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メニューには載ってませんでしたよ!?

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ワッフルのいい匂いだー!アップルジャムとワッフルほど美味しい組み合わせはないと私は信じてるわ!

あー!早く食べたい!

テーブルに向かうとお兄様とお母様がすでに席についていた。いつも1番に席についてるお父様がいないのはちょっと驚きなのだけど、昨晩は仕事が終わらなかったのかしら?

我が家は男爵家ながらお金は結構あったりする。商業の感が優れているというのか…もっぱら貿易で財を成す家だ。しかも家族全員質素倹約に努めていたりする。商人の端くれとして、無駄遣いは最も避けるべきね。

お父様が降りてきて、ワッフルが運ばれてくる。いい香り!食前の祈りがちょっと鬱陶しく感じてしまう。神さま、ごめんなさい!だって美味しいものは早く食べたいじゃない!仕方ないですよね?

アップルジャムをたっぷりかけて美味しくいただく。今日も良い日になりそうだわ!何をしようかしら…


「ルイーズ、食べ終わったら私の部屋に来てくれ。」

突然話が振られてびっくりする。

「ええ、すぐに向かいますわ。」

それまでの話全然聞いてなかったー!あ、でもお母様もお兄様も驚いてるっぽいからきっと前振りはなかったのだわ。お父様らしいけど。

お父様に呼ばれるなんてそうないことだ。なんでかしら?なにか大事な用事があったかなーと考えを巡らせるも何も出てこない…

重い木のドアをノックしてお父様の書斎に入る。

「お父様、なんの用事でしょうか?」

「ルイーズ、最近はどうだ?なにか心配事とかはあるか?」

なんか話そらされてるような…

「いえ、ありませんわ。学園も卒業しましたし、今は舞踏会の時期でもありませんしね…」

「そうかそうか。元気で何より。」

うーん、この続きを悟ってしまって部屋から出たくなる。

「ところで、」

きた。きてしまったよー

「今気になっている殿方とかはいないのか?」

「いえ、いませんわよ。あまり…その…興味がないもので。」

もう私も16歳。縁談の話があっても何もおかしくないし、むしろ遅い方だろう。この私を気にいる人がこの世に存在するかどうかは別としてね…

でも正直困ったなぁ。政略結婚は仕方ないのだけれども、お相手さんを全く好きになれなかったらどうしようとは思う。現に、好意を寄せるのはおろか、気になる殿方がいたことすらないのだもの。

「実はな…」








まだ鼓動が早いし、変な汗もかいてる。あーっ!なんでこうなったのかしら!精神的に安定してると自負している私が、こんな風になるなんて。

寝室にあるお気に入りの椅子に半分倒れこむようにして座る。

「ヘイダル様と上手く関係を築けていけるかしら…?」
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