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第4章 帝国編

救出作戦2

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ナビを使用しながら地下へと潜入していく

見回りが多く、どうしてもエンカウントしてしまう帝国兵にはスミレの水魔法で顔を覆い窒息させる方法と、海斗の空間の術で真空状態にして意識を飛ばす方法の2種類で静かに制圧していった

倒した帝国兵は空き部屋に縛って置き、人質の居る地下室へと辿り着いた

ドアの近くで部屋の中の状態を確認してみる

帝国兵が2人に人質が13人か・・1人が帝国兵の近くにいるせいで静かに制圧するのは難しいな

海斗はレオン達に中の状況を伝えて作戦を立てた

中に最初に入るのは海斗とレオン、他はドアの近くで待機しつつ他に帝国兵が来ないか見張りをしてもらう

皆んなに了承を貰って少しドアを開けて中を見て見ると、少女が帝国兵に殴られている姿だった。

そして剣を構え少女を斬ろうと振りかぶった時には身体が動いていた

瞬動で背後を取りビームサーベルを装着した時、少女からか細く助けてと聞こえ海斗は迷わず帝国兵の胴体を横薙ぎする

真っ二つに別れた帝国兵の後ろに現れた海斗に呆然とした表情で見つめる少女

良かった、間に合ったみたいだ。

「海斗!こっちも終わった」

振り返るとレオンがもう1人の帝国兵を斬り伏せており室内の安全を確保出来た

海斗は下級ポーションを取り出して少女と同じ目線まで座り込む

「ごめんね、遅くなった。俺達は王国から助けに来たんだ。もう大丈夫だよ、これポーションだから」

少女は安心したのか泣き出し、落ち着くまで待っているとスミレ達が中へと入ってくる。レオンと一緒に他の人質に説明をしてくれるようだ。

少女にポーションを飲ませていると

「海斗、ちょっといいか?」

レオンが困った表情でこちらを見ている。厄介ごとの香りがするんだけど

少女を起こしてレオンの所へ歩いていく

「海斗、この子の話を聞いてもらえるか?」

はい?レオンに言われた子供は10歳前後の男の子、身なりは他の人質の子よりも良い。後ろにはその子よりも小さい女の子、多分身なりと顔立ちが似てる所からして妹なんだろう

「あの、王国から助けにきたのは本当でしょうか?この人数で砦に侵入するのは不可能だと思うんですけど」

へえ、この砦ってそんなに難しい所だったんだね

「帝国兵が作った別通路から潜入してきたんだよ。今からまたそこを通って王国側へと行くつもりだから安心していいよ」

男の子は何かを考えるように俯き自分の服を胸の辺りでギュッと握り込んだ


「分かりました、彼等を救出して頂き感謝します。無事に王国側へと帰してあげて下さい。・・そしてもし我儘を聞いて頂けるなら妹を・・リナを王国へと連れて行ってもらえないでしょうか?」

「おにいさま!?」

んん?どうゆう事?

「僕と妹は王国の人間では無いです。僕の名前はアッシュ・グリント、皇帝の弟なんです」

な!?なんだってーー!?

思わずレオンと顔を見合わせる。レオンは先に名前を聞いていたのか苦笑いだ

「そ、そうなんだ・・それで何で皇帝の兄妹が人質と一緒に地下室に閉じ込められていたの?」

アッシュは俯きがちにポツリと話してくれた

今の兄は力と恐怖で支配しており帝国至上主義を掲げていた。貧富の差は広がり負けた国は搾取されていく一方

このままでは世界は暴力と混沌に満ちた世界になってしまうと思い反乱軍を立ち上げるべく協力者を水面下で集めていたのだが、兄に見つかり国の1番端の砦に幽閉されてしまったそうだ

「僕はまた反乱軍を立ち上げるべく国を回ろうと思ってます」

「な!?たった1人で集める気なのか!?」

レオンは驚いてアッシュを説得しようと話かけていく

「海斗さん、こんな小さな子供達が不幸になる世界って・・」

ヨシユキはそう言って次の言葉が出てこないみたいだけど、多分ミックやアッシュの事を考えでるんだろうね

そう言えばミックのお姉ちゃんのアリスはさっき助けた子だった。本当にギリギリだったよ

アリスにはミックの無事と依頼を受けて来た事、だから安心していいよと伝えると安心してまた泣いてしまった

うーん、取り敢えずアリス達を安全に避難させてから後の事を考え無いとダメだよね

アッシュには悪いけど妹の事もあるし一緒に行動してくれないかな?

レオンの方を見てみるとまだ説得しているみたいだ

「あのさ・・・」



カンカンカンカンカン!!!

突然甲高い鐘の音が聞こえてくる。何の音かと思い地図を見てみると帝国兵が慌ただしく動き回っている

「まさか!?ここに潜入された事に気付いたようです」

アッシュが青ざめた表情で鐘の意味を教えてくれた

もしかして縛ってた帝国兵が見つかってしまったんだろうか?どうしよう・・

「おい、海斗どうするよ?」

そりゃこっちが聞きたいよ

地下室へ当たりをつけたのか帝国兵が少しずつ集まってくる。地下室から地上に出るためにはある程度1本道だった。そこに帝国兵がなだれ込まれると非常に面倒くさい

時間が掛かれば掛かるほど面倒毎が大きくなる恐れがあるから

あ!そうだと思い地図で方角の確認を行い何も無い壁をコンコンと叩いて強度を確かめてみる

レオンはちょっと引きながら

「オイオイ、まさかとは思うんだが」

「流石はレオン!結構俺の事分かってきたんじゃない?」

レオンは慌てて皆んなを部屋の端へと避難させた

安全装置解除セーフティドライブ


「バスター」

ビームが一直線に放たれて地上へと続く大穴が出来上がる


「さて、先ずは此処から脱出だ!」
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