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第4章 帝国編
救出作戦
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海斗達はミックと別れて帝国の砦へと移動を開始した
「そう言えば、国境にはこっちの国と帝国側と砦が2つあるんだが、帝国側はどうやってこっちの砦を越えてきてるんだろうか?」
レオンが素朴な疑問を投げかけてくる
海斗は地図上でアリスを追っかけておりそのピンが途中で道を外れて山の方へと移動いていた
もしかして山を越えて砦を回避しているのかな?
レオンに聞いてみるとそれは無いと言う。レオンの指差す方向を見てみると遠くにそびえ立つ連山が見える
「あれを越えて行けると思うか?」
うん、無理だね。何千mあるんだろうか?しかもかなりの傾斜なんだそうだ
しかし、帝国兵が向かっているのなら何かあるのだろう。確認しておかないとまた同じ事が起きてしまう可能性がある
原因があるのなら潰してしまわないと
海斗達も道を外れて山の方へと移動する
帝国兵は暫く留まったかと思ったら、山を突き抜ける様に進んで行く
あの留まった所に何かあるのだろうか?
取り敢えずピン留めしておいてそこに向かって走る
暫く走りピン留めした所へと到着した。そこはかなり生い茂った深い森の中
辺りを手分けして何かないか捜索してみると
「あ!こっちに何かあるよ!」
スミレが何か見つけたみたいで全員そこへ集まると、上手く草木で隠されたトンネルの穴が見つかった。
「こんな所になんてモノを作りやがったんだよ!これじゃあ侵入し放題じゃねーか」
レオンが憎々しげにトンネルを睨む
「じゃあこれを利用して俺達も侵入し返そうぜ!そして救出した後壊してやればいいじゃん」
ヨシユキの提案に乗って海斗達もトンネルから帝国側に侵入することになった
ライトを照らして全員徒歩で移動を開始する。広さは馬車が通れる程広いのだが、バイクやキックボードだと反響音で気付かれる恐れがあったからだ
トンネルの中を調べてみるが人は配置していないみたい。頻繁に出入りしているとこっちの国にバレる可能性が高くなるからなのかな?
長いトンネルを抜けるとまた森の中に出口があり、周囲には人影は見当たらない。
出入り口を隠し、地図で確認しながら砦の近くまで進む。すでにアリスは砦の中へ連れて行かれており出来るだけ素早く救出しないといけないようだ
森の中を進みながら帝国側の砦に辿り着く
「さて、どうやって侵入するんだ?」
レオンに言われて先ずは地図で人質、一般人、帝国兵と入力してみると人質は一ヶ所に集められているみたいで10人と出ていた。ちなみ一般人は居ないようで残り全員帝国兵だった
「そんなに連れ去られてるのか!?」
憤る皆んなを宥めて、いい侵入経路がないか探しているとナビで安全な経路が出来ないかなと思って操作してみたら
・・出来たよ
ーーーーーーーーーーーー
「ここで大人しくしてろ!」
「きゃあ」
ドシャリと投げ出されたのは暗い檻の中
数日前、街で買い物をしていたら2人組に攫われてしまった。
ここに連れ去られている時もずっと弟の事を心配している。あの子はまだ小さいから私が居なくなってしまって、今頃泣いてるかもしれない
なんとかここから脱出して早く帰らねば
意を決してどうにか出れないかと見渡して見る
「無理だよ・・ここからは出れない」
私以外に人がいるの!?
部屋の隅に何人も固まって此方を見ていた
「どうして?無理なんて事は無いんじゃない?」
「ここは地下にあって、出口は君が入って来た道が1本だけなんだ。通って来た道も分からないだろ?だから誰にも気付かれる事なく脱出は無理だって事だよ」
何でそんな事を知っているのだろうか?たしかに連れ去られた時はずっと目隠しをされていた、しかもここは帝国側だと思う。
最近噂になっていた人攫いは帝国兵だと聞いていたし、さっきの兵の人の鎧も私達の国のとは違ってた
「どうしてそんな事を知っているの?」
私と同じ位の年の男の子、身なりは貴族の様な出で立ち
なのにこの部屋に入っていると言う事は私と同じ様に連れ去られて来たのだろうか?
