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第5章 教会編
リディア視点
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勝負当日、アタイ達は奴等の息の根を止める為にこの街の商会の有力者を集め、奴等が来るのを待った
昨日は拍子抜けする程上手くいった
私が1人で敵の陣地に行くはずがないだろうに、アイツ等に警戒心は無いのかい
アタイを拘束するでもなく自由に歩き回らせるとはね、お陰で上手くいった
アタイが窓ガラスに姿を見せてノックで暗号を出していたとは気付きもしなかったし
色々準備していたのが馬鹿らしくなってくる
楽に奴等の修理したばかりの馬車も壊せた、そして他の修理中の馬車も数日では直せない様に手も回した
これで奴等は勝負すら出来ない筈だ
筈なのだが、奴等は広場にやってきた
歩いて来たのに表情に焦りの様子は無い、最初は驚いたが思うに奴等の精一杯の強がりだろうと思い直す
だが昨日から嫌な予感がするのは何でだ?
その気持ちを押し込め、努めて冷静にグレンにけしかける事にしたのだが
返ってきた言葉と表情は予想と正反対だった
「どうしたんだい歩いて来て、今日は配達の勝負なんだ。
馬車が無ければ勝負どころじゃないだろう、アンタ達のたった1台しかない馬車はどうしたんだい?」
アタイは呼んでおいた有力者の商会達に聞こえるように大きな声で説明した
グレンはあの男と何かコソコソと話をしている
そうだ、あの男が現れてからだ。妙な胸騒ぎが止まらないのは
見た目はナヨっとして、ずっとヘラヘラと何処か他人事の様にしていた
海斗と言う名前だったね、あんなに強いヨシユキが慕っていたんだ。
何かあるのは間違いないと思う、だけどどう見ても何も感じ取れない、それが非常に不気味に見える
やがてコソコソと話していたグレンがアタイの前に出てきた
「すまんな、何故か直ったばかりの馬車が壊されていたんでな、急遽歩いてきたんだ
不思議だよな?急に決まった勝負の前日に壊されるなんてな?」
こいつわざとだね、近くにいる商会達にアタイへの不信感を募らせようとしている。けどそうはいかないよ
「そうかい、そいつぁ不幸な事もあったもんだね。
しかし昨日も言った通り変更は無しだ、配達はしてもらうよ」
「あぁ、分かった」
「何っ!?」
何故そんなに即答出来るんだい!?馬車は壊れてる筈だろう?
「で?ルールを教えてくれ」
「・・・あ、あぁ、ココから荷物を載せてジーナの街のプルコ商会へ納品する。
そして引渡書を受け取って早く帰ってくればいい。簡単だろう?普通に馬車があれば往復4日だ、異論は無いかい?」
「あぁ、無いぞ」
「っ!?じゃ、じゃあ勝負開始だ。この荷物を載せて行ってくれ」
何なんだいあの余裕は!?
いや、そんな筈はないよ。移動手段は無い筈だ、運ぶ荷物も馬車でないとキツい筈
マジックバッグでも量を用意しなければならないし、何よりそんな高級な物を昨日の今日で用意できる筈がない
もしかして何処からか借りてきたとか?いや、伝のある所には既に手を回している
けど油断は禁物だね、アタイは最悪を想定して色々準備をしてきたんだ。
念には念を入れておかないと
馬車に乗り込む前に部下に指示を出しておく
「よし、じゃあ出発するよ」
グレン達はまだ動こうとはしない、それを横目に街を出た
出だしは順調に進んでいる、後ろから追っては来ていない
念のためアイツ等の行動を監視しておく為に早馬を2頭用意している、何か有れば1人知らせに来てくれる手筈になっている
走り出して半日が過ぎ、アタイ達はトラブルも無く進んでいる
「・・・順調過ぎる」
「姉御?順調なのは良い事じゃないですかい?」
部下の1人に呟きが聞こえたのだろう、不思議な顔をされた
「それが不気味なのさ、何かあると思っていたんだよ。あんなに余裕を見せていたんだからね」
「多分強がりですぜ、あれだけ用意周到に準備したんですよ!普通なら八方塞がりでしょう」
「そうだといいんだけどね」
引っ掛かるものを覚えながら馬車を走らせていると、背後から馬に乗った男が此方に向かって来ていた
「姉御、奴等馬車でこっちに向かってきている!」
「何だって!?」
そんな筈はない、アイツ等が用意出来る馬車は無いんだ
「一体どうやって!?」
「そ、それが姉御達が出て行って半日後に、何処からともなく馬車を引っ張って来やがったんだ」
そんな馬鹿な!?
