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第3章 魔王編
魔王2
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転移したのはスーパーの店の中
見渡してみると店の中は荒らされたかのように散在している
東堂兄妹が言ったように他の人達と暫くの間留まったのだろう、生活の跡が残っていた
「懐かしいな・・」
海斗が呟く
「久しぶりに来たけど、ココにはあんまりいい思い出は無いな」
「そうだね、お兄も私も他の人達もギスギスしてたもんね」
東堂兄妹は残った人達と何かあったんだろうか?表情が暗い
まあ、この荒れ具合を見れば容易に想像出来る。俺は直ぐこの場を後にしたからね、訳も分からない所に集団で飛ばされたら絶対に荒れるだろうな
東堂兄妹は迷いその場に残る事を選択したんだろう。その選択も間違いないとは思うけど、文明に慣れた人達がいきなりサバイバルに投げ込まれるんだ。
ストレスからトラブったりしてしまうものだ。だから俺は早めにスーパーを出る選択をした。
レオン、メア、アルフさんは初めて見る物だらけに驚き、不思議そうな顔で歩き回っている
「海斗君、ここは一体?」
あ!3人にはこの場所の事言ってなかったよ。
「外に出たらあの映像に映っていた塔があるはずなんだけど」
そう言うと3人は外へ飛び出し巨大な塔を見上げていた
海斗と東堂兄妹はひと通り見回した後、何も残っていない事を確認し外に出る。
隣には巨大な塔、ここに来てから建てたにしては大き過ぎる。時間的にはあり得ない
ならばこの塔は魔王の力で造られた可能性が高い。どんな能力なのだろうか?また聞き出さなければならない事が増えたね
「このどこかに魔王がいるのか」
レオンはゴクリと喉を鳴らして緊張感を高めていく
入り口が見当たらない。たしか映像に映し出されていた場所に入り口みたいなものが見えていたので、取り敢えずその場所を目指して他にも入り口が無いかを確認しながら行こうという話になり
映像で見えた角度に差し掛かると大きな門が見えてきた
「多分あれが入り口で間違いないようだね。他には無さそうだし」
入り口の手前で話し合っていると門の上にモニターが現れて電源が入る
モニターはアナログ放送の様に砂嵐が流れていた
海斗達は警戒しながら見やすいようにちょっと離れてモニターを凝視していると画面が切り替わり昨日の広間の映像が流れた
『え?昨日の今日でもう来ているの?違う人じゃなくて?
え?映ってる?ちょ!?ちょっと待って!?』
モニターの向こうでは慌てた様子で広間の椅子に駆け上がっていく1人の男が映し出されている
椅子に掛けていたツノを装着して座り、足を組み頬杖をついた
『な、中々早かったではないか!よ、よくぞここまでやって来たな』
完全に放送事故やん
たまに生放送で流れるハプニングで見るやつ!
あまりにも早く来すぎたもんだから完全に気を抜いていたんだろうね。なんかごめん
『我が魔王城を見つけここまで来た事を誉めてやろう!ここに来るまでに色々な罠を仕掛けていたのだがこんなに早く突破されるとは思いもしなかったぞ・・
え?突破されていない?急に現れたって?何で?どうして?』
魔王は近くにいた人型の魔物から耳打ちされて素っ頓狂な声で聞き返していた
罠とか仕掛けていたんだ、ナビじゃ無くて転移で良かったよ
「何だろう、凄い間抜けな人に見えてきました」
メア、辛辣な一言だね。
普通に進行して来ていたのなら罠に引っかかったり時間を取られたりして怪我や疲労を蓄積しながら門まで来ることになっていたのだろう
そして余裕を持った魔王がドヤ顔で語るという事が予定だったんだろうね
まさか相手がスーパーに転移出来るなんて思いもしなかっただろうに
次々と予想外の事が起きるとパニックになるわな
『ま、まぁよい。この魔王城は我が力と技術の粋を集めた自慢のダンジョンとなっておる!』
おお!塔の形をしたダンジョン形式になってるんだ!
「ちっ、ダンジョンか・・厄介なものを」
レオンはダンジョンと聞いて眉間に皺を寄せた
普通ダンジョンといったら罠を解除したりや魔物を倒して地図を作成しながら時間をかけて踏破を目指すものだそうだ
ただでさえ巨大で高い塔だ。どれくらいの時間がかかるのだろうか?
