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お兄さんのちんぽが忘れられないと再び誘って来た妹の彼氏とパコりまくった兄貴の話
「パパになっても俺とヤるの?」
しおりを挟む無事に挙式を終えてちょっと顔を引き攣らせながらも姫はその後のパーティーまでなんとか笑顔で乗り切った。
正直頑張ったと思う。
思うんだけど……これってどうなんだ?
「アルフレッド、私の代わりに初夜に行ってきてちょうだい」
「…………は?」
「護衛騎士は私を守るためにいるのでしょう?行ってきて」
「御冗談ですよね?」
「私は本気よ」
俺はその言葉に軽く眩暈を覚えた。
いくらなんでもこれはおかしいだろう。
正直言われている意味が分からなかった。
初夜というのは花嫁が花婿のところに行ってこそ意味のあるものだ。
なのにどうして俺?
いくら怖いからって、そんなものどう考えても無理に決まっている。
俺は女ではなく男なんだから、王子の方からしたらどう考えても抱くのは無理だろう。
最悪激怒してしまうんじゃなかろうか?
それともあれか?花嫁はこないので俺の命で償います的な感じなのか?
それこそ冗談じゃない。
姫の護衛にやってきてるのにどうして戦うこともなく殺されないといけないんだ?
まあそれが命令だと言うなら仕方がないけど…本当にいいのか?
俺以外の護衛は俺よりも弱いんだけど?
(と言うよりもいざとなったら抵抗してでも逃げるけどな)
一応確認だけはしておくかと更に言葉を重ねて尋ねてみる。
「それは潔く死んで来いってことですか?」
「……場合によっては?」
「殺されたとしても……本当に後悔はなさいませんね?」
「大丈夫よ。貴方は意外とあの王子に嫌われてはいないようだし」
殺されることはないと思うわと言われてもそんなもの何の保証もない。
「……では姫が初夜に来ないことを謝罪してこいと仰るのですね?」
「ついでに抱かれてきてくれてもいいわよ?」
「それこそ王子の怒りを買うことでしょう。姫の命を第一に考え、俺の判断で行動をしても構いませんか?」
「もちろんよ。健闘を祈っているわ」
端から初夜に行く気のない姫に若干呆れつつ、まああれだけ怯える相手の元に行くのは流石に嫌かもしれないなとほんの少しだけ同情してしまった。
取り敢えず用件を伝えるだけ伝えて、上手く言い繕って帰ってくればいいかと俺は深く溜息を吐いた。
コンコン…。
夫婦の…と言うより王子の居室前にいた護衛の兵に事情を話し、俺は渋々ドアをノックする。
入れと言われたのでお言葉に甘えてそのまま入室するとセドリック王子がソファでゆったりと寛ぎながら酒を傾けていた。
「ああ……姫ではなくお前が来たのか。(予想通りだな)」
「姫の護衛騎士アルフレッドです。申し訳ございませんが姫は本日気分がすぐれず来られないとのこと。式の気疲れが出たものと思われますので、何卒ご容赦いただきたく」
「……そうか。それでお前が生贄になったということだな」
生贄────確かにそうともとれるかもしれない。
下手をしたらそのソファ脇に置かれた剣で首を落とされていたかもしれないのだから。
けれど……。
「失礼ですが王子は俺を殺す気は微塵も持っておられないでしょう?」
「……何故そう思う?」
「殺気も感じられませんし、リラックスされているご様子。あの謁見の間での殺気は姫に対するただの牽制だったのではないかと…そう考えているのですが?」
そう答えると、王子は実に楽し気にククッと笑った。
「いいな。実にいい…」
そして王子は気に入ったと言って俺に酒を勧めてきた。
どうやら一緒に飲もうという事らしい。
「花嫁の身代わりに捧げられた哀れな生贄に…乾杯」
嫌なたとえだな…とは思うものの、あながち間違ってはいないので俺も短く答える。
「せめてもの慰めに…乾杯」
カツンとグラスを合わせてそのまま酒を飲んだ。
王子は終始楽しげで、姫のことをあれこれと聞いてはなるほどなと答え、ネタが尽きれば今度は俺のことを聞き始めた。
思っていたよりも話しやすく親し気な雰囲気でついつい気が緩んでしまう。
男同士の気安さだろうか?
