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episode_009
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「え? 失敗ってするんですか?」
「は? 何を言って……?」
――【豪華な木箱☆1】――
・成功率100%
・大成功率85%
▶開錠しますか? ▷YES
▷NO
――――――――
「ちょっとツユちゃん!? この数字は……」
「流石にこれは酷い……」
「お? せっかくだから、何が出るか俺も見ててやるよ」
近寄って、薄ら笑いを浮かべる男。
私も内心はこの男と似たような気持ちだったりして。
『YES』
――【成功報酬(大成功)】――
・『68シルバー』
・『(UR)コシュタ・バワーの召喚石』(×5)
――――――――
「こ、これは……ボスの召喚石!?」
「ツユ、ツユ! これ、めっちゃ凄いアイテムだよ!」
「……は、はあ!? し、召喚石!? なんだよこれ、おかしいだろ!」
コシュタ・バワー? 召喚?
URだからレアなんだろうけど、意味不明な単語しかなくて、その価値がイマイチわからない。
後ろの三人が驚愕していることから、今までのとは比べ物にならないアイテムってことだけは予想がつくけど。
っと、『ラッキーダイス』の効果が時間切れになる前に、もうひとつも終わらさないと。
――【成功報酬(大成功)】――
・『32シルバー』
・『(SR)スキル巻物〈ラッキールーレット〉(×5)』
・『(SR)スキル巻物〈ラッキーダイス〉(×5)』
・『(SR)スキル巻物〈ラッキーカード〉(×5)』
――――――――
「さっきの召喚石も凄ったけど、こっちはこっちで豪華ねぇ」
「まさに、ツユの為の報酬だね」
「おいおい、嘘だろ? こんな演出見たことない!」
これ、めっちゃ使えそうだね。
スキル巻物は重複して使えないからいつつも要らないし、ラッキーダイスはすでに使ってるんだけど。
よし、これで宝箱は全部完了――――こっちはまだ終わりってわけでもなさそうだけど。
「ズルだ! こんなのチートだ! クソッ、運営に報告してやる!」
子供が駄々をこねてるみたいだなと笑うのは今じゃない。
――って、え、運営? それってマズいんじゃ?
そんな私の表情を読み取ったのか、フレアさんは安心して、と言ってくれた。
「運営コールの機能は確かにあるけど、システムに逆らった行為や、あからさまな迷惑行為じゃなきゃ、BANはされないから大丈夫」
「そうそう。この場合、ツユはチートなんてしてないんだから、不正アクセスは検知されませんでしたって言われて終わり」
そしておそらく、二人が説明してくれた通りなったんだと思う。男の顔が真っ赤になった。
それよりも、BANや不正アクセスって何?
「お、おい、チートじゃないのか?」
「……? そのチートがなんなのか詳しく知りませんけど、違いますよ? 運のおかげです!」
隣で「これは運なのかしら……」「違いますね」なんて聞こえてくるけど――――LUKは運だよ?
「じ、じゃあ、どれかひとつでいいから、俺に売ってくれないか?」
これぞ一級の掌返し。
さっきと態度が一変してる。
「ちょっと! 自分から交換は無しって言ったくせに!」
「そうよ。言っていることとやっていることが真逆よ?」
「はあぁ? 交換は無しと言ったが、買ってはいけないなんて一言も言ってないよ?」
「「そんなの――――」」
「わかりました。じゃあ、この召喚石? でいいですか?」
二人の言葉を遮って、交渉を持ち掛ける。
「ツユ!?」
「ツユちゃん!?」
二人には申し訳ないと思うし、感謝の気持ちもある。
けど、こういうやつには、怒鳴ったって意味は無いんだよ。
だからこうする。
「それじゃあ、金貨一枚で――」
「金貨100枚で差し上げます」
「よし、交渉せい――は?」
やばい、適当に数字言っちゃったから、普通に払える額だったらどうしよう!
いや、落ち着け!
