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01.グループメンバーの飛とのセッxスは運営(事務所)からの命令だった。
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グループメンバーの飛とのセックスは運営(事務所)からの命令だった。
俺とアスとは訓練生時代からずっと一緒な同期。
1年前に出会った時は年上のお兄さんって思ってたけど、1年間の研修生活の中で年齢差とかとっぱらったずっと身近な存在になっていた。
そして訓練生時代から歌もダンスも飛び抜けて上手いアスは、きっとセンターを張れるって誰もが思ってた。
俺たちが入れられたグループは、いわゆる『男の娘』ってコンセプトの『女装男子アイドルグループ』。
初めてそれを言われた時は俺ら2人とも固まってしまったけど、結局運営命令には逆らえなかった。
だって俺らがデビューを断ったら、他の誰かがそのポジションを奪うだけだ。
最初は地下からの活動だし、推してくれるオタク(ファン)さえついてくれればこんなコンセプトガチ盛りな色モノグループではなく真っ当なアイドルとして運営からも推してもらえる望みをかけて、俺もアスもワンピースを着てウィッグを被りパフォーマンスすることになった。
衣装のワンピはレースのついたフリフリなやつじゃなくて、割と制服っぽいやつ。
メンバー7人が全員同じデザインという訳ではなく、ちょっとずつデザインコンセプトを変えた衣装。
地下アイドルにしては衣装に凝ってもらってるのは、元々ファッションデザイナーを目指し勉強していた過去のある社長の趣味。
スカートの丈はそこまで短くないけど、割と激し目なダンスパートもあるからショートレギンスをインナーに穿いてる。
俺はグループの中でもダンスうまくなくて、変声期に差し掛かった声出にくいせいもあって歌もボチボチで、落ちこぼれ気味だけど愛嬌はあるメンバーって位置付けになってる。
アスの方は女の子のカッコしてても美人って感じで、オーラバリバリで一軍男子の雰囲気消えてない。
どっちもウィッグしてるけどアスは黒髪ストレートのロングで、俺はふわふわとしたミルクティー色のボブって感じ。
徹底的に教え込まれたメイクも、アスのはキリッとしてるんだよね。カッコいい。
俺の方は色も質感もほんわかしてる。
俺らメンカラーみたいのはないんだけど、リップの色は指定されてたりする。
俺さ、初めて衣装とメイクフル装備したアスを見たとき、すげぇドキドキしちゃったんだよね。
ちょっとキツそうで強そうな女子。
だけど圧倒的に美女。
こんな女の子本当にいたら、絶対叶わないって分かってても好きになってたんじゃないかな? って。
しかもステージ上でパフォーマンスしたら迫力あるしカッコいいし、そばで振り付け忘れるくらい見惚れた。
そのまま歌詞までトんで、気づいたアスに睨まれたら目眩した。
ステージ降りてからもアスに叱られたし、居残りレッスンでスパルタ指導もされた。
そんな飛と「セックスしなさい」とマネージャーから言われた。
運営(事務所)命令らしい。
俺らはまたしても固まった。
「セックス」って単語のセンセーショナルさと、「俺たちが?」っていう訳のわからなさ。
そりゃ俺たちは女のカッコしてステージに上がってはいるが、中身は2人とも男だ。
アスは17歳の高校2年生。
俺は14歳の中学2年生。
アスはどうだか知らないが、俺は女の子とも経験のない童貞。
当然彼女も居ないし、そもそもアイドルやってる間は『恋愛禁止』って言われてるはず!
