからぁ! 待って♡ 待って♡ ギブ! ギブ! 止まって! 待って! ~~ッッ♡ ……~~っオ“♡ お"ぉ……ンッ♡ っあ♡ っあ♡ っあ♡ ぁあ"♡ ぁあ"♡ ぁあ"♡ ぁあ"んッ♡ あ"んッ♡ あ"んッ♡ あ"あ"あ"あああああんッ♡♡♡」
途中で店長が覗きに来たのは分かったけど、俺はそれどころじゃなく喘ぎまくって悶えてた。
完全に不感症でお手上げだって思われてたキャストが、初めて客に喘がされているのに驚いたのだろう。
近くまで入ってきて、しゃがみ込み、
「操、大丈夫か?」
声までかけて来たのは、薬物でも使われたのではないかと思ったかららしい。
「らぃじょぶ♡ ちんぽじゅごいの♡ こんなのはじめてらよっ♡」
呂律の回ってない俺の言葉にますます眉間と目つきを鋭くした店長だったけど、
「じゃましないれよ、てんちょー♡ おれ、コイツのちんぽせらぴーしなきゃ♡」
俺と店長のやりとりに気づいたのか、ピストンはぴたりと止まった。
はぁ♡ はぁ♡ と息を乱す俺を見下ろし、
「問題ない?」
ともう一度囁いた店長に、涎を垂らした俺がうなずくと、
「それは失礼」
店長はそれだけ言って出ていく。
「オマエ、不感症治ってんじゃん」
ヤツは俺のケツ穴をより露出させるよう、両手で尻肉掴んで押し上げるテンションかけ言うと、ケツハメされてる結合部に注がれる視線にまで刺激されるよう切ないのが込み上げてくる。
あ――ダメ……おれ、見られてる♡
生まれて初めてまんこにされてんの、アイツに見られてる。
アイツの前でメスにされちゃう……。
そんなのダメ……ずっとセックスなんで大したことないって、あんなのに溺れるヤツら心のどこかでバカにしてたのに――バカになっちゃう……おれ、バカになっちゃう♡
バカになっちゃうよおぉ♡
「ばかになっちゃう♡ ぜんりつしぇんおきて♡ まんこになるぅ♡ だめ、こんなの……らめッ♡ ちんぽスキになっちゃう♡」
いくら擦っても押しても振動を与えても俺に快感を与えることの無かった前立腺が、押され擦られるたびに脳までビリビリしびれさす♡
気づけば射精していて、客側の壁や床に伝い落ちてるのだろう。
ケツ掘られて強制射精させられるの、無様としか言いようがないのに気持ち良すぎて脳が考えることを放棄する。
しゃせーってこんな気持ち良かったっけ?
ちんちんってこんなに熱くなったっけ?
ケツってこんなぐちゃぐちゃにされて気持ち良くなったっけ?
四つん這いになる時のよう腕を突っ張って仰け反りイク♡
「いッ――イッた!! イッた♡ イッたからあぁ~♡♡♡ いきなりこんなしゅごいのうけとめきぇなぃかりゃぁぁあああああ!!」
およそ2年分のセックスの快感が今頃になって全部襲って来てるんじゃないか?
