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第5章 教会編

やはりカレーは美味しい

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「「「カレーが食べたい!!」」」

「お、おう」

ミリィの墓から戻った海斗にアジトの子供達が一斉にカレーをリクエストしてきた

またか、またカレーなのか。俺は完全にカレーの人になったのか

子供達をカレー中毒にしてしまったのだろうかと少し後悔してしまう

子供は純粋だからなぁ、カレーのインパクトが強すぎてそのイメージが染み付いたのだろう

・・カレーだけに

他にも色々作ってあげたんだがな、ハンバーグに唐揚げって子供が好きな食べ物上位のはずなのに

「「「!?唐揚げとハンバーグ入れて!」」」

聞かれた!?ボソッと呟いた音量を!?

なんて奴等だ、王道にして至高、in カレーを一瞬にして導き出すとは・・

とまぁ、リクエストされては仕方ない。アジトの女性陣とスミレ・メアに手伝ってもらいカレーとハンバーグに唐揚げを調理していく

「懐かしいね」

そう言って海斗の横で料理を手伝うアニの顔は何処か哀愁を感じる

「そうだな」

あの時はミリィを挟んで料理をしていた、その幸せだった日々は決して忘れる事はないだろう

あの日作った思い出のカレーの他、リンゴとハチミツの甘いカレーや牛すじ煮込みのカレー等バリエーションを増やしてみた

「「「いただきまーーす!」」」

子供達の大きな掛け声が聞こえ一斉にカレーを頬張る

「うまーーい!」

「美味しいよお兄ちゃん」

「唐揚げ入れると最高!」

「いやいや、ハンバーグだって」

「・・・両方入れる、最強」

「「「!!?」」」

子供達がお替り用の唐揚げとハンバーグの皿に群がっていく

「何やってんだアイツらは」

グレンは困った様に笑いながら見守っていた

海斗達は夕飯を一緒に食べておりグレン達と積もる話をしている

「やっぱり海斗はあの戦いに参加していたのか」

ダンが魔王の魔物殲滅戦の話になった時に海斗が参加していたのを知っていた様に話だした

「ギルド経由で参加の打診が来てたんだ、けど俺達が行ってしまうといざという時に子供達がな」

確かに大人達よりも子供の方が多い、もし突破されたり、あの進行から漏れた魔物がこの街に来ていたら守れなくなってしまう

「だから参加出来なかったんだ、けど後から討伐された時の話を聞いてたら荒唐無稽な話ばかり聞いてな、もしかしてって思ったんだよ」

え、待って、どんな話が流れてるの!?

「いや、流石に誇張されてると思うんだけどさ、高台で何故か歌ってる人と隣りでノリ良く魔物を爆発させてる男女がいたとか」

海斗とヨシユキ、メアが顔を見合わせて口をあんぐりと開ける

「後、味方を巻き込む程の大爆発を起こして地形が変わって後始末が大変だったとか」

レオンとメアが海斗を残念な目で見ている

「あ、1つの家で大規模な神聖魔法が発動してたって話もあったな。結局誰が行ったか分からなかったらしいって言ってたけど、そんな事数人で出来るのは聖女か神様くらいじゃないかって」


グレンは何かを察して眉間を押さえている

「初めての大きい戦いのせいで話が盛られ出るんだろうね、空中に飛ぶ物体から音楽が流れたとか1人で皆んなを同時に回復させた奴が居たとか流石にな、海斗だったとしても有り得ないよ」

・・・ゴメン、その話一言一句間違いんだ

「海斗が屋敷潜入で見せた武器を見た奴が誇張して伝わったんじゃないかなって予想してたんだ、海斗だとしたら迷惑してるだろうなって」

「・・・なんかゴメン」

「ん?」

「海斗、お前・・・」

「アハハハ」

「全部か・・」

海斗の乾いた笑いにグレンが呆れた顔で答えを当てレオン達は苦笑いをしていた

海斗がビックリ人間に進化してしまった話をレオンがグレン達に説明しながら晩ご飯の時間は過ぎていった


「はぁー、海斗が人外の域に達した事は理解した。良かったよ、屋敷で敵対してた時はそんな力を持ってなくて」

グレンの言葉に確かにと納得する、屋敷警護の時に使っていたら今頃どうなっていたか

嫌な結末が目に浮かぶ

でももしかしたらミリィが生きていたかもしれない未来もあったのかもと思う

「お前は背負い過ぎる、あれはお前でもどうしようもなかったんだ」

グレンは海斗の表情の変化を敏感に察知して先に釘を刺してきた

「どんなに力を得たとしても、時に逆らえない運命というものは存在する。それを変えることが出来るのなら、それはもう神様ぐらいならもんだ」

グレンはあの日飲んだお酒を取り出し海斗に注ぐ

海斗はそれを飲み保存の中からネットショップで買ったお酒を数種類取り出す

「コレ、皆んなで飲んで」

「お!分かってるじゃないか!」

グレンは海斗の背中をバンバン叩き、早速1本開けていた

「それで?グレン達は今何してるんだ?」

海斗達の話がひと段落し、グレンの話を聞こうとするとグレンがコップを机の上に強めに置いた、眉間にシワを寄せている表情から良くないだろうと察する

「俺達は配達業を始めたんだ」

配達業?

「街から街を移動するには魔物を倒せる冒険者が必要だろ?そして移動する人数も多いとそれだけ冒険者の数も多くなる。しかも高額ときたもんだ、だから頻繁には利用出来ない」


確かにとブリッツ王国の王都に行く時のトラブルを思い出し頷く

「だから俺達はギルドよりも安く数人単位でも利用出来る様にしてみたんだ」

グレン達は強い、屋敷で対峙した時も思ったけど戦闘方法が多岐に渡る

魔王の力には遠く及ばないがテイマーも居るみたいで魔物を3匹まで使役している人もいる

近・中・遠距離攻撃に魔物で空からもバッチリ

理想的なパーティーを組める

ギルドよりも安くと言ってもそれなりに良い金額になる。命をかけてるんだからな、グレンは良いところに目をつけたんじゃないかな?

「それで少しずつ依頼も増えていって養える子供も増えていったんだがな」

ああ、子供達が増えてた気がしてだけど錯覚じゃなかったんだ

「最近俺達の真似をしてきた奴等がいてな、仕事の取り扱いにまで発展してきたんだ」

あー、やっぱそうゆう人出てきたんだ。居るよね、儲けてそうならそれに乗っかってくる人

「奴等中々の規模でな、リーダーの手腕なのか仕事を次々と奪っていきやがって」

「こっちの景気が悪くなってると?」

ああと言いながら注いだ酒がどんどん消費されていく

ちょっとペース早過ぎないか?

「自慢じゃないが、戦力はこっちがバランス良いから安全性は高いんだ。けど相手は大人が多く、数をこなすもんだから依頼が次々と奪われている状況だ」

成る程ね、人海戦術で先に仕事を奪ってしまうのか。数が多いならリピートしやすいと


「なあ海斗、なんかいい方法はないか?子供達には苦労させずに・・育って、欲しい・・んだよ」


グレンは辛さを吐き出す様に海斗に寄りかかり、そのまま眠ってしまった


どうしようか?まさかの悩み相談になるとは思ってもなかった海斗はレオン達、ダン達と悩みながら夜は更けていく



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