「・・それは」
男の子は気まずそうに呟いた
「うるせーぞ!」
ドアが開き2人の男性が入ってくる。同じ鎧を着ているからさっきの兵の仲間なんだろう。私達を怒鳴りつけてきた
帝国兵の1人が私の腕を強引に掴んでくる
「何をするんだ!」
さっきの男の子が帝国兵に向かって叫ぶ。帝国兵はニヤリと笑みを浮かべ
「見せしめだ。お前らの希望を失くさせる為のな」
腰から剣を引き抜き刀身が見えた
ブルリと震えて血の気が引いていく。このまま何も出来ずに殺されてしまうのか、幼い弟を置いて
そんなの嫌だ!
「痛っ!」
アリスは帝国兵の腕を強く噛む
痛みに耐えかねて手を離したところでドアの方へと走る。が、後ろから帝国兵に蹴られ壁際へ身体を打ち付けた
「きゃあ!?」
衝撃で意識が朦朧となり視界が覚束ない
「このやろう、舐めたマネしやがって」
帝国兵に何回も蹴られ血を吐き痛みを越え意識が飛びそうになっていく。
あぁ、私・・このまま死んでしまうのかな・・お父さん、お母さんごめんなさい。ミックを頼むとお願いされたのに守れなかったよ。
帝国兵は荒い呼吸でアリスの髪を掴み上げ剣を突き付け
「誇りある帝国の俺に傷を付けやがって、貴様らクズの国のゴミ共を有効に使ってやろうとしてみたらこれだ!ゴミはゴミらしく我が帝国に搾取されればいいんだ!これはその為の見せしめだ!」
剣を大きく振りかぶる様子が見えてアリスは涙を流しながら小さな声で絞り出す
「た・・・すけて」
「ああ、任せろ」
次の瞬間帝国兵の上半身と下半身が真っ二つに分かれて落ちた
「そう言えば、国境にはこっちの国と帝国側と砦が2つあるんだが、帝国側はどうやってこっちの砦を越えてきてるんだろうか?」
レオンが素朴な疑問を投げかけてくる
海斗は地図上でアリスを追っかけておりそのピンが途中で道を外れて山の方へと移動いていた
もしかして山を越えて砦を回避しているのかな?
レオンに聞いてみるとそれは無いと言う。レオンの指差す方向を見てみると遠くにそびえ立つ連山が見える
「あれを越えて行けると思うか?」
うん、無理だね。何千mあるんだろうか?しかもかなりの傾斜なんだそうだ
しかし、帝国兵が向かっているのなら何かあるのだろう。確認しておかないとまた同じ事が起きてしまう可能性がある
原因があるのなら潰してしまわないと
海斗達も道を外れて山の方へと移動する
帝国兵は暫く留まったかと思ったら、山を突き抜ける様に進んで行く
あの留まった所に何かあるのだろうか?
取り敢えずピン留めしておいてそこに向かって走る
暫く走りピン留めした所へと到着した。そこはかなり生い茂った深い森の中
辺りを手分けして何かないか捜索してみると
「あ!こっちに何かあるよ!」
スミレが何か見つけたみたいで全員そこへ集まると、上手く草木で隠されたトンネルの穴が見つかった。
「こんな所になんてモノを作りやがったんだよ!これじゃあ侵入し放題じゃねーか」
レオンが憎々しげにトンネルを睨む
「じゃあこれを利用して俺達も侵入し返そうぜ!そして救出した後壊してやればいいじゃん」
ヨシユキの提案に乗って海斗達もトンネルから帝国側に侵入することになった
ライトを照らして全員徒歩で移動を開始する。広さは馬車が通れる程広いのだが、バイクやキックボードだと反響音で気付かれる恐れがあったからだ
トンネルの中を調べてみるが人は配置していないみたい。頻繁に出入りしているとこっちの国にバレる可能性が高くなるからなのかな?
