上 下
81 / 204
【 オジサン 】

【 オジサン 】①

しおりを挟む
俺は49歳―。オジサンだ。
若い時に仕事ばかりしてしまい、
ゲイ活動をあまりしていなかった…。
今、この歳になって後悔している。
若い時にしか出来なかった事、
やりたかった事など…。

その答えが今の俺なんだろう…。

横に居てくれる人もいない…。
寄り添ってくれる友だちさえ、いない―。

思いきって
髪を坊主頭にしてみた。
少し若くなった気もした…。
会社の同僚たちには
「何か悪い事した罰…?」と
からかわれた…。

とにかく、俺は人生を後悔していた…。

ある日、海沿いを車で走っていると一人寂しそうに歩く青年がいた―。
まだ若いのに…と思いながら
追い越した先に車を停車した。

一度くらい…。
やってみよう!

青年の前に俺は出て行った…。

若い…。近くで見た感想だ…。
完全に肩を落とし、下を見て歩いていた。
若者らしくないトボトボと歩いていた…。

勇気を出せっ!一度くらい…。

俺「き、君…?」
青年「は、はい…」

俺「元気なさそうだけど…、何かあったのかい…?」
突然、オジサンからの言葉に
驚いたのか…
青年「な、何でです…?」
俺「いや、何か悩みでも抱えていて辛そうに見えたもんで…」
青年「あ、ありがとうございます!」
お礼を言われ、俺の方が驚いてしまった―。
俺「いや…。気になってしまってね…」
青年「気にかけて頂き、嬉しいです…」
俺「もし、まだこの先に行くなら乗っけて行こうか?」
青年「え…?!」
俺「あ!誘拐とかそんなじゃないぞ!決して!」
青年「ハハッ…。はいっ!じゃあ…お願いしてもいいですか?」
俺「あぁ…」
青年は俺の車に乗り込み、先へと走り出した―。
青年「この先の田山町って所で…」
俺「え!俺の住んでる町!」
青年「え!?そうなんですか…?」
俺「うちは田山町2丁目…」
青年「あ!近いですね!うちは1丁目です…」
俺「隣だなぁ…」
偶然にも同じ町に住む青年だったとは…。

田山町`1丁目付近―。

他愛ない話をしているうちに
到着していた。

青年「どうも、ありがとうございました!助かりました!」
俺「いやいや…。ハハッ…」
ドアを閉め、深々と頭を下げていた…。
俺はイイ子だな…と思った―。

青年「あの…!」
俺「うん…?」
青年「良かったら又、会ってもらえませんか…?」
俺「こんなオジサンで良ければ…喜んで!」
連絡先交換をし、お別れした…。

つづく~

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

サクッと読める♪短めの意味がわかると怖い話

レオン
ホラー
サクッとお手軽に読めちゃう意味がわかると怖い話集です! 前作オリジナル!(な、はず!) 思い付いたらどんどん更新します!

男性向け(女声)シチュエーションボイス台本

しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。 関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください ご自由にお使いください。 イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました

【一話完結】3分で読める背筋の凍る怖い話

冬一こもる
ホラー
本当に怖いのはありそうな恐怖。日常に潜むあり得る恐怖。 読者の日常に不安の種を植え付けます。 きっといつか不安の花は開く。

【短編】怖い話のけいじばん【体験談】

松本うみ(意味怖ちゃん)
ホラー
1分で読める、様々な怖い体験談が書き込まれていく掲示板です。全て1話で完結するように書き込むので、どこから読み始めても大丈夫。 スキマ時間にも読める、シンプルなプチホラーとしてどうぞ。

処理中です...