銅貨一枚が10円と考えて……。
その100枚分の銀貨《シルバー》が一枚1.000円。
そのまた100枚分が金貨《ゴールド》だから、一枚100.000万円。
で、それを100枚だから……10.000.000円!
「ふ、ふ、ふざけるな! そんな物にそれだけの価値があるわけないだろ!」
うん、流石にこの金額は持ってなさそうで一安心。
最初から売る気は無いんだから、当然なんだけどね。
怒鳴る男に言い返すのはフレアさん。今度は、フレアさんが薄ら笑みを浮かべて、ちゃんと冷静を保っている。
「あら? これは、『Fantasia』でひとつだけのアイテムだと思うのだけど。それなら値段はいくら高くても、所有者のツユちゃんが決めて何も問題は無いわ」
今度はレイミ―がその口を開く。あと、因みに五個あります。
「そもそも召喚獣自体、実装はされていても発見すらされていない。それを、まさか金貨一枚で買うなんてやつは馬鹿だと思うんですけど、あなたもそう思いません?」
うんうん、その通り。
うん? 発見されていない? それってもしや凄いことなんじゃ……。
「くそっ、覚えてろ!」
確か捨て台詞? というやつを叫びながら、半泣きでカッコ悪く逃げる男。
あんな格好を見せられたら、忘れたくても忘れられないからご心配なく。
「そうだ。さっきの召喚石のことなんですけど。宝箱を開ける前に『ラッキーダイス』を使ったら5が出たんで、フレアさんとレイミ―に――――」
「5個!? マジ!?」
「それは本当!?」
「ほっ、本当っ……だからっ……肩をっ……揺らさっ……ないでっ……」
あんな男より、二人の方がよっぽど怖いよ……。
――【ツユ】――
・LV「12」
――【STATUS】――
・POINT「20」
・HP「120/120」(200)
・MP「120/120」(200)
・SP「120/120」(200)
▷STR「26」(60)
▷VIT「26」(-4434)
▷INT「26」
▷DEX「26」
▷AGI「31」(100)
▷LUK「880」(50)
――――――――
「は? 何を言って……?」
――【豪華な木箱☆1】――
・成功率100%
・大成功率85%
▶開錠しますか? ▷YES
▷NO
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「ちょっとツユちゃん!? この数字は……」
「流石にこれは酷い……」
「お? せっかくだから、何が出るか俺も見ててやるよ」
近寄って、薄ら笑いを浮かべる男。
私も内心はこの男と似たような気持ちだったりして。
『YES』
――【成功報酬(大成功)】――
・『68シルバー』
・『(UR)コシュタ・バワーの召喚石』(×5)
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「こ、これは……ボスの召喚石!?」
「ツユ、ツユ! これ、めっちゃ凄いアイテムだよ!」
「……は、はあ!? し、召喚石!? なんだよこれ、おかしいだろ!」
コシュタ・バワー? 召喚?
URだからレアなんだろうけど、意味不明な単語しかなくて、その価値がイマイチわからない。
後ろの三人が驚愕していることから、今までのとは比べ物にならないアイテムってことだけは予想がつくけど。
っと、『ラッキーダイス』の効果が時間切れになる前に、もうひとつも終わらさないと。
――【成功報酬(大成功)】――
・『32シルバー』
・『(SR)スキル巻物〈ラッキールーレット〉(×5)』
・『(SR)スキル巻物〈ラッキーダイス〉(×5)』
・『(SR)スキル巻物〈ラッキーカード〉(×5)』
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「さっきの召喚石も凄ったけど、こっちはこっちで豪華ねぇ」
「まさに、ツユの為の報酬だね」
「おいおい、嘘だろ? こんな演出見たことない!」
これ、めっちゃ使えそうだね。
スキル巻物は重複して使えないからいつつも要らないし、ラッキーダイスはすでに使ってるんだけど。
よし、これで宝箱は全部完了――――こっちはまだ終わりってわけでもなさそうだけど。
「ズルだ! こんなのチートだ! クソッ、運営に報告してやる!」
子供が駄々をこねてるみたいだなと笑うのは今じゃない。
――って、え、運営? それってマズいんじゃ?