長いトンネルを抜けるとまた森の中に出口があり、周囲には人影は見当たらない。
出入り口を隠し、地図で確認しながら砦の近くまで進む。すでにアリスは砦の中へ連れて行かれており出来るだけ素早く救出しないといけないようだ
森の中を進みながら帝国側の砦に辿り着く
「さて、どうやって侵入するんだ?」
レオンに言われて先ずは地図で人質、一般人、帝国兵と入力してみると人質は一ヶ所に集められているみたいで10人と出ていた。ちなみ一般人は居ないようで残り全員帝国兵だった
「そんなに連れ去られてるのか!?」
憤る皆んなを宥めて、いい侵入経路がないか探しているとナビで安全な経路が出来ないかなと思って操作してみたら
・・出来たよ
ーーーーーーーーーーーー
「ここで大人しくしてろ!」
「きゃあ」
ドシャリと投げ出されたのは暗い檻の中
数日前、街で買い物をしていたら2人組に攫われてしまった。
ここに連れ去られている時もずっと弟の事を心配している。あの子はまだ小さいから私が居なくなってしまって、今頃泣いてるかもしれない
なんとかここから脱出して早く帰らねば
意を決してどうにか出れないかと見渡して見る
「無理だよ・・ここからは出れない」
私以外に人がいるの!?
部屋の隅に何人も固まって此方を見ていた
「どうして?無理なんて事は無いんじゃない?」
「ここは地下にあって、出口は君が入って来た道が1本だけなんだ。通って来た道も分からないだろ?だから誰にも気付かれる事なく脱出は無理だって事だよ」
何でそんな事を知っているのだろうか?たしかに連れ去られた時はずっと目隠しをされていた、しかもここは帝国側だと思う。
最近噂になっていた人攫いは帝国兵だと聞いていたし、さっきの兵の人の鎧も私達の国のとは違ってた
「どうしてそんな事を知っているの?」
私と同じ位の年の男の子、身なりは貴族の様な出で立ち
なのにこの部屋に入っていると言う事は私と同じ様に連れ去られて来たのだろうか?
「・・それは」
男の子は気まずそうに呟いた
「うるせーぞ!」
ドアが開き2人の男性が入ってくる。同じ鎧を着ているからさっきの兵の仲間なんだろう。私達を怒鳴りつけてきた
帝国兵の1人が私の腕を強引に掴んでくる
「何をするんだ!」
さっきの男の子が帝国兵に向かって叫ぶ。帝国兵はニヤリと笑みを浮かべ
「見せしめだ。お前らの希望を失くさせる為のな」
腰から剣を引き抜き刀身が見えた
ブルリと震えて血の気が引いていく。このまま何も出来ずに殺されてしまうのか、幼い弟を置いて
そんなの嫌だ!
「痛っ!」
アリスは帝国兵の腕を強く噛む
痛みに耐えかねて手を離したところでドアの方へと走る。が、後ろから帝国兵に蹴られ壁際へ身体を打ち付けた
「きゃあ!?」
衝撃で意識が朦朧となり視界が覚束ない
「このやろう、舐めたマネしやがって」
帝国兵に何回も蹴られ血を吐き痛みを越え意識が飛びそうになっていく。
あぁ、私・・このまま死んでしまうのかな・・お父さん、お母さんごめんなさい。ミックを頼むとお願いされたのに守れなかったよ。
帝国兵は荒い呼吸でアリスの髪を掴み上げ剣を突き付け
「誇りある帝国の俺に傷を付けやがって、貴様らクズの国のゴミ共を有効に使ってやろうとしてみたらこれだ!ゴミはゴミらしく我が帝国に搾取されればいいんだ!これはその為の見せしめだ!」
剣を大きく振りかぶる様子が見えてアリスは涙を流しながら小さな声で絞り出す
「た・・・すけて」
「ああ、任せろ」
次の瞬間帝国兵の上半身と下半身が真っ二つに分かれて落ちた
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