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23.やきもち後
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ルートと話したことで自分の気持ちがわかったけれどまさかやきもちだとは思わなかった。セドリックさんと普が過ごして嫌なことが起きないか心配していたからわからなかったんだ。
普に話した後しばらくギュッギュッと抱きしめられたりしたけどさみしそうな顔じゃなくなったのを確認すると離れた。すぐくっついてきたけど。
職場ではみんな心配して声をかけてくれるから解決したよと伝えた。
ルートや知り合いから聞いたのだろうセドリックはニヤニヤしながら
「アマネの隣で一緒に鉱物を見ていればいい。俺はいるがな」
「普ちゃんの楽しい時間を邪魔したくないので」
「またやきもちとやらで困らせる気か」
どう言うべきかわからない。またやきもちを焼く可能性はある。
セドリックはまた口を開くと
「俺と話す時間を作ってやる。俺を知れば…そうすれば何か変わるだろ」
「良貴も一緒?」
「今日のはこの中に入っている。イトウと話がしたいから場所を借りたい。借りる代わりに付き人を貸す。どうだ?」
「僕は良いよ」
飲み物を用意して作業台の方で普と付き人はかばんを開けて話し始めた。
伊藤とセドリックは奥の部屋のテーブルの方で話をすることにした。「アマネが飲み物とお菓子を出してやるから付き人が喜んでそれから会話するようになった」と作業台の方を見てセドリックは笑った。「仕事中は俺とばっか話すことになるからな。表情が柔らかくなってる」
「彼はボディーガード以外にも何か?」
「秘書だな。覚えがいいからやらせてみたら世話を焼いてくるようになった」
楽しんでる気がするなぁ思ったけれど口には出さずに笑えば「退屈しなくていい」と言われた。
正直セドリックさんの何を知ればいいのかわからない。名前、職業、話し方といった最低限のことしか知らない。
「本業の方はいいんですか?」
「問題ない。もう一つは問題ありだな」
聞きたいことはわかっているらしい。
「本当にあいつは喋らないな。刺激してやっと何か言うが意味のある言葉なのかどうか…いや別の尋問官の情報を合わせれば意味のあるように聞こえる言葉もある。終わりが見えない尋問はあまり好きじゃない」
本業が大事だろうに今回の尋問を何故引き受けたのか?友人が巻き込まれているとはいえ関わらない道もあったはずだ。
「あなたが無理に尋問を引き受けなくてもよかったのでは?」
「代わりはしないといけないからな」
「…」
「ノアは俺が仕事の関係で家族を作る気がないことを知っていた。ある時、私の代わりにこれから生まれる孫の外国人の祖父役をしてほしいなんて言われた。駄目なら友人でもいいと。それで全てチャラにしてやるとまで言われた。あいつが難しい頼みをしてきたのはこれが最初で最後だ」
「ノアならやる事を全て」
「孫に会い、孫を理解し、孫を守る…出来る範囲でな。子や孫、友人どの枠で見るべきか俺にはわからない。ヨシタカ、君は俺と同じだ。長くアマネと過ごしても親とは違う見方、感情を抱く。どうにもならない事さ。上手くやっていくしかない」
「表に感情が出るのはどうにかしたいと思ってます」
「無意識なんだろ?君の場合は解決しないといけないから出る。それだけの事だ。俺はよく楽しそうだなって言われるよ」
「今もニヤニヤしてますよ」
「俺もやきもち焼いたからな」
「え?」
「セドリックさんちょっといいですか」と尋問官が来たためセドリックが席を外した。
すると普と話していた付き人が近づいてきて
「セドリックはあなたにヤキモチを焼いたんです。アマネさんからヨシタカという名前ばかり出てくるので。あの方の場合は楽しそうです」
「基本楽しむ方なんですね」
「人で遊んでいるとよく言われていますから」
「誰が人で遊んでるって?」
尋問官と話を終えたセドリックが言うと
「失礼しました。アマネさんの所へ戻ります」
とサッと付き人は普の所へ戻った。
普がいろんな人と関わるようになれば今回みたいな事はよく起きるようになるのか?それとも慣れるのだろうか?とセドリックと話してから思う。
ご飯を食べながら話せば
「相手次第といったところでしょうかね。今回のようによく知らない相手が普さんの事をよく知っているなんてことがあればまたやきもちを焼いてしまうかと」とルートは言う。
「私はよくわからないなぁ。普が誰かに嫌なことされたりすれば怒ったりするけど。他の人とばっかり手合わせしてたらヤキモチ焼くかも」とエリザ。
「伊藤さんは関わり方が俺たちとは全く違うので悩むことは多いと思います。伊藤さんに何かあれば普が心配するので頼ってください。出来る事はしますから」と虎二。
「頼れる仲間が近くにいて頼らないのはヨシタカの悪い部分だな。アマネが似たらどうするんだ」と何故かいるセドリックと付き人。
「セドリックおじさんよく食堂利用してるね」と黙々とご飯を食べていた普が言った。何度か見かけた事があるらしい。
「ここの食事はなかなか美味しい」とセドリックは言い、「ある程度安全な場所で食事して頂けるので助かります。私も食事できますし」と付き人。
外での食事は心配事が多いようだ。本業のことを考えれば狙われるのも分かる。
しばらくはこのメンバーでご飯を食べることは多いかもしれない。
付き人と普