ってくらい容赦ないアクメに精神がもたなかったのだろう、呂律が回らないだけじゃなく、子どものように泣きじゃくりだした俺に、壁の向こうで続けられていた高速ピストンが止まる。
嗚咽のような喘ぎをヒクヒクと漏らし震える俺に、
「やっぱかわいいな、操。オマエの喘ぐ声も、ちんぽに媚びるまんこも最ッ高♡」
メス扱いで女性器って言われんのたまんなく、顔どころか頭までカッと血が昇りクラクラする。
「好きになっちゃう♡ ちんぽ好きになっちゃう♡ こんなの……俺じゃないぃ……!!」
「ハ? 今さら? 不感症のくせにあんな美味そうにちんぽしゃぶりついてた口で、今さらそれ言う? オマエはずっとちんぽ好きなメスだよ――……ッ♡ と、図星さされてメスイキとか、ヤバいよオマエ。脳イキできんじゃん? 操くん可愛ぃ~♡」
悔しいのに、泣いてるのに、もう既に涙でぐちゃぐちゃなのに、ちんぽに敗北した俺に言い返せるような言葉は何もない。
「ちんぽやめないでぇ~♡ もっと♡ もっとちんぽしてぇ~♡ いっぱいちんぽジュボジュボしてよぉ~♡」
ちん媚びにピストンが再開されると、口からあふれるのは喘ぎと悲鳴と咽びだけ。
覚束なくなってた口調はとうとうヒトの言葉を失い、メスイキが連続して終わらない♡♡♡
更に奥まで擦られて、ケツん中ちんぽに媚びる♡
バチュン♡ バチュン♡ バチュン♡ バチュン♡ バチュン♡ バチュン♡ バチュン♡ バチュン♡ バチュン♡ バチュン♡ バチュン♡ バチュン♡
突き込まれるのと、奥をグリグリ♡ 擦られるのを繰り返される。
プレイ終了2分前のピー音がして、
「時間終わっちゃうよぉ♡ イッて♡ ちんぽイッて♡ ちんぽイッて♡ 俺のまんこでしゃせーして♡」
身動きしにくい状態で、それでも腰をカクカク揺らしながらねだると、壁に手を突き壁尻に向かいひたすらピストンし始めたのだろう。
射精目掛け雄の本能のままめちゃめちゃに突き込まれるちんぽに、俺はアヘ声しか出せなくなるほどの強アクメに痙攣イキしかできない。
ケツの中でドクドクドクッ♥ と脈打ったちんぽが、ゴムの中にいっぱい♡
射精♡♡♡ してる♡♡♡
しかしその直後にプレイタイムの終了を告げるブザーが鳴って、カーテンが開かれた。
プレイの時間は一定で、時間になったら客たちは一斉に移動する。
使い終わったちんぽからゴムを外して、端を縛ったのをブース内のクズ入れに丸めたティッシュと一緒に捨ててから、ボーイに渡されたおしぼりでちんぽ周りを拭いてから出ていく。
「またね」
ヤツは言って、俺の尻を撫でてから出て行った。
出口方向へ向かって客は一方通行に歩いていくから、ここより奥のブースの客からは俺の使用済まんこが晒されたまま。
太くてデカいちんぽに使われて、ぽっかり開いたまんこ穴が後イキしながら名残惜しそうにパクパクしてるの見られてる♡
その日はそれでシフトを上がったけど、店長からは色々詰められた。
自分でも何で急にあんなことになったのか分からなかったし、客の素性も知れてたからおかしなことをするヤツではないって弁明しておいた。
店長や他のバイトにあだ名されてる「みさお」で覚えるよう言ったのもダメだった。
「操くんヤッホー♡」
って壁の向こうから掛かった声に、すぐにヤツだと分かったのだから嫌になる。
「……なんでだよ」
って思わず唸ったけど、俺からヤツは見えないし、ヤツからも俺のケツとちんちんとタマしか見えないでいる。
壁尻の上にプロフィールカードがあって、そこに雰囲気分かる写真も貼られてはいるけどさ。
でもまあ、客だから仕方ない。
料金分のプレイはするしかない。
といっても今さらだし、消化試合みたいなもん。
尻を揉まれながら、
「うわ、マジでただの穴じゃん。種捨てる穴」
笑うようにそんなこというヤツに、
「ごっ……ゴムはしろよ? 俺が通報したら店の人らに奥連れてかれるからな?」
念押しすると、ハイハイって言いながらゴム着けてる気配がした。
なんか変な感じだ。
本当にヤること自体は今さらなのに、身内とセックスするような(したことないけど)そんなソワソワ感がある。
面と向かってヤッてた時はそんなこと露ほど感じなかったのに、久々だからだろうか?
高校の時フツーの接客バイトやってた時に、バイト先に客として親が来たことあったけど、あんなソワソワかな?