「ふむ、これは少々早まったかもしれない。一旦情報を持ち帰って対策を考えた方がいいのかもね」
アルフさんは情報の取得が主で、あわよくば奇襲を仕掛けれれば御の字だったようで撤退をすぐさま選択してきた
ま、脳筋みたいに取り敢えず突撃をかますという無謀なことが無くて良かったよと、ホッとする海斗
『ふふふ、どうだ!凄いだろう!我の自信作だ。攻略出来るものならしてみるがいい!フハハハハ!』
「ちくしょう!ムカつくけど何も対策が浮かばねー」
「このダンジョンはやっぱり昨日のような魔物がウヨウヨしてるんでしょうか?罠もどんなのがあるか予想出来ないですし、通路の構造も分からなさそうですね」
東堂兄妹も悔しそうにモニターを見つめていた
流石に今回は撤退するという事に賛成し、撤退の準備と次の作戦の為に話し合っていると
『我がダンジョンは100階層になる。1つ1つの階層には凶悪な罠やボスモンスターを配備していて、上に登る為の階段は一つだけ。そして中は迷宮の様になっておる!そう簡単に攻略出来ると思わない事だな
最上階にあるこの場所の我の元へと来れるか楽しみにしておるぞ。フハハハ!』
「100階だと!?大型ダンジョン並みじゃないか!」
「これは・・ちょっと予想外だったかな」
「作戦の練り直しどころじゃないような・・」
「ちくしょう!ここまできて」
「・・海斗さん?」
スミレが画面を見て呆けている様子の海斗に気付いた
海斗は徐ろに動き出したかと思えば昨日見たのとは別の逆手持ちバズーカ を構えた。
「「「!!?」」」
全員が海斗の行動に気付き海斗と塔から全力で離れる
海斗の持つバズーカの形が少しゴツくなったかと思うと音声が聞こえてきた
《安全装置解除》
海斗が引き金を引く
《全てを飲み込みます》
そして塔の上だけを残して全てが黒い塊の中へと吸い込まれていった
見渡してみると店の中は荒らされたかのように散在している
東堂兄妹が言ったように他の人達と暫くの間留まったのだろう、生活の跡が残っていた
「懐かしいな・・」
海斗が呟く
「久しぶりに来たけど、ココにはあんまりいい思い出は無いな」
「そうだね、お兄も私も他の人達もギスギスしてたもんね」
東堂兄妹は残った人達と何かあったんだろうか?表情が暗い
まあ、この荒れ具合を見れば容易に想像出来る。俺は直ぐこの場を後にしたからね、訳も分からない所に集団で飛ばされたら絶対に荒れるだろうな
東堂兄妹は迷いその場に残る事を選択したんだろう。その選択も間違いないとは思うけど、文明に慣れた人達がいきなりサバイバルに投げ込まれるんだ。
ストレスからトラブったりしてしまうものだ。だから俺は早めにスーパーを出る選択をした。
レオン、メア、アルフさんは初めて見る物だらけに驚き、不思議そうな顔で歩き回っている
「海斗君、ここは一体?」
あ!3人にはこの場所の事言ってなかったよ。
「外に出たらあの映像に映っていた塔があるはずなんだけど」
そう言うと3人は外へ飛び出し巨大な塔を見上げていた
海斗と東堂兄妹はひと通り見回した後、何も残っていない事を確認し外に出る。
隣には巨大な塔、ここに来てから建てたにしては大き過ぎる。時間的にはあり得ない
ならばこの塔は魔王の力で造られた可能性が高い。どんな能力なのだろうか?また聞き出さなければならない事が増えたね
「このどこかに魔王がいるのか」
レオンはゴクリと喉を鳴らして緊張感を高めていく
入り口が見当たらない。たしか映像に映し出されていた場所に入り口みたいなものが見えていたので、取り敢えずその場所を目指して他にも入り口が無いかを確認しながら行こうという話になり
映像で見えた角度に差し掛かると大きな門が見えてきた
「多分あれが入り口で間違いないようだね。他には無さそうだし」
入り口の手前で話し合っていると門の上にモニターが現れて電源が入る
モニターはアナログ放送の様に砂嵐が流れていた
海斗達は警戒しながら見やすいようにちょっと離れてモニターを凝視していると画面が切り替わり昨日の広間の映像が流れた
『え?昨日の今日でもう来ているの?違う人じゃなくて?