「誰だい?馬車を引っ張って来た奴は?」
「奴等は海斗と呼んでいました」
やっぱり奴か、どうやらグレンとは別の伝があった様だね。
昨日まで居なかったという事は予め何処かで馬車を借りてきて当日まで隠していたんだろう
だからグレンもあんなに余裕があったのか!?
「・・まあいいさ、いつかは何処かで馬車を用意するだろうと予想はしてた。それが大分早まっただけさ、奴等とは半日分の差があるんだろう?」
「そうです!」
「よし、ならまだ大丈夫だ。アンタはまた監視に戻りな、アタイ達は予定通り次の街で1泊する。そこで次の作戦を用意する」
「分かりやした」
そう言って部下は馬を走らせ戻っていった
やはりあの男がキーマンだったかい
嫌な予感が的中したね、けど半日も差があればそうそう追いつく事は出来ないだろう。それにアタイ達も結構な速度で走らせている、大丈夫、大丈夫さ
けれど奥に燻る小さな胸騒ぎは治まらない、何なんだい一体
・・・アタイが気弱になってどうする。まだ細工は残っているし見張りもいる、追い付ける要素は無いよ
なんとか納得させリディアは馬車を走らせていく
そして夕方、1泊する予定の街へ到着した
ここには暁月組の支店が置いてある、ここで馬を入れ替え、馬車のメンテナンスをして万全にしてから出発する予定だ
これで馬に負担なく早く届ける事が出来る。奴等には不可能な方法だ、アタイ達みたいに人も財力も無い
強引に追い付いても馬の負担は増えていくばかり
ジーナに行くまでに馬の体力は限界を迎えるだろう
けどグレンには悪いがここでリタイアしてもらうよ
リディアはこの街にいた部下を集めて指示を出す
「いいかい、グレン達の馬車が来たら絶対に馬を休憩させる筈だ。その馬の飲み水に腹下しの薬を混ぜておくように」
「姉御、そこまでしなくても」
「大丈夫だ、腹下しと言っても効果は半日だ。馬には悪いが重症になる訳じゃ無い、ちょっと足留め出来りゃいいんだよ」
「・・分かりやした」
そう言って部下は準備に取り掛かる
アタイ達は明日の為に早目に就寝する事にした
次の日の朝、部下達がバタバタとしており怪訝な顔で部下を捕まえる
「何があったんだい?」
「そ、それが・・奴等がまだ現れないんです」
「何だって?」
どうゆう事だい?ジーナに行くには絶対にこの街を通らなきゃ行けないだろう?
それに馬も休めなきゃいけない
まさかこの街を無視して通過していったとか?馬鹿じゃないのかい?それじゃ馬に負担かけるだけだろうに
途中でバテて終わりだ、そんな事も分からないのかい
リディアが思案しているとグレンを付けていた2人が寄って来る
「どうして2人がココにいる?」
「そ、それが、見失ってしまいまして」
「何だって!?」
2人同時に見失うなんておかしいだろう、あんな大きい馬車だよ?
2人に詳細を聞くと
リディアの条件通り5人は残りグレン達だけで馬車は街を出た
速度は急がず一定の速度で進んでいたという
馬車の内部はよく見えなかったが焦っている様子は無かったようだ
日が落ちて来ると街までまだまだ先だったが、周りが見えなくなるまで進み、ゆっくりと止まるとそこで野営をし始めたそうだ
監視の2人は夜通し交互に見張っていたのだが、ふとした瞬間にグレン達の火が消え、慌てて確認しに行くと、痕跡が跡形も無く消えていた
まるで最初から居なかったかのように
驚いた2人は急ぎ馬を走らせ、リディアの泊まっている街へと到着し、門で見張っていた仲間に報告するも、ここにはまだ来ていないと言われたそうだ
「どうやってアンタ達から監視を逃れたのか分からないが、今はそれを議論してる時じゃないね。
奴等は監視に気付き、夜中の見えない時に撒いて先を急いだのは間違い無い」
「そうだと思いますぜ」
「よし、なら直ぐに準備してアタイ達も出るよ!無謀な強行だ、今からなら直ぐに追い付けるはずだよ」
「「「へい!」」」
やってくれるじゃないか、けどアタイ達を出し抜こうだなんて100年早いよ
体調の良い馬を用意させて急ぎ街を出る
途中で追い付けると確信し周りを注視しながら先を急いだ
通常なら魔物が出た時は止まり対処するのだが、今回は最低限の討伐にして、逃げた魔物や遠くの魔物は無視する
そして目的地のジーナに到着、その間1度もグレン達の馬車を見つける事は無かった
そんな馬鹿な話があるかい!こっちの馬は向こうの馬より半分の工程なんだよ
追い付けない筈がないんだ
困惑しながらもプルコ商会へと向かい、納品と奴等の情報を聞いてみる
すると、商人から衝撃的な一言を聞かされる
「あぁ、お相手の方なら昨日の夕方に来られましたよ」
「・・は?何・・・だって」
昨日は拍子抜けする程上手くいった
私が1人で敵の陣地に行くはずがないだろうに、アイツ等に警戒心は無いのかい
アタイを拘束するでもなく自由に歩き回らせるとはね、お陰で上手くいった
アタイが窓ガラスに姿を見せてノックで暗号を出していたとは気付きもしなかったし
色々準備していたのが馬鹿らしくなってくる
楽に奴等の修理したばかりの馬車も壊せた、そして他の修理中の馬車も数日では直せない様に手も回した
これで奴等は勝負すら出来ない筈だ
筈なのだが、奴等は広場にやってきた
歩いて来たのに表情に焦りの様子は無い、最初は驚いたが思うに奴等の精一杯の強がりだろうと思い直す
だが昨日から嫌な予感がするのは何でだ?