ローションのついた指が入ってくる感覚に、ソワッとしながら息を詰める。
ちんちんピクピクまでしてくるのに戸惑って、気を逸らす。
「今日何人目?」
「接客とかしないんで、あんまり話しかけないでくれる?」
「まあまあ、世間話じゃん」
「――3人目」
「へ~、感じなくてもトロトロになって来るもんだな」
言いながら手マンしてくる指の動き、エロかった。
セフレでヤッてた時も最初は手マンとかフェラとかアナ舐めとかして来たけど、俺が本当に反応しないのに諦められたのか次第に慣らすだけの「作業」で終わってほぼ即ハメになってった。
「アー、でもちんこ勃って来てんじゃん」
言われ、「エッ?」て声出かけたの口を押さえた。
不感症だし不能だけど、まあ状況によっては勃つこともある。
中折れしちゃうし射精しないだけ。
だけどコイツに手マンされて勃つとは思わなかった。
多少ちんピクするとは思ってたけど、俺の気まぐれな身体の生理だ。
硬くなって来たちんちん舐められて、変な汗が出る。
不感症なの嫌ってほど分かってるのに、
これ以上勃ったらどうしよう?
とか思ってる俺がいる。
こいつのフェラは上手いんだと思う。
というかハメやすいよう腰の位置にある俺のちんちん舐めてるってことは、コイツが床に膝をついてしゃぶりついてるってこと。
キモオジとかチー牛ぽいのがヤッても「必死だなw」くらいにしか思わないのに、イケメンがそれするのはちょっと……ちょっとだけ興奮する俺が居る。
いつもなら客の顔とか意識することとかないから余計に。
「操くんにベロチューしたい、オプションとか無いの?」
「ない」
顔バレの危険がありそうなオプションはないから、基本的に俺らは壁の穴に顔を近づけることはない。
セラピスト側からのフェラとかもない。
チェッと残念そうな声がして、
「じゃあこっちにベロチューしよ♡」
ヤツは言いながら、俺のケツ穴にベロ突っ込んで舐め回して来る。
ビクッてしちゃったのは不覚。
他のブースから漏れ聞こえて来るセラピストたちの喘ぎ声を聞きながら、尻にかかるヤツの息が荒い。
「なんかすごい興奮するな、このシチュエーション」
ヤツが言うシチュエーションが壁尻という非日常で人格を無視した穴を使い性処理することなのか、既セクとはいえ知り合いが壁尻になってる状況のことなのか。
ケツにベロ突っ込まれたり、アナルにブチュブチュと下品な音を立てるキスされたり、啜られるよう唇を擦り付けられながら、俺のケツ穴はムズムズする。
何この感じ。
恥ずかしい……とか今さら。
だけど、だけど――。
「――ぅ、ん……」
喉の奥で出かけた吐息を、喉の不調のよう鳴らして誤魔化す。
何いまの……って思ってる間に、息を詰めてる自分に気づく。
俺、興奮してる?
このシチュエーションに興奮?
「はぁ……ッ」
乱れそうになる吐息を殺し誤魔化して、だけど手マンされながら尻の膨らみ舐められたら――鳥肌が立った。
「わ、どーした?」
鳥肌立ったのは誤魔化しようもなくて、気づかれる。
「しっ、しつこいから、くすぐったいんだよ、バカ」
知り合いとはいえ客に「バカ」と言ったことを笑われる。
だけどそうして何気なく笑われることにすら、また羞恥してる俺がいる。
「くすぐったい感覚あるなら可能性あるんじゃない?」
言われ、
「な……訳……ッッ」
反論しかけて、またぞわぞわッと肌が粟立った。
「ケツがキュッてなったよ、操」
言われ、顔が熱くなるのに暴れ出したくなった。
俺のケツは最初から今まで愛想のかけらもない性感死んでるただの穴で。
当時の彼氏にガッカリされた顔、今でも忘れない。
今さらどんなシチュでも……、
「――~~ッッ♡ ッ♡ ッ♡ ッぅ……」
堪えきれなかった声がちょっとだけ漏れちゃって、
「操くん?」
呼ばれたことに一気にたまらない衝動が押し寄せた。
ものすごい羞恥と、暴れ出したくなるような居た堪れなさ。
情緒的にはこのまま続行不可能!
って震えてるのに、軽く傾斜のついた尻の角度で客から容易に逃げられない。
そしてそのまま、
「ちんぽ挿れるよ」
興奮したような声が聞こえて、
気づかれてる!