「アル、その年で筆頭騎士長だなんて凄い大抜擢じゃないのか?女にモテるだろう?」
「いえ、姫の輿入れに合わせて出世しただけなので然程ではないですよ」
「剣の腕も大したことはないと?」
「いえ。剣の方は今回の護衛の中では一番できる方だと思います。ジャイアントスネークやキラーベアくらいなら一人で倒せるかと」
「そうか…」
少し過小評価ぎみに自分の実力を口にするのは護衛騎士ならではだと思う。
変に実際の実力を言って警戒されたくはないからだ。
これくらいなら多分バレないだろう。
そんな風に色々考えながらセドリック王子と話していると段々と夜も更けていき、酒量も徐々に限界へと近づいていった。
俺は酒は弱くはないが、流石にこれ以上はマズいと思いそろそろ暇を告げようとソファから立ち上がり王子へと言葉を紡ごうとした。
けれど、思っていた以上に酒が回っていたようでふらりとよろめいてしまう。
そんな俺をセドリック王子がどこか悪戯っぽい笑みで支え、そっと耳元に囁きを落とした。
「アル、どこに行く気だ?」
「……え?部屋に…そろそろ戻ろうかと……」
「今夜は初夜だ。行先は奥のベッド以外にないぞ?」
その言葉と同時に俺はセドリック王子に抱き上げられて、あっという間に寝室まで連れて行かれてしまった。
正直俺はパニックだ。
────どうしてこうなったんだろう?
「え?あ…何…を……?」
酒のせいで思考が上手く働かない。
どうして俺はベッドに押し倒されて好き勝手に身体を堪能されているんだろう?
俺は男で、王子も男。
しかも俺は軟弱な身体ではなく割としっかり鍛えた身体をしているから触ったって何も楽しいことはないはずだ。
それなのに……。
「綺麗に筋肉がついてるな…」
俺の肌に触れ、チロリと舐めながら楽し気に俺を襲うセドリック王子に驚きを隠せない。
「ちゃんとお前も楽しませてやるからな」
そんな言葉と共に王子は凶悪な笑みを浮かべ、その日、優しくも激しく俺を抱いた────。
******************
※「本日の初夜は別な者を遣わしても構いませんか?」と予め王子に了承を取っていたので姫は結構強気でした。
王子は挙式前のやり取りで多分こう来るなと予想していたので全く怒る気はなかった的な感じです。
正直頑張ったと思う。
思うんだけど……これってどうなんだ?
「アルフレッド、私の代わりに初夜に行ってきてちょうだい」
「…………は?」
「護衛騎士は私を守るためにいるのでしょう?行ってきて」
「御冗談ですよね?」
「私は本気よ」
俺はその言葉に軽く眩暈を覚えた。
いくらなんでもこれはおかしいだろう。
正直言われている意味が分からなかった。
初夜というのは花嫁が花婿のところに行ってこそ意味のあるものだ。
なのにどうして俺?
いくら怖いからって、そんなものどう考えても無理に決まっている。
俺は女ではなく男なんだから、王子の方からしたらどう考えても抱くのは無理だろう。
最悪激怒してしまうんじゃなかろうか?
それともあれか?花嫁はこないので俺の命で償います的な感じなのか?
それこそ冗談じゃない。
姫の護衛にやってきてるのにどうして戦うこともなく殺されないといけないんだ?
まあそれが命令だと言うなら仕方がないけど…本当にいいのか?
俺以外の護衛は俺よりも弱いんだけど?