その気持ちを押し込め、努めて冷静にグレンにけしかける事にしたのだが
返ってきた言葉と表情は予想と正反対だった
「どうしたんだい歩いて来て、今日は配達の勝負なんだ。
馬車が無ければ勝負どころじゃないだろう、アンタ達のたった1台しかない馬車はどうしたんだい?」
アタイは呼んでおいた有力者の商会達に聞こえるように大きな声で説明した
グレンはあの男と何かコソコソと話をしている
そうだ、あの男が現れてからだ。妙な胸騒ぎが止まらないのは
見た目はナヨっとして、ずっとヘラヘラと何処か他人事の様にしていた
海斗と言う名前だったね、あんなに強いヨシユキが慕っていたんだ。
何かあるのは間違いないと思う、だけどどう見ても何も感じ取れない、それが非常に不気味に見える
やがてコソコソと話していたグレンがアタイの前に出てきた
「すまんな、何故か直ったばかりの馬車が壊されていたんでな、急遽歩いてきたんだ
不思議だよな?急に決まった勝負の前日に壊されるなんてな?」
こいつわざとだね、近くにいる商会達にアタイへの不信感を募らせようとしている。けどそうはいかないよ
「そうかい、そいつぁ不幸な事もあったもんだね。
しかし昨日も言った通り変更は無しだ、配達はしてもらうよ」
「あぁ、分かった」
「何っ!?」
何故そんなに即答出来るんだい!?馬車は壊れてる筈だろう?
「で?ルールを教えてくれ」
「・・・あ、あぁ、ココから荷物を載せてジーナの街のプルコ商会へ納品する。
そして引渡書を受け取って早く帰ってくればいい。簡単だろう?普通に馬車があれば往復4日だ、異論は無いかい?」
「あぁ、無いぞ」
「っ!?じゃ、じゃあ勝負開始だ。この荷物を載せて行ってくれ」
何なんだいあの余裕は!?
いや、そんな筈はないよ。移動手段は無い筈だ、運ぶ荷物も馬車でないとキツい筈
マジックバッグでも量を用意しなければならないし、何よりそんな高級な物を昨日の今日で用意できる筈がない
もしかして何処からか借りてきたとか?いや、伝のある所には既に手を回している
けど油断は禁物だね、アタイは最悪を想定して色々準備をしてきたんだ。
念には念を入れておかないと
馬車に乗り込む前に部下に指示を出しておく
「よし、じゃあ出発するよ」
グレン達はまだ動こうとはしない、それを横目に街を出た
出だしは順調に進んでいる、後ろから追っては来ていない
念のためアイツ等の行動を監視しておく為に早馬を2頭用意している、何か有れば1人知らせに来てくれる手筈になっている
走り出して半日が過ぎ、アタイ達はトラブルも無く進んでいる
「・・・順調過ぎる」
「姉御?順調なのは良い事じゃないですかい?」
部下の1人に呟きが聞こえたのだろう、不思議な顔をされた
「それが不気味なのさ、何かあると思っていたんだよ。あんなに余裕を見せていたんだからね」
「多分強がりですぜ、あれだけ用意周到に準備したんですよ!普通なら八方塞がりでしょう」
「そうだといいんだけどね」
引っ掛かるものを覚えながら馬車を走らせていると、背後から馬に乗った男が此方に向かって来ていた
「姉御、奴等馬車でこっちに向かってきている!」
「何だって!?」
そんな筈はない、アイツ等が用意出来る馬車は無いんだ
「一体どうやって!?」
「そ、それが姉御達が出て行って半日後に、何処からともなく馬車を引っ張って来やがったんだ」
そんな馬鹿な!?
「誰だい?馬車を引っ張って来た奴は?」
「奴等は海斗と呼んでいました」
やっぱり奴か、どうやらグレンとは別の伝があった様だね。
昨日まで居なかったという事は予め何処かで馬車を借りてきて当日まで隠していたんだろう
だからグレンもあんなに余裕があったのか!?