って思ったら、
「やっ……ヤダ、まって、いまダメ……だめ……ッ♡」
パニックするよう小さな声出たの泣き声みたいに情けなくって、こんなの変なのに、ケツ穴はキュンキュンと収縮してる。
「マジで?」
彼の声と同じこと、俺も思ってた。
そうして無感情なオナホでしか無かった俺のケツ穴に――アイツの太マラの先っぽがぐぬぬぅ~~って埋められてく。
そのちんぽの形も大きさも覚えてる。
遊び過ぎて黒く灼けたちんぽはグロテスクなほど凶悪な形してる。
カリの立ち上がりとか、ナカ太に張り出した血管バキバキのサオとか、ガン勃ちするとやや右寄りに上反る角度とか。
見えないのに思い出すだけで、
今からソレに犯される!
って剥奪感に暴れ逃げ出したくなる。
だけど逃げることなんて出来なくて、胸の下に敷いていたクッションに抱きつきながらも、腰を反らすような角度のまま――、
「アっ! ぁぁあ……ッああああぁぁ~!!」
声が絶望感に満ちた声は止められなかった。
「ッあ~、すげぇ、感じてんじゃん」
繋がった男の声が腹まで響いて来るみたいで、俺は身悶えながら両手で口を押さえる。
やだ、やだ、やだ、やだ、やだッ!!
今さらコイツの前で痴態を晒すとか、感じたりイッたり、そんなの耐えられない!!
つか、まってよ、待ってまってまって……何これ、やだヤダやだヤダ……ケツをそんなふうに擦るな!!
浅いとこしつこくピストンしてくんのなんなの!?
待って…まって、まって……このままじゃ俺……おれ、
「ッあ“ぁ~♡ あ“ぁ~♡ ッあ"あ"あああああ……ッん♡」
声堪えきれなくて、緩んだ口からだらしない悲鳴みたいに止まらない。
涎が垂れて、クッションにシミを作る。
身体中がジワリと汗を浮かべるみたいにして、熱くなったそばからゾクゾク♡ と冷たい震えが来る。
「なんか変ッ! なんか変らからぁ! 待って♡ 待って♡ ギブ! ギブ! 止まって! 待って! ~~ッッ♡ ……~~っオ“♡ お"ぉ……ンッ♡ っあ♡ っあ♡ っあ♡ ぁあ"♡ ぁあ"♡ ぁあ"♡ ぁあ"んッ♡ あ"んッ♡ あ"んッ♡ あ"あ"あ"あああああんッ♡♡♡」
途中で店長が覗きに来たのは分かったけど、俺はそれどころじゃなく喘ぎまくって悶えてた。
完全に不感症でお手上げだって思われてたキャストが、初めて客に喘がされているのに驚いたのだろう。
近くまで入ってきて、しゃがみ込み、
「操、大丈夫か?」
声までかけて来たのは、薬物でも使われたのではないかと思ったかららしい。
「らぃじょぶ♡ ちんぽじゅごいの♡ こんなのはじめてらよっ♡」
呂律の回ってない俺の言葉にますます眉間と目つきを鋭くした店長だったけど、
「じゃましないれよ、てんちょー♡ おれ、コイツのちんぽせらぴーしなきゃ♡」
俺と店長のやりとりに気づいたのか、ピストンはぴたりと止まった。
はぁ♡ はぁ♡ と息を乱す俺を見下ろし、
「問題ない?」
ともう一度囁いた店長に、涎を垂らした俺がうなずくと、
「それは失礼」
店長はそれだけ言って出ていく。
「オマエ、不感症治ってんじゃん」
ヤツは俺のケツ穴をより露出させるよう、両手で尻肉掴んで押し上げるテンションかけ言うと、ケツハメされてる結合部に注がれる視線にまで刺激されるよう切ないのが込み上げてくる。
あ――ダメ……おれ、見られてる♡
生まれて初めてまんこにされてんの、アイツに見られてる。
アイツの前でメスにされちゃう……。
そんなのダメ……ずっとセックスなんで大したことないって、あんなのに溺れるヤツら心のどこかでバカにしてたのに――バカになっちゃう……おれ、バカになっちゃう♡
バカになっちゃうよおぉ♡
「ばかになっちゃう♡ ぜんりつしぇんおきて♡ まんこになるぅ♡ だめ、こんなの……らめッ♡ ちんぽスキになっちゃう♡」
いくら擦っても押しても振動を与えても俺に快感を与えることの無かった前立腺が、押され擦られるたびに脳までビリビリしびれさす♡
気づけば射精していて、客側の壁や床に伝い落ちてるのだろう。
ケツ掘られて強制射精させられるの、無様としか言いようがないのに気持ち良すぎて脳が考えることを放棄する。
しゃせーってこんな気持ち良かったっけ?
