上 下
4 / 4

ヘイダル様

しおりを挟む




アシュタ帝国のヘイダル様。伯爵家の長男にして近衛騎士。そんなすごい人がなぜ私なんかを…


ロマンチックな展開を一瞬想像するも、淡く消えていく。ヘイダル様の実家も貿易業を中心にしていると聞いた。

きっと我が家との取引は双方に利点があるのでしょうね…

でも!悪いことばかりではないわ!

ヘイダル様は19歳だと聞いて少し安心したの。だってもっともっと歳上の方だったら私は今意識がないか、私の涙で大陸が沈んでいるでしょうから。


でも結婚式の日まで会えないなんて…

貿易が盛んと言っても、商人でもなければあまり国外にはでれない。

安全性の面で考えれば当たり前のことなんでしょうけど、結婚式でいきなり会うのは緊張して倒れてしまいそうだわ!


今はお父様が手紙で連絡を取っているのだけど、このままいくと半年から一年後には結婚式をあげることになりそうなのよ。長いのか短いのか…

マーサはお父様の話を聞いて、明日の朝にキャロル様をお呼びしましょうと言ってくれた。

キャロルは私が小さい時に屋敷に迷い込んできた子だ。多分親がいなかったのだろう。洋服も顔も汚れて、身体もボロボロだった。しかし私が仲良くなってしまったので、お父様もお母様も放っておけず… 結局領地内の洋服店に預けたのだった。

そこでメキメキと腕を上げ、持ち前の技術と想像力を生かしたドレスを作るようになり、最終的に店を持ち王都でも名が知れたデザイナーとなったのだ!


きっと私が着ることになるウエディングドレスだけでなく、新しいドレスも何着か作ってもらうことになるだろう…

必要な出費は仕方ない。どんなドレスを作ってもらおうかな…と考えを巡らせる。

ウエディングドレスは純白。これは決まったことだ。肩はどうしよう… 全て覆ってしまうべきか。それともレースを使い、上品で色気があるような形にするか。いっそのこと全て出すべきか?

どうしたものだろう…
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

最悪なお見合いと、執念の再会

当麻月菜
恋愛
伯爵令嬢のリシャーナ・エデュスは学生時代に、隣国の第七王子ガルドシア・フェ・エデュアーレから告白された。 しかし彼は留学期間限定の火遊び相手を求めていただけ。つまり、真剣に悩んだあの頃の自分は黒歴史。抹消したい過去だった。 それから一年後。リシャーナはお見合いをすることになった。 相手はエルディック・アラド。侯爵家の嫡男であり、かつてリシャーナに告白をしたクズ王子のお目付け役で、黒歴史を知るただ一人の人。 最低最悪なお見合い。でも、もう片方は執念の再会ーーの始まり始まり。

軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら

夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。  それは極度の面食いということ。  そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。 「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ! だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」  朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい? 「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」  あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?  それをわたしにつける??  じょ、冗談ですよね──!?!?

私の恋が消えた春

豆狸
恋愛
「愛しているのは、今も昔も君だけだ……」 ──え? 風が運んできた夫の声が耳朶を打ち、私は凍りつきました。 彼の前にいるのは私ではありません。 なろう様でも公開中です。

【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。

三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。 それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。 頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。 短編恋愛になってます。

王女殿下の秘密の恋人である騎士と結婚することになりました

鳴哉
恋愛
王女殿下の侍女と 王女殿下の騎士  の話 短いので、サクッと読んでもらえると思います。 読みやすいように、3話に分けました。 毎日1回、予約投稿します。

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

処理中です...