「こちらに来てからとても楽しみな事があります」
「僕の所でお茶してるとき嬉しそうだよね」
「安全ですからお茶を楽しめます。ルートさんの作ったお菓子を食べると幸せです。」
笑いかける以外は仕事中なので無表情だけどお茶中は頬が緩みっぱなしなのでセドリックおじさんがニヤニヤしながらいじってる。
普に話した後しばらくギュッギュッと抱きしめられたりしたけどさみしそうな顔じゃなくなったのを確認すると離れた。すぐくっついてきたけど。
職場ではみんな心配して声をかけてくれるから解決したよと伝えた。
ルートや知り合いから聞いたのだろうセドリックはニヤニヤしながら
「アマネの隣で一緒に鉱物を見ていればいい。俺はいるがな」
「普ちゃんの楽しい時間を邪魔したくないので」
「またやきもちとやらで困らせる気か」
どう言うべきかわからない。またやきもちを焼く可能性はある。
セドリックはまた口を開くと
「俺と話す時間を作ってやる。俺を知れば…そうすれば何か変わるだろ」
「良貴も一緒?」
「今日のはこの中に入っている。イトウと話がしたいから場所を借りたい。借りる代わりに付き人を貸す。どうだ?」
「僕は良いよ」
飲み物を用意して作業台の方で普と付き人はかばんを開けて話し始めた。
伊藤とセドリックは奥の部屋のテーブルの方で話をすることにした。「アマネが飲み物とお菓子を出してやるから付き人が喜んでそれから会話するようになった」と作業台の方を見てセドリックは笑った。「仕事中は俺とばっか話すことになるからな。表情が柔らかくなってる」
「彼はボディーガード以外にも何か?」
「秘書だな。覚えがいいからやらせてみたら世話を焼いてくるようになった」
楽しんでる気がするなぁ思ったけれど口には出さずに笑えば「退屈しなくていい」と言われた。
正直セドリックさんの何を知ればいいのかわからない。名前、職業、話し方といった最低限のことしか知らない。
「本業の方はいいんですか?」
「問題ない。もう一つは問題ありだな」
聞きたいことはわかっているらしい。
「本当にあいつは喋らないな。刺激してやっと何か言うが意味のある言葉なのかどうか…いや別の尋問官の情報を合わせれば意味のあるように聞こえる言葉もある。終わりが見えない尋問はあまり好きじゃない」
本業が大事だろうに今回の尋問を何故引き受けたのか?友人が巻き込まれているとはいえ関わらない道もあったはずだ。
「あなたが無理に尋問を引き受けなくてもよかったのでは?」
「代わりはしないといけないからな」
「…」
「ノアは俺が仕事の関係で家族を作る気がないことを知っていた。ある時、私の代わりにこれから生まれる孫の外国人の祖父役をしてほしいなんて言われた。駄目なら友人でもいいと。それで全てチャラにしてやるとまで言われた。あいつが難しい頼みをしてきたのはこれが最初で最後だ」
「ノアならやる事を全て」
「孫に会い、孫を理解し、孫を守る…出来る範囲でな。子や孫、友人どの枠で見るべきか俺にはわからない。ヨシタカ、君は俺と同じだ。長くアマネと過ごしても親とは違う見方、感情を抱く。どうにもならない事さ。上手くやっていくしかない」
「表に感情が出るのはどうにかしたいと思ってます」
「無意識なんだろ?君の場合は解決しないといけないから出る。それだけの事だ。俺はよく楽しそうだなって言われるよ」
「今もニヤニヤしてますよ」
「俺もやきもち焼いたからな」
「え?」
「セドリックさんちょっといいですか」と尋問官が来たためセドリックが席を外した。
すると普と話していた付き人が近づいてきて
「セドリックはあなたにヤキモチを焼いたんです。アマネさんからヨシタカという名前ばかり出てくるので。あの方の場合は楽しそうです」
「基本楽しむ方なんですね」
「人で遊んでいるとよく言われていますから」
「誰が人で遊んでるって?」
尋問官と話を終えたセドリックが言うと
「失礼しました。アマネさんの所へ戻ります」
とサッと付き人は普の所へ戻った。
普がいろんな人と関わるようになれば今回みたいな事はよく起きるようになるのか?それとも慣れるのだろうか?とセドリックと話してから思う。
ご飯を食べながら話せば
「相手次第といったところでしょうかね。今回のようによく知らない相手が普さんの事をよく知っているなんてことがあればまたやきもちを焼いてしまうかと」とルートは言う。
「私はよくわからないなぁ。普が誰かに嫌なことされたりすれば怒ったりするけど。他の人とばっかり手合わせしてたらヤキモチ焼くかも」とエリザ。
「伊藤さんは関わり方が俺たちとは全く違うので悩むことは多いと思います。伊藤さんに何かあれば普が心配するので頼ってください。出来る事はしますから」と虎二。
「頼れる仲間が近くにいて頼らないのはヨシタカの悪い部分だな。アマネが似たらどうするんだ」と何故かいるセドリックと付き人。
「セドリックおじさんよく食堂利用してるね」と黙々とご飯を食べていた普が言った。何度か見かけた事があるらしい。
「ここの食事はなかなか美味しい」とセドリックは言い、「ある程度安全な場所で食事して頂けるので助かります。私も食事できますし」と付き人。
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「安全ですからお茶を楽しめます。ルートさんの作ったお菓子を食べると幸せです。」
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