そんな私の表情を読み取ったのか、フレアさんは安心して、と言ってくれた。
「運営コールの機能は確かにあるけど、システムに逆らった行為や、あからさまな迷惑行為じゃなきゃ、BANはされないから大丈夫」
「そうそう。この場合、ツユはチートなんてしてないんだから、不正アクセスは検知されませんでしたって言われて終わり」
そしておそらく、二人が説明してくれた通りなったんだと思う。男の顔が真っ赤になった。
それよりも、BANや不正アクセスって何?
「お、おい、チートじゃないのか?」
「……? そのチートがなんなのか詳しく知りませんけど、違いますよ? 運のおかげです!」
隣で「これは運なのかしら……」「違いますね」なんて聞こえてくるけど――――LUKは運だよ?
「じ、じゃあ、どれかひとつでいいから、俺に売ってくれないか?」
これぞ一級の掌返し。
さっきと態度が一変してる。
「ちょっと! 自分から交換は無しって言ったくせに!」
「そうよ。言っていることとやっていることが真逆よ?」
「はあぁ? 交換は無しと言ったが、買ってはいけないなんて一言も言ってないよ?」
「「そんなの――――」」
「わかりました。じゃあ、この召喚石? でいいですか?」
二人の言葉を遮って、交渉を持ち掛ける。
「ツユ!?」
「ツユちゃん!?」
二人には申し訳ないと思うし、感謝の気持ちもある。
けど、こういうやつには、怒鳴ったって意味は無いんだよ。
だからこうする。
「それじゃあ、金貨一枚で――」
「金貨100枚で差し上げます」
「よし、交渉せい――は?」
やばい、適当に数字言っちゃったから、普通に払える額だったらどうしよう!
いや、落ち着け!
銅貨一枚が10円と考えて……。
その100枚分の銀貨《シルバー》が一枚1.000円。
そのまた100枚分が金貨《ゴールド》だから、一枚100.000万円。
で、それを100枚だから……10.000.000円!
「ふ、ふ、ふざけるな! そんな物にそれだけの価値があるわけないだろ!」
うん、流石にこの金額は持ってなさそうで一安心。
最初から売る気は無いんだから、当然なんだけどね。
怒鳴る男に言い返すのはフレアさん。今度は、フレアさんが薄ら笑みを浮かべて、ちゃんと冷静を保っている。
「あら? これは、『Fantasia』でひとつだけのアイテムだと思うのだけど。それなら値段はいくら高くても、所有者のツユちゃんが決めて何も問題は無いわ」
今度はレイミ―がその口を開く。あと、因みに五個あります。
「そもそも召喚獣自体、実装はされていても発見すらされていない。それを、まさか金貨一枚で買うなんてやつは馬鹿だと思うんですけど、あなたもそう思いません?」
うんうん、その通り。
うん? 発見されていない? それってもしや凄いことなんじゃ……。
「くそっ、覚えてろ!」
確か捨て台詞? というやつを叫びながら、半泣きでカッコ悪く逃げる男。
あんな格好を見せられたら、忘れたくても忘れられないからご心配なく。
「そうだ。さっきの召喚石のことなんですけど。宝箱を開ける前に『ラッキーダイス』を使ったら5が出たんで、フレアさんとレイミ―に――――」
「5個!? マジ!?」
「それは本当!?」
「ほっ、本当っ……だからっ……肩をっ……揺らさっ……ないでっ……」
あんな男より、二人の方がよっぽど怖いよ……。
――【ツユ】――
・LV「12」
――【STATUS】――
・POINT「20」
・HP「120/120」(200)
・MP「120/120」(200)
・SP「120/120」(200)
▷STR「26」(60)
▷VIT「26」(-4434)
▷INT「26」
▷DEX「26」
▷AGI「31」(100)
▷LUK「880」(50)
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