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第4章 帝国編

合流

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その日は武器屋巡りだけで終わってしまい、防具屋は明日へと持ち越した

宿へと戻り夕食を取り部屋へと戻る。因みに海斗は1人部屋。寂しくはないよ、本当だよ

シャワーも浴びて後は寝るだけでなのだが今日の武器屋で手に入れた魔剣を使い、自身の刀も魔改造しておく。使うことはあるのかな?

夜も大分更けてきたのだが寝るにはまだ早そうだ

海斗は暇つぶしにアプリストアを開いてみる。また種類が増えたようだ。全て確認するのにも時間がかかりそう

何か便利そうなアプリがないものかとスクロールしていく


モンスターバトル・・・魔物を捕獲して育てていこう。絆を深めて進化を目指せ!

うわぁ、これダウンロードしたら魔王確定じゃん。却下で!

アグリカルチャー・ファーマー・・・農作物を作って野菜を育てよう。自分で育てた作物やお肉は美味い

ゴクリと喉を鳴らす。けどショッピングアプリがあるんだよなぁ

自分で育てるのも良いけど加工品も作物も買えちゃうし、どうしようかな

悩みながら一先ず保留、被ると使わない可能性が出てくる

うーんと悩みながら選んでいるとあるアプリに目が入った

へぇ、面白そう。アプリの内容を確認していると中々応用が効きそうだ。これなら他のアプリとかぶる事は無さそうだし

早速ダウンロードしてみる

ワクワクしながら待つ、この待ち遠しい時間も苦にはならない

ダウンロードが終了し、早速アプリを立ち上げた

相変わらずの課金なのだが今回も選べるようで運は必要ない

なので一先ず必要や物だけを課金していく。重課金民は躊躇がない

ま、盗賊から結構な臨時収入もあったしあまり気にはしないのだ

しかしこのアプリは一個が異様に高い。流石の海斗も3個目で購入を断念した

なんと盗賊から拝借したお金が無くなってしまったのだ。結構な金額だったのに

このアプリはヤバい。恐ろしい程の金喰いだ。1歩間違えば破産する

今回みたいに臨時でお金が入った時だけ購入しようと思いながらアプリをそっと閉じた

一夜明け

海斗達は防具屋の前へと来ている

見た目は大事と言う事で店内を見て回る事になりました

レオンはこの際という事で一つ上の装備にするそうだ。メアもローブを基本に質の高いのを選んでいる。

スミレはメアと同じように戦闘中はあまり動かないのでメアと一緒にローブと胸当てを探していた

ヨシユキは完全に見た目重視だ。とにかくカッコいいという物を見繕っている

どう見ても動き辛そうなんだけど

見兼ねたレオンがヨシユキにアドバイスをし始めた。うん、完全に師弟関係みたいになっているね

横目で見届けて海斗も自分の防具を選んでいく

海斗はどちらかというと動きやすや重視だ。スローモーションがあるしそこまで重装備は必要無い

なので手甲や脛当て、後は胸当てを選んでいる

良さげな装備を選んでいき、全員見繕う事が出来た。

最終的には一目惚れで選んでしまったんだけどね。ま、後で編集機能で強化していくんだけど

という訳で全員分の防具に修復機能と強化を施しておく。それを呆れた様子でレオン達が見ていた

「結局防具まで伝説級になっちまった」

レオンは自分の防具を見つめながら苦笑いをしている。

まあ、良いじゃないか。怪我する確率がグンと減ったんだし、見た目じゃ分からないからバレないよ

もう諦めたのか何も言い返す事なく防具を着込んでいた

全員冒険者らしくなったところで、盗賊を捕まえた賞金を貰おうという事になり

やってきました冒険者ギルド

中へ入ると思っていた以上に冒険者が居るね。先日も思っていたけどやっぱり王都だからなのかな?