(と言うよりもいざとなったら抵抗してでも逃げるけどな)
一応確認だけはしておくかと更に言葉を重ねて尋ねてみる。
「それは潔く死んで来いってことですか?」
「……場合によっては?」
「殺されたとしても……本当に後悔はなさいませんね?」
「大丈夫よ。貴方は意外とあの王子に嫌われてはいないようだし」
殺されることはないと思うわと言われてもそんなもの何の保証もない。
「……では姫が初夜に来ないことを謝罪してこいと仰るのですね?」
「ついでに抱かれてきてくれてもいいわよ?」
「それこそ王子の怒りを買うことでしょう。姫の命を第一に考え、俺の判断で行動をしても構いませんか?」
「もちろんよ。健闘を祈っているわ」
端から初夜に行く気のない姫に若干呆れつつ、まああれだけ怯える相手の元に行くのは流石に嫌かもしれないなとほんの少しだけ同情してしまった。
取り敢えず用件を伝えるだけ伝えて、上手く言い繕って帰ってくればいいかと俺は深く溜息を吐いた。
コンコン…。
夫婦の…と言うより王子の居室前にいた護衛の兵に事情を話し、俺は渋々ドアをノックする。
入れと言われたのでお言葉に甘えてそのまま入室するとセドリック王子がソファでゆったりと寛ぎながら酒を傾けていた。
「ああ……姫ではなくお前が来たのか。(予想通りだな)」
「姫の護衛騎士アルフレッドです。申し訳ございませんが姫は本日気分がすぐれず来られないとのこと。式の気疲れが出たものと思われますので、何卒ご容赦いただきたく」
「……そうか。それでお前が生贄になったということだな」
生贄────確かにそうともとれるかもしれない。
下手をしたらそのソファ脇に置かれた剣で首を落とされていたかもしれないのだから。
けれど……。
「失礼ですが王子は俺を殺す気は微塵も持っておられないでしょう?」
「……何故そう思う?」
「殺気も感じられませんし、リラックスされているご様子。あの謁見の間での殺気は姫に対するただの牽制だったのではないかと…そう考えているのですが?」
そう答えると、王子は実に楽し気にククッと笑った。
「いいな。実にいい…」
そして王子は気に入ったと言って俺に酒を勧めてきた。
どうやら一緒に飲もうという事らしい。
「花嫁の身代わりに捧げられた哀れな生贄に…乾杯」
嫌なたとえだな…とは思うものの、あながち間違ってはいないので俺も短く答える。
「せめてもの慰めに…乾杯」
カツンとグラスを合わせてそのまま酒を飲んだ。
王子は終始楽しげで、姫のことをあれこれと聞いてはなるほどなと答え、ネタが尽きれば今度は俺のことを聞き始めた。
思っていたよりも話しやすく親し気な雰囲気でついつい気が緩んでしまう。
男同士の気安さだろうか?
「アル、その年で筆頭騎士長だなんて凄い大抜擢じゃないのか?女にモテるだろう?」
「いえ、姫の輿入れに合わせて出世しただけなので然程ではないですよ」
「剣の腕も大したことはないと?」
「いえ。剣の方は今回の護衛の中では一番できる方だと思います。ジャイアントスネークやキラーベアくらいなら一人で倒せるかと」
「そうか…」
少し過小評価ぎみに自分の実力を口にするのは護衛騎士ならではだと思う。
変に実際の実力を言って警戒されたくはないからだ。
これくらいなら多分バレないだろう。
そんな風に色々考えながらセドリック王子と話していると段々と夜も更けていき、酒量も徐々に限界へと近づいていった。
俺は酒は弱くはないが、流石にこれ以上はマズいと思いそろそろ暇を告げようとソファから立ち上がり王子へと言葉を紡ごうとした。
けれど、思っていた以上に酒が回っていたようでふらりとよろめいてしまう。
そんな俺をセドリック王子がどこか悪戯っぽい笑みで支え、そっと耳元に囁きを落とした。
「アル、どこに行く気だ?」
「……え?部屋に…そろそろ戻ろうかと……」
「今夜は初夜だ。行先は奥のベッド以外にないぞ?」
その言葉と同時に俺はセドリック王子に抱き上げられて、あっという間に寝室まで連れて行かれてしまった。
正直俺はパニックだ。
────どうしてこうなったんだろう?
「え?あ…何…を……?」
酒のせいで思考が上手く働かない。
どうして俺はベッドに押し倒されて好き勝手に身体を堪能されているんだろう?
俺は男で、王子も男。
しかも俺は軟弱な身体ではなく割としっかり鍛えた身体をしているから触ったって何も楽しいことはないはずだ。
それなのに……。
「綺麗に筋肉がついてるな…」
俺の肌に触れ、チロリと舐めながら楽し気に俺を襲うセドリック王子に驚きを隠せない。
「ちゃんとお前も楽しませてやるからな」
そんな言葉と共に王子は凶悪な笑みを浮かべ、その日、優しくも激しく俺を抱いた────。
******************
※「本日の初夜は別な者を遣わしても構いませんか?」と予め王子に了承を取っていたので姫は結構強気でした。
王子は挙式前のやり取りで多分こう来るなと予想していたので全く怒る気はなかった的な感じです。
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