「・・まあいいさ、いつかは何処かで馬車を用意するだろうと予想はしてた。それが大分早まっただけさ、奴等とは半日分の差があるんだろう?」
「そうです!」
「よし、ならまだ大丈夫だ。アンタはまた監視に戻りな、アタイ達は予定通り次の街で1泊する。そこで次の作戦を用意する」
「分かりやした」
そう言って部下は馬を走らせ戻っていった
やはりあの男がキーマンだったかい
嫌な予感が的中したね、けど半日も差があればそうそう追いつく事は出来ないだろう。それにアタイ達も結構な速度で走らせている、大丈夫、大丈夫さ
けれど奥に燻る小さな胸騒ぎは治まらない、何なんだい一体
・・・アタイが気弱になってどうする。まだ細工は残っているし見張りもいる、追い付ける要素は無いよ
なんとか納得させリディアは馬車を走らせていく
そして夕方、1泊する予定の街へ到着した
ここには暁月組の支店が置いてある、ここで馬を入れ替え、馬車のメンテナンスをして万全にしてから出発する予定だ
これで馬に負担なく早く届ける事が出来る。奴等には不可能な方法だ、アタイ達みたいに人も財力も無い
強引に追い付いても馬の負担は増えていくばかり
ジーナに行くまでに馬の体力は限界を迎えるだろう
けどグレンには悪いがここでリタイアしてもらうよ
リディアはこの街にいた部下を集めて指示を出す
「いいかい、グレン達の馬車が来たら絶対に馬を休憩させる筈だ。その馬の飲み水に腹下しの薬を混ぜておくように」
「姉御、そこまでしなくても」
「大丈夫だ、腹下しと言っても効果は半日だ。馬には悪いが重症になる訳じゃ無い、ちょっと足留め出来りゃいいんだよ」
「・・分かりやした」
そう言って部下は準備に取り掛かる
アタイ達は明日の為に早目に就寝する事にした
次の日の朝、部下達がバタバタとしており怪訝な顔で部下を捕まえる
「何があったんだい?」
「そ、それが・・奴等がまだ現れないんです」
「何だって?」
どうゆう事だい?ジーナに行くには絶対にこの街を通らなきゃ行けないだろう?
それに馬も休めなきゃいけない
まさかこの街を無視して通過していったとか?馬鹿じゃないのかい?それじゃ馬に負担かけるだけだろうに
途中でバテて終わりだ、そんな事も分からないのかい
リディアが思案しているとグレンを付けていた2人が寄って来る
「どうして2人がココにいる?」
「そ、それが、見失ってしまいまして」
「何だって!?」
2人同時に見失うなんておかしいだろう、あんな大きい馬車だよ?
2人に詳細を聞くと
リディアの条件通り5人は残りグレン達だけで馬車は街を出た
速度は急がず一定の速度で進んでいたという
馬車の内部はよく見えなかったが焦っている様子は無かったようだ
日が落ちて来ると街までまだまだ先だったが、周りが見えなくなるまで進み、ゆっくりと止まるとそこで野営をし始めたそうだ
監視の2人は夜通し交互に見張っていたのだが、ふとした瞬間にグレン達の火が消え、慌てて確認しに行くと、痕跡が跡形も無く消えていた
まるで最初から居なかったかのように
驚いた2人は急ぎ馬を走らせ、リディアの泊まっている街へと到着し、門で見張っていた仲間に報告するも、ここにはまだ来ていないと言われたそうだ
「どうやってアンタ達から監視を逃れたのか分からないが、今はそれを議論してる時じゃないね。
奴等は監視に気付き、夜中の見えない時に撒いて先を急いだのは間違い無い」
「そうだと思いますぜ」
「よし、なら直ぐに準備してアタイ達も出るよ!無謀な強行だ、今からなら直ぐに追い付けるはずだよ」
「「「へい!」」」
やってくれるじゃないか、けどアタイ達を出し抜こうだなんて100年早いよ
体調の良い馬を用意させて急ぎ街を出る
途中で追い付けると確信し周りを注視しながら先を急いだ
通常なら魔物が出た時は止まり対処するのだが、今回は最低限の討伐にして、逃げた魔物や遠くの魔物は無視する
そして目的地のジーナに到着、その間1度もグレン達の馬車を見つける事は無かった
そんな馬鹿な話があるかい!こっちの馬は向こうの馬より半分の工程なんだよ
追い付けない筈がないんだ
困惑しながらもプルコ商会へと向かい、納品と奴等の情報を聞いてみる
すると、商人から衝撃的な一言を聞かされる
「あぁ、お相手の方なら昨日の夕方に来られましたよ」
「・・は?何・・・だって」
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