ちんちんってこんなに熱くなったっけ?
ケツってこんなぐちゃぐちゃにされて気持ち良くなったっけ?
四つん這いになる時のよう腕を突っ張って仰け反りイク♡
「いッ――イッた!! イッた♡ イッたからあぁ~♡♡♡ いきなりこんなしゅごいのうけとめきぇなぃかりゃぁぁあああああ!!」
およそ2年分のセックスの快感が今頃になって全部襲って来てるんじゃないか?
ってくらい容赦ないアクメに精神がもたなかったのだろう、呂律が回らないだけじゃなく、子どものように泣きじゃくりだした俺に、壁の向こうで続けられていた高速ピストンが止まる。
嗚咽のような喘ぎをヒクヒクと漏らし震える俺に、
「やっぱかわいいな、操。オマエの喘ぐ声も、ちんぽに媚びるまんこも最ッ高♡」
メス扱いで女性器って言われんのたまんなく、顔どころか頭までカッと血が昇りクラクラする。
「好きになっちゃう♡ ちんぽ好きになっちゃう♡ こんなの……俺じゃないぃ……!!」
「ハ? 今さら? 不感症のくせにあんな美味そうにちんぽしゃぶりついてた口で、今さらそれ言う? オマエはずっとちんぽ好きなメスだよ――……ッ♡ と、図星さされてメスイキとか、ヤバいよオマエ。脳イキできんじゃん? 操くん可愛ぃ~♡」
悔しいのに、泣いてるのに、もう既に涙でぐちゃぐちゃなのに、ちんぽに敗北した俺に言い返せるような言葉は何もない。
「ちんぽやめないでぇ~♡ もっと♡ もっとちんぽしてぇ~♡ いっぱいちんぽジュボジュボしてよぉ~♡」
ちん媚びにピストンが再開されると、口からあふれるのは喘ぎと悲鳴と咽びだけ。
覚束なくなってた口調はとうとうヒトの言葉を失い、メスイキが連続して終わらない♡♡♡
更に奥まで擦られて、ケツん中ちんぽに媚びる♡
バチュン♡ バチュン♡ バチュン♡ バチュン♡ バチュン♡ バチュン♡ バチュン♡ バチュン♡ バチュン♡ バチュン♡ バチュン♡ バチュン♡
突き込まれるのと、奥をグリグリ♡ 擦られるのを繰り返される。
プレイ終了2分前のピー音がして、
「時間終わっちゃうよぉ♡ イッて♡ ちんぽイッて♡ ちんぽイッて♡ 俺のまんこでしゃせーして♡」
身動きしにくい状態で、それでも腰をカクカク揺らしながらねだると、壁に手を突き壁尻に向かいひたすらピストンし始めたのだろう。
射精目掛け雄の本能のままめちゃめちゃに突き込まれるちんぽに、俺はアヘ声しか出せなくなるほどの強アクメに痙攣イキしかできない。
ケツの中でドクドクドクッ♥ と脈打ったちんぽが、ゴムの中にいっぱい♡
射精♡♡♡ してる♡♡♡
しかしその直後にプレイタイムの終了を告げるブザーが鳴って、カーテンが開かれた。
プレイの時間は一定で、時間になったら客たちは一斉に移動する。
使い終わったちんぽからゴムを外して、端を縛ったのをブース内のクズ入れに丸めたティッシュと一緒に捨ててから、ボーイに渡されたおしぼりでちんぽ周りを拭いてから出ていく。
「またね」
ヤツは言って、俺の尻を撫でてから出て行った。
出口方向へ向かって客は一方通行に歩いていくから、ここより奥のブースの客からは俺の使用済まんこが晒されたまま。
太くてデカいちんぽに使われて、ぽっかり開いたまんこ穴が後イキしながら名残惜しそうにパクパクしてるの見られてる♡
その日はそれでシフトを上がったけど、店長からは色々詰められた。
自分でも何で急にあんなことになったのか分からなかったし、客の素性も知れてたからおかしなことをするヤツではないって弁明しておいた。
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アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。
それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。
救済のために神は神官を抱くのか。
それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。
神×神官の許された神秘的な夜の話。
※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。
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