Re:love again

霜月 雄之助

文字の大きさ
上 下
58 / 128
【 虹色時代 】

【 幻のゴール 】

しおりを挟む
マネージャーなどには自宅に居ると嘘をついているらしく、カミアは今日一日はこのホテルでカンナと過ごすつもりらしい。

「水、飲んでくる……」

誉めそやされたカンナは真っ赤な頬に手を当て、そそくさとこの部屋備え付けのミニ冷蔵庫へと走った。

「水月くん、僕ね、あの時……お兄ちゃんが僕を、じゃなくて……僕がお兄ちゃんを庇えてたら、お兄ちゃんは僕よりもっといいアイドルになれてたんだろうなって、よく思うんだ」

上半身裸のまま、カミアは俺に対して真面目なトーンで話している。俺もそれを真面目に聞こうとするが、どうしても桜色の蕾が気になってしまう。

「僕はそのアイドルを目指してる。世界一の、最高のアイドルだよ」

「……うん」

「応援してくれる?」

「当然だよ。また今度、ハルと一緒にペンライト振りに行く」

「あはっ、それは嬉しいなぁ」

アイドルに潤んだ瞳で微笑んでもらっているのに、俺の目はカミアの乳首に釘付けだ。

「そうだ、カンナにお前と握手する時言ってやれって前から頼まれてたことなんだけどな、握手会の時は言いそびれてたんだ」

「うん、何?」

「歌、上手かったよ。すごかった。ハルに誘われただけで、それまでお前の歌ほとんど聞いたことなかったし、人生で一度もライブってものに行ったことなかったけど、めちゃくちゃ楽しかったし正直ハマった。俺にとっての最高のアイドルにはもうなってるよ」

「…………えへへへっ、照れちゃうなぁ。そういうこと今までいっぱい言われてきたはずなんだけど、なんだろ……なんか感動しちゃった」

「あ、カンナは歌褒めてやれって言っただけだからな? ほとんど俺の感想だ」

「だいたい分かるよ~……ふふふっ」

カミアはだらしなく頬を緩ませ、照れ隠しに身体をくねらせる。無防備な素肌を見て俺は劣情を滾らせるばかりだ。

「おかえりお兄ちゃん」

水分補給を終えてカンナが戻ってくると、カミアはすぐにカンナに抱きついて「水月くんに歌を褒められた」と報告した。
聞いて欲しい聞いて欲しいと全身で表現している小型犬のようなカミアも、そんなカミアに兄としての優しい視線を向けて微笑むカンナも、甲乙つけ難い……いや、つけてはならない美しさだ。

(…………てぃんてぃん痛くなってきましたな)

今はカンナに頼めないし、帰るのも愛想がない。タイミングを見てトイレにでも行こう。

「近況報告も終わったし、もうすることないね。遊ぼっか! お兄ちゃん、何して遊ぶ? ゲーム機は一応あるけど」

「……みぃくん」

「ん? うん、そうだね、三人で遊ぼっか」

「…………え、いいのか? 気ぃ遣わなくていいぞ、兄弟水入らずだろ、邪魔しちゃ悪いよ」

邪魔すると百合に挟まる男みたいで自分を自分を許せなくなりそうだし、さっさとトイレでシコりたい。
そう考えて遠慮しているのに、カンナがきゅっと服の裾を掴んだ。気の弱い幼児のような仕草には敵わない、俺はにへ~っとだらしない笑顔を浮かべた。

「三人で何したいの? お兄ちゃん」

「みぃ、く……きて」

服を引っ張られて連れられた先はダブルベッドだ。ホテルらしく綺麗にメイキングされたそこに俺を座らせ、床に膝をついた。

「えっ? ちょっ、お、おい、カンナ……」

どうやらカンナは俺の勃起に気付いていて、抜いてくれようとしているらしい。

「ちょっ……お兄ちゃん!? な、何して……」

「みぃくん、苦しそうだから……遊ぶの、これしてからね」

「カンナ……ありがたいけど、カミアと遊んでていいぞ? 俺は一人で抜いてくるから」

カンナは構わずベルトを外し、ファスナーを下ろし、下着の膨らみを包むように手を押し当てて熱を確かめた。

「お、お兄ちゃんっ、水月くんしなくていいって言ってるよ?」

「…………したい」

小さく呟いたカンナは下着のウエストに指をかけ、下着越しの陰茎にぷにっと頬を押し当て、前髪で隠れて見えないがきっと可愛い上目遣いで俺を見上げた。

「だ、め……?」

「もちろんダメではないんだけども!」

反射的にそう返事をした瞬間、ぶるんっと下着から解放された陰茎が飛び出した。頬を赤らめたカンナは嬉しそうに口元を緩め、カミアは生娘のように目を覆った。

(カンナたそこんなにわたくしのてぃんてぃん好きな子でしたっけ? すっごいエロい笑顔してますぞ!)