元々俺とアスはセット売りされるようなこと多かった。
一軍男子と憎めない落ちこぼれ男子みたいな2人なのに、何故かセット推ししてくるオタクも一定数いたっぽい。
むしろアス推しオタクはともかく、俺推しオタクはほぼセット推しオタだ。
男も女もそんな感じ。
だから絡みも多くて、BL営業? みたいなこともさせられてはいた。
『BL営業』ってのは、ボーイズラブって言われる男同士の恋愛モノジャンルみたいな雰囲気を、思わせぶりに距離近くしたりボディタッチしたり、時には頬や額に軽いキスなんかをして盛り上げちゃうやつ。
俺よりアスのがそういうの手慣れてるっていうか、触れて来るのもキスするのもいっつもアスの方。
女の子のカッコしてても『王子さま』ってイメージで、ほんとサマになってるのすげぇ。
女装してるのにボーイズラブなのも謎だけど、女装してるからこそ百合(こっちは女の子同士の恋愛モノだ)ぽさも摂取できて2倍美味しいのだという。
男の娘姿で俺の手を取り指先にキスするアスに俺もドキッとしちゃったり顔熱くなっちゃうことあるけど、そんな情緒なんて吹っ飛ばす勢いで黄色い声とか聞こえて来る。
もちろん俺たちが恋愛関係な訳は無いし恋愛感情すらないんだけど、周りにそういテイで見られるってコンセプトが重要らしい。
だから俺とアスが一緒に写ったブロマイドはよく売れるし、俺とアスのアクスタなんかもセットで買われてく。
それは分かるけど、だからってどうして俺とアスがセックスしなきゃなんないの!?
「俺も飛もサオはあるけど穴はないよ!! どうしろって言うの!?」
ってあわあわする俺に、
「穴はあるけどな」
割と落ち着いたままアスは言った。
言われて、
「あ……、ああ」
穴の正体に気づく。
男同士のセックスはちんちんとアナルでするってことくらい、俺も知ってたわ。そう言えば。
「BLとは?」
って首を傾げた俺に、マネージャーからBLマンガが渡されたし。
中には結構どギツいセックスシーンもあって、
「これ14歳でも読んで良いやつ!?」
って慌てたけど、それどころかセックス自体をヤれって言われることになるとは!!
アスもあのBLマンガを読んだんだろうか?
BLマンガには大抵の場合『攻め』と『受け』というのがあって、端的に言うと『攻め』はセックスのポジション的に男役っていうか『ちんちん挿れる方』。
『受け』はその逆で女役っていうか『ケツに挿れられる方』。
今回の場合、『アスが攻め』で『俺が受け』なのは決定事項らしい。
マィアス派も少数居るには居るらしいが、圧倒的にアスマィ派が大多数らしい。
ちなみに『アスマィ』というのは『飛×参理』というカップリングの略称だってさ。
参理というのが俺のこと。
つまり、俺はこのままいくと童貞卒業前にケツの処女喪失することになる……てこと。
しかも一緒に頑張ってきた同期のダチとセックスする。
都市伝説に語られる『枕営業』ともまた違うセックス命令……って完全にパワハラ案件だし労基案件だよな。
しかも俺ら未成年だから児ポ案件でもあるのでは?
ん? 淫行? いや、アスも未成年か。
強制性交ってこういう場合にも適用されるの?
チラッとアスを見たら、眉間に皺よってた。
そりゃそうだよね。
だけど運営命令は絶対だ。
もちろん断ることもできるよ、だけどここでアイドルを続けていくことは出来なくなるかも知れない。
俺の視線に気付いたのかアスの視線がこっちに向いたけど、そらされた。
ちょっとショックを受けてるの、何のショックなのか自分でも分かんないだけど。
ともかく今すぐヤれって話じゃなかったから、俺らは一旦帰された。
本当ならアスと相談しなきゃいけなかったんだろうけど何となく声かけられないまま帰ることになって、俺もアスから声かけられることなくその日は解散した。
◆
そもそもなんだけど、俺のケツにちんちん入るの? って疑問なんだけど。
こっそりゲイ動画とか検索してみたら、モザイク処理なしのモロなやつ開いちゃって変な汗出た。
飛のちんちんがどのくらいの大きさなのか? とか分かんないけど、例えば俺のちんちんでも……勃起した時の大きさ考えて、挿れるの想像したら……――怖い! 怖いって!!
動画のちんちんもデカかった。
大人のちんちんだからかな?
俺は中2でまだ毛とかもそんな生えてないし、ちんちんも成長途中なのだと思う。あんなにデカくない。
アスは高校生だから……想像しかけて、慌てて掻き消した!
