【 レンタル彼氏 】完

霜月 雄之助

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【違う使い方】*H無し*

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 レンタル彼氏を初めて頼んでみた。多分、皆と使用方法が違うと思う。
待ち合わせ場所は入谷駅前の東口の大きな木の前。

時間ピッタリ12:00。
俺「こんにちは、前田です!」
今「こんにちは、今井です。」
前「さ、行きましょう―」
今「はい」
 
町を二人でブラブラと歩く。
ランチにイタリアン・レストランで食事をして、ピザとパスタをシェアして食べた。
俺「今井くん、趣味とかあるの?」
今「趣味ですか?ギターが好きで弾いてますね」
俺「へ~、いいですね!素敵な趣味だと思いますよ!」
今「前田くんの趣味は?」
前「俺?俺は…。料理かな?」
今「俺は料理しないから、料理好きな人は憧れるな」前「ハハッ、食べるの専門だー」
今「そうそう」
他愛もない話をし、店を出た。
公園を散策しながら一緒の時間を過ごした。
今「長閑(のどか)だねー」
前「うん、長閑」
ベンチに座り、話し始める。
今「なんか久しぶりにちゃんとしたデートしてるみたいだ」
前「うん、そうだね」
今「前田くん、何かあったの?
もし嫌じゃなかったら?」
前「あ!あ、ありがとう。いや、大した事じゃないんだ…」
今「そう?」
前田は立ち上がり、両腕を空に上げた。
前「実はね、彼氏にフラれたんだ」
今「長かったの?」
前「うん、5年くらいかな」
今「5年!長いね…」
前「なんでだろうね?」
今「え?」
前「なんで別れる事になったのかな?って」
今「え?別れた理由、分からないの?」
前「うん。ただ独りになりたい!って、そんだけ」
今「独りになりたい…、一緒に住んでいた訳じゃないんでしょ?」
前「うん、別々だよ」
今「も、戻ってくるんじゃない?」
ハッ!として前田が振り返り
前「そんなこと言って大丈夫?今井くんは優しいね」
今「大丈夫もなにも。本音だから」
前「ありがとう!」

前「今井くんは付き合ってる人、いないの?」
今「うん、今は独り。こんな仕事しているし。」
前「レンタル彼氏?」
今「そ、大体は売り専となんら変わらないし…」
前「今井くん、嫌だったら答えなくても良いから、聞いて」
今「お!うん、いいよ」
前「今井くんはなんでこの仕事を選んだの?」
今「ははは、だよね?知りたいよね?」
前「………」
今「大した理由もないよ!お金が良いって事、売り専じゃないって事。そんだけ!」
前「今井くんはそれでいいの?」
今「うん、今はこれでいい―」
前「彼氏がいないから?」
今「正直、それもあるね。」
今井は少し考えてから、口を開いた。
今「正直に言うと―」
前田は今井の横に腰を下ろした。
前「正直に言うと?」
今井は照れ笑いのような笑顔を浮かべ続けた。
今「この仕事でいい人との出会いもあるかもしれない…って」
前「…」
今「あ!今、彼氏いないから言える事でもあるよね」
前「そういうものなんだ…」
今「俺の場合…ね。なかったけどさ!」
前「?」
今「レンタル彼氏始めて、三年経つけど皆、同じだった。今日までは!」
前「きょ、今日まで?」
今「うん、そう。前田くんみたいな人は初めて出会ったよ」
前「いつもは…」
今「ご想像通り、体目的だよ」
前「体目的か…」
今「レンタル彼氏…、売り専じゃないにしろ、目的はおんなじ!」
前「―なんだ」

今「え?ごめん、よく聞こえなかった」
前「別れた彼氏がね、今やってるのがレンタル彼氏なんだ…」
今「え?まじ?」
前「うん…」

そういうこと事か…と今井。
同じく、そういうことだったんだ…と前田。

その後、前田の別れた彼氏が前田の元に戻ったかどうかは別の話し―。

おしまい~
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