弟の前で躊躇なく恋人にフェラを始めるような子だったのか? それほどカミアに気を許しているということだろうか。いや、日頃他の彼氏達の目の前でイチャついているから感覚がおかしくなっているのか?

「あ……カミア、見たくないだろ。隣の部屋行ってていいぞ」

「い、嫌がってなんてっ……ない」

「……え? いや、嫌だろ? 久しぶりに会ったお兄ちゃんがこんな……男のしゃぶるとこ見るなんて」

カンナはちゅ、ちゅっと陰茎にキスを繰り返している。夢中なようでカミアの方を見てすらいない。

「僕の知らないところでお兄ちゃんが僕の知らないことする方が嫌!」

「そ、そうか……じゃあ、まぁ……変な言い方になるけど、見てってくれ」

「見てく……うぅ、お兄ちゃあん……」

人気アイドルにフェラの様子を眺められるなんて、一体全体どういうプレイなんだ。困惑もあるが見られることに興奮してしまって陰茎がいつも以上に辛い。

「……っ、カンナ……もう」

唇を吸いつかせるカンナは可愛いけれど刺激としては焦れったくて、顎の下を撫でて本格的なフェラを促す。するとカンナはぱくっと亀頭を咥え、ちゅうちゅうと吸いながら舐め回してくれた。

「…………お兄ちゃん、すごく幸せそうな顔してる」

そうなのか? 俺からは髪で顔が隠れてよく見えないけれど……双子の弟がそう感じるなら間違いはない。カンナが幸せなら俺は嬉しい。

「……お、お兄ちゃん。それ……そんなに、楽しいの?」

おや? 俺とカンナの交際を認めてやるみたいな方向に行くと思っていたが──風向き、変わったな。
しおりを挟む
【 RUSH!(ラッシュ!)】 色んな物語のオムニバス小説集。 【 オジサン 】 【 土方の兄ちゃん 】 【 蜘蛛男 】 【 オレはスイマー! 】 【サイクリング・マン 】 【 未成年 】 【 RAPE-MAN 】レイプマン 【 雄交尾 】 【 魔神伝説~願いの壺~ 】 【モテキ~悲しい三角関係~】 等々 新作小説やエロ小説、たくさん詰まった 【 RUSH! 】 小説の宝箱 霜月 雄之助
感想 0

あなたにおすすめの小説

一人用声劇台本

ふゎ
恋愛
一人用声劇台本です。 男性向け女性用シチュエーションです。 私自身声の仕事をしており、 自分の好きな台本を書いてみようという気持ちで書いたものなので自己満のものになります。 ご使用したい方がいましたらお気軽にどうぞ

【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》

小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です ◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ ◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます! ◆クレジット表記は任意です ※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください 【ご利用にあたっての注意事項】  ⭕️OK ・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用 ※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可 ✖️禁止事項 ・二次配布 ・自作発言 ・大幅なセリフ改変 ・こちらの台本を使用したボイスデータの販売

【ショートショート】おやすみ

樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
◆こちらは声劇用台本になりますが普通に読んで頂いても癒される作品になっています。 声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。 ⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠ ・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します) ・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。 その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

シチュボ(女性向け)

身喰らう白蛇
恋愛
自発さえしなければ好きに使用してください。 アドリブ、改変、なんでもOKです。 他人を害することだけはお止め下さい。 使用報告は無しで商用でも練習でもなんでもOKです。 Twitterやコメント欄等にリアクションあるとむせながら喜びます✌︎︎(´ °∀︎°`)✌︎︎ゲホゴホ

シチュボの台本詰め合わせ(女性用)

勇射 支夢
恋愛
書いた台本を適当に置いておきます。 フリーなので好きにお使いください。

男性向けフリー台本集

氷元一
恋愛
思いついたときに書いた男性向けのフリー台本です。ご自由にどうぞ。使用報告は自由ですが連絡くださると僕が喜びます。 ※言い回しなどアレンジは可。 Twitter:https://twitter.com/mayoi_himoto YouTube:https://www.youtube.com/c/%E8%BF%B7%E3%81%84%E4%BA%BA%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF%E6%B0%B7%E5%85%83%E4%B8%80/featured?view_as=subscriber

男性向け(女声)シチュエーションボイス台本

しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。 関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください ご自由にお使いください。 イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました

処理中です...