え?映ってる?ちょ!?ちょっと待って!?』
モニターの向こうでは慌てた様子で広間の椅子に駆け上がっていく1人の男が映し出されている
椅子に掛けていたツノを装着して座り、足を組み頬杖をついた
『な、中々早かったではないか!よ、よくぞここまでやって来たな』
完全に放送事故やん
たまに生放送で流れるハプニングで見るやつ!
あまりにも早く来すぎたもんだから完全に気を抜いていたんだろうね。なんかごめん
『我が魔王城を見つけここまで来た事を誉めてやろう!ここに来るまでに色々な罠を仕掛けていたのだがこんなに早く突破されるとは思いもしなかったぞ・・
え?突破されていない?急に現れたって?何で?どうして?』
魔王は近くにいた人型の魔物から耳打ちされて素っ頓狂な声で聞き返していた
罠とか仕掛けていたんだ、ナビじゃ無くて転移で良かったよ
「何だろう、凄い間抜けな人に見えてきました」
メア、辛辣な一言だね。
普通に進行して来ていたのなら罠に引っかかったり時間を取られたりして怪我や疲労を蓄積しながら門まで来ることになっていたのだろう
そして余裕を持った魔王がドヤ顔で語るという事が予定だったんだろうね
まさか相手がスーパーに転移出来るなんて思いもしなかっただろうに
次々と予想外の事が起きるとパニックになるわな
『ま、まぁよい。この魔王城は我が力と技術の粋を集めた自慢のダンジョンとなっておる!』
おお!塔の形をしたダンジョン形式になってるんだ!
「ちっ、ダンジョンか・・厄介なものを」
レオンはダンジョンと聞いて眉間に皺を寄せた
普通ダンジョンといったら罠を解除したりや魔物を倒して地図を作成しながら時間をかけて踏破を目指すものだそうだ
ただでさえ巨大で高い塔だ。どれくらいの時間がかかるのだろうか?
「ふむ、これは少々早まったかもしれない。一旦情報を持ち帰って対策を考えた方がいいのかもね」
アルフさんは情報の取得が主で、あわよくば奇襲を仕掛けれれば御の字だったようで撤退をすぐさま選択してきた
ま、脳筋みたいに取り敢えず突撃をかますという無謀なことが無くて良かったよと、ホッとする海斗
『ふふふ、どうだ!凄いだろう!我の自信作だ。攻略出来るものならしてみるがいい!フハハハハ!』
「ちくしょう!ムカつくけど何も対策が浮かばねー」
「このダンジョンはやっぱり昨日のような魔物がウヨウヨしてるんでしょうか?罠もどんなのがあるか予想出来ないですし、通路の構造も分からなさそうですね」
東堂兄妹も悔しそうにモニターを見つめていた
流石に今回は撤退するという事に賛成し、撤退の準備と次の作戦の為に話し合っていると
『我がダンジョンは100階層になる。1つ1つの階層には凶悪な罠やボスモンスターを配備していて、上に登る為の階段は一つだけ。そして中は迷宮の様になっておる!そう簡単に攻略出来ると思わない事だな
最上階にあるこの場所の我の元へと来れるか楽しみにしておるぞ。フハハハ!』
「100階だと!?大型ダンジョン並みじゃないか!」
「これは・・ちょっと予想外だったかな」
「作戦の練り直しどころじゃないような・・」
「ちくしょう!ここまできて」
「・・海斗さん?」
スミレが画面を見て呆けている様子の海斗に気付いた
海斗は徐ろに動き出したかと思えば昨日見たのとは別の逆手持ちバズーカ を構えた。
「「「!!?」」」
全員が海斗の行動に気付き海斗と塔から全力で離れる
海斗の持つバズーカの形が少しゴツくなったかと思うと音声が聞こえてきた
《安全装置解除》
海斗が引き金を引く
《全てを飲み込みます》
そして塔の上だけを残して全てが黒い塊の中へと吸い込まれていった
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