なんかいけない妄想してる気分になる。
そもそもアスのちんちんの大きさ確かめて、ヤるかヤラないか決めるって話でもないだろう。
ていうかアスだって、俺のケツでちんちん勃つんだろうか? っていう話。
ケツ差し出す俺は『挿れることが出来るか』の問題を抱えているけど、アスの方が難題では?
もし勃たなかったら、どうするつもりなんだろ?
――いや、ソレは不可抗力だし「勃ちませんでした! 無理でした!」で、乗り切れないだろうか?
ダメなものはダメなんだからしょうがない。
――て、思い立つなり、俺はアスに電話してた。
俺の提案は、『一応運営の命令通りセックスしようとしたんだけど、「俺らゲイじゃないしアスも勃たなかったので無理でした!」って失敗報告をしよう!』って作戦。
ヤる時は運営(事務所)の用意してくれたホテルでってことらしいから、俺たちは枕並べてフツーに一泊するだけでいい。
次の日申し訳なさそうに謝ればいいのだし、男相手なんだから勃たなくたってアスの不名誉にもならない。
「なるほど?」
ってアスも言ってたし、俺たちはその作戦でいくことにした。
でもすぐ実行してダメでした~もいかにも嘘っぽいので、2週間かけて俺のケツに指とかディルド入るよう努力はして、それから本番に臨むってテイにしよう……って。
実はディルドはマネージャーから預かっている。
コンドームとローションもセットでだ。
ケツ穴イジるのも憂鬱なんだけど、ダチとセックスすること考えればこのくらい乗り越えられる。
この2週間は、『いつも以上にBL営業を盛ろう』ってことにも決めた。
いつもはアスから俺に絡むこと多いけど、俺からもアスに絡めるよう努力する。
セックス失敗してもBL営業が好評なら、運営サイドもこの暴挙をすんなりと諦めてくれるかも知れない。
初めて俺からアスの頬にキスした時は、アスマィオタクもマィアスオタクもSNSやオフ会で記念日として盛り上がったらしい。
キスした俺のことマジマジと見てきたアスの真顔も、何故かオタクの心を掴んだらしい。
本当、アスは何やっても沸かせるよな。
他のメンバーにもアスマィ(マィアス?)をイジられたけど、とてもじゃないけど例の運営命令のことは言えないよね。
2週間、俺は歌やダンスのレッスン以上にケツ穴のトレーニングに勤しんだ。
さすがにマネージャーからケツの拡張具合確認とかされないよな? って思いつつ、もしものための保険だ。
最初は指にローションつけて突っ込んだ。
意外とすんなり入って驚いたけど、別に気持ちイイとかそんなのはない。
1日ごとに指の数増やしてって、4日目には右手の指4本突っ込みながら手コキしてた。
やっぱりいきなりケツで快感とかなかったけど、興奮すごくて。
ケツいじりながらのオナニーやばかった。
飛に進捗訊かれて素直に答えたら、
「もうちょっとオブラートに包め」
って苦笑された。
俺のこういうところが呆れられる一因なのだと思うし、誰も男のケツの事情とオナニー方法なんて知りたくないよな?