レオン達は依頼表を見に冷やかしに行ってくると言い、海斗は1人で列へと並ぶ

捕まえたのは俺1人だけどもさ、並ぶくらい付き合ってくれてもいいのに

溜息混じりで長い行列に並んでいると

「おいおい、ここはいつから保育所になっちまったんだ?」

嫌味ったらしい声で喋っている冒険者が現れた。何かこちらの行列を見ながら喋っているけど

レオン達は全然違う場所で依頼表を見ている。自分達が巻き込まれなければ気にしないでおこう

こういう輩は無視をしてそっとしておくと勝手に揉めた相手とどっかに行ってくれるだろうと思い、聞こえないフリをしていた

「チッ!無視するとは良い度胸してるじゃねーか」

なんだ、因縁付けられた人も無視をしているのか。やるね、確かにそれが効果抜群だし

冒険者の怒気が上昇していき声が大きくなってきた

そして海斗の肩を掴み強引に向きを変えさせられる。あれ?

「手前、ふざけた真似しやがって俺を誰だか分かってんのか!」

凄い剣幕で海斗を睨んでくる。あれ?俺だったの?

「いや、初めまして?」

海斗の一言に周囲からどっと笑い声が聞こえてきた。冒険者は見る間に顔を真っ赤にさせていく

「この野郎、ぶっ殺してやる」

距離をとってグリップに手をかけた。その様子に笑っていた周りが慌てて距離を空ける

円を描くように人集りができ、中心に海斗と冒険者が残された

「冒険者同士の揉め事は禁則事項です!」

ギルド職員が人集りの外側から大声で呼びかけてくるのだが他の冒険者達に邪魔をされて近づけないようだ

もうちょっと頑張って止めて欲しいんだけど

「ハッ!手前に冒険者の厳しさを教えてやるよ。お代は手足の1本だがな・・おらっ!」

冒険者が剣を抜いて真っ直ぐ上段から振り下ろしてきた

あれ?完全に真っ二つにする勢いだよね?手足どころじゃなくない?

スローモーションでゆっくりと剣の軌道を見ながら半身で避ける

床に突き刺さった後、冒険者を見ると驚いた表情をしている。いやいや、そりゃ避けるでしょうよ

思ったより深く突き刺さったのか剣を上下し引っこ抜いていた

相変わらず周りからはヤジが飛んでくる。冒険者は剣を何度も振り回してくるがモーションが大き過ぎる。海斗は剣の腹を手で添えながら全て避け切ってみせた

「ハァ・・ハァ・・何故だ!?何故当たらない!?」

肩で息をし始めやっと距離を取ってくれる。周りのヤジも少しずつ収まっていきおかしな事に気付き始めた

「お、おい。アイツあの場から殆ど動いてないぞ!」

「というより素手で剣を捌くってなんだよ!?何で手が斬れないんだ!?」

これ以上なく目立ってきている。周りを見るとレオン達が目頭を押さえて溜息をついていた

それしたいの俺なんだけど!

さっさと終わらせよう。刀の柄を握り締め1歩踏み出したところで両者の間に影が割り込んできた

「そこまでにしようか」

「アルフさん!?」

魔剣のレイピアを持ち強制的に止められた。アルフの登場により冒険者達がおののく

おお!やっぱり王都でも有名なんだね

「ば、狂戦士バーサーカー

うわぁ、やっぱり王都でも同じ扱いなんだ

「海斗君、やるなら僕とやりたまえよ。妬けるじゃないか

君と殺りあうのを楽しみにしているのに」

コチラを向きながら笑顔で剣を向けてくる

嫌だよ。アルフさん加減しないしこの建物壊れるよ?

アルフさんと対等にしている海斗を見てやっと自分がどんな相手を罵っていたのかを理解した冒険者は腰を抜かしながら逃げていった


「ふふ、これで海斗君が絡まれる事は無くなると思うよ」


え?もしかして計算して割り込んでくれたの?何か誤解してしまったみたいだ


しかし、こちらに向けている剣が一向に鞘に収まらないのを見て前言を撤回しようと思う
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