異世界転生の王道を行く

美青年

ご令嬢達との話がひと段落ついて、ジャクリーン様と一緒に中庭にあったテーブルで紅茶を飲む。

中庭はすごく広くて、大きな噴水が真ん中にある。壁は真っ赤なバラで埋め尽くされていて、美しい。

美味しい紅茶と一緒に、スコーンに濃厚な生クリームを乗せたものを食べていると…

「お楽しみのところ申し訳ない。妹に用事があってな。」と、頭上から声がした。

周りから痛々しい視線を感じる！妹ってことは王太子殿下じゃん！やばっ！

急いで立ち上がろうとすると、「焦らなくて良いぞ、そのままで良い。妹に友人ができたと聞いたので挨拶に来ただけだ。私はホスローだ。こんにちは。アイシャ殿。妹と気の会う友人はなかなか見つからなくてな、アイシャ殿が友人になってくれるのならこちらも嬉しく思う。」

「ご機嫌よろしゅう、王太子殿下。私の方こそ光栄ですわ。こんなに博識でお美しいお方と友人になれるなんて。」

「良い友人ができたな、ジャクリーン。大切にしろよ。」

「勿論ですとも、お兄様。」

ひぇーーー。美男美女が並んで会話すると神々しすぎる！いや、さすが王族。
特にホスロー様は(こちらも名前呼びの許可をもらった)ものすごいハイスペックで有名だ。隣国から山のように婚姻の申し込みがあると聞く。ホスロー様はどれも受け取らないので同性愛者なのではという噂もあるほどだ。少し腐女子気味な私は興奮したが、ジャクリーン様に聞いたところ、出来れば自国の人と結婚したいと思ってるんだとか。ちなみにジャクリーン様の2歳年上だ。

国同士の関係的にどうなのって思ったけど、この国は周りの国と比べても圧倒的な豊かさと軍力があるので多分問題ない…はず！(生きてる間に戦争とかやだ！！！)


それはともかくホスロー様の話題に戻ると、髪は勿論銀色。目も金。王家特有のゴージャスさだ。
目は切れ長で、まつげは長く、眉は凛々しく男らしい。筋骨隆々だけどマッチョ過ぎるわけでもなくて、(こんなこと言ったら変態っぽいけど！)良い体をしてる。髪の毛は短く切ってあり、最先端のスタイルだ。

そして！笑った時が最高に可愛い！凛々しくて少し怖い印象を持ちそうな顔が、くしゃっとなって、いきなり子犬みたいな可愛さになる。あ゛ー。眼福眼福。あんな人と婚約できたらって思うけど、私なんかじゃ無理だろうな。どんな完璧超人の人と結婚するのかしら。知りたいような知りたくないような…