それからディルドの先っぽをゆっくり押し込んでみたりして、ちんちんの形したそれの亀頭部分が入ってからは入れたり出したりを繰り返した。
これもめちゃくちゃ興奮した。
これを3日位毎晩続けて、気持ちイイとかないまでもムズムズするようなのは感じてた。
このタイミングでまたアスに進捗訊かれて、今度は言い渋って見せたら、
「良いからありのままを話せ」
命令するように言われ、素直に答えたらちょっとの間黙り込まれて居た堪れなかった。
「根元まで挿れられるようにしなきゃダメだと思う?」
訊いたら、
「まあ……アレくらいは、必要だろ」
それを受け取ったとき一緒に居たアスに言われ、俺はケツ穴のトレーニングを続けることになった。
最初は先っぽをぬぽっ♡ ぬぽっ♡ て続けて、最後はいつも手コキしてイッてた。
それから、もうちょっと……もうちょいイケるかな? ってヤッてたら、割とサオの半分くらいまではすんなり入った。
そのくらいからかな? じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ てしてたらなんかジンジン熱くなってきて、ある瞬間から身体に電気でも走ったみたいな衝撃で思わず止まった。
ちんちん見たらガマン汁ダラダラで、
もういっかい、じゅぽっ♡ じゅぽっ♡
もういっかい、じゅぽっ♡ じゅぽっ♡
えっと……もういっかいだけ、じゅぽっ♡ じゅぽっ♡
あ……、あ"……ッ♡ も……いっ、や、もっと? じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡
もっといっぱい♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡
……~~ッッ♡♡♡ もっともっともっとぉ♡
じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡
「アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ ア"っ♡ ア"っ♡ ア"っ♡ ア"ぁあああ~~ッんん♡♡♡ アぁああああ"あ"あ"~~ッんんんんん♡♡♡」
止まらなくなった手ピストンと快感に動く腰と、声まで出ちゃって喘ぐ息と、緩んだ口からこぼれる涎。
ケツ気持ちイイ♡
すごい♡ すごい♡ すごい♡ すごい♡
すごい♡ すごい♡ すごい♡ すごい♡
お尻きもぢイイイイイイイイ~~♡♡♡
イッちゃう♡ イッちゃう♡ お尻でイッちゃう♡
ちんちん触って無いのにせーし上がってくるぅ♡
ケツ気持ちイ♡
気持ちくてケツおかしくなるぅう~~♡♡♡
「あー♡ イクっ♡ あー♡ イクっ♡ ケツでイクっ♡ ケツでイクよおぉ~~!!」
びゅるっ♡ びゅるっ♡
って飛び出したと思った精子が、
ビュー♡ ビュー♡
放射されシーツの上に飛び散った。
ベッドの上に横になってだらしなく足を開き腰振りながら射精したから、めちゃくちゃ飛んだと思う。
親が帰って来る前に掃除しなきゃ……。
って思うのに、快感の余韻すごくてドキドキ♡ もハァハァ♡ も激しいままだし、興奮したままの身体も動かない。
ようやくちょっとずつ身じろぎしながら後片付けしようと考え始めてた頃、ベッドの枕元に置いてたスマホが震え出してた。
画面を見たらアスからの着信。
俺はまだ気だるいまま息を整え、通話ボタンをタップする。
そして、
「アスぅ……俺、ケツでイッちゃった♡ 前立腺ってすげぇの♡」
いま覚えたばかりの衝撃を素直に伝え、
「――――は?」
アスの声に思わず緩んだ笑いを漏らしてた。
◆
初めてディルドでトコロテンケツイキしてから3日、俺は毎日ディルドアナニーをしてた。
あと3日でお泊まりの日なのにまだディルドは根元まで全部入ってなかったし、3日で仕上げなきゃ! ってノリで。
本当に飛とセックスする訳じゃないんだから完璧に仕上げる意味は無かったと思うんだけど、アナルにディルドジュボ♡ ジュボ♡ 気持ちイイからやめられないってのが本音。
どんどん奥まで開かれてく感覚も、後戻りできなくなりそうな喪失感も興奮を更に上乗せされ、快感も深くなった。
ステージ上でのBL営業も濃さを増し、最近ではたまにステージ上でアスにやきもち焼く素振りをしてみせたり拗ねたりしてみる。
元々グループの中での末っ子キャラではあったからハマってはいた。
だけど打ち合わせなしでやったし、もしかしたらアスから塩な反応返ってくるかな? と思いきや、俺をなだめるようご機嫌とってくる後に『甘アス』と呼ばれる反応がまたオタクに受けたらしい。
ほんとすげぇな、アスは。
結局いつもステージ上で仲直りして、みんなから見えない角度で口と口をギリくっ付けない距離まで近づいて。
えっ? キスした? フリ?
