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【 オジサン 】

【 オジサン 】①

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俺は49歳―。オジサンだ。
若い時に仕事ばかりしてしまい、
ゲイ活動をあまりしていなかった…。
今、この歳になって後悔している。
若い時にしか出来なかった事、
やりたかった事など…。

その答えが今の俺なんだろう…。

横に居てくれる人もいない…。
寄り添ってくれる友だちさえ、いない―。

思いきって
髪を坊主頭にしてみた。
少し若くなった気もした…。
会社の同僚たちには
「何か悪い事した罰…?」と
からかわれた…。

とにかく、俺は人生を後悔していた…。

ある日、海沿いを車で走っていると一人寂しそうに歩く青年がいた―。
まだ若いのに…と思いながら
追い越した先に車を停車した。

一度くらい…。
やってみよう!

青年の前に俺は出て行った…。

若い…。近くで見た感想だ…。
完全に肩を落とし、下を見て歩いていた。
若者らしくないトボトボと歩いていた…。

勇気を出せっ!一度くらい…。

俺「き、君…?」
青年「は、はい…」

俺「元気なさそうだけど…、何かあったのかい…?」
突然、オジサンからの言葉に
驚いたのか…
青年「な、何でです…?」
俺「いや、何か悩みでも抱えていて辛そうに見えたもんで…」
青年「あ、ありがとうございます!」
お礼を言われ、俺の方が驚いてしまった―。
俺「いや…。気になってしまってね…」
青年「気にかけて頂き、嬉しいです…」
俺「もし、まだこの先に行くなら乗っけて行こうか?」
青年「え…?!」
俺「あ!誘拐とかそんなじゃないぞ!決して!」
青年「ハハッ…。はいっ!じゃあ…お願いしてもいいですか?」
俺「あぁ…」
青年は俺の車に乗り込み、先へと走り出した―。
青年「この先の田山町って所で…」
俺「え!俺の住んでる町!」
青年「え!?そうなんですか…?」
俺「うちは田山町2丁目…」
青年「あ!近いですね!うちは1丁目です…」
俺「隣だなぁ…」
偶然にも同じ町に住む青年だったとは…。

田山町`1丁目付近―。

他愛ない話をしているうちに
到着していた。

青年「どうも、ありがとうございました!助かりました!」
俺「いやいや…。ハハッ…」
ドアを閉め、深々と頭を下げていた…。
俺はイイ子だな…と思った―。

青年「あの…!」
俺「うん…?」
青年「良かったら又、会ってもらえませんか…?」
俺「こんなオジサンで良ければ…喜んで!」
連絡先交換をし、お別れした…。

つづく~

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