みたいなオタクたちの反応に、2人して笑った。
他のメンバーも本当にはキスしてないの見えてるくせに、
「今のガチだ~♡」
って盛り上げて来る。
「結婚式には呼んでくれよな」
他メンに言われ、ほてった顔を手で扇ぎながらもう片方の手は繋がれてたりする。
今日もアスマィ(マィアス?)は絶好調だ。
アスとセックスするために、泊まるのは今夜なんだけど……それはフリだけ。
俺とアスとは訓練生時代からずっと一緒な同期。
1年前に出会った時は年上のお兄さんって思ってたけど、1年間の研修生活の中で年齢差とかとっぱらったずっと身近な存在になっていた。
そして訓練生時代から歌もダンスも飛び抜けて上手いアスは、きっとセンターを張れるって誰もが思ってた。
俺たちが入れられたグループは、いわゆる『男の娘』ってコンセプトの『女装男子アイドルグループ』。
初めてそれを言われた時は俺ら2人とも固まってしまったけど、結局運営命令には逆らえなかった。
だって俺らがデビューを断ったら、他の誰かがそのポジションを奪うだけだ。
最初は地下からの活動だし、推してくれるオタク(ファン)さえついてくれればこんなコンセプトガチ盛りな色モノグループではなく真っ当なアイドルとして運営からも推してもらえる望みをかけて、俺もアスもワンピースを着てウィッグを被りパフォーマンスすることになった。
衣装のワンピはレースのついたフリフリなやつじゃなくて、割と制服っぽいやつ。
メンバー7人が全員同じデザインという訳ではなく、ちょっとずつデザインコンセプトを変えた衣装。
地下アイドルにしては衣装に凝ってもらってるのは、元々ファッションデザイナーを目指し勉強していた過去のある社長の趣味。
スカートの丈はそこまで短くないけど、割と激し目なダンスパートもあるからショートレギンスをインナーに穿いてる。
俺はグループの中でもダンスうまくなくて、変声期に差し掛かった声出にくいせいもあって歌もボチボチで、落ちこぼれ気味だけど愛嬌はあるメンバーって位置付けになってる。
アスの方は女の子のカッコしてても美人って感じで、オーラバリバリで一軍男子の雰囲気消えてない。
どっちもウィッグしてるけどアスは黒髪ストレートのロングで、俺はふわふわとしたミルクティー色のボブって感じ。
徹底的に教え込まれたメイクも、アスのはキリッとしてるんだよね。カッコいい。
俺の方は色も質感もほんわかしてる。
俺らメンカラーみたいのはないんだけど、リップの色は指定されてたりする。
俺さ、初めて衣装とメイクフル装備したアスを見たとき、すげぇドキドキしちゃったんだよね。
ちょっとキツそうで強そうな女子。
だけど圧倒的に美女。
こんな女の子本当にいたら、絶対叶わないって分かってても好きになってたんじゃないかな? って。
しかもステージ上でパフォーマンスしたら迫力あるしカッコいいし、そばで振り付け忘れるくらい見惚れた。
そのまま歌詞までトんで、気づいたアスに睨まれたら目眩した。
ステージ降りてからもアスに叱られたし、居残りレッスンでスパルタ指導もされた。
そんな飛と「セックスしなさい」とマネージャーから言われた。
運営(事務所)命令らしい。
俺らはまたしても固まった。
「セックス」って単語のセンセーショナルさと、「俺たちが?」っていう訳のわからなさ。
そりゃ俺たちは女のカッコしてステージに上がってはいるが、中身は2人とも男だ。
アスは17歳の高校2年生。
俺は14歳の中学2年生。
アスはどうだか知らないが、俺は女の子とも経験のない童貞。
当然彼女も居ないし、そもそもアイドルやってる間は『恋愛禁止』って言われてるはず!
元々俺とアスはセット売りされるようなこと多かった。
一軍男子と憎めない落ちこぼれ男子みたいな2人なのに、何故かセット推ししてくるオタクも一定数いたっぽい。
むしろアス推しオタクはともかく、俺推しオタクはほぼセット推しオタだ。
男も女もそんな感じ。
だから絡みも多くて、BL営業? みたいなこともさせられてはいた。
『BL営業』ってのは、ボーイズラブって言われる男同士の恋愛モノジャンルみたいな雰囲気を、思わせぶりに距離近くしたりボディタッチしたり、時には頬や額に軽いキスなんかをして盛り上げちゃうやつ。
俺よりアスのがそういうの手慣れてるっていうか、触れて来るのもキスするのもいっつもアスの方。
女の子のカッコしてても『王子さま』ってイメージで、ほんとサマになってるのすげぇ。
女装してるのにボーイズラブなのも謎だけど、女装してるからこそ百合(こっちは女の子同士の恋愛モノだ)ぽさも摂取できて2倍美味しいのだという。
男の娘姿で俺の手を取り指先にキスするアスに俺もドキッとしちゃったり顔熱くなっちゃうことあるけど、そんな情緒なんて吹っ飛ばす勢いで黄色い声とか聞こえて来る。
もちろん俺たちが恋愛関係な訳は無いし恋愛感情すらないんだけど、周りにそういテイで見られるってコンセプトが重要らしい。
だから俺とアスが一緒に写ったブロマイドはよく売れるし、俺とアスのアクスタなんかもセットで買われてく。
それは分かるけど、だからってどうして俺とアスがセックスしなきゃなんないの!?
「俺も飛もサオはあるけど穴はないよ!! どうしろって言うの!?」
ってあわあわする俺に、
「穴はあるけどな」
割と落ち着いたままアスは言った。
言われて、
「あ……、ああ」
穴の正体に気づく。
男同士のセックスはちんちんとアナルでするってことくらい、俺も知ってたわ。そう言えば。
「BLとは?」
って首を傾げた俺に、マネージャーからBLマンガが渡されたし。
中には結構どギツいセックスシーンもあって、
「これ14歳でも読んで良いやつ!?」
って慌てたけど、それどころかセックス自体をヤれって言われることになるとは!!
アスもあのBLマンガを読んだんだろうか?
BLマンガには大抵の場合『攻め』と『受け』というのがあって、端的に言うと『攻め』はセックスのポジション的に男役っていうか『ちんちん挿れる方』。
『受け』はその逆で女役っていうか『ケツに挿れられる方』。
今回の場合、『アスが攻め』で『俺が受け』なのは決定事項らしい。
マィアス派も少数居るには居るらしいが、圧倒的にアスマィ派が大多数らしい。
ちなみに『アスマィ』というのは『飛×参理』というカップリングの略称だってさ。
参理というのが俺のこと。
つまり、俺はこのままいくと童貞卒業前にケツの処女喪失することになる……てこと。
しかも一緒に頑張ってきた同期のダチとセックスする。
都市伝説に語られる『枕営業』ともまた違うセックス命令……って完全にパワハラ案件だし労基案件だよな。
しかも俺ら未成年だから児ポ案件でもあるのでは?
ん? 淫行? いや、アスも未成年か。
強制性交ってこういう場合にも適用されるの?
チラッとアスを見たら、眉間に皺よってた。
そりゃそうだよね。
だけど運営命令は絶対だ。
もちろん断ることもできるよ、だけどここでアイドルを続けていくことは出来なくなるかも知れない。
俺の視線に気付いたのかアスの視線がこっちに向いたけど、そらされた。
ちょっとショックを受けてるの、何のショックなのか自分でも分かんないだけど。
ともかく今すぐヤれって話じゃなかったから、俺らは一旦帰された。
本当ならアスと相談しなきゃいけなかったんだろうけど何となく声かけられないまま帰ることになって、俺もアスから声かけられることなくその日は解散した。
◆
そもそもなんだけど、俺のケツにちんちん入るの? って疑問なんだけど。
こっそりゲイ動画とか検索してみたら、モザイク処理なしのモロなやつ開いちゃって変な汗出た。
飛のちんちんがどのくらいの大きさなのか? とか分かんないけど、例えば俺のちんちんでも……勃起した時の大きさ考えて、挿れるの想像したら……――怖い! 怖いって!!
動画のちんちんもデカかった。
大人のちんちんだからかな?
俺は中2でまだ毛とかもそんな生えてないし、ちんちんも成長途中なのだと思う。あんなにデカくない。
アスは高校生だから……想像しかけて、慌てて掻き消した!
なんかいけない妄想してる気分になる。
そもそもアスのちんちんの大きさ確かめて、ヤるかヤラないか決めるって話でもないだろう。
ていうかアスだって、俺のケツでちんちん勃つんだろうか? っていう話。
ケツ差し出す俺は『挿れることが出来るか』の問題を抱えているけど、アスの方が難題では?
もし勃たなかったら、どうするつもりなんだろ?
――いや、ソレは不可抗力だし「勃ちませんでした! 無理でした!」で、乗り切れないだろうか?
ダメなものはダメなんだからしょうがない。
――て、思い立つなり、俺はアスに電話してた。
俺の提案は、『一応運営の命令通りセックスしようとしたんだけど、「俺らゲイじゃないしアスも勃たなかったので無理でした!」って失敗報告をしよう!』って作戦。
ヤる時は運営(事務所)の用意してくれたホテルでってことらしいから、俺たちは枕並べてフツーに一泊するだけでいい。
次の日申し訳なさそうに謝ればいいのだし、男相手なんだから勃たなくたってアスの不名誉にもならない。
「なるほど?」
ってアスも言ってたし、俺たちはその作戦でいくことにした。
でもすぐ実行してダメでした~もいかにも嘘っぽいので、2週間かけて俺のケツに指とかディルド入るよう努力はして、それから本番に臨むってテイにしよう……って。
実はディルドはマネージャーから預かっている。
コンドームとローションもセットでだ。
ケツ穴イジるのも憂鬱なんだけど、ダチとセックスすること考えればこのくらい乗り越えられる。
この2週間は、『いつも以上にBL営業を盛ろう』ってことにも決めた。
いつもはアスから俺に絡むこと多いけど、俺からもアスに絡めるよう努力する。
セックス失敗してもBL営業が好評なら、運営サイドもこの暴挙をすんなりと諦めてくれるかも知れない。
初めて俺からアスの頬にキスした時は、アスマィオタクもマィアスオタクもSNSやオフ会で記念日として盛り上がったらしい。
キスした俺のことマジマジと見てきたアスの真顔も、何故かオタクの心を掴んだらしい。
本当、アスは何やっても沸かせるよな。
他のメンバーにもアスマィ(マィアス?)をイジられたけど、とてもじゃないけど例の運営命令のことは言えないよね。
2週間、俺は歌やダンスのレッスン以上にケツ穴のトレーニングに勤しんだ。
さすがにマネージャーからケツの拡張具合確認とかされないよな? って思いつつ、もしものための保険だ。
最初は指にローションつけて突っ込んだ。
意外とすんなり入って驚いたけど、別に気持ちイイとかそんなのはない。
1日ごとに指の数増やしてって、4日目には右手の指4本突っ込みながら手コキしてた。
やっぱりいきなりケツで快感とかなかったけど、興奮すごくて。
ケツいじりながらのオナニーやばかった。
飛に進捗訊かれて素直に答えたら、
「もうちょっとオブラートに包め」
って苦笑された。
俺のこういうところが呆れられる一因なのだと思うし、誰も男のケツの事情とオナニー方法なんて知りたくないよな?
それからディルドの先っぽをゆっくり押し込んでみたりして、ちんちんの形したそれの亀頭部分が入ってからは入れたり出したりを繰り返した。
これもめちゃくちゃ興奮した。
これを3日位毎晩続けて、気持ちイイとかないまでもムズムズするようなのは感じてた。
このタイミングでまたアスに進捗訊かれて、今度は言い渋って見せたら、
「良いからありのままを話せ」
命令するように言われ、素直に答えたらちょっとの間黙り込まれて居た堪れなかった。
「根元まで挿れられるようにしなきゃダメだと思う?」
訊いたら、
「まあ……アレくらいは、必要だろ」
それを受け取ったとき一緒に居たアスに言われ、俺はケツ穴のトレーニングを続けることになった。
最初は先っぽをぬぽっ♡ ぬぽっ♡ て続けて、最後はいつも手コキしてイッてた。
それから、もうちょっと……もうちょいイケるかな? ってヤッてたら、割とサオの半分くらいまではすんなり入った。
そのくらいからかな? じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ てしてたらなんかジンジン熱くなってきて、ある瞬間から身体に電気でも走ったみたいな衝撃で思わず止まった。
ちんちん見たらガマン汁ダラダラで、
もういっかい、じゅぽっ♡ じゅぽっ♡
もういっかい、じゅぽっ♡ じゅぽっ♡
えっと……もういっかいだけ、じゅぽっ♡ じゅぽっ♡
あ……、あ"……ッ♡ も……いっ、や、もっと? じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡
もっといっぱい♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡
……~~ッッ♡♡♡ もっともっともっとぉ♡
じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽっ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡ じゅぽ♡
「アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ アっ♡ ア"っ♡ ア"っ♡ ア"っ♡ ア"ぁあああ~~ッんん♡♡♡ アぁああああ"あ"あ"~~ッんんんんん♡♡♡」
止まらなくなった手ピストンと快感に動く腰と、声まで出ちゃって喘ぐ息と、緩んだ口からこぼれる涎。
ケツ気持ちイイ♡
すごい♡ すごい♡ すごい♡ すごい♡
すごい♡ すごい♡ すごい♡ すごい♡
お尻きもぢイイイイイイイイ~~♡♡♡
イッちゃう♡ イッちゃう♡ お尻でイッちゃう♡
ちんちん触って無いのにせーし上がってくるぅ♡
ケツ気持ちイ♡
気持ちくてケツおかしくなるぅう~~♡♡♡
「あー♡ イクっ♡ あー♡ イクっ♡ ケツでイクっ♡ ケツでイクよおぉ~~!!」
びゅるっ♡ びゅるっ♡
って飛び出したと思った精子が、
ビュー♡ ビュー♡
放射されシーツの上に飛び散った。
ベッドの上に横になってだらしなく足を開き腰振りながら射精したから、めちゃくちゃ飛んだと思う。
親が帰って来る前に掃除しなきゃ……。
って思うのに、快感の余韻すごくてドキドキ♡ もハァハァ♡ も激しいままだし、興奮したままの身体も動かない。
ようやくちょっとずつ身じろぎしながら後片付けしようと考え始めてた頃、ベッドの枕元に置いてたスマホが震え出してた。
画面を見たらアスからの着信。
俺はまだ気だるいまま息を整え、通話ボタンをタップする。
そして、
「アスぅ……俺、ケツでイッちゃった♡ 前立腺ってすげぇの♡」
いま覚えたばかりの衝撃を素直に伝え、
「――――は?」
アスの声に思わず緩んだ笑いを漏らしてた。
◆
初めてディルドでトコロテンケツイキしてから3日、俺は毎日ディルドアナニーをしてた。
あと3日でお泊まりの日なのにまだディルドは根元まで全部入ってなかったし、3日で仕上げなきゃ! ってノリで。
本当に飛とセックスする訳じゃないんだから完璧に仕上げる意味は無かったと思うんだけど、アナルにディルドジュボ♡ ジュボ♡ 気持ちイイからやめられないってのが本音。
どんどん奥まで開かれてく感覚も、後戻りできなくなりそうな喪失感も興奮を更に上乗せされ、快感も深くなった。
ステージ上でのBL営業も濃さを増し、最近ではたまにステージ上でアスにやきもち焼く素振りをしてみせたり拗ねたりしてみる。
元々グループの中での末っ子キャラではあったからハマってはいた。
だけど打ち合わせなしでやったし、もしかしたらアスから塩な反応返ってくるかな? と思いきや、俺をなだめるようご機嫌とってくる後に『甘アス』と呼ばれる反応がまたオタクに受けたらしい。
ほんとすげぇな、アスは。
結局いつもステージ上で仲直りして、みんなから見えない角度で口と口をギリくっ付けない距離まで近づいて。
えっ? キスした? フリ?
みたいなオタクたちの反応に、2人して笑った。
他のメンバーも本当にはキスしてないの見えてるくせに、
「今のガチだ~♡」
って盛り上げて来る。
「結婚式には呼んでくれよな」
他メンに言われ、ほてった顔を手で扇ぎながらもう片方の手は繋がれてたりする。
今日もアスマィ(マィアス?)は絶好調だ。
アスとセックスするために、泊まるのは今夜なんだけど